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第1章 ブラッディー・ウルフのオスフィオス
06 そのブラッディー・ウルフ
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ハグれリザードっていうのは巣穴からそう遠くない場所で1匹行動しているものを指す。
元来、リザード種っていうのは群れで行動する。
特に森林に生息するフォレストと名のつくリザードは群れで狩りをすることを得意としている。
知能も高く、正直厄介なモンスターだ。
白は青が着いているからハグれリザードの討伐や捕獲が許されている。
しかし本来なら緑のパーティーでも手を焼くモンスターだ。
基本の対処はハグれを1匹狩ったらすぐ様モンスター避けをし、解体、もしくは処理をし臭いを消さないといけない。
じゃないと群れのヤツらが気付いて寄ってきちまう。
『クルルル…』
『ギャウ!!』
『な、何で…』
『見れば分かるだろう』
『罠だ。
こいつらは、私達を見つけ敢えて1匹でいた。
囮になり、誘われた所を群れで連携をし仕留め
る。それがフォレストリザードだ。覚えておけ』
すぐ様背を向かい合わせ中央にレックス達を寄せた。
自分の武器もそれぞれ構えた。
『クソっ…俺はこんな所で終わる奴じゃない…』
『レックス、今は生き残ることだけ考えろ』
『うるさい!!指図するな!うおおお!』
『やめろレックス!!』
輪から飛び出した奴は剣を構えて振り下ろした。
ガキンッ!
真正面から振り下ろした剣がモンスターに届くことは無かった。
他のリザードが止めていたからだ。
『クルルル』
『く、くそ!!このっ!』
『剣から手を離せ!』
『うあああ!!!』
レックスが叫んだと同時にリザード達が襲いかかった。
『いやだあ!!死にたく…っぎゃ!』
グシャッ
『い゛や゛だ…じに…だぐ!!』
ビシャッ
『ア゙…ア゙…』
グチョッ
『いやああああ!!』
『オスフィオス、ここは引くぞ』
『…っく!わかった』
『いやああああ!レックス!レックス!!』
『くそっ!』
仲間がやられて泣き叫ぶガキどもにあいつは眠りの矢を掠らせて眠らせ俺達は撤退を余儀なくされた。
レックスはもう助からなかった。
++++++++++++++++++++++++
ギルド支部に帰ってからガキ2人を医務室に運んだ。
幸い怪我は特になかった。
クエストは白の勝手な行動があったとはいえ、全員命がある状態での帰還が完了の条件だった。
つまり、失敗扱いだ。
『なんで!!なんでレックスを助けなかったのよ!』
『あのなぁ!元々の原因はお前らだろ!
しかもオスフィオスの言葉を無視して
リザードに向かったのは奴だ』
目を覚ましたガキ2人に俺達は責められた。
ほんと、馬鹿なガキほど嫌いだって思ったよ。
『すまない』
『いつもいつも退屈な採取クエストと弱小の下位モンスター討伐ばっかり。青ラベルになったのだってどうせ試験管に股開いたとかなんでしょ!!』
『おいっ!』
『何が100年に一度の逸材よ!何がダブルウルフよ!いつも私たちのクエストには手を出さずに見て一言お小言いうだけじゃない!!
あんたなんて…レックスを助けなかったあんたなんて人殺しよ!ダブルウルフじゃなくてブラッディーウルフの方がお似合いよ!!』
医務室はある程度隔離されてるとはいえあいつらの声は大きかった。
他の冒険者にも伝わり…奴は部下殺しの汚名を被っちまった。
----------------------
「ま、こんな事があってあいつはあんな通り名になっちまってるんだよ」
「調子乗った白が無茶して死ぬなんてのはよくある話なんだがな。そいつらが必要以上に騒いだもんだから余計になぁ」
今までの話を聞いていたフィローは苦い顔をした。
「なんだなんだぁ?フィロー、お前そんな表情してよぉ」
「いや、こう、自分に言われてるような…俺も一歩間違えたらそんな風になってたのかなって」
フィローはそう言って俯いた。
アトルムはふぅとため息を吐いた。
「言いたいことは分かる。俺らは冒険者だ。いつ死んだって可笑しくない仕事だし、レックスは自業自得だと今でも思うぜ。だがな、オスフィオスに完全に落ち度が無かったかと言えば、そうじゃない。
あいつは甘やかしすぎたんだ」
何をどう甘やかしたのだろうかとフィローは不思議に思った。
「そういうガキってのは1度痛い目見ねぇと分からねぇもんなんだよ」
厳しくすることも育てる上では大切だと言うアトルム。オスフィオスは丁寧すぎたのだ。
「でもその後、その生き残った白はどうなったんですか?」
「オスフィオスはこれ以上の指導は不可能と見て俺に一旦預けた。俺も青ラベルだったし一部始終見てたしな。」
まだその白は冒険者を続けているのかと思った。
しかし現実はそう、甘くはなかった。
ギルドは事を重く見て、追放処分とした。
「要はクビだ、クビ。偽造書類の作成にギルド職員への幻覚魔法使用。やったことが完全に犯罪レベルだ。しかも反省の色なし。当たり前だな」
ギルドは基本的に来るもの拒まずの精神だが不祥事を起こせば一発退場の厳しい世界でもある。
因みにこの事件以降、ロビーでの一部の魔法道具及び魔法の使用が禁じられた。
「馬鹿なことはしないだろうがお前も気をつけろよ」
フーパーの言葉に必死にコクコクと首を縦に振った。
元来、リザード種っていうのは群れで行動する。
特に森林に生息するフォレストと名のつくリザードは群れで狩りをすることを得意としている。
知能も高く、正直厄介なモンスターだ。
白は青が着いているからハグれリザードの討伐や捕獲が許されている。
しかし本来なら緑のパーティーでも手を焼くモンスターだ。
基本の対処はハグれを1匹狩ったらすぐ様モンスター避けをし、解体、もしくは処理をし臭いを消さないといけない。
じゃないと群れのヤツらが気付いて寄ってきちまう。
『クルルル…』
『ギャウ!!』
『な、何で…』
『見れば分かるだろう』
『罠だ。
こいつらは、私達を見つけ敢えて1匹でいた。
囮になり、誘われた所を群れで連携をし仕留め
る。それがフォレストリザードだ。覚えておけ』
すぐ様背を向かい合わせ中央にレックス達を寄せた。
自分の武器もそれぞれ構えた。
『クソっ…俺はこんな所で終わる奴じゃない…』
『レックス、今は生き残ることだけ考えろ』
『うるさい!!指図するな!うおおお!』
『やめろレックス!!』
輪から飛び出した奴は剣を構えて振り下ろした。
ガキンッ!
真正面から振り下ろした剣がモンスターに届くことは無かった。
他のリザードが止めていたからだ。
『クルルル』
『く、くそ!!このっ!』
『剣から手を離せ!』
『うあああ!!!』
レックスが叫んだと同時にリザード達が襲いかかった。
『いやだあ!!死にたく…っぎゃ!』
グシャッ
『い゛や゛だ…じに…だぐ!!』
ビシャッ
『ア゙…ア゙…』
グチョッ
『いやああああ!!』
『オスフィオス、ここは引くぞ』
『…っく!わかった』
『いやああああ!レックス!レックス!!』
『くそっ!』
仲間がやられて泣き叫ぶガキどもにあいつは眠りの矢を掠らせて眠らせ俺達は撤退を余儀なくされた。
レックスはもう助からなかった。
++++++++++++++++++++++++
ギルド支部に帰ってからガキ2人を医務室に運んだ。
幸い怪我は特になかった。
クエストは白の勝手な行動があったとはいえ、全員命がある状態での帰還が完了の条件だった。
つまり、失敗扱いだ。
『なんで!!なんでレックスを助けなかったのよ!』
『あのなぁ!元々の原因はお前らだろ!
しかもオスフィオスの言葉を無視して
リザードに向かったのは奴だ』
目を覚ましたガキ2人に俺達は責められた。
ほんと、馬鹿なガキほど嫌いだって思ったよ。
『すまない』
『いつもいつも退屈な採取クエストと弱小の下位モンスター討伐ばっかり。青ラベルになったのだってどうせ試験管に股開いたとかなんでしょ!!』
『おいっ!』
『何が100年に一度の逸材よ!何がダブルウルフよ!いつも私たちのクエストには手を出さずに見て一言お小言いうだけじゃない!!
あんたなんて…レックスを助けなかったあんたなんて人殺しよ!ダブルウルフじゃなくてブラッディーウルフの方がお似合いよ!!』
医務室はある程度隔離されてるとはいえあいつらの声は大きかった。
他の冒険者にも伝わり…奴は部下殺しの汚名を被っちまった。
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「ま、こんな事があってあいつはあんな通り名になっちまってるんだよ」
「調子乗った白が無茶して死ぬなんてのはよくある話なんだがな。そいつらが必要以上に騒いだもんだから余計になぁ」
今までの話を聞いていたフィローは苦い顔をした。
「なんだなんだぁ?フィロー、お前そんな表情してよぉ」
「いや、こう、自分に言われてるような…俺も一歩間違えたらそんな風になってたのかなって」
フィローはそう言って俯いた。
アトルムはふぅとため息を吐いた。
「言いたいことは分かる。俺らは冒険者だ。いつ死んだって可笑しくない仕事だし、レックスは自業自得だと今でも思うぜ。だがな、オスフィオスに完全に落ち度が無かったかと言えば、そうじゃない。
あいつは甘やかしすぎたんだ」
何をどう甘やかしたのだろうかとフィローは不思議に思った。
「そういうガキってのは1度痛い目見ねぇと分からねぇもんなんだよ」
厳しくすることも育てる上では大切だと言うアトルム。オスフィオスは丁寧すぎたのだ。
「でもその後、その生き残った白はどうなったんですか?」
「オスフィオスはこれ以上の指導は不可能と見て俺に一旦預けた。俺も青ラベルだったし一部始終見てたしな。」
まだその白は冒険者を続けているのかと思った。
しかし現実はそう、甘くはなかった。
ギルドは事を重く見て、追放処分とした。
「要はクビだ、クビ。偽造書類の作成にギルド職員への幻覚魔法使用。やったことが完全に犯罪レベルだ。しかも反省の色なし。当たり前だな」
ギルドは基本的に来るもの拒まずの精神だが不祥事を起こせば一発退場の厳しい世界でもある。
因みにこの事件以降、ロビーでの一部の魔法道具及び魔法の使用が禁じられた。
「馬鹿なことはしないだろうがお前も気をつけろよ」
フーパーの言葉に必死にコクコクと首を縦に振った。
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