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第一章
入学前の夜
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採寸の翌日、制服が届いた。
木箱に男女混合で一纏めにして寮の玄関に置かれていた。いくらなんでも扱いがぞんざいすぎるとラッツが怒ったが、アルフェンは特に気にしていなかった。
アルフェンはマーロンと木箱を食堂内に運び、蓋を開ける。
いつの間にか寮生が揃っていた。アルフェンが名前を呼び、一人ずつ制服を渡す。
「ほれ、ラッツ」
「おう。ちくしょう、どこまでも馬鹿にしやがって……」
「ハウル」
「ああ、ありがとな」
「マーロン」
「あ、ありがと……」
男子はけっこう怒っていたが、女子はそれほどでもない。
布に包まれているとは言え、女子の制服に触れることにやや抵抗があった。だが、特に女子が前に出て配るということはなかったので、アルフェンが渡す。
何人か女子の制服を渡し、次の女子へ。
「えーと、ミリッツさん」
「ん、どーも。リグヴェータ家の三男さん」
「……」
「あら、気に障った? ごめんなさいね」
ミリッツ。なぜか彼女はアルフェンがリグヴェータ家と知ると嫌味なことを言う。
特に気にならないが、いい気はしない。なので無視した。
「次は……ラビィ」
「あ、はい……ありがとう」
おっとりとした女の子であるラビィは、柔らかな笑みをアルフェンへ向けた。
その笑みが可愛らしく、ついつい目を反らすアルフェン。
制服を配り終え、最後に残った制服を取る。
そこには、『アルフェン・リグヴェータ』と名前が書かれていた。
「えーっと、入学式は明日だ。大講堂でやるから、飯食ったら行こうぜ。朝飯係、明日は早く起きていっぱい作れよ!」
と、なぜかラッツが仕切る。
ちなみに、食事係はマーロンと女子数名。意外なことに美味い料理が出てきた。
◇◇◇◇◇◇
夕飯、入浴を終え部屋に戻ってきた。
ラッツは同級生の部屋に遊びに行き、マーロンは朝食の仕込みをしている。
なので、部屋にはアルフェンとハウルだけだ。
ハウルは、壁にかけた制服を見て、アルフェンに言う。
「見ろよ。どこまでも小馬鹿にしたデザインだ」
「……だな。ここまではっきりされると、逆に笑えるぜ」
「違いない」
ハウルはくくっと笑う。
制服と一体化している腕章に『F』と刺繍されていた。
これはF級召喚士であり、この学園では最底辺を意味する。ハウルは制服をベッドに放り、アルフェンに言う。
「なぁアルフェン……お前の召喚獣見せてくれよ」
「いいけど……」
アルフェンは手のひらに小さなモグラを呼び出す。
『もぐ!』
「へぇ、モグラかよ……ちっこいな」
「成長するのかと思いきや、かれこれ十五年このままだ」
「じゃ、オレも」
ハウルの肩に、小さな文鳥が止まった。
「こいつはボイス。能力は『甲高い声で鳴くことができる』だ。キーキーやかましいだけの、使えない能力……ああ、目覚まし代わりにはなるな」
「俺も似たようなもんだ。穴掘って地面を固める能力……はは」
互いに苦笑した。
モグはアルフェンの傍でコロコロ転がり、ぐでんと身体を伸ばす。
「はぁ……学園、さっさと卒業したいな」
「ああ。ハウル、卒業したらどうすんだ?」
「なんだよ。入学もしてないのに」
「なんとなく。俺はリグヴェータ領を出て、静かなところで畑を耕したいぜ」
「……お前、枯れてるな」
「は、はぁ!?」
これには、アルフェンも反論できなかった。
入学式は、もう明日。新生活の始まりが迫っていた。
木箱に男女混合で一纏めにして寮の玄関に置かれていた。いくらなんでも扱いがぞんざいすぎるとラッツが怒ったが、アルフェンは特に気にしていなかった。
アルフェンはマーロンと木箱を食堂内に運び、蓋を開ける。
いつの間にか寮生が揃っていた。アルフェンが名前を呼び、一人ずつ制服を渡す。
「ほれ、ラッツ」
「おう。ちくしょう、どこまでも馬鹿にしやがって……」
「ハウル」
「ああ、ありがとな」
「マーロン」
「あ、ありがと……」
男子はけっこう怒っていたが、女子はそれほどでもない。
布に包まれているとは言え、女子の制服に触れることにやや抵抗があった。だが、特に女子が前に出て配るということはなかったので、アルフェンが渡す。
何人か女子の制服を渡し、次の女子へ。
「えーと、ミリッツさん」
「ん、どーも。リグヴェータ家の三男さん」
「……」
「あら、気に障った? ごめんなさいね」
ミリッツ。なぜか彼女はアルフェンがリグヴェータ家と知ると嫌味なことを言う。
特に気にならないが、いい気はしない。なので無視した。
「次は……ラビィ」
「あ、はい……ありがとう」
おっとりとした女の子であるラビィは、柔らかな笑みをアルフェンへ向けた。
その笑みが可愛らしく、ついつい目を反らすアルフェン。
制服を配り終え、最後に残った制服を取る。
そこには、『アルフェン・リグヴェータ』と名前が書かれていた。
「えーっと、入学式は明日だ。大講堂でやるから、飯食ったら行こうぜ。朝飯係、明日は早く起きていっぱい作れよ!」
と、なぜかラッツが仕切る。
ちなみに、食事係はマーロンと女子数名。意外なことに美味い料理が出てきた。
◇◇◇◇◇◇
夕飯、入浴を終え部屋に戻ってきた。
ラッツは同級生の部屋に遊びに行き、マーロンは朝食の仕込みをしている。
なので、部屋にはアルフェンとハウルだけだ。
ハウルは、壁にかけた制服を見て、アルフェンに言う。
「見ろよ。どこまでも小馬鹿にしたデザインだ」
「……だな。ここまではっきりされると、逆に笑えるぜ」
「違いない」
ハウルはくくっと笑う。
制服と一体化している腕章に『F』と刺繍されていた。
これはF級召喚士であり、この学園では最底辺を意味する。ハウルは制服をベッドに放り、アルフェンに言う。
「なぁアルフェン……お前の召喚獣見せてくれよ」
「いいけど……」
アルフェンは手のひらに小さなモグラを呼び出す。
『もぐ!』
「へぇ、モグラかよ……ちっこいな」
「成長するのかと思いきや、かれこれ十五年このままだ」
「じゃ、オレも」
ハウルの肩に、小さな文鳥が止まった。
「こいつはボイス。能力は『甲高い声で鳴くことができる』だ。キーキーやかましいだけの、使えない能力……ああ、目覚まし代わりにはなるな」
「俺も似たようなもんだ。穴掘って地面を固める能力……はは」
互いに苦笑した。
モグはアルフェンの傍でコロコロ転がり、ぐでんと身体を伸ばす。
「はぁ……学園、さっさと卒業したいな」
「ああ。ハウル、卒業したらどうすんだ?」
「なんだよ。入学もしてないのに」
「なんとなく。俺はリグヴェータ領を出て、静かなところで畑を耕したいぜ」
「……お前、枯れてるな」
「は、はぁ!?」
これには、アルフェンも反論できなかった。
入学式は、もう明日。新生活の始まりが迫っていた。
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