162 / 474
11巻
11-2
しおりを挟む
◇◇◇◇◇◇
アシュトたちがエルダードワーフの穴倉に到着した頃。
ミュディ、ミュア、ライラ、アーモ、ネマの五人は、大きな荷物を屋敷前に置いた。
荷物はディミトリがベルゼブブの宿に運んでおくというので、ミュディたちはほぼ手ぶらだ。
ミュアとライラは、緑龍の村で一番の癒し系魔獣である、真っ白なニコニコアザラシを背中に背負っていた。正確にはニコニコアザラシを模したリュックだ。
「にゃぅぅ~ん♪ たのしみー!!」
「わぅぅん♪ たのしみだねー」
二人はリュックから飴の瓶を取り出し、蜂蜜飴を一つ頬張る。
このニコニコアザラシリュックもミュディの新作の一つだ。子供向けに作った商品で、ベルゼブブで紹介する新作の一つである。
ネマとアーモは上機嫌だった。
「ディミトリが紹介する宿に高級バーってのがあるみたいよ。ねぇアーモ」
「お酒、タダで飲めるみたいね。ふふ、男どもには悪いけど楽しみましょ。ああ、もちろんミュディも一緒にね」
「え!? わ、わたし、お酒はあんまり」
「たまにはいいじゃない。ねぇネマ、女同士お喋りしましょ」
どうやら、拒否は難しい……でも、たまにはいいかもしれない。
屋敷の前で話していると、迎えのディミトリがやってきた。そして見知った顔も。
「おはようございます。皆様、お待たせしました……これより皆様を魔界都市ベルゼブブにご招待」
芝居がかった口調のディミトリを押しのけ、リザベルが前に。
「皆様の案内役を務めさせていただきますリザベルです。よろしくお願いいたします」
「あ、ちょ、リザベル!? ここはワタクシの」
「では、魔界都市ベルゼブブにご案内」
「ちょ!?」
リザベルが指をパチッと鳴らすと、ミュディたちの足下に魔法陣が展開……一瞬の浮遊感を感じたと思ったら、景色がパッと切り替わった。
「到着です。ようこそ、魔界都市ベルゼブブへ」
ミュディたちの視界いっぱいに、大きな塔みたいな建物が飛び込んで来た。
魔界都市ベルゼブブ。
ミュディたちが転移した場所は、ディミトリ商会総本店である巨大施設の屋上だった。
ビッグバロッグ王城よりも大きな『塔』の上から町を眺めるような形になり、いきなりの光景にミュディはちょっとだけフラッとした。
「っひ、あわわ……」
「にゃあ!! 高いー!!」
「わふぅ……すごーい!!」
「驚いたわね……村の図書館みたいな『塔』がいっぱいあるわ」
「ネマ、あそこ。四角い箱が動いてる……中に人がいるわね」
各々が塔の上から町を見下ろし感想を述べる。ミュディだけへたり込んでしまったが。
町を見下ろすだけでなく正面を見る。なんと、似たような塔がたくさん立っている。
ビッグバロッグ王国よりも発展した大都市の様子に、ミュディは文字通り腰を抜かした。
「皆様。まずは本日のお宿にご案内いたします。本日はお休みいただき、明後日から完成式典の打ち合わせをしますので、それまでごゆっくりおくつろぎください」
リザベルが言うと、ディミトリが「あっ、ワタクシの役目……」とぼやく。
ミュディはアーモに起こされ、屋上から下の階に移動する。
「にゃう。せまいー」
「昇降機です。これに乗ればすぐに一階まで降りられます」
狭い箱の中に入って数十秒、箱の扉が開くと『ディミトリ商会総本店』の一階部分に到着した。
「わぁ~……すごい」
「わう!! みてみて、あそこにミュディの服がある!!」
ライラが指差した場所には『ミュディ・ブランド』と書かれた看板が吊るされ、フロアの一角に服や小物が陳列されている。どれも見覚えのあるものばかりだし、それよりも驚いたのは人の多さだった。
大勢の人が、ミュディの作った小物やバッグを手に会計に向かっている。
「な、なんか嬉しいけど……ちょっとくすぐったいかも」
「わふ? ミュディ、かゆいの?」
「そ、そうじゃないんだけど……あはは」
すると、ミュアがアーモに抱きかかえられた。
「にゃあ!!」
「こら、勝手に行かないの。迷子になっちゃうでしょ?」
「でも、お菓子いっぱい……」
「あとでいくらでも食べさせ……うーん、村長やシルメリアに怒られちゃうかな」
「にゃうー」
「まったく……しょうがない、少しだけね」
ミュアを抱えたアーモ。だがネマが「あそこ、お酒いっぱいあるよ」と言うと目を光らせ、ミュアにジト目で見られて赤面していた。
ミュディも知らないブランド商品があるスペースもあり興味をそそられたが、まずはリザベルの案内で宿へ向かうことに。
店から出ると、大きな車輪の付いた箱……魔道車が止まっていた。
運転手らしき悪魔族がドアを開ける。
「ではご乗車ください。宿へご案内します」
「にゃうー!! おもしろそう!!」
「わん!! ミュア、乗ろう!!」
ミュアとライラが飛び込み、アーモとネマが乗り込んで子供たちを抱っこする。
ミュディも乗り込み、最後にリザベルが乗り込む。
「では、出発します」
魔道車はゆっくりと走り出し、五分ほどで目的地に到着した。
車から降りるとそこは、どこか宮殿を思わせる造りの豪華な建物だ。
「こちらが皆様の滞在する宿、『ホテル・グランディミトリエ』でございます。その名の通りディミトリ商会の建物ですので、気兼ねなくお過ごしください」
運転手が言うが、ミュディには聞こえていなかった。
「す、すごい……お城よりすごい」
「にゃおお……なんかキラキラしてるー」
「くぅん。ぴかぴか」
宿内は広いホール、ソファやテーブルは豪華なもので、受付カウンターですら気品を感じる。
ミュアとライラはロビーのソファにダイブし、アーモとネマは周囲を観察している。ミュディはリザベルから部屋の説明や食事する場所などを聞いていた。
「食事は一階にあるレストランでいつでもお召し上がりいただけます。レストラン内では生オーケストラで音楽を楽しみながら食事ができます。そして最上階はバーとなっておりまして、夜景を楽しみながらお酒も楽しめます」
「こ、言葉もないですね……すごい」
「飲食代は全て無料。滞在費と遊興費も支給します。よろしければ明日、ベルゼブブの町を観光されてはいかがでしょう? 差し支えなければ私がご案内しますが」
「お、お金まではちょっと……その、申し訳ないというか」
「その心配はまったく不要です。ディミトリ商会はミュディ・ブランドの総売り上げ金だけで昨年度の総売り上げをすでに超えている状況ですので。会長からも『お金に関する心配はまったく不要。全ての経費はこちらで持つ』と命令を受けておりますので」
「は、はぁ……」
趣味で始め、自分が好きなデザインをして作ったものがここまで評価されていることに、未だにピンとこないミュディだった。
少しだけ悩んだが、ミュアとライラが尻尾をフリフリしてミュディを見つめていたので、好意に甘えることにした。やはり可愛い子には弱い。
「じゃあ、お願いします」
「かしこまりました。では明日、お迎えに上がりますので」
リザベルは一礼して帰っていく。
ホテルの従業員がミュディたちをスイートルームに案内した。
やはり、スイートとなると豪勢で言葉もない。ミュディ、ネマとアーモ、ライラとミュアの三部屋で部屋を準備していたようで、荷物もすでに届いていた。
荷物を確認していると、ミュアたち四人がミュディの部屋へ。
「にゃう。たんけんしたいー」
「ここ、キラキラして面白そう!!」
ミュアとライラは尻尾がこれでもかと揺れている。
案内してくれた従業員の説明では、ホテル内にも飲食店やお土産屋が充実しているらしい。そろそろお昼が近いので、昼食をホテルで食べることにした。
「じゃあ、みんなでご飯を食べに行こうね」
ミュディの提案で、女五人はホテルの地下飲食店街へ。
ホテルの地下には多数の飲食店が店を構え、お土産屋も充実していた。
レストランは上層、地下は大衆客が入るような飲食店で、酒場やちょっと洒落たバーもある。お昼ということでどのお店も賑わいを見せている。
「わぅぅん……すごいいっぱい!!」
「ほんとだ……悪魔族だけじゃなくて、獣人や蟲人もいる。ベルゼブブが他種族の受け入れに寛容ってリザベルが言ってたけど……すごいなぁ」
ミュディは感動した。するとミュアが袖を引っ張る。
「にゃあ。ごはんー」
「あ、ごめんね。アーモさん、ネマさん、何か食べたいのあります?」
ネマは周囲の店を見回し、一軒の店を指さす。
「とりあえず、初日だし無難な食堂でいいんじゃない? アーモは?」
「あたしもどこだっていいさ。子供たちはどうしたい?」
「にゃあ。甘いのたべたい」
「くぅん。わたしもー」
「じゃあ、デザートに甘いの食べよっか」
ネマが指差した店は、一般的な食堂だった。
パスタや肉の種類が多くあり、ミュディたちは各々好きなものを注文。ミュディはサンドイッチ、アーモとネマは肉、ミュアとライラはパスタを注文。デザートにパフェを頼んだ。
子供たちはパフェを美味しそうに食べ、ミュディは食後の紅茶を飲んだ。
「夕飯はレストランで食べようね」
「わぅぅ。レストラン……」
ライラは楽しみなのか尻尾が揺れている。すると、ネマが言う。
「そういえば、部屋にドレスが掛けられてたね」
「ええ。あたしにピッタリなんだけど、何に使うのかね」
「あ、わたしもー」
「にゃあ。わたしもあったー」
「それ、レストランで着るドレスですね。ドレスコードっていうのがあるんだと思います」
格式の高いレストランではドレスを着なくてはならないとミュディは知っている。ディミトリが手配したものだろうかと思い、部屋に戻って確認することにした。
食事を終え、飲食店やお土産屋を見て回り、一行は部屋に戻った。
確かに、ミュディの部屋にもドレスが掛けられている。しかもサイズはピッタリだ。
「レストランかぁ……そういえば、お姉様と一緒に何度か行ったっけ」
ちょっとだけ、ビッグバロッグ王国が懐かしくなったミュディだった。
ドレスに着替え、『ホテル・グランディミトリエ』が誇る最高級レストランで食事を終えたミュディたち。
ビッグバロッグ王国で、高級料理の出る晩餐会に参加したことがあるミュディですら圧倒された。
食事内容はもちろん、食器からテーブルクロスに至るまで全てが高級品。ビッグバロッグ王国の王城にあるダイニングルームですら霞む光景だった。
ちなみに、ここで使われている食器や皿が、全て緑龍の村で作られたものだとミュディは気付いていない。
アーモとネマはドレスが鬱陶しいのか顔をしかめているが、出てくる料理は全て平らげる。ミュアとライラは最初こそ興奮していたが、料理の説明と味で参ってしまい、最後のデザート以外は静かだった。
明日はお菓子屋さんに連れていこうとミュディは誓い、そのことを二人に話すととても喜んでいた。
子供たちを部屋に送り、お風呂に入れてあげるとすぐに寝てしまった。
かなりはしゃいでいたし疲れていたのか、二人並んでベッドで寝息を立てる姿はあまりにも可愛らしく、ミュディもそこに交ざって寝たいくらいだった。
二人を寝かせたミュディは自室に戻ろうとして……ネマに引き留められる。
「ミュディ、ちょっと付きあいなさいよ」
「はい?」
「お酒。ふふ、たまには女同士でお話ししましょ。まだ夜はこれからよ?」
「は、はい……お、お手柔らかにお願いします」
ネマに連れていかれたのは昇降機前。そこにはアーモがいた。
「上にあるわ。聞いたら、あたしたちの貸し切りでいいみたい」
「わお、それは嬉しいね」
「か、貸し切り……こんな立派なところで」
「さ、行くわよ二人とも」
アーモが昇降機に乗り込み、ミュディとネマも乗る。すると昇降機内にいた悪魔族女性が案内してくれた。
「それでは、上に参ります」
今夜は長くなる……なんとなく、ミュディはそう感じた。
最上階のバーは、とても豪華で……もうミュディは表現することを諦めた。
ビッグバロッグ王国とは違う。アシュトと帰省した時にお酒を飲みに行ったバーとは雰囲気が違った。
室内にはミニ噴水があり、壁には大きな水槽が埋め込まれ魚が泳いでいる。水槽内ではキラキラした石や水草が揺れ、まるで絵画のようだった。
椅子やテーブルも豪華な装飾が施され、ミュディたちは窓際の一番いい席に案内された。
「わぁ~……すごい!!」
窓の外は、まるで宝石箱……ベルゼブブの町の明かりがキラキラと輝いていた。
ミュディが外の景色に見とれていると。
「この子には弱めの……そうね、甘いのをお任せで」
「あたしとアーモはキツイのをよろしくね」
「かしこまりました」
いつの間にかウェイターが来ていた。ネマは飲んでいないのにごきげんだ。
「ふふ、飲み放題だって。ディミトリも粋なことするわね」
「ミュディ、勝手に頼んじゃってごめんね。なんか声掛けづらくって」
「い、いえ。ありがとうございます」
アーモにお礼を言うと、お酒が運ばれてきた。おつまみに綺麗なチコレートがいっぱい並ぶ。
「こちら、ブラックブラッドのカクテルでございます。酒精が強いので一口ずつ、お楽しみください」
「お、いいわね」
「強いのは大歓迎よ!!」
「そしてこちら、『花妖精の蜜酒』になります。花妖精の採取した最高級のシロップを使ったお酒です」
「花妖精……フィルちゃん以外にもいるのかな」
蜂蜜のような液体で満たされたグラスを受け取るミュディ。
三人はグラスを掲げる。
「じゃ、かんぱい」
「かんぱーい!!」
「かんぱいです」
カチン、とグラスを合わせ、さっそく酒を口の中へ。
「わ、美味しい……甘いけど飲みやすい」と、ミュディ。
「っくぅぅ~っ!! 確かにこれキツイわね」と、アーモ。
「でも美味しい!! もう一杯!!」と、ネマ。
ネマがお代わりを要求。一口で飲み干し、つまみのチコレートを食べる。
ミュディもチコレートを一つ。とても甘い。
「ん……美味しいけど、こんな夜に甘いもの食べて大丈夫かなぁ」
ミュディが心配そうな顔をすると、アーモが背中をパシッと叩く。
「なーに言ってんの。あなたは真面目ねぇ、たまには悪いことしてもいいのよ? そうよね、ネマ」
「そうそう。外に出た時くらい、はしゃがなきゃ!!」
「は、はい!!」
そう言えば、アーモとネマと一緒に飲んだことはない。というか、この二人と一緒に行動するということ自体、ミュディには経験がなかった。
改めて思う。この二人は『大人の女性』だ。
「あら、おつまみなくなりそうね……あのー、お魚系をくださーい」
アーモは、深いスリットから覗く生足を豪快に見せていた。足を組んでいるせいで下着が見えそうだが、そんなことまるでお構いなしと楽な姿勢でいる。それに、ドレスから覗く胸元や剥き出しの肩や腕がとてもなまめかしい。褐色の肌は薄暗い室内ランプに照らされ、これでもかと色気を放っている。
「次は……そうね、あたしも甘いの飲もうかしら」
ネマも同様だ。アーモと同じく色気がある。
少しだけ赤く染まった褐色の肌がなまめかしい。お酒やおつまみを運んでくる男性悪魔が目を合わせないように必死になっていた……それに比べ自分は子供っぽい、ミュディはそう思った。
スタイルには自信がある……とまではいかなくても、胸もそこそこあるし体重だって重いわけではない。
アシュトが見たら硬直しそうになるドレスだって似合っている自信はある。でも……二人と並ぶと、やはりどこか子供っぽい。
歳を重ねた大人の魅力。ミュディはまだまだ二人に及ばないと思っていた。
「いいなぁ……」
「「ん?」」
「え、あ、いや……その、お二人は綺麗だなぁって」
「「…………」」
アーモとネマは顔を見合わせ噴き出した。そして、ミュディの肩を抱いたり頭を撫でたりする。
「あはは、あたしらが綺麗ならあんたは可愛いね!! 羨ましいわ!!」
「そうねぇ。あんた、抱きしめるとすっごくふわふわだしいい匂いすんのよ!! ああ可愛い!!」
「ひゃわわっ!? あの、あの」
「ほらほら飲んだ飲んだ!!」
「そうそう、まだまだ夜はこれからよ!!」
この日、ミュディは酔い潰れてしまうのだった。
◇◇◇◇◇◇
「にゃうー」
「わぅぅ」
「はいはーい、ちょっと動かないでねー」
ミュディは、ミュアとライラに新しく作ったドレスを着せ、軽くお化粧をしていた。
アシュトが作ったクリームを塗り、髪を梳かして整えていく。くすぐったいのか、身動ぎするミュアとライラの耳と尻尾がふるふる揺れた。
そんな動きが可愛く、ミュディの手が止まってしまう。
「あぁ可愛い~♪ ふふ、二人ともすっごくいいよぉ」
「ミュディ、まだー?」
「くぅん。早くいきたいー」
「あ、ごめんね。もうちょっと……」
アーモとネマは支度を終え、ミュディの化粧を待っている。ちなみにミュディに倣い二人も薄化粧をしていた。野性的で健康的な美しさが、ミュディの考案した少し露出の多いドレスとマッチして大人の色気を出している。
今日は、ディミトリ商会が新しくオープンする『ミュディ・ブランド総本店』の完成式典。ミュディはそこで挨拶し、新しくデザインしたドレスや小物を紹介することになっている。
式典には、ベルゼブブのファッション雑誌社から取材が来ることになり、ベルゼブブの有名デザイナーも多く集まるという。式典後は食事会も開催される予定だ。
控えめなミュディは緊張していたが、それと同じくらいワクワクしていた。
ベルゼブブの有名デザイナーが集まる。もしかしたら、挨拶したりお話ししたり、自分の作ったものに対する率直な意見を聞けたりするかもしれない。
緑龍の村では、ミュディのデザインや小物に意見する者はいなかった。
それが物足りなく、ちょっとしたスランプの原因でもあった。だが……今日、この機会はミュディにとって望むもの。自分を持ち上げようとする者はいない。厳しい意見や評価をしてくれるだろう。
「にゃぶぶ……ミュディ、くすぐったいー」
「あ、ごめんね」
ミュディは、ミュアのほっぺたをがっしりと掴んでいたようで、慌てて手を放した。
アシュトたちがエルダードワーフの穴倉に到着した頃。
ミュディ、ミュア、ライラ、アーモ、ネマの五人は、大きな荷物を屋敷前に置いた。
荷物はディミトリがベルゼブブの宿に運んでおくというので、ミュディたちはほぼ手ぶらだ。
ミュアとライラは、緑龍の村で一番の癒し系魔獣である、真っ白なニコニコアザラシを背中に背負っていた。正確にはニコニコアザラシを模したリュックだ。
「にゃぅぅ~ん♪ たのしみー!!」
「わぅぅん♪ たのしみだねー」
二人はリュックから飴の瓶を取り出し、蜂蜜飴を一つ頬張る。
このニコニコアザラシリュックもミュディの新作の一つだ。子供向けに作った商品で、ベルゼブブで紹介する新作の一つである。
ネマとアーモは上機嫌だった。
「ディミトリが紹介する宿に高級バーってのがあるみたいよ。ねぇアーモ」
「お酒、タダで飲めるみたいね。ふふ、男どもには悪いけど楽しみましょ。ああ、もちろんミュディも一緒にね」
「え!? わ、わたし、お酒はあんまり」
「たまにはいいじゃない。ねぇネマ、女同士お喋りしましょ」
どうやら、拒否は難しい……でも、たまにはいいかもしれない。
屋敷の前で話していると、迎えのディミトリがやってきた。そして見知った顔も。
「おはようございます。皆様、お待たせしました……これより皆様を魔界都市ベルゼブブにご招待」
芝居がかった口調のディミトリを押しのけ、リザベルが前に。
「皆様の案内役を務めさせていただきますリザベルです。よろしくお願いいたします」
「あ、ちょ、リザベル!? ここはワタクシの」
「では、魔界都市ベルゼブブにご案内」
「ちょ!?」
リザベルが指をパチッと鳴らすと、ミュディたちの足下に魔法陣が展開……一瞬の浮遊感を感じたと思ったら、景色がパッと切り替わった。
「到着です。ようこそ、魔界都市ベルゼブブへ」
ミュディたちの視界いっぱいに、大きな塔みたいな建物が飛び込んで来た。
魔界都市ベルゼブブ。
ミュディたちが転移した場所は、ディミトリ商会総本店である巨大施設の屋上だった。
ビッグバロッグ王城よりも大きな『塔』の上から町を眺めるような形になり、いきなりの光景にミュディはちょっとだけフラッとした。
「っひ、あわわ……」
「にゃあ!! 高いー!!」
「わふぅ……すごーい!!」
「驚いたわね……村の図書館みたいな『塔』がいっぱいあるわ」
「ネマ、あそこ。四角い箱が動いてる……中に人がいるわね」
各々が塔の上から町を見下ろし感想を述べる。ミュディだけへたり込んでしまったが。
町を見下ろすだけでなく正面を見る。なんと、似たような塔がたくさん立っている。
ビッグバロッグ王国よりも発展した大都市の様子に、ミュディは文字通り腰を抜かした。
「皆様。まずは本日のお宿にご案内いたします。本日はお休みいただき、明後日から完成式典の打ち合わせをしますので、それまでごゆっくりおくつろぎください」
リザベルが言うと、ディミトリが「あっ、ワタクシの役目……」とぼやく。
ミュディはアーモに起こされ、屋上から下の階に移動する。
「にゃう。せまいー」
「昇降機です。これに乗ればすぐに一階まで降りられます」
狭い箱の中に入って数十秒、箱の扉が開くと『ディミトリ商会総本店』の一階部分に到着した。
「わぁ~……すごい」
「わう!! みてみて、あそこにミュディの服がある!!」
ライラが指差した場所には『ミュディ・ブランド』と書かれた看板が吊るされ、フロアの一角に服や小物が陳列されている。どれも見覚えのあるものばかりだし、それよりも驚いたのは人の多さだった。
大勢の人が、ミュディの作った小物やバッグを手に会計に向かっている。
「な、なんか嬉しいけど……ちょっとくすぐったいかも」
「わふ? ミュディ、かゆいの?」
「そ、そうじゃないんだけど……あはは」
すると、ミュアがアーモに抱きかかえられた。
「にゃあ!!」
「こら、勝手に行かないの。迷子になっちゃうでしょ?」
「でも、お菓子いっぱい……」
「あとでいくらでも食べさせ……うーん、村長やシルメリアに怒られちゃうかな」
「にゃうー」
「まったく……しょうがない、少しだけね」
ミュアを抱えたアーモ。だがネマが「あそこ、お酒いっぱいあるよ」と言うと目を光らせ、ミュアにジト目で見られて赤面していた。
ミュディも知らないブランド商品があるスペースもあり興味をそそられたが、まずはリザベルの案内で宿へ向かうことに。
店から出ると、大きな車輪の付いた箱……魔道車が止まっていた。
運転手らしき悪魔族がドアを開ける。
「ではご乗車ください。宿へご案内します」
「にゃうー!! おもしろそう!!」
「わん!! ミュア、乗ろう!!」
ミュアとライラが飛び込み、アーモとネマが乗り込んで子供たちを抱っこする。
ミュディも乗り込み、最後にリザベルが乗り込む。
「では、出発します」
魔道車はゆっくりと走り出し、五分ほどで目的地に到着した。
車から降りるとそこは、どこか宮殿を思わせる造りの豪華な建物だ。
「こちらが皆様の滞在する宿、『ホテル・グランディミトリエ』でございます。その名の通りディミトリ商会の建物ですので、気兼ねなくお過ごしください」
運転手が言うが、ミュディには聞こえていなかった。
「す、すごい……お城よりすごい」
「にゃおお……なんかキラキラしてるー」
「くぅん。ぴかぴか」
宿内は広いホール、ソファやテーブルは豪華なもので、受付カウンターですら気品を感じる。
ミュアとライラはロビーのソファにダイブし、アーモとネマは周囲を観察している。ミュディはリザベルから部屋の説明や食事する場所などを聞いていた。
「食事は一階にあるレストランでいつでもお召し上がりいただけます。レストラン内では生オーケストラで音楽を楽しみながら食事ができます。そして最上階はバーとなっておりまして、夜景を楽しみながらお酒も楽しめます」
「こ、言葉もないですね……すごい」
「飲食代は全て無料。滞在費と遊興費も支給します。よろしければ明日、ベルゼブブの町を観光されてはいかがでしょう? 差し支えなければ私がご案内しますが」
「お、お金まではちょっと……その、申し訳ないというか」
「その心配はまったく不要です。ディミトリ商会はミュディ・ブランドの総売り上げ金だけで昨年度の総売り上げをすでに超えている状況ですので。会長からも『お金に関する心配はまったく不要。全ての経費はこちらで持つ』と命令を受けておりますので」
「は、はぁ……」
趣味で始め、自分が好きなデザインをして作ったものがここまで評価されていることに、未だにピンとこないミュディだった。
少しだけ悩んだが、ミュアとライラが尻尾をフリフリしてミュディを見つめていたので、好意に甘えることにした。やはり可愛い子には弱い。
「じゃあ、お願いします」
「かしこまりました。では明日、お迎えに上がりますので」
リザベルは一礼して帰っていく。
ホテルの従業員がミュディたちをスイートルームに案内した。
やはり、スイートとなると豪勢で言葉もない。ミュディ、ネマとアーモ、ライラとミュアの三部屋で部屋を準備していたようで、荷物もすでに届いていた。
荷物を確認していると、ミュアたち四人がミュディの部屋へ。
「にゃう。たんけんしたいー」
「ここ、キラキラして面白そう!!」
ミュアとライラは尻尾がこれでもかと揺れている。
案内してくれた従業員の説明では、ホテル内にも飲食店やお土産屋が充実しているらしい。そろそろお昼が近いので、昼食をホテルで食べることにした。
「じゃあ、みんなでご飯を食べに行こうね」
ミュディの提案で、女五人はホテルの地下飲食店街へ。
ホテルの地下には多数の飲食店が店を構え、お土産屋も充実していた。
レストランは上層、地下は大衆客が入るような飲食店で、酒場やちょっと洒落たバーもある。お昼ということでどのお店も賑わいを見せている。
「わぅぅん……すごいいっぱい!!」
「ほんとだ……悪魔族だけじゃなくて、獣人や蟲人もいる。ベルゼブブが他種族の受け入れに寛容ってリザベルが言ってたけど……すごいなぁ」
ミュディは感動した。するとミュアが袖を引っ張る。
「にゃあ。ごはんー」
「あ、ごめんね。アーモさん、ネマさん、何か食べたいのあります?」
ネマは周囲の店を見回し、一軒の店を指さす。
「とりあえず、初日だし無難な食堂でいいんじゃない? アーモは?」
「あたしもどこだっていいさ。子供たちはどうしたい?」
「にゃあ。甘いのたべたい」
「くぅん。わたしもー」
「じゃあ、デザートに甘いの食べよっか」
ネマが指差した店は、一般的な食堂だった。
パスタや肉の種類が多くあり、ミュディたちは各々好きなものを注文。ミュディはサンドイッチ、アーモとネマは肉、ミュアとライラはパスタを注文。デザートにパフェを頼んだ。
子供たちはパフェを美味しそうに食べ、ミュディは食後の紅茶を飲んだ。
「夕飯はレストランで食べようね」
「わぅぅ。レストラン……」
ライラは楽しみなのか尻尾が揺れている。すると、ネマが言う。
「そういえば、部屋にドレスが掛けられてたね」
「ええ。あたしにピッタリなんだけど、何に使うのかね」
「あ、わたしもー」
「にゃあ。わたしもあったー」
「それ、レストランで着るドレスですね。ドレスコードっていうのがあるんだと思います」
格式の高いレストランではドレスを着なくてはならないとミュディは知っている。ディミトリが手配したものだろうかと思い、部屋に戻って確認することにした。
食事を終え、飲食店やお土産屋を見て回り、一行は部屋に戻った。
確かに、ミュディの部屋にもドレスが掛けられている。しかもサイズはピッタリだ。
「レストランかぁ……そういえば、お姉様と一緒に何度か行ったっけ」
ちょっとだけ、ビッグバロッグ王国が懐かしくなったミュディだった。
ドレスに着替え、『ホテル・グランディミトリエ』が誇る最高級レストランで食事を終えたミュディたち。
ビッグバロッグ王国で、高級料理の出る晩餐会に参加したことがあるミュディですら圧倒された。
食事内容はもちろん、食器からテーブルクロスに至るまで全てが高級品。ビッグバロッグ王国の王城にあるダイニングルームですら霞む光景だった。
ちなみに、ここで使われている食器や皿が、全て緑龍の村で作られたものだとミュディは気付いていない。
アーモとネマはドレスが鬱陶しいのか顔をしかめているが、出てくる料理は全て平らげる。ミュアとライラは最初こそ興奮していたが、料理の説明と味で参ってしまい、最後のデザート以外は静かだった。
明日はお菓子屋さんに連れていこうとミュディは誓い、そのことを二人に話すととても喜んでいた。
子供たちを部屋に送り、お風呂に入れてあげるとすぐに寝てしまった。
かなりはしゃいでいたし疲れていたのか、二人並んでベッドで寝息を立てる姿はあまりにも可愛らしく、ミュディもそこに交ざって寝たいくらいだった。
二人を寝かせたミュディは自室に戻ろうとして……ネマに引き留められる。
「ミュディ、ちょっと付きあいなさいよ」
「はい?」
「お酒。ふふ、たまには女同士でお話ししましょ。まだ夜はこれからよ?」
「は、はい……お、お手柔らかにお願いします」
ネマに連れていかれたのは昇降機前。そこにはアーモがいた。
「上にあるわ。聞いたら、あたしたちの貸し切りでいいみたい」
「わお、それは嬉しいね」
「か、貸し切り……こんな立派なところで」
「さ、行くわよ二人とも」
アーモが昇降機に乗り込み、ミュディとネマも乗る。すると昇降機内にいた悪魔族女性が案内してくれた。
「それでは、上に参ります」
今夜は長くなる……なんとなく、ミュディはそう感じた。
最上階のバーは、とても豪華で……もうミュディは表現することを諦めた。
ビッグバロッグ王国とは違う。アシュトと帰省した時にお酒を飲みに行ったバーとは雰囲気が違った。
室内にはミニ噴水があり、壁には大きな水槽が埋め込まれ魚が泳いでいる。水槽内ではキラキラした石や水草が揺れ、まるで絵画のようだった。
椅子やテーブルも豪華な装飾が施され、ミュディたちは窓際の一番いい席に案内された。
「わぁ~……すごい!!」
窓の外は、まるで宝石箱……ベルゼブブの町の明かりがキラキラと輝いていた。
ミュディが外の景色に見とれていると。
「この子には弱めの……そうね、甘いのをお任せで」
「あたしとアーモはキツイのをよろしくね」
「かしこまりました」
いつの間にかウェイターが来ていた。ネマは飲んでいないのにごきげんだ。
「ふふ、飲み放題だって。ディミトリも粋なことするわね」
「ミュディ、勝手に頼んじゃってごめんね。なんか声掛けづらくって」
「い、いえ。ありがとうございます」
アーモにお礼を言うと、お酒が運ばれてきた。おつまみに綺麗なチコレートがいっぱい並ぶ。
「こちら、ブラックブラッドのカクテルでございます。酒精が強いので一口ずつ、お楽しみください」
「お、いいわね」
「強いのは大歓迎よ!!」
「そしてこちら、『花妖精の蜜酒』になります。花妖精の採取した最高級のシロップを使ったお酒です」
「花妖精……フィルちゃん以外にもいるのかな」
蜂蜜のような液体で満たされたグラスを受け取るミュディ。
三人はグラスを掲げる。
「じゃ、かんぱい」
「かんぱーい!!」
「かんぱいです」
カチン、とグラスを合わせ、さっそく酒を口の中へ。
「わ、美味しい……甘いけど飲みやすい」と、ミュディ。
「っくぅぅ~っ!! 確かにこれキツイわね」と、アーモ。
「でも美味しい!! もう一杯!!」と、ネマ。
ネマがお代わりを要求。一口で飲み干し、つまみのチコレートを食べる。
ミュディもチコレートを一つ。とても甘い。
「ん……美味しいけど、こんな夜に甘いもの食べて大丈夫かなぁ」
ミュディが心配そうな顔をすると、アーモが背中をパシッと叩く。
「なーに言ってんの。あなたは真面目ねぇ、たまには悪いことしてもいいのよ? そうよね、ネマ」
「そうそう。外に出た時くらい、はしゃがなきゃ!!」
「は、はい!!」
そう言えば、アーモとネマと一緒に飲んだことはない。というか、この二人と一緒に行動するということ自体、ミュディには経験がなかった。
改めて思う。この二人は『大人の女性』だ。
「あら、おつまみなくなりそうね……あのー、お魚系をくださーい」
アーモは、深いスリットから覗く生足を豪快に見せていた。足を組んでいるせいで下着が見えそうだが、そんなことまるでお構いなしと楽な姿勢でいる。それに、ドレスから覗く胸元や剥き出しの肩や腕がとてもなまめかしい。褐色の肌は薄暗い室内ランプに照らされ、これでもかと色気を放っている。
「次は……そうね、あたしも甘いの飲もうかしら」
ネマも同様だ。アーモと同じく色気がある。
少しだけ赤く染まった褐色の肌がなまめかしい。お酒やおつまみを運んでくる男性悪魔が目を合わせないように必死になっていた……それに比べ自分は子供っぽい、ミュディはそう思った。
スタイルには自信がある……とまではいかなくても、胸もそこそこあるし体重だって重いわけではない。
アシュトが見たら硬直しそうになるドレスだって似合っている自信はある。でも……二人と並ぶと、やはりどこか子供っぽい。
歳を重ねた大人の魅力。ミュディはまだまだ二人に及ばないと思っていた。
「いいなぁ……」
「「ん?」」
「え、あ、いや……その、お二人は綺麗だなぁって」
「「…………」」
アーモとネマは顔を見合わせ噴き出した。そして、ミュディの肩を抱いたり頭を撫でたりする。
「あはは、あたしらが綺麗ならあんたは可愛いね!! 羨ましいわ!!」
「そうねぇ。あんた、抱きしめるとすっごくふわふわだしいい匂いすんのよ!! ああ可愛い!!」
「ひゃわわっ!? あの、あの」
「ほらほら飲んだ飲んだ!!」
「そうそう、まだまだ夜はこれからよ!!」
この日、ミュディは酔い潰れてしまうのだった。
◇◇◇◇◇◇
「にゃうー」
「わぅぅ」
「はいはーい、ちょっと動かないでねー」
ミュディは、ミュアとライラに新しく作ったドレスを着せ、軽くお化粧をしていた。
アシュトが作ったクリームを塗り、髪を梳かして整えていく。くすぐったいのか、身動ぎするミュアとライラの耳と尻尾がふるふる揺れた。
そんな動きが可愛く、ミュディの手が止まってしまう。
「あぁ可愛い~♪ ふふ、二人ともすっごくいいよぉ」
「ミュディ、まだー?」
「くぅん。早くいきたいー」
「あ、ごめんね。もうちょっと……」
アーモとネマは支度を終え、ミュディの化粧を待っている。ちなみにミュディに倣い二人も薄化粧をしていた。野性的で健康的な美しさが、ミュディの考案した少し露出の多いドレスとマッチして大人の色気を出している。
今日は、ディミトリ商会が新しくオープンする『ミュディ・ブランド総本店』の完成式典。ミュディはそこで挨拶し、新しくデザインしたドレスや小物を紹介することになっている。
式典には、ベルゼブブのファッション雑誌社から取材が来ることになり、ベルゼブブの有名デザイナーも多く集まるという。式典後は食事会も開催される予定だ。
控えめなミュディは緊張していたが、それと同じくらいワクワクしていた。
ベルゼブブの有名デザイナーが集まる。もしかしたら、挨拶したりお話ししたり、自分の作ったものに対する率直な意見を聞けたりするかもしれない。
緑龍の村では、ミュディのデザインや小物に意見する者はいなかった。
それが物足りなく、ちょっとしたスランプの原因でもあった。だが……今日、この機会はミュディにとって望むもの。自分を持ち上げようとする者はいない。厳しい意見や評価をしてくれるだろう。
「にゃぶぶ……ミュディ、くすぐったいー」
「あ、ごめんね」
ミュディは、ミュアのほっぺたをがっしりと掴んでいたようで、慌てて手を放した。
11
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。