大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ

さとう

文字の大きさ
406 / 474
秋の訪れ

第600話、やっぱり食欲の秋

しおりを挟む
 最近の俺は、裏庭で読書することが多かった。
 紅葉が美しく、落ち葉が風に吹かれてカサカサ音を立てる。
 ミュアちゃんの淹れたカーフィーも、味が濃くてとてもおいしい。最初は苦くて飲みにくかったカーフィーも、二年以上飲んでればこの苦さがたまらない。
 今や、屋敷にはカーフィー専用の棚もある。ディミトリからの贈り物もあるし、今度何か送ろうかな。
 テーブルの上には、数冊の本。ローレライから借りた、ドラゴンロード王国の作家が執筆した伝記だ。これがまたなんとも面白い。
 俺はカーフィーカップに手を伸ばす。

「はぁ……うまい」
「にゃあ。ご主人さま、おかわりする?」
「ああ、お願い」
「にゃうー」

 ミュアちゃんは、お代わりのカーフィーを淹れる。
 ディミトリの店で買ったカーフィー豆を砕く『ハンドミル』に豆を入れる。このハンドミル、筒に取っ手が付いており、筒の中に豆を入れて取っ手を回すと、豆が砕けるのだ。
 カリカリ、カリカリと豆が砕け、ミュアちゃんは金属製のフィルターの上に豆を入れ、カーフィーデカンタという専用のポットにセットする。
 そして、お湯をフィルターのカーフィー豆に注ぐと、綺麗なカーフィーがポタポタとデカンタに落ちてきた。
 最後に、温めたカップにデカンタのカーフィーを淹れて完成。

「にゃう。カーフィーです」
「ありがとう」

 随分と手慣れたもんだ。
 俺はクッキーを一つ摘まみ、ミュアちゃんの口へ持っていく。

「にゃ」
「ふふ、おいしい?」
「にゃあ。サツマイモの味がするー」
「クララベルが作った『サツマイモクッキー』だよ。おいしいでしょ」
「にゃぁ……おいしい」

 この甘みがカーフィーと合うんだよなぁ。
 クララベルのお菓子屋『ブランシュネージュ』でも、今はサツマイモを使ったスイーツがメインで販売されているらしい。サツマイモ……甘い野菜程度の考えだったけど、こうも化けるとはな。
 すると、テーブルの下からルミナが出てきた。

「みゃう。あたいにもよこせ」
「お前、いつの間に」
「ふん。お前ばっかりおやつ、ずるいぞ」
「わかったわかった。ほら」
「みゃぁう」

 ルミナにサツマイモクッキーが食べられてしまった。
 ミュアちゃんもムスッとしてるし、仕方ないな。

「ミュアちゃん、お代わりのクッキー、持ってきてもらっていい?」
「にゃあ。わかりましたー……ルミナはもうダメだからね!」
「ふん。お腹いっぱいだしいらない……ふみゃぁぁ、眠い」

 ルミナは欠伸をすると、俺の太腿に座って眠りはじめた。
 なんとも可愛いけど、読書するにはちょっと邪魔だな……まぁいいか。
 
「さて、続き読むか」

 のんびり読書を再開すると───今度は、エルミナがやってきた。

 ◇◇◇◇◇◇

「やっぱり、秋は美味しい物いっぱい食べたい!」
「……いきなり何だよ?」

 唐突に、エルミナがそんなことを言い出した。
 俺の本をどかし、テーブルに何かを広げる。
 エルミナ手書きの羊皮紙には、こんなことが書かれていた。

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
〇秋の味覚を満喫しよう計画!
1、海で今が旬の『ヨンマ』をいっぱい食べる
2、ハイエルフの里で『梨』を収穫、いっぱい食べる。
3、村で収穫した野菜を使って『芋煮会』を開催。
4、仕込んだ清酒の試飲会をする。
 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「お前、食うのばっかじゃん」
「いいでしょ別に。食欲の秋っていうじゃない」
「いや、知らんけど」

 すると、シルメリアさんとミュアちゃんが、大きな箱を抱えてやってきた。
 俺とエルミナの間に箱を置き一礼する。

「ご主人様。マーメイド族から『ヨンマ』が大量に届きました。同封された手紙に、『今が旬、いっぱい食べてくれ。シードより』と書かれていました……どうやら、海の方も秋が訪れたようで、ヨンマの群れでやってきたようです。ごくり」
「にゃうう」

 シルメリアさん、魚大好きだもんな。
 木箱には氷が敷き詰められ、二十匹以上のヨンマが入っている。
 細長い魚だ。焼くと美味いし、酒の肴にピッタリ……さかなのサカナ、なんてな。

「いいタイミングじゃない!! アシュト、焼くわよ!!」
「お、おい」
「シルメリア、七輪用意!!」
「すでに用意してあります」
「さすが!! よし、今日のお昼はヨンマに決定!!」
「ご主人様。数が尋常ではないので、希望者にお配りしてもよろしいでしょうか?」
「あ、ああ。いいよ」
「ありがとうございます。では、さっそくヨンマを焼きます。ミュア」
「にゃああ。焼く」

 七輪に炭を入れ、火種を落とすと……パチパチ静かに爆ぜ、火が付いた。
 シルメリアさんは、持参したテーブルと包丁で(どこに持ってたんだ)手早くヨンマを捌き、そのまま網の上に置く。味付けはシンプルに塩のみ。

「くぅぅ、楽しみねぇ」

 エルミナは、いつの間にか酒瓶を出していた。
 すると今度はルミナのネコミミが動く。ヨンマの焼ける匂いに反応したようだ。

「みゃ……くぁぁ」
「お、起きたか」
「さかな……」
「もうすぐヨンマが焼けるぞ」
「みゃあ」
「ご主人さま、焼けたー」

 焼けたヨンマをミュアちゃんが俺の元へ。
 俺はフォークで身を分け、まずは自分で食べた。

「───……うまい! 脂が載ってるな」
「みゃう。あたいも」
「はいはい」
「シルメリア!! 私も早くっ!!」
「はい、もうすぐ焼けます」
「にゃあ。わたしもたべたいー」
「あはは。ミュアちゃんとシルメリアさんも一緒に食べよっか」

 こうして、エルミナの『ヨンマを喰う』という願いは、実にあっさり解決した。
 ヨンマでお腹が膨れ、さらに酒で酔ったエルミナ。
 羊皮紙をジーっと眺め、赤い顔で言う。

「次~~~……梨の収穫ぅ」
「梨かぁ。リンゴみたいな果実だよな。ビッグバロッグ王国では輸入品しか見たことがない」
「うっふっふぅ~、ハイエルフの里の梨はおっきくて甘くて絶品よぉ? うへへ、明日クジャタで行くわよぉぉぉぉっ……うぃぃ」
「わかったわかった。シルメリアさん、エルミナをベッドへ」
「かしこまりました」
「うぅぅ……飲みすぎかも~……ぐぅ」

 エルミナは引きずられながら寝てしまった。
 それにしても……梨、か。
 秋の味覚っていうし、村でも栽培できないかな。

「にゃあ。ご主人さま、おでかけするの?」
「ああ。明日、ハイエルフの里に行ってみようと思う。せっかくだし、ココロも連れて行こうかな」
「にゃうー、わたしも行きたい」
「わかった。ミュアちゃんと、ルミナも行くか?」
「ふん、当たり前だろ」

 ハイエルフの里で梨の収穫。これって秋っぽいイベントだよな。

 ◇◇◇◇◇◇

 翌日。
 酔いの醒めたエルミナ。メージュにルネア、シレーヌとエレイン。ミュアちゃん、ルミナ。そして俺とシロは、クジャタ便に乗ってハイエルフの里へ向かった。
 クジャタ便、久しぶりに乗るけど……けっこう速度出るようになったな。
 道もすごい整備されてるし、けっこう驚いた。

「村長、驚いた?」

 シレーヌが俺の隣に座り、どこか誇らしげに言う。
 
「ハイエルフの里までの道。すっごく綺麗になったでしょ?」
「ああ。柵もできてるし、道も綺麗に踏み慣らされてるし……初めて通った時とは全然違うよ」
「ふふん。実は、この道の整備を指揮したの、あたしなんだよね~」
「え、そうなのか?」
「うん。最短距離でハイエルフの里に行けるように距離を計算してね。最初は丸一日、その次は夕方までかけて移動してたけど、今じゃ半日かからないで移動できるんだ。クジャタも道慣れしたし、この移動用荷車にも慣れたしね」
「確かに……」

 クジャタは、たまに放電するけど迷いなく進んでいた。
 放電する瞬間を、俺たちの前に座るミュアちゃんとルミナが見てはしゃいでいる。
 シレーヌは、どこか満足そうにしていた。

「いや~……まさか、オーベルシュタインにこんな立派な道ができるなんて、思いもしなかったよ。これも、村長のおかげかもね」
「俺は何もしてないって」
「いやいや、そんなことないって」

 シレーヌは俺の腕をバンバン叩く。
 すると、ルネアが後ろの席で俺たちをジーっと見た。

「……シレーヌ、村長と仲良し」
「あっはっは。友達だもん、仲良しだって。ねぇ?」
「あ、ああ」
『きゃん!』

 退屈になったシロが、俺に甘えるように座席に飛び込んで来た。
 ハイエルフの里までもう少し、久しぶりにシロを甘やかしますかね。

 ◇◇◇◇◇◇

 ハイエルフの里に到着した。
 まずは長の家へ。長の家と言うかエルミナの家だけどな。
 家には、ジーグベッグさんが木彫りの彫刻を作っていた。
 眼鏡を外し、驚いたように俺たちを見る。

「これはこれはアシュト村長。何用ですかな?」
「……あれ。お、お久しぶりです、ジーグベッグさん。その、梨が収穫できると聞いたので、来たのですが」
「…………エルミナ」

 全員がエルミナを見た。
 エルミナは汗をかきそっぽ向いてる……すると、ジーグベッグさんが叫んだ。

「エルミナ!! お前という奴は……連絡の一つもよこさんで、いきなり来るとは何事じゃ!!」
「ごめんなさいっ!! 連絡するのすっかりわすれてた!! お、おじいちゃん、私たち梨の収穫に来たの。梨、いっぱいできてるんでしょ? 収穫は?」
「とっくに終わったわい!! 全く、お前というやつは!!」
「お、終わったぁ!? ちょっとちょっと、大豊作って聞いたけど、もう収穫終わったの!?」
「大豊作だったから、ハイエルフ総出で収穫したんじゃ!! もう仕分けも終わったわい!!」
「早いぃぃ!! 私たち何しに来たかわかんないじゃん!!」
「だから連絡すればよかったのじゃ!!」

 うわぁ……これ、どうすりゃいいのよ。
 メージュを見ると、首をプルプル振る。
 参ったな。せっかく来たのに。

「うっさいねぇ……ジーグベッグ、お前さんのダミ声が外まで響いてるよ」
「あ、バーバおばあちゃん」
「エルミナ。また何かやらかしたのかい?」
「聞いてよ。おじいちゃんってば、大豊作の梨をさっさと収穫しちゃったのよ。私たちが収穫したかったのにぃ」
「馬鹿もん!! 連絡一つよこさんお前が悪い!!」
「どっちもやかましい。ったく、エルミナ、梨の収穫はもう終わっちまったよ。次の秋まで待つんだね」
「そんなぁ……」
「ジーグベッグ。おまえさんもだよ。お客さんの前で馬鹿みたいに孫娘を怒鳴りちらすなんて、ハイエルフの品格を落とすようなモンさね」
「ぐ、ぐぅぅ」
「お客人、悪かったね。もぎたての梨ならたくさんあるから、いっぱい食べていきな。もちろん、土産も渡すよ」
「あ、ありがとうございます」

 不思議なおばあちゃんだな。
 すると、メージュが耳打ちする。

「バーバジージャ様。ジーグベッグ様と同じくらい長生きしてる、最古のハイエルフの一人だよ」

 マジか。
 じゃあこの人も、何百万年と生きてるのか。
 バーバジージャさんは音もなく去って行った。

「おじいちゃん!! 梨どこ梨!!」
「お前という奴は……はぁ、第三倉庫の梨ならいくら食べてもよい。土産も準備させる」
「やった!! みんな、収穫は無理だったけど、梨いっぱい食べましょ!!」

 ……いちおう、言っておく。
 間違いなく、連絡の一つもしなかったエルミナが悪いからな。

 ◇◇◇◇◇◇

 エルミナに案内された大きな倉庫を開けると、木箱に大量の梨が入っていた。
 
「よし!! さっそく食べるわよ。みんな、もてるだけ持って里の中央広場へ移動っ!!」

 エルミナの仕切りで中央広場へ。
 さっそく、エルミナたち女性陣が梨をカットする。
 ミュアちゃんも、慣れた手つきで梨を切っていた。

「にゃあ。ご主人さま、どうぞ」
「ありがとう、ミュアちゃん」
「ルミナとシロも」
「みゃう」
『きゃん!』

 さっそく、ミュアちゃんがカットした梨を齧る。

「───……うわぁ、すっごい瑞々しい! リンゴとは微妙に違う食感! それに、すっごく甘い!」
「みゃう。うまい」
『きゃんきゃんっ!』

 ルミナとシロもモグモグ食べていた。
 ミュアちゃんも美味しそうに食べ、エルミナもガツガツ食べていた。
 そして、エルミナは気付く。

「…………これでお酒作れないかな」
「梨で? あんた、ほんと酒のことばっかりね」
「メージュ、お酒こそ至高の水よ。ね、ルネア」
「お酒、そんなに好きじゃない」
「はいはい! エルミナ、あたしは好き!」
「さっすがシレーヌ! エレインは?」
「わ、わたしも好きですっ!」

 ハイエルフ組はいつも楽しそうだ。
 すると、俺たちの騒ぎにハイエルフたちが集まってきた。
 酒を持ち寄ったり、焚火を始めて肉を焼き始めたり、音楽隊が現れ音楽を奏で始めたり……いつの間にか、ハイエルフの里では大宴会となっていた。
 
「あっはっは!! ね、梨最高でしょ、アシュト!!」
「あ、ああ。なんというか……ハイエルフってやっぱすごいな」
「当然!!」

 エルミナは酒瓶片手に胸を張り、瓶の口を加えてラッパ飲みを始めた。
 まぁ、楽しいからいいか。
しおりを挟む
感想 1,145

あなたにおすすめの小説

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。