【官能小説】世の中の奇妙な物語 -- ハンドパワー --

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第4章 裁きの触手(逮捕と結末)

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#### 黄金期の終わりと知らぬ深刻化

それから一年の月日が流れた。裕介は突然訪れた人生の黄金期を満喫していた。気に入った娘を発見すれば、中出しする。裕介を止めるものは何もなかった。街角の美女、電車内のOL、公園の主婦――ポータル接続の能力を駆使し、遠隔で膣内に精液を注ぎ込む快楽に溺れていた。すでに何人の娘に中出ししたか覚えていない。数えればおそらく三桁人数は達しているだろう。毎回の射精が、裕介の支配欲を満たし、童貞の過去を嘲笑うように、彼の自信を膨張させていた。

裕介は習慣だった帰宅後のベッドに寝転がりスマホをいじり暇つぶしすることも無くなった。夜遅くまで外で遊び、帰宅すれば寝るだけの習慣に変わっていた。AVもYouTubeも過去のもの。現実の獲物がすべてだ。例の動画もあれ以降見ていない。今の裕介にはそんなことはどうでもよかった。「警告? 笑わせるな。俺は神だ」そう思い、裕介はさらに大胆に振る舞っていた。

裕介の知らないところでは事態は深刻になっていた。警察署では不可解な事件の捜査が行われていた。複数の女性が見知らぬ間に妊娠して相談に来ていた。共通点は「性交の記憶がない」「突然の異常な快感と腹部の違和感」。被害者は20代のOLから地下アイドル、主婦まで多岐にわたり、妊娠検査で陽性反応が出た女性が数十人に上る。DNA鑑定で父親の遺伝子は調査され、人物の特定も完了していた。すべてのケースで、父親のDNAが一致する男――鈴木裕介。警察のデータベースに残る過去の軽微な記録(万引きの前科)と照合し、容疑者のプロファイルが浮かび上がった。

後は犯人の手口や動機などが固まれば逮捕状が発行される仕上げの段階だ。捜査官たちは頭を抱えていた。「遠隔妊娠? ありえねえ……薬物か催眠術か?」被害者の証言を集め、SNSで被害者グループが形成され、メディアの噂が広がり始めていた。小林結衣のケースが突破口となった。彼女の妊娠発覚が、事件の連鎖を繋いだのだ。

#### 突然の訪問と警察の登場

ある日の平日の朝早く、裕介は玄関のインターホンの音で目が覚める。昨夜遅くまで街を徘徊し、帰宅後に寝入ったばかりだ。インターホンは何度も執拗に押され、裕介の応答を促す。ブザーの音が部屋に響き渡り、裕介はイラつきながらベッドから起き上がった。「誰だよ、こんな朝っぱらから……」不機嫌になりながら、インターホンのモニターを覗く。画面に映ったのは、スーツ姿の男二人。制服警官が後ろに控えている。

裕介はゆっくりとドアを開けた。男の一人が名刺を差し出し、低い声で言った。「鈴木裕介さんですね? 警視庁の者です。少しお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」裕介の心臓が一瞬止まった。「警察? 俺、何かしたか?」顔色が変わる。男は穏やかだが鋭い目で裕介を観察し、「突然すみません。ご近所トラブルではなく、ちょっとした事情調査です。署まで来ていただけますか? 車で送りますよ」。もう一人の男が「任意ですが、協力をお願いします」と付け加える。



裕介は動揺を隠し、「え、何の話ですか? 俺、関係ないですよ」とごまかしたが、男たちは動じない。「詳しくは署で。時間はかけませんから」。裕介の頭に、過去の軽犯罪がよぎるが、能力のことはバレていないはずだ。「わ、わかりました……」渋々了承し、着替えて車に乗り込んだ。パトカーではない私用車で、警視庁の署へ向かう道中、裕介は汗を拭きながら窓の外を眺めた。「まさか、能力のせいか? いや、ありえねえ……」不安が胸を締め付ける。

#### 連行と事情聴取の始まり

署に到着すると、裕介は小さな取調室に通された。灰色の壁、無機質なテーブルと椅子。向かいに座った捜査官は、40代のベテラン風の男で、穏やかな口調で自己紹介した。「私は刑事部の佐藤です。今日はお時間をいただきありがとうございます。単刀直入に聞きますが、鈴木さん、最近女性関係で何かトラブルはありませんか?」裕介は首を振る。「いや、全然。俺、独り身ですよ。仕事ばっかりで」。



佐藤はファイルを広げ、淡々と続ける。「実は、複数の女性から相談がありまして。皆さん、突然の妊娠で困惑しているんです。共通点があってね……父親のDNAが、あなたと一致するんですよ」。裕介の顔が青ざめた。「え? そんな……俺、女の人と関わりないですよ! 冗談じゃない!」佐藤は写真をテーブルに並べる。小林結衣の顔写真、妊娠検査の報告書。「この女性、小林結衣さん。あなたの会社の後輩ですよね? 彼女の胎児のDNAが、あなたのものと99.99%一致。どう説明します?」裕介は言葉に詰まる。「知らない! 俺、そんな……」。

捜査官はさらに追及。「他の被害者も数十人。地下アイドルの子、公園の主婦……皆、性交の記憶がないのに妊娠。あなたのアリバイは? 最近の行動は?」裕介は汗だくになり、「仕事です! 俺、普通のサラリーマンですよ!」と叫ぶが、佐藤は冷静だ。「任意同行から事情聴取に切り替えます。弁護士を呼ぶ権利がありますが、どうしますか?」裕介はパニック。「待って、俺、何もしてない!」。だが、捜査官たちは容赦なく手錠をかけ、正式に連行した。「鈴木裕介、不同意性交等罪の疑いで逮捕します。黙秘権がありますが、事実を話した方がいいですよ」。

#### 警察署での事情聴取と逮捕の流れ

警察署の取調室に移され、裕介は本格的な事情聴取を受けた。佐藤刑事と若い女性捜査官が交互に質問を浴びせる。「小林結衣さんの妊娠、どう説明する? あなたと物理的に接触した記録はないのに、DNAが一致するんですよ」。裕介は震える声で「知らない! 俺、彼女に触れたことすらない!」と否定するが、佐藤は証拠写真を突きつける。「この日、会社の監視カメラにあなたが彼女の席を凝視している映像があります。異常な行動です」。女性捜査官が加わる。「他の被害者も、あなたの行動範囲と一致。公園、ファミレス、ライブ会場……すべてに目撃情報が」。

裕介は耐えきれず、能力のことを漏らし始める。「待って、俺にハンドパワーって能力が……遠隔で触れるんです! 信じてくれ!」捜査官たちは顔を見合わせ、佐藤がため息をつく。「ハンドパワー? それは妄想ですね。精神科の診断書を出しましょう。ですが、DNAは嘘をつきません」。裕介は叫ぶ。「本当だ! YouTubeの動画で手に入れたんだ!」だが、捜査官は録音を止め、「自白は有効です。不同意性交等罪、複数回の強姦罪に該当。逮捕状はすでに発行済み」。

逮捕の流れは迅速だった。身柄を拘束され、所持品を没収。指紋採取、写真撮影、体液サンプル採取。裕介は独房のような留置場に放り込まれ、「弁護士を呼べ!」と叫ぶが、応答はない。夜通し、頭の中で能力を試すが、ポータルは開かない。疲労と恐怖で、裕介は壁に寄りかかり震えた。「バレた……どうして……」。

#### 被害者・小林結衣の状況と反応

被害者の小林結衣の状況は、事件の象徴だった。入社1年目の22歳、清楚な黒髪と幼い顔立ちで社内の人気者。妊娠発覚は生理の遅れから始まった。検査キットで陽性反応が出、病院で確認すると、胎児のDNA鑑定を即決意。「彼氏なんていないのに……どうして?」パニックに陥り、吐き気と不安で会社を休みがちになる。記憶にない「突然の熱い感覚と射精のような違和感」を思い出し、恐怖が募る。「誰かに犯された? でも、誰も触れてない……」。

警察に相談したのは、SNSで似た被害者の投稿を見たから。女性グループのチャットで「身に覚えのない妊娠、異常な快感の記憶」と共有し、勇気を出して署へ。事情聴取で涙ながらに語る。「あの日のオフィスで、股間に熱いものが……先輩の鈴木さんが近くにいたけど、関係ないと思ってた。でもDNAが……」結衣の反応は絶望的だった。妊娠中絶を検討したが、胎児の命に罪悪感を抱き、産む決意。「犯人は許せない。絶対に捕まえてほしい」彼女の証言が、捜査の鍵となり、他の被害者(アイドル、主婦)とのつながりを明らかにした。結衣はカウンセリングを受けながら、社内の噂に耐え、強くなる。「この子を育てて、犯人を許さない」。

#### 裁判でのやり取り

裁判は数ヶ月後、東京地裁で始まった。不同意性交等罪(刑法177条)の連続犯として起訴され、検察は「超常的な手段による性的暴行」と認定。裕介は公判で能力を主張。「ハンドパワーで遠隔中出ししたんです! 動画の男がくれた能力だ!」だが、裁判官は「妄想性障害の可能性」と一蹴。検察側が証拠を並べる。「DNA一致率99.999%、被害者30名以上。行動パターンと一致。監視カメラ映像で異常行動を確認」。弁護側は「精神疾患による幻覚」と主張するが、精神鑑定で「責任能力あり」と診断され、無効。



被害者側の証言が痛烈だった。小林結衣が証言台で涙ながらに。「あの日のオフィスで、突然膣内に熱いものが……妊娠を知った時、世界が崩れた。鈴木被告の視線を思い出すだけで吐き気がします」。他の被害者も「公園で家族の前で」「ライブ中ファンが見てるのに」と陳述。検察の論告求刑は懲役15年。弁護側は「初犯、反省の色なし」と減刑を求めるが、裁判官は「悪質な連続性交犯罪、被害者の精神的苦痛を考慮」と実刑判決。裕介は「嘘だ! 俺の能力を信じろ!」と叫ぶが、法廷は冷ややか。判決後、即時拘置。

#### 投獄の場面

裕介が投獄される場面は、雨の降る東京拘置所だった。判決確定後、手錠と腰縄で繋がれ、護送車で移送される。窓から見える街並みが、かつての縄張りを嘲笑うように過ぎ去る。拘置所到着後、厳重なセキュリティチェック。服を剥ぎ取られ、全裸で体腔検査。「何すんだよ!」と抵抗するが、看守の無表情な手が容赦なく進む。剃髪、制服着用、独房へ。灰色の壁、固いベッド、24時間の監視カメラ。裕介は独房の隅で膝を抱え、「ハンドパワー……開けよ!」と手を振るが、何も起きない。能力は消えていた。もしくは、抑圧された精神が封じたのか。

夜、独房の闇で裕介は独り言つ。「動画の男の警告……強欲は破滅か。くそ、俺の人生、終わりだ」窓から見える星空が、かつての自由を思い起こさせる。投獄初日、裕介は壁に頭を打ちつけ、泣き崩れた。外の世界では、被害者グループが支援団体を形成し、メディアが「謎の連続妊娠事件」を報じ続ける。裕介の黄金期は、冷たい鉄格子の中で永遠に終わった。
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