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第1章 ブラッディー・ウルフのオスフィオス
09 そのフォレストラビット討伐クエスト
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一同は受付を済ますと何があってもいいようにと道具屋で身体回復薬に魔力回復薬などを揃え、はじめの森第3地区へと進んだのだった。
森の中を探査魔法を展開しつつ辺りを警戒しながら進んでいけば程なくしてクエストターゲットを見つける。
3人は息を潜め草陰に隠れる。
20m程先に猫くらいの大きさの深い緑色の体毛を持ち合わせた兎。フォレストラビットの5羽がモソモソと草を食んでいる。
「フィロー、ソウル。フォレストラビットは臆病なモンスターです。魔法にすごく敏感です。探査魔法を切りますので周囲警戒を怠らないで下さいね」
「分かった」
「OK」
マウニが2人に注意を促すと、フィローとソウルは目を合わせアイコンタクトを取る。
息を殺し、ソウルが自身武器である弓の弦を引き、狙いを定める。
指をパッと離した瞬間飛び出すのは5本の弓矢。
ぴくりとフォレストラビット達は反応するもその矢は瞬く間に4羽の体躯を貫き、1羽の足元に刺さった。
「フィロー!」
「任せろ!」
逃げ出す1羽を草陰から飛び出し、剣で仕留めようとする。
「おりゃー!」
「ギャアウ!」
剣がフォレストラビットに到達する瞬間、全く別の鳴き声と共にフォレストラビットが剣の先から消えた。
その原因に目を向ければそこにいるのはフォレストラビットを咥えその口を血で濡らす、胸部に宝石のような核を持つ大型の蜥蜴のような風体をしている、冒険者のほぼ全員がそう答えるであろう森の厄介者、フォレストリザードがいた。
「フォレストリザード?!」
「なんで!」
フィローとソウルの2人は驚愕するもすぐに距離をとる。
「この辺りに巣はないはずです!直ぐに撤退を… !」
「ギャウアー!」
マウニが2人に呼びかけ撤退のため、辺りを見回そうと振り向いたそこにはフォレストリザードがもう1頭いた。
そこから次々と現れるフォレストリザード。
「なんでこんなに!!」
「この辺りにフォレストラビット以外は引っかかってなかったのに…」
マウニは一歩一歩下がってフォレストリザードと距離を取る。
3人は互いのところに行こうとするもそれを別のリザードに阻まれる。
ジリジリと距離を詰められ仲間とも引き離されていく。フィローの呼吸は緊張と焦りで「ハッハッ」と浅くなっていく。
「う…あ…」
もうダメだ。食われる。
3人の誰もが思った時だった。
「ワオーーン」
狼の遠吠えが聞こえた瞬間にピタリとリザード達の動きが止まる。
そこにどこからともなく飛んできた矢弾がリザード達の核を居抜き砕いていく。
バタバタと倒れるリザード達。
呆然とその様子を見ていればリザード達はあっという間に倒されていった。
「大丈夫か?」
スタリと影が音もなく上から落ちてきた。
自分たちの目の前に現れたのは、ついこの間話を聞いたブラッディーウルフことオスフィオスだった。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
鬱蒼と茂った森の中でも黄昏時というものは分かるものでオレンジの光が顔に当たり眩しいと感じた。
「とりあえず、ここで解体処理する必要があるから今夜私はここで野営するつもりだが君達はどうする?」
はじめの森の第3地区名にいて夕方になっている場合街に着くには夜に道を戻る事になる。
緊急事態でもない限りモンスターが出没する森でその判断は良いとは言えない。
モンスター避けをして見張りを立て野宿する方がよっぽど賢明な判断だと言える。
「い、一応準備は出来てる、ます…」
フィローは話を聞いたのと先日の事もありオスフィオスに対して妙な緊張を感じて変な敬語になっている。
オスフィオスはそんな態度を気にすることも無く、そうかと返事を返した。
「あ、あの私達もここで共に夜を過ごさせて貰えないでしょうか!?」
「その方がより安全だし!!」
マウニとソウルはリザードに襲われた不安からか必死に懇願する。
オスフィオスはその様子にキョトンとした顔をする。
「君達が嫌でなければ初めから私がそう提案するつもりだった。別々に野営した所で効率的とは言えないからな」
嫌と言われればもしかしたら説き伏せていたかもしれないと可笑しそうに笑った。
噂と違う雰囲気のオスフィオスに今度は3人がキョトンとする番だった。
オスフィオスは倒したフォレストリザードを1箇所に纏めてモンスター避けを仮拠点にする角に一辺を5mほどに決め、四角形で等間隔に5個置いていく。
すると薄く白い膜のようなものが3mほどの高さとなり4人を取り囲む。
「モンスター避けをこんなに使うんですか?」
「解体の数が多いからな、解体場所と休める場所の確保のためだ」
何よりも人数も多いからと言えば、緑ラベルの3人は申し訳なさそうな顔をした。
助けてもらった上にアイテムを多く使わせてることに罪悪感を覚える。何よりモンスター避けも決して安価な品物ではないからだ。
「それより、誰か1人解体作業手伝ってくれないか。あと、残りの2人は野営準備を終わらせてくれると助かる」
オスフィオスの言葉に3人は、命令を受けた猟犬のようにピュッと動いた。
森の中を探査魔法を展開しつつ辺りを警戒しながら進んでいけば程なくしてクエストターゲットを見つける。
3人は息を潜め草陰に隠れる。
20m程先に猫くらいの大きさの深い緑色の体毛を持ち合わせた兎。フォレストラビットの5羽がモソモソと草を食んでいる。
「フィロー、ソウル。フォレストラビットは臆病なモンスターです。魔法にすごく敏感です。探査魔法を切りますので周囲警戒を怠らないで下さいね」
「分かった」
「OK」
マウニが2人に注意を促すと、フィローとソウルは目を合わせアイコンタクトを取る。
息を殺し、ソウルが自身武器である弓の弦を引き、狙いを定める。
指をパッと離した瞬間飛び出すのは5本の弓矢。
ぴくりとフォレストラビット達は反応するもその矢は瞬く間に4羽の体躯を貫き、1羽の足元に刺さった。
「フィロー!」
「任せろ!」
逃げ出す1羽を草陰から飛び出し、剣で仕留めようとする。
「おりゃー!」
「ギャアウ!」
剣がフォレストラビットに到達する瞬間、全く別の鳴き声と共にフォレストラビットが剣の先から消えた。
その原因に目を向ければそこにいるのはフォレストラビットを咥えその口を血で濡らす、胸部に宝石のような核を持つ大型の蜥蜴のような風体をしている、冒険者のほぼ全員がそう答えるであろう森の厄介者、フォレストリザードがいた。
「フォレストリザード?!」
「なんで!」
フィローとソウルの2人は驚愕するもすぐに距離をとる。
「この辺りに巣はないはずです!直ぐに撤退を… !」
「ギャウアー!」
マウニが2人に呼びかけ撤退のため、辺りを見回そうと振り向いたそこにはフォレストリザードがもう1頭いた。
そこから次々と現れるフォレストリザード。
「なんでこんなに!!」
「この辺りにフォレストラビット以外は引っかかってなかったのに…」
マウニは一歩一歩下がってフォレストリザードと距離を取る。
3人は互いのところに行こうとするもそれを別のリザードに阻まれる。
ジリジリと距離を詰められ仲間とも引き離されていく。フィローの呼吸は緊張と焦りで「ハッハッ」と浅くなっていく。
「う…あ…」
もうダメだ。食われる。
3人の誰もが思った時だった。
「ワオーーン」
狼の遠吠えが聞こえた瞬間にピタリとリザード達の動きが止まる。
そこにどこからともなく飛んできた矢弾がリザード達の核を居抜き砕いていく。
バタバタと倒れるリザード達。
呆然とその様子を見ていればリザード達はあっという間に倒されていった。
「大丈夫か?」
スタリと影が音もなく上から落ちてきた。
自分たちの目の前に現れたのは、ついこの間話を聞いたブラッディーウルフことオスフィオスだった。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
鬱蒼と茂った森の中でも黄昏時というものは分かるものでオレンジの光が顔に当たり眩しいと感じた。
「とりあえず、ここで解体処理する必要があるから今夜私はここで野営するつもりだが君達はどうする?」
はじめの森の第3地区名にいて夕方になっている場合街に着くには夜に道を戻る事になる。
緊急事態でもない限りモンスターが出没する森でその判断は良いとは言えない。
モンスター避けをして見張りを立て野宿する方がよっぽど賢明な判断だと言える。
「い、一応準備は出来てる、ます…」
フィローは話を聞いたのと先日の事もありオスフィオスに対して妙な緊張を感じて変な敬語になっている。
オスフィオスはそんな態度を気にすることも無く、そうかと返事を返した。
「あ、あの私達もここで共に夜を過ごさせて貰えないでしょうか!?」
「その方がより安全だし!!」
マウニとソウルはリザードに襲われた不安からか必死に懇願する。
オスフィオスはその様子にキョトンとした顔をする。
「君達が嫌でなければ初めから私がそう提案するつもりだった。別々に野営した所で効率的とは言えないからな」
嫌と言われればもしかしたら説き伏せていたかもしれないと可笑しそうに笑った。
噂と違う雰囲気のオスフィオスに今度は3人がキョトンとする番だった。
オスフィオスは倒したフォレストリザードを1箇所に纏めてモンスター避けを仮拠点にする角に一辺を5mほどに決め、四角形で等間隔に5個置いていく。
すると薄く白い膜のようなものが3mほどの高さとなり4人を取り囲む。
「モンスター避けをこんなに使うんですか?」
「解体の数が多いからな、解体場所と休める場所の確保のためだ」
何よりも人数も多いからと言えば、緑ラベルの3人は申し訳なさそうな顔をした。
助けてもらった上にアイテムを多く使わせてることに罪悪感を覚える。何よりモンスター避けも決して安価な品物ではないからだ。
「それより、誰か1人解体作業手伝ってくれないか。あと、残りの2人は野営準備を終わらせてくれると助かる」
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