6 / 25
06 楽しみたい旅人。
しおりを挟む私は森を歩いている。
エメラルドグリーンの木の葉をキラキラさせる森の高さは、五メートルは余裕に超えていた。射し込む陽射しが、幻想的だ。
夢心地。そうか。これは夢か。
そんな森の中で、一つの木に凭れて座っている男性を見付ける。
束ねた白金色の髪を、右肩から垂らしていた。瞳はサファイアブルー。美しい妖精、エルフと思えるくらい見目麗しい男性は、ぼんやりと他の方を見つめていた。けれど、私が近付けば、気が付いて驚いた表情をする。
「また、あなたですか」
驚くのは、無理もない。だって、もう会わないと思ってさようならと告げたのだから。
「会いたかった! ルヴィンス!」
私はそんな驚く彼を気遣うことなく、目の前で行ってしゃがみ込む。
ますます驚いたように目を見開くルヴィンス。
「……私に?」
「あなた以外にいないでしょ」
念のため、周りを確認したけれど、射し込む陽射しに溶け込んでしまいそうな森があるだけで、他に人はいない。
「つまり、あなたは意図的に私の夢の中に入ったということですか?」
解せない、と言いたげな表情でルヴィンスは確認した。
「あなたに会いたいって念じて眠ったら、この通り」
「……何故また会いたいと思ったのですか?」
「お礼が言いたかったの!」
まだわからない、と言いたげな表情のルヴィンスに笑いかける。
「ルヴィンスのおかげで、昏睡状態から目覚めたでしょう? 助かったわ。本当にありがとう」
「……私はただ、自分の夢からあなたを追い出しただけですよ」
「またお邪魔してごめんなさいね?」
素直にお礼を受け取ってくれないルヴィンスに、私はニヤリと意地悪な笑みを向けた。反省の色はなし。
ルヴィンスは仕方なさそうな笑みになり、肩を竦める。
「それにしてもあなたの夢って、幻想的ね。ここも存在する森なの?」
「そうですよ。シューベの森です」
「そうなの……」
ぽむ。私はルヴィンスの立てた右膝に自分の手と顎を乗せた。
それを凝視するルヴィンス。
「何?」
「……いえ。初めは警戒心の強い少女だと思ったのですが、意外と懐きやすいのですね」
私のこの態度で、懐かれたと判断したようだ。
「まぁ、命の恩人と言っても過言ではないから、ルヴィンスは」
「私が命の恩人ですか……ふふふ」
おかしそうに笑うルヴィンス。何がおかしいのだろうか。
ルヴィンスは、また貴族のような服装だ。首にスカーフ。白のワイシャツと青いベスト。そして黒いズボン。この格好からして、やっぱり貴族なのだろうか。
「……はぁ」
「なんですか。人の顔を見てため息なんて、失礼ですよ」
少々気分を害したようだ。
「私の中で、貴族って最悪になってるの。昏睡状態にしたのは、男爵よ。男爵。それで私の魔力を搾り取っていたの」
「男爵に囚われの身になっていたのですか。それはお気の毒に」
全然同情を込めてない言葉を返される。
「つまり、私を貴族だと推測したわけですね?」
ため息の理由を言い当てた。
「そうよ。違うの?」
「……ある意味、貴族ですけれど……」
じっと、ルヴィンスは私を見つめてきた。観察するような眼差し。いや、実際観察しているのだろう。
ルヴィンスが、私の髪に注目した。
手が伸びてきた。色白で、男性らしさがある綺麗な手。
でも私に触れる前に思い止まったように、引っ込む。
「どうやらあなたの魔力量は私を超えるようですし、その男爵が魔力を搾り取るのもわかります。それで? その男爵はどうしたのですか?」
「私と同じぐらいの間、眠ってもらったわ。おまけに悪夢に魘されるようにした」
私は、ニヤリと悪い顔をする。
それは神の化身らしかぬ表情だっただろう。
「おや。そんな悪い子だったのですか? あなたは」
またルヴィンスは、おかしそうに笑った。
「あら、心外ね。私は当然の報復をしたまでよ」
一ヶ月も眠らされて、魔力を奪われたのだ。当然の報い。
ふんっ、と鼻を鳴らす。
「アイナの方は、貴族ではないのですか?」
「私が貴族に見える?」
「そうですね、言葉遣いや言動からしてそうではないと判断しますが、なんとなく尋ねてみただけですよ」
思い返せば、初めて会った時から、ルヴィンスは言葉遣いから気品があった。少々刺々しさはあったけれど、今はない。ルヴィンスも警戒心の強い男性だったが、少しは心を許してくれていると思う。
「私は、旅人よ」
そう答えることにする。嘘ではない。
「世界を渡り歩こうと思っているの」
「世界の旅人ですか」
「まずはエンダーテイルの国の王都を目指してるわ。今はまだ最果て」
「……エンダーテイルにいるのですか」
またルヴィンスは驚いたような表情をした。
「何故驚くの?」
「……本当に旅人ですか?」
怪しまれた私は、ルヴィンスの膝から顔を上げる。
「旅人よ?」
「……しかし、私より魔力を多く持っているようですし、聖女か何かではないのですか?」
「聖女?」
吹き出した。聖女か。いい線いっている。
「聖女じゃないわ。私はただ自分らしく、正直に、堂々と自由に、傍若無人に。至極最高に人生を楽しみたい旅人よ」
私はそう答えておくことにした。
またルヴィンスの膝に手と顎を置く。
「……そうですか。……例え、聖女だとしても、今となっては関係ないですね……」
ぼそり、と独り言のように呟くルヴィンス。
「それで? ルヴィンスは? 人生にどんな目標を立てているの?」
「私、ですか?」
問うと、また驚いた反応をした。
そして、口元に手を当てて考え込んだ。それが結構長かった。
「ないの? 人生の目標」
「……ありませんね。そもそも私には……」
ルヴィンスは、言葉を止める。
「親が決めた通りの人生を歩むだけでした。人生の目標なんてものは、ないに等しい……」
ルヴィンスは過去形で語り、そして森を見上げた。
「楽しみと言えば、こっそり抜け出して、こういう光景を見付けることくらいでしたね」
また過去形。妙だ。
「ルヴィンス。あなた……もしかして、死んでるの?」
そう問わずにいられなかった。
「失礼ですね、あなたは本当に。生きていますよ」
私にサファイアブルーの瞳を向けて、答えたルヴィンス。
でもすぐに自嘲するような笑みを浮かべる。
「まだ、生きているのですよ」
そう言ったルヴィンスが手を伸ばしてきたかと思えば、指先が額に触れる。
最後に目にしたのは、儚げな笑みだった。
◆◇◆
「キュウ、キュウ」
レウの声。そっと押される感触は、もふもふ。
「んぅー……おはよう、レウ」
私は押し付けられたレウの顔をむぎゅっと抱き締めた。
陽が昇っている。朝だ。
収納空間から、干し肉と果物を取り出して、食べる。
レウに干し肉をおすそ分け。
「よし」
また歩き出そうとしたけれど、その前に。
「レウ。変身して」
試しに、ミニサイズに変身してもらう。
「キュ!」
宙返りしたレウが、白い煙をポンと出した。
かと思えば、巨体は消える。代わりに、トカゲサイズのレウがいた。
想像していたより小さいけれど、これなら街に到着しても悪目立ちはしないだろう。
「可愛い!」
掌に乗ってもらったレウを愛でながら、私は歩き出した。
たまにミニレウは飛んだけれど、やがて飽きたように私の肩で休んだ。
お昼を過ぎてから、私も飽きていた。
川沿いの道は、同じ景色に思える。
しょうがないのかもしれない。この川は一ヶ月分先まで続くようだし、至って普通の道だ。
でも何か楽しいことが起きないだろうか。
何かないかとキョロキョロしながら、歩き続けた。
でもなかなか見付けられない。
「あまりにも何もなさすぎでは?」
動物一匹も、見当たらなかった。
いや、多分川を覗けば、魚は見付けられるだろうけれど。
『それも旅のうちじゃないかい?』
『退屈も旅のうちよ、きっと』
神様夫婦は、別に構わないらしい。
一ヶ月も、眠り込んだ私を見ていて慣れたのかも。
退屈も、時には我慢しないといけないか。
諦めて黙々と歩みを進めることにした。
すると、影の中に入る。でも不可解だ。
周りには、影を作るような障害物はないのだから。
もしかして、大きな雲でも現れて、太陽を遮ったのだろうか。
私が見上げてみれば。
「えっ……」
そう声を溢す。
悠然とした様子で飛んでいるのは、ドラゴンだ。
それも、レウの十倍はありそうな巨大なドラゴン。地上にいたら山と間違えてしまいそうだけれど、その鱗は白のようだ。バサッと翼を羽ばたかせる巨大なドラゴンが、ちょうど頭上を通り過ぎたから、太陽が顔を出して目が眩んだ。
一度顔を伏せた私は、また巨体なドラゴンを見上げた。
私が行く方向に向かって、飛んでいる。
「見た!? お父様! お母様!」
『見たよ、ちゃんと』
『見たわ、ちゃんと』
「巨体ドラゴン! 一瞬、幻覚見ているかと思った! 本当にいるのね!」
「キュウ!」
自分がいると言わんばかりに、ミニレウが私の頬に顔を押し付けてきた。
「だって、レウは私が召喚したドラゴンだから、野生のドラゴンは初めて! 別腹よ!」
言い聞かせて、ミニレウの頭を指でぐりぐり撫でてやる。
「ん? 野生のドラゴン?」
私は疑問に首を傾げた。
「国の隅っことはいえ、野生のドラゴンがいてもいいのですか? それもあんな巨大なドラゴン」
『そうだねー危ないねー』
『街を襲うつもりじゃないのかしら』
のほほんとした声に似合わず、物騒な返答がくる。
「えっ!? 野放しでいいんですか!?」
『どうするの? アイナ』
『どうするの? どうするの?』
ワクワクした感じの声を出す二人。
ドラゴンと戦うこと、めっちゃ期待しているじゃないか!
「じゃあ、私は追います!」
『それなら、まずレウと変身させて、それに乗らせてもらったらどうだい?』
「名案ですね! レウ、変身!」
宙返りしたレウがボンと白い煙を撒き散らして、馬車サイズのドラゴンに変身した。そのレウの首元に座らせてもらう。
「飛べ! レウ!」
バサ。一回の羽ばたきで、今まで感じたことのない浮遊感を味わう。
ぐうううんっと一気に、上へ飛んだのだ。振り落とされまいと、しっかりとしがみ付いた。
「……!」
目にしたのは、果てしなく広がる大空。そしてどこまでも続く川。草原のある大地。
ぶつかる風で前が見えなくなってしまうので、私の周りに防壁の魔法をかけて、強風に飛ばされないようにした。
そして、この世界をその瞳に焼き付ける。
旅は、こうでなくちゃ。私は破顔した。
2
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
放蕩な血
イシュタル
恋愛
王の婚約者として、華やかな未来を約束されていたシンシア・エルノワール侯爵令嬢。
だが、婚約破棄、娼館への転落、そして愛妾としての復帰──彼女の人生は、王の陰謀と愛に翻弄され続けた。
冷徹と名高い若き王、クラウド・ヴァルレイン。
その胸に秘められていたのは、ただ1人の女性への執着と、誰にも明かせぬ深い孤独。
「君が僕を“愛してる”と一言くれれば、この世のすべてが手に入る」
過去の罪、失われた記憶、そして命を懸けた選択。
光る蝶が導く真実の先で、ふたりが選んだのは、傷を抱えたまま愛し合う未来だった。
⚠️この物語はフィクションです。やや強引なシーンがあります。本作はAIの生成した文章を一部使用しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる