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第四章

ラッキースケベ?

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「んん? ルーベンスさんは信仰している神様は魔神ですか?」
「自身の種族を管理されている神を敬うのは当然だろう」

魔神がバイリン国にあると聞いて大層な驚き方をしたので一応聞いてみれば、当たり前の事を聞くなと言わんばかりの表情で答えられた。

「じゃあなんで魔神の神域を知らなかったんですか?」
「どの神々の神域かなど、人間には分からないのだが」
「そうなんですか? まぁ知っても大したことじゃないか」

神々の居場所など知っても、来年はそこへ旅行に行こうかなぁ位の指標にしかならないだろうと思っていたら、ルーベンスさんの目がカッと見開いた。

「大したことではないだと? 君は自分が何を言っているのか理解しているのかね」
「え?」
「自身の種族神というのは我々人間にとって一番大切な神なのだぞ。神を蔑ろにした者がどのような末路を辿ったか…」

この世界の神様って人間への影響力がありすぎて怖い。

「でもそれと自分の種族神の神域を知ることって関係ない気が…」

言えばルーベンスさんは大きな溜め息を吐いた。
やれやれという様子に小首を傾げる。

「ミヤビ殿も言っていただろう。神域の前で祈ればより強い祝福を貰えると」
「はぁ…まぁ言いましたけど、それは年末年始だけでは?」
「分からないかね? 神域前で祈れば、それだけ神に自身の願いを届けやすいという事だ。しかも自身の種族の神ならば尚更だな」
「他の神の神域前で祈っても変わらないのでは??」
「大違いだ。神は自分の管理する人間にしか興味がないからな」
「そう言われればそう、かなぁ?」

ルーベンスさんの言うとおりのような、違うような…? 私の周りには特殊な神しかいないからよくわからない。ヴェリウスに聞けば分かるかもしれないが。

「つまり自身の種族神の神域近くに国を建てれば繁栄を約束されたようなものだ」
「へぇ…あっでもこの国は私の神域のそばにあるから、きっと繁栄するね!!」
「…君の神域のそばというのが一番不安だが」
「失礼なっ」

こう見えて神王なんだぞ!? と思いつつも自分が名ばかりの神王である事は分かっているので口には出さない。
しかし、人間が自分の神の神域を知らないのには驚いた。

「君は神としての仕事をしなくてもいいのかね」
「え? 私は大丈夫です」
「何が大丈夫なのか理解出来ないのだが?」
「私はほら、アレです。まだ新米なのでいいんです。だって生まれたの3年前ですよ。未成年は働いたらダメです」
「ふむ…神にもそのような決まりがあるのか」

納得してくれたようで何よりだ。

「さて、挨拶回りは今日中に終わらせないといけないのでそろそろ行きますね」
「そうかね。粗相の無いようにな」
「はい。あ、良かったら残りは奥様にどうぞ」
「ふむ。遠慮なく頂こう。君の持ってきてくれる物は絶品だからな。妻達も喜ぶだろう」

そんな会話をして私はルーベンスさんの部屋からリンの所へ転移したのだった。

「ーー…バイリン国に……」

苦し気な表情でそう呟く姿に気付かずに…。


◇◇◇


「「「ぎゃあぁぁぁ!!!?」」」

リンの居る所に転移。と願ったのが悪かったのか、タイミングが悪かったのか、周りを見ればムキムキの筋肉祭り。
そう。ここは湯けむりたつ大浴場。
どうやら騎士団の詰所内にあるお風呂場のようで、もくもくとたつ湯けむりの中にマッチョの男達が胸と下半身を抑えてこちらを見ている様が何とも痛々しい。

「痴女オォォォォ!!!?」

誰かが、目を剥いて叫んでいる。
それもそのはず。私の目の前には裸に下半身をタオル一枚で覆ったまだ成長過程の痩身がエロいリン君が立っていたのだ。
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