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第1章 能力の覚醒
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#### 1. 主人公紹介と日常
鈴木裕介(すずきゆうすけ)は、35歳の冴えないIT派遣社員だった。東京の雑多なアパートの一室、狭いワンルームに一人で住む毎日は、単調で味気ないものだった。顔は不細工で、学生時代は運動音痴のいじめられっ子。クラスメートから「デブの鈴木」と陰で嘲笑され、体育の時間はいつも隅っこで息を潜めていた。恋愛経験などゼロ、もちろん童貞だ。女性の視線を感じたことすらなく、鏡を見るたびにため息をつく日々。仕事は都内のIT企業に派遣され、ルーチンワークのプログラミングを淡々とこなすだけ。年収は300万円そこそこ、休日はベッドでスマホをいじり、YouTubeやSNSで時間を潰すのが唯一の趣味だった。
夕食はコンビニ弁当かインスタントラーメン。狭い部屋の壁は薄汚れ、窓からは隣のビルしか見えない。裕介はベッドに横になり、スマホの画面をスクロールする。今日もお気に入りのゲーム実況動画を漁り、くだらないコメントを投稿しては時間を溶かす。女性の姿が映る動画を見ると、胸がざわつくが、手を伸ばす勇気などない。ただ、画面越しの彼女たちを眺め、ため息をつくだけだ。「俺みたいな男に、女が寄ってくるわけねえよな……」と独り愚痴るのが、毎晩のルーチン。孤独が骨の髄まで染みつき、眠りにつく頃には、虚無感が体を重くするのだった。
#### 2. 怪しげな動画との出会い
ある夜、いつものようにYouTubeのアルゴリズムがおすすめ動画を並べる中、裕介の目に異様な一枚が飛び込んできた。タイトルは「ハンドパワーであなたの人生を好転」。サムネイルは黒い背景に光る手のイラストで、なんとも胡散臭い。普段ならこんな詐欺まがいの動画などスルーする裕介だったが、なぜか指が止まった。「ハンドパワー? 聞いたことあるな……昔テレビで見たマリックさんかよ。今の時代にハンドパワーなんてダサすぎだろ。誰がこんなの信じるんだよ」。
裕介は嘲笑しながら画面を拡大した。マリックさん――80年代に大ブームを巻き起こした超魔術師。スプーンを曲げたり、物を浮かせたりするパフォーマンスで、「きてます! ハンドパワーです!」と叫ぶ姿が、子供心に印象的だった。あの頃は本物の超能力かと思ったが、今思えば手品のトリックだろう。動画の再生数はわずか1500回程度。コメント欄も「詐欺乙」「マリックのパクリ乙」と荒れ気味だ。「こんな馬鹿げたタイトルをつけるユーチューバーって、どんな奴だよ。逆に興味あるわ」。
暇つぶしに、裕介は再生ボタンを押した。画面が暗転し、奇妙な幾何学模様がチラチラと背景に浮かぶ。そこに現れたのは、黒いサングラスをかけた怪しげな男。マリックのパクリ丸出しだ。男は低く響く声で、「これがハンドパワーです」と言い、手をかざす。画面上でスプーンが曲がり、カードが浮かぶようなマジックが始まった。エフェクトは安っぽく、明らかにCGだ。「なんだこのクソ動画。こんなのに引っかかる奴なんて絶対バカだろ」裕介は嘲笑するようにニヤリと笑みを浮かべ、動画を途中で閉じた。残り時間はまだ半分以上あったが、気にも留めなかった。
その後、裕介は夜遅くまでお気に入りのユーチューバーの動画を漁り続けた。ゲーム実況やくだらないVlogに没頭し、ようやくベッドに潜り込む頃には、午前2時を回っていた。「明日も早いのに……」とぼやきながら、裕介は浅い眠りについた。
#### 3. 能力の初発現(電車シーン)
次の日の朝、裕介はいつものように目覚ましに叩き起こされ、眠い目をこすりながら会社へ行く準備を済ませた。狭いワンルームのキッチンでインスタントコーヒーをすすり、適当なトーストを頬張る。外へ出ると、東京の空はどんより曇り、蒸し暑い空気が肌にまとわりつく。会社までは電車で6駅。いつものように混雑したホームで電車を待ち、ドアが開くと人波に押されて乗り込んだ。
向かいに立つ女性の姿が、裕介の視線を捉えた。若い女子大生だろうか。清楚な白いブラウスに膝丈のスカート、色白の肌が朝の光に透けるように輝いている。黒髪をポニーテールにまとめ、スマホに夢中で周囲の様子など気にも留めていない。従順そうな雰囲気、裕介の好みドンピシャだ。電車の揺れに合わせて体が少し揺れ、胸元がわずかに開く。「くそ、可愛いな……触りてえ」裕介の性的妄想が疼き始める。童貞の彼にとって、こんな美女は画面越しの存在でしかなかった。
ふと、昨夜の動画を思い出した。ハンドパワー。マリックさんのパフォーマンスは子供の頃、結構好きだった。冗談半分で、裕介は下心を抑えきれず、マリックさんの真似をして彼女に向かって手を向けた。心の中で「ハンドパワー」と唱える。すると――手に、何か触れる感覚が走った。「なんだこれ?」不思議に思い、裕介は無意識にその「何か」を掴んでみた。柔らかい、何か。視界には自分の手だけが映る。何も見えないのに、掌に温かく弾力のある感触が伝わってくる。
好奇心と興奮が混じり、裕介はその柔らかい何かを軽く揉んでみた。すると、向かいの女子大生が「ひゃっ!」と小さな悲鳴を上げ、突然しゃがみ込んだ。彼女の顔が赤らみ、股間を押さえるような仕草。その一連の流れは、裕介の動作と完全にリンクしていた。「え……?」裕介は固まった。決して彼女に触れていない。距離は3メートル以上、電車の揺れでさえ届かない。痴漢か何かと勘違いしたのか、彼女は周囲をキョロキョロ見回すが、犯人は見当たらず、慌てて立ち上がる。
「まさか……」裕介の心臓が激しく鼓動した。確実に何か柔らかいものを掴んだ実感がある。彼女の反応も、まるで直接触られたかのようだ。考えているうちに目的の駅に到着。裕介は考えを振り切り、会社へ向かったが、頭の中は朝の出来事でいっぱいだった。
#### 4. 2度目の実験(オフィスシーン)
オフィスに着き、席に座っても、裕介の頭は今朝の電車での出来事で埋め尽くされていた。「もしかして、あのハンドパワーで女子大生に遠隔で触れたのか? ありえねえよ、現実的に……でも、絶対にないとは言い切れねえ」心臓の鼓動がまだ収まらない。好奇心が抑えきれず、もう一度確かめてみたい衝動に駆られた。
ちょうどその時、自分の席の前の業務用プリンターで紙を印刷するため、女性社員が背中を向けて作業を始めた。30代半ばの同僚、タイトスカートのヒップが強調され、裕介の視線を釘付けにする。「お尻、プリッとしてるな……」下心が疼く。マリックさんの真似をし、手をかざして心の中で「ハンドパワー」と唱えた。すると、再び掌に何かが触れる感触。柔らかい、布地ではなく、直接の肌のような温かさ。
裕介は試しに撫でる動作をしてみた。女性社員が「ひっ!」と小さな悲鳴を上げ、後ろを振り返る。ちょうど裕介の顔が視界に入り、彼女の目が鋭く睨みつけた。「え……?」裕介は動揺した。まずい、痴漢扱いか? 額から冷や汗が吹き出す。彼女の視線が刺さるように痛い。だが、女性社員は怪訝な顔をしつつ、前を向き直してプリント作業に戻った。それもそのはず、二人の距離は3メートル以上。物理的に触れるはずがないのだ。
裕介はほっと胸を撫でおろした。「危ねえ……今のはマジでヤバかった。でも、この距離じゃ無理だろ。誰も疑わねえよ」周囲の同僚は気づきもしない。だが、心の中は興奮でざわついていた。
#### 5. 好奇心と欲望の加速
しかし、今朝の電車での現象と同じことが、オフィスで再現された。現実的にあり得ないはずなのに、裕介は遠隔で女性社員のお尻に触れたのだ。しかも、触感は服の上からではなく、直の肌に直接触れたようなリアルさ。温かく、弾力があり、わずかな汗の湿り気さえ感じられた。「これは……マジで凄え。ハンドパワーって、本物なのかよ?」仕事が全く手につかない。画面のコードがぼやけ、頭の中は「次はどこで試す? どんな女性に触れる? 陰部とか……いや、ありえねえ」といった妄想で渦巻く。
なぜ自分がこんな能力を発揮できるのか? 昨日見た動画のせいか? いや、そんな馬鹿な。だが、絶対にないとは言い切れない。性的抑圧の爆発と好奇心が混じり、裕介の股間が熱くなる。「どんな女でも触れちまうのか? 俺の人生、変わるかもな……」倫理の壁が少しずつ崩れ始め、業務後の動画再視聴が待ち遠しくて仕方がなかった。
#### 6. 動画の再視聴
その日の業務終了後、裕介はようやくオフィスを後にし、電車に揺られながら家路についた。興奮と好奇心が抑えきれず、スマホを取り出し、視聴履歴から昨日のハンドパワー動画を探した。電車の揺れに身を任せながら、再生ボタンを押す。画面に再びサングラス男が現れ、マジックのようなパフォーマンスを披露する。嘘くさく、手をかざして物を動かす様子は相変わらずだが、今度は真剣な表情で最後まで視聴した。
動画の内容は曖昧だった。「ハンドパワーは誰にでも使える潜在能力。その使い方をマスターすれば、人生を好転させられる。潜在意識を解放し、真の自分を目覚めさせるのです」。具体的な方法など一切なく、ただ抽象的な言葉を並べ立てるだけ。裕介が知りたかったのは、そんな精神論じゃない。このハンドパワーとは何なのか? どんなことができるのか? 遠隔で触れるなんて、ありえねえだろ?
苛立ちながらも、裕介はチャンネル登録を済ませ、他の動画を漁ってみた。どれも同じような内容ばかり。サングラス男が幾何学模様の背景で手を振り、「ハンドパワーで奇跡を起こせ」と繰り返すだけ。具体性ゼロだ。コメント欄を開くと、「これは詐欺動画だろ」「マリックさんに訴えられるぞ!」「ハンドパワーって何のトリックだよ」といった、裕介と同じ感想が並んでいる。「やっぱりな……」とため息をつきながら、裕介は画面を閉じた。だが、心のどこかで、動画の男の目が自分を嘲笑っているような気がした。家に着き、ベッドでその日の出来事を反芻しながら眠りについた。
鈴木裕介(すずきゆうすけ)は、35歳の冴えないIT派遣社員だった。東京の雑多なアパートの一室、狭いワンルームに一人で住む毎日は、単調で味気ないものだった。顔は不細工で、学生時代は運動音痴のいじめられっ子。クラスメートから「デブの鈴木」と陰で嘲笑され、体育の時間はいつも隅っこで息を潜めていた。恋愛経験などゼロ、もちろん童貞だ。女性の視線を感じたことすらなく、鏡を見るたびにため息をつく日々。仕事は都内のIT企業に派遣され、ルーチンワークのプログラミングを淡々とこなすだけ。年収は300万円そこそこ、休日はベッドでスマホをいじり、YouTubeやSNSで時間を潰すのが唯一の趣味だった。
夕食はコンビニ弁当かインスタントラーメン。狭い部屋の壁は薄汚れ、窓からは隣のビルしか見えない。裕介はベッドに横になり、スマホの画面をスクロールする。今日もお気に入りのゲーム実況動画を漁り、くだらないコメントを投稿しては時間を溶かす。女性の姿が映る動画を見ると、胸がざわつくが、手を伸ばす勇気などない。ただ、画面越しの彼女たちを眺め、ため息をつくだけだ。「俺みたいな男に、女が寄ってくるわけねえよな……」と独り愚痴るのが、毎晩のルーチン。孤独が骨の髄まで染みつき、眠りにつく頃には、虚無感が体を重くするのだった。
#### 2. 怪しげな動画との出会い
ある夜、いつものようにYouTubeのアルゴリズムがおすすめ動画を並べる中、裕介の目に異様な一枚が飛び込んできた。タイトルは「ハンドパワーであなたの人生を好転」。サムネイルは黒い背景に光る手のイラストで、なんとも胡散臭い。普段ならこんな詐欺まがいの動画などスルーする裕介だったが、なぜか指が止まった。「ハンドパワー? 聞いたことあるな……昔テレビで見たマリックさんかよ。今の時代にハンドパワーなんてダサすぎだろ。誰がこんなの信じるんだよ」。
裕介は嘲笑しながら画面を拡大した。マリックさん――80年代に大ブームを巻き起こした超魔術師。スプーンを曲げたり、物を浮かせたりするパフォーマンスで、「きてます! ハンドパワーです!」と叫ぶ姿が、子供心に印象的だった。あの頃は本物の超能力かと思ったが、今思えば手品のトリックだろう。動画の再生数はわずか1500回程度。コメント欄も「詐欺乙」「マリックのパクリ乙」と荒れ気味だ。「こんな馬鹿げたタイトルをつけるユーチューバーって、どんな奴だよ。逆に興味あるわ」。
暇つぶしに、裕介は再生ボタンを押した。画面が暗転し、奇妙な幾何学模様がチラチラと背景に浮かぶ。そこに現れたのは、黒いサングラスをかけた怪しげな男。マリックのパクリ丸出しだ。男は低く響く声で、「これがハンドパワーです」と言い、手をかざす。画面上でスプーンが曲がり、カードが浮かぶようなマジックが始まった。エフェクトは安っぽく、明らかにCGだ。「なんだこのクソ動画。こんなのに引っかかる奴なんて絶対バカだろ」裕介は嘲笑するようにニヤリと笑みを浮かべ、動画を途中で閉じた。残り時間はまだ半分以上あったが、気にも留めなかった。
その後、裕介は夜遅くまでお気に入りのユーチューバーの動画を漁り続けた。ゲーム実況やくだらないVlogに没頭し、ようやくベッドに潜り込む頃には、午前2時を回っていた。「明日も早いのに……」とぼやきながら、裕介は浅い眠りについた。
#### 3. 能力の初発現(電車シーン)
次の日の朝、裕介はいつものように目覚ましに叩き起こされ、眠い目をこすりながら会社へ行く準備を済ませた。狭いワンルームのキッチンでインスタントコーヒーをすすり、適当なトーストを頬張る。外へ出ると、東京の空はどんより曇り、蒸し暑い空気が肌にまとわりつく。会社までは電車で6駅。いつものように混雑したホームで電車を待ち、ドアが開くと人波に押されて乗り込んだ。
向かいに立つ女性の姿が、裕介の視線を捉えた。若い女子大生だろうか。清楚な白いブラウスに膝丈のスカート、色白の肌が朝の光に透けるように輝いている。黒髪をポニーテールにまとめ、スマホに夢中で周囲の様子など気にも留めていない。従順そうな雰囲気、裕介の好みドンピシャだ。電車の揺れに合わせて体が少し揺れ、胸元がわずかに開く。「くそ、可愛いな……触りてえ」裕介の性的妄想が疼き始める。童貞の彼にとって、こんな美女は画面越しの存在でしかなかった。
ふと、昨夜の動画を思い出した。ハンドパワー。マリックさんのパフォーマンスは子供の頃、結構好きだった。冗談半分で、裕介は下心を抑えきれず、マリックさんの真似をして彼女に向かって手を向けた。心の中で「ハンドパワー」と唱える。すると――手に、何か触れる感覚が走った。「なんだこれ?」不思議に思い、裕介は無意識にその「何か」を掴んでみた。柔らかい、何か。視界には自分の手だけが映る。何も見えないのに、掌に温かく弾力のある感触が伝わってくる。
好奇心と興奮が混じり、裕介はその柔らかい何かを軽く揉んでみた。すると、向かいの女子大生が「ひゃっ!」と小さな悲鳴を上げ、突然しゃがみ込んだ。彼女の顔が赤らみ、股間を押さえるような仕草。その一連の流れは、裕介の動作と完全にリンクしていた。「え……?」裕介は固まった。決して彼女に触れていない。距離は3メートル以上、電車の揺れでさえ届かない。痴漢か何かと勘違いしたのか、彼女は周囲をキョロキョロ見回すが、犯人は見当たらず、慌てて立ち上がる。
「まさか……」裕介の心臓が激しく鼓動した。確実に何か柔らかいものを掴んだ実感がある。彼女の反応も、まるで直接触られたかのようだ。考えているうちに目的の駅に到着。裕介は考えを振り切り、会社へ向かったが、頭の中は朝の出来事でいっぱいだった。
#### 4. 2度目の実験(オフィスシーン)
オフィスに着き、席に座っても、裕介の頭は今朝の電車での出来事で埋め尽くされていた。「もしかして、あのハンドパワーで女子大生に遠隔で触れたのか? ありえねえよ、現実的に……でも、絶対にないとは言い切れねえ」心臓の鼓動がまだ収まらない。好奇心が抑えきれず、もう一度確かめてみたい衝動に駆られた。
ちょうどその時、自分の席の前の業務用プリンターで紙を印刷するため、女性社員が背中を向けて作業を始めた。30代半ばの同僚、タイトスカートのヒップが強調され、裕介の視線を釘付けにする。「お尻、プリッとしてるな……」下心が疼く。マリックさんの真似をし、手をかざして心の中で「ハンドパワー」と唱えた。すると、再び掌に何かが触れる感触。柔らかい、布地ではなく、直接の肌のような温かさ。
裕介は試しに撫でる動作をしてみた。女性社員が「ひっ!」と小さな悲鳴を上げ、後ろを振り返る。ちょうど裕介の顔が視界に入り、彼女の目が鋭く睨みつけた。「え……?」裕介は動揺した。まずい、痴漢扱いか? 額から冷や汗が吹き出す。彼女の視線が刺さるように痛い。だが、女性社員は怪訝な顔をしつつ、前を向き直してプリント作業に戻った。それもそのはず、二人の距離は3メートル以上。物理的に触れるはずがないのだ。
裕介はほっと胸を撫でおろした。「危ねえ……今のはマジでヤバかった。でも、この距離じゃ無理だろ。誰も疑わねえよ」周囲の同僚は気づきもしない。だが、心の中は興奮でざわついていた。
#### 5. 好奇心と欲望の加速
しかし、今朝の電車での現象と同じことが、オフィスで再現された。現実的にあり得ないはずなのに、裕介は遠隔で女性社員のお尻に触れたのだ。しかも、触感は服の上からではなく、直の肌に直接触れたようなリアルさ。温かく、弾力があり、わずかな汗の湿り気さえ感じられた。「これは……マジで凄え。ハンドパワーって、本物なのかよ?」仕事が全く手につかない。画面のコードがぼやけ、頭の中は「次はどこで試す? どんな女性に触れる? 陰部とか……いや、ありえねえ」といった妄想で渦巻く。
なぜ自分がこんな能力を発揮できるのか? 昨日見た動画のせいか? いや、そんな馬鹿な。だが、絶対にないとは言い切れない。性的抑圧の爆発と好奇心が混じり、裕介の股間が熱くなる。「どんな女でも触れちまうのか? 俺の人生、変わるかもな……」倫理の壁が少しずつ崩れ始め、業務後の動画再視聴が待ち遠しくて仕方がなかった。
#### 6. 動画の再視聴
その日の業務終了後、裕介はようやくオフィスを後にし、電車に揺られながら家路についた。興奮と好奇心が抑えきれず、スマホを取り出し、視聴履歴から昨日のハンドパワー動画を探した。電車の揺れに身を任せながら、再生ボタンを押す。画面に再びサングラス男が現れ、マジックのようなパフォーマンスを披露する。嘘くさく、手をかざして物を動かす様子は相変わらずだが、今度は真剣な表情で最後まで視聴した。
動画の内容は曖昧だった。「ハンドパワーは誰にでも使える潜在能力。その使い方をマスターすれば、人生を好転させられる。潜在意識を解放し、真の自分を目覚めさせるのです」。具体的な方法など一切なく、ただ抽象的な言葉を並べ立てるだけ。裕介が知りたかったのは、そんな精神論じゃない。このハンドパワーとは何なのか? どんなことができるのか? 遠隔で触れるなんて、ありえねえだろ?
苛立ちながらも、裕介はチャンネル登録を済ませ、他の動画を漁ってみた。どれも同じような内容ばかり。サングラス男が幾何学模様の背景で手を振り、「ハンドパワーで奇跡を起こせ」と繰り返すだけ。具体性ゼロだ。コメント欄を開くと、「これは詐欺動画だろ」「マリックさんに訴えられるぞ!」「ハンドパワーって何のトリックだよ」といった、裕介と同じ感想が並んでいる。「やっぱりな……」とため息をつきながら、裕介は画面を閉じた。だが、心のどこかで、動画の男の目が自分を嘲笑っているような気がした。家に着き、ベッドでその日の出来事を反芻しながら眠りについた。
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