異世界で神の化身は至極最高に楽しむ。

三月べに

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01 生まれ変わる。

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 人生の目標。
 それは泥の中でも、美しく咲き誇ること。
 内なる火心ひごころを燃やし続ける。
 そういう意味を込めた作家名は、火心あいな。
 子どもの頃から、何かを描くことが好きだった。だから作家になったのは必然だったのだろう。それなりにいい作家だと自負している。たくさんの応援をもらいながら、好きなように書いていた。
 時には、自分が描く登場人物に憧れを抱いたりしていたっけ。
 だって、机にかじりついている私には、動き回り様々な感情を得る登場人物が至極羨ましかったのだ。
 あれ。なんで。私はこんなことを考えているんだけ。
 気付けば、私は座っていた。椅子に座っているように、座っていた。
 椅子には座っていないけれど、何故か腰を宙に下ろしていたのだ。
 周りは、純白と言えるほど眩しい空間がある。
 それから、何故かイチャイチャしている二人の見目麗しい男女が目の前にいた。
 夢だろうか。
 寝ながらも創作をしてしまう癖のある私には、よくあること。
 夢を鮮明に見てしまう。これ。なんの夢だろう。

「ああ、夢じゃないよ」

 男性の方が、言った。私に言ったようだ。
 多分、私が今まで見てきた、どのイケメンよりも美しい人だ。面食いすぎて美麗イラストから、海外俳優まで見てきた私が言うのだ。まさに絶世の美男だろう。
 サラサラの髪は、艶やかな黒。瞳はサファイアのような青いもの。色白の肌は、大理石のよう。恐ろしいほど整った顔で、私に笑いかけてきた。

「ようこそ。私達の愛の巣へ、なんて!」

 女性の方が、お茶目に言った。
 こちらも、絶世の美女。ふわっとしたボリューミーな髪は、桃色。ぱっちりとした瞳も、桃色だ。長い睫毛は白くて、同じく肌は色白。彼女は男性にべったりと寄り添っていた。
 二人とも、私と同じく、宙に腰を下ろしている。
 格好は、なんだか時代錯誤な服だ。まるで大昔のギリシャ人が着ていそうな服装。それもまた純白だから、この空間に溶けてしまいそう。

「神のシヴァール」
「女神のフレーア」

 なるほど。神様のカップルが降臨か。
 これは流石に初めて見る夢だ。
 格好も見ようによっては、神らしい。イメージに合う。

「だから夢じゃないよ。えっと、ここは君が本名よりも愛している名前で呼ばせてもらおうか。あいな」
「え? あ、はい……」

 思わず返事をする。確かに、そう呼ばれるのは、本名で呼ばれるより嬉しかったりする。

「覚えていないようだから、教えてあげよう。あいな。君は、死んだんだ」
「……はぁ、そうですか」
「あれ? 信じてないね、その反応」

 困ったように首を傾げる神様。
 夢の中で死んだと言われても、ね。

「最後の記憶を思い出して、あいな。何をしてた?」
「最後の記憶、ですか?」

 女神様に問われ、顎に手を当てて考える。
 目が眩む記憶が蘇った。真夏のうだるような外を歩いていた。

「あ、外出してました」

 そうだ。私は息抜きに外に出た。熱中症対策に塩分をチャージして、水を持ってひんやりするタオルを首に巻いて、歩いていたのだ。

「熱中症で死んだ?」

 死因を口にして首を傾げる。
 神様と名乗る二人は、首を左右に振った。

「熱中症になったのは、他の人。トラックの運転手だ」
「彼は目眩を起こしてしまい、運悪く……」
「私に突っ込んで……きた……」

 信号待ちをしていた私に突っ込んできたトラックが、フラッシュバックする。
 あ。死んだのだ。
 私は、その事実を飲み込む。ゆっくりだった。それでも、目の前の神様は急かさない。

「……お手数おかけしました」

 頭を下げる。けれど、私はその体勢で首をひねった。

「……これって通常の対応なんですか?」

 神様が自ら、こうして対応するものだろうか。
 些か、疑問に思った。

「いい質問をしてくれた!」

 パチンと、神様は指を鳴らす。

「実は君に頼みたいことがあるんだ」
「そうなのよ」

 にっこにっこしている神様夫婦。

「死んだ私に頼みごととはなんですか?」
「聞いてくれるの? 優しいね、あいな!」
「ええ、あいなは、とっても優しいわ!」

 そもそも神様に頼まれて断ることなんて出来るのだろうか。
 私は背筋を伸ばして、頼みごとの内容を聞くことにした。
 にっこにっこしていた二人も、真面目な表情になる。

「ずばり言おう」
「私達の化身として、異世界に行ってほしいの」

 女神様の言葉が、理解出来ずに目を瞬いていると。

「こーらー! 一人で言わないでくれよー」
「ごめんなさーい」

 きゃっきゃっと、二人が目の前でじゃれた。
 カップルがイチャついている間に、私はなんとか頼みごとの内容を理解しようと努力する。

「……異世界で……神様の化身になるんですか?」
「うわっ、露骨に嫌な顔になってる」

 神様の化身なんて、面倒この上ないイメージ。

「大丈夫だよ、何も君に仕事を押し付けるつもりはないんだ」
「そうよ、あいなは好きに生きていいの。人々を助けてもいいし、見捨ててもいいのよ」
「見捨てっ……神様がそんなこと言っていいのですか?」
「神様だって、全員に手を差し伸べるわけじゃないわ」

 女神様は、微笑んだ。
 それもそうか。もしも神様が全人類を救うなら、不運な事故も理不尽な殺人も起きない。私がいい例だ。

「なんでまた、異世界に化身を送り込みたいのですか?」
「僕やフレーアが崇拝されている世界なんだけれど、残念ながら行けなくてね。自分の手で作った世界に行けない悩ましさは、作家の君にならわかるだろう?」

 神様から視線を外し、私は周りに目をやっている。白い空間。
 ここで二人きりか。
 私に例えられたから、振り返った。確かに私は自分の世界を作っていたのだ。紙の上だけれども。
 現代日本が舞台だったり、ファンタジーな世界が舞台だったり。
 確かにその世界に行きたいと言う願望があった。特に魔法に溢れたファンタジーな世界。

「私達の代わりに、その目で見てきてほしいの。あなたが好きな幻想的な景色を楽しむだけの世界旅行もいいわね。または美しい妖精や幻獣探しなんてどーお?」

 女神様が自分の顔を両手で包みながら、私に問いかけた。
 それはそれで魅力的な提案だ。

「いいですね」
「それは快諾の言葉かい?」

 神様が青い目を輝かせた。

「あー……もうちょっと考えさせてください」

 あまり答えを急かさないでほしい。私は制止のための手を向けた。

「本当に私でいいんですか?」
「大丈夫よ! 生まれ変わらせてあげる!」
「それは光栄ですけれど」

 転生か。
 私は死んでいるのだから、当然だ。

「赤子からだと、お二人を待たせることになるのでは?」
「大丈夫よ! スタートは、そうね、日本で言う中学生くらいからよ!」
「それとも、もっと幼い方がいいかい?」
「んーそうですね。旅をする前提ならば、そこそこ体力のある歳がいいです。中学生くらいが妥当かと」

 中学生から高校生が、一番体力があった。体育があったし、それなりに運動神経が良かった。まぁ引きこもりがちになって、宝の持ち腐れとなったけれども。
 思い返して、私はまた首を傾げる。

「生まれ変わらせるって、つまりは……」
「「キャラメイク!」」

 二人は声を合わせて、私が言いたかったそれを言う。
 私をキャラメイクするのか。
 不安げな顔をしていたら、神様が自分の胸を叩いた。

「任せて! 僕達の娘のような顔立ちで、かつ君の火心が現れているようなそんな容姿を、フレーアと選んだから!」
「とびっきりの可愛い子よ! 安心して!」

 私の火心、か。燃えるような心を表す姿。
 それはぜひとも見てみたい。

「今見せるよ」

 神様二人は、立ち上がった。
 女神様の方は私の方にきて、後ろに回ると立ち上がるように背中を押される。見えない椅子から立ち上がると、目の前に立つ神様が鏡を出す。床があるところから、生えてきたのだ。高身長な神様と並ぶ大きな白い鏡。
 少女が一人、いた。
 それもとびっきりの美少女。
 まず目が行くのは、長い髪だ。ルビーレッドの輝き。宝石のように透けていて輝いてもいた。波打っていると艶やかだ。腰の長さまであった。
 瞳もまた、ルビーレッドだ。大きくてぱっちりしているのは、女神様に似ている。細い眉毛が整っていた。黒い睫毛は、神様似。おかげでアイライナーをしなくても、はっきりしている目だ。
 形のいい唇は、桜色。ふっくらした頬は、赤みが差していて、チークは不要そう。
 肌は色白で、確かに二人の娘だと言われれば、そう見えなくもない。
 白いワンピースを着た少女は、くびれがしまっていて、腕も細い。でも胸が、少女のものにしては豊満だ。女神様譲りだろうか。

「……これが、私?」
「そうよ! あいなよ!」
「どうだい? 傑作だろう?」

 自信満々な二人が、鏡に映る。こうして並べば、親子にも見えた。

「とても気に入りました。本当……自分で言うのもなんですが、傑作……」

 自分のことだから、そう言うのは躊躇してしまう。
 でも事実だ。

「はぁ、これが自分だとは……。でも化身になるならこれくらい当たり前ですよね」
「姿もそうだけれど、中身も手を加えるよ」
「中身?」

 私は聞き返した。

「先ずは魔力だ。これは神が授けるんだ、文字通り神並みの魔力だよ」
「神並みの魔力ですか……」

 恐れ多いな。
 果たして私が持ってもいいものだろうか。

「それから、ちょっと性格を変えるわ。あいなの今までの性格を少し手を加えるの。なりたい自分を目指して手を加えてあげる!」

 なりたい自分。それは魅力的な響きだ。

「でも、引き換えに失うものがある」
「……代償ですか」
「うん。支払ってもらわないとね」

 神様から言われて、ゴクリと息を飲む。
 神並みの魔力や望む性格やこうした姿を手に入れるのだ。
 どんな代償を支払うのだろうか。

「代償は、君の作家としての能力」
「えっ」
「物語を描くと言う才能を失うことになるわ」

 それは……。
 私にとって、すごく大きな代償に思えた。
 だって、それは人生を支えていたような能力だ。
 生きる糧の能力だった。それを失う。

「やっぱり、嫌?」

 女神様が、私の顔を覗く。
 でもだからこその代償なのだろう。
 新たな人生を得るための、大きな代償。
 私に支払えるのは、きっとそれくらいだ。

「……いいえ。その代償を支払います」

 一度目を閉じたあと、決意して、桃色の瞳に向かって告げる。
 女神様は微笑むと、私の頭を撫でてくれた。

「私は、自分らしく、でも今よりも正直で、堂々と自由な人になりたいです。少し傍若無人に、至極最高に人生を楽しむような自分になりたいです。異世界で神の化身になります」

 私はちゃんと望みを口にして、そして二人の頼みごとを引き受けると承諾する。

「うん! 君ならそう言ってくれると思っていたよ! あいな!」
「ありがとう、あいな!」

 二人の神様は喜んだ。女神様なんて、私を抱き締めたのだ。今の私よりも豊満な胸が当たる。柔らかい……。

「私達のことは、新しい両親だと思っていいわよ!」
「お母様とお父様……ですか」
「きゃあ! 嬉しいわ!」

 お母様、あまり締め付けないでください。

「困ったことがあれば、そう呼ぶだけで繋がるから、いつでも呼んで」

 お父様が優しく笑いかけた。
 それから、右手を翳す。

「それじゃあ準備はいいかい? 最後に手を加えて、異世界に送るよ」

 異世界に生まれ変わる準備か。
 お母様が離れたので、私は自分の胸に手を当てて自問自答をした。
 心の準備は出来ている?
 物語を描く自分とお別れだ。今までの自分とさよならだ。

「はい。お願いします」

 痛みを覚える胸を抑え込み、私はまた決意した。

「よし、では送る。至極最高に楽しむといい、あいな。いいや、我が娘よ」
「見守っているわ、あいな。愛おしい私達の娘」

 神様夫婦は、そう微笑んだ。
 純白の空間は、光ったように思える。
 白に飲まれて、何も見えなくなった。


 
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