召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう

文字の大きさ
34 / 178
第二章

召喚獣ヘッズマン

しおりを挟む
 話し合いが終わり、ウィリアムはS級寮に住むことになった。
 制服は数時間後に届き、簡素な家具や着替え、生活に必要な物もすぐに支給された。
 ガーネットから入寮の手助けをするようにと言われたアルノーの手際がいいのか、夕方にはウィリアムの入寮が終わる。
 アルフェンは、サフィーを呼び改めてウィリアムに挨拶することにした。
 ウィリアムは、談話室のソファに座っている。

「あの……その、自己紹介してなかったな」
「…………」
「ごきげんよう。私はサフィア・アイオライトと申します。サフィーって呼んでくださいね」
「俺はアルフェン・リグヴェータ。アルフェンでいい」
「……ウィリアム。お前たちみたいな貴族のボンボンじゃない、ただの平民だ」

 ウィリアムは、それだけ言うと黙ってしまう。
 アルフェンは、言うべきことだけを言う。

「お前に襲われたことも腹が立つけど……とりあえず、仲間としてよろしく頼む。お前の境遇を聞いて、どうも他人とは思えないからな」
「……お前もか?」
「ああ。失った……大事な仲間をな」
「…………」
「魔人が襲撃してきて、クラスメイトは全員死んだ……俺も半殺しにされて、俺の召喚獣がこの右手をくれた……はは、さっきのお前の話と似てるな」
「……そうかい」

 ウィリアムは鼻を鳴らし、被っていた帽子を脱ぐ。

「お前たちに一つだけ言っておく……これから先、『色欲』の魔人が現れたら絶対に手を出すな」
「……仇、ですか?」
「ああ。家族の、妹の、村の仲間の仇だ。あの女……フロレンティアは、オレが殺す」

 ウィリアムは左手の人差し指と親指を立てると、鮫肌のような質感に変わり、二の腕部分が翡翠をくっつけたような形に変化した。
 
「キラキラして綺麗ですね……翡翠、ですか?」
「ああ。ヘンリー……いや、『召喚獣ヘッズマン』っていう。能力は『貫通』……どんな物だろうと、能力を載せた弾丸は全てを貫通する。お前には通用しなかったがな」
「それは、俺の能力と関係あるんだよ」

 アルフェンとサフィーはウィリアムの真向かいに座り、それぞれの能力やこれまでの話をした。
 意外にも、仲良く話ができた。
 そして、三十分ほど話し込むと……ウィリアムが言う。

「そろそろ、腹減ったな……」
「では、夕食にしましょう。ウィリアムさんの歓迎会も兼ねて、盛大に!」
「その料理は俺が作るんだけどな……」
「……料理か」

 アルフェンは立ち上がり、エプロンを装備してキッチンへ。
 サフィーは超絶不器用でジャガイモ剥きすらできないので、飲み物を準備してもらう。
 すると、エプロンを装備したウィリアムがキッチンへ。

「……自分のメシくらい自分で作る」
「いや、歓迎会だし大丈夫だって。休んでろよ」
「いい。それに、料理は嫌いじゃない」
「え……?」

 ウィリアムは冷蔵庫の中身をチェックし、使っていい食材をアルフェンに確認。
 朝食分の食材を抜いて全ての食材を出すと、包丁を掴んだ。

「久しく包丁を握っていないからな。勘を取り戻させてもらうぜ」
「え、なにそのプロっぽい発言。おい、まさか料理好きなのか?」
「黙ってろ」

 そして───アルフェンは見た。
 目にも止まらぬ包丁さばきで、肉や野菜がカットされていく瞬間を。
 熱した鍋を左手で摑み、肉野菜調味料を入れて豪快に鍋を振るうウィリアムの姿を。

「「…………」」

 アルフェンとサフィーはウィリアムに釘付けだった。
 上手い───料理のプロがいる。そう感じた。
 そして、調理が終わり、テーブルには様々な料理が並ぶ。

「ま、適当な有り合わせの適当料理だ。好きに食え」
「いやお前絶対料理好きだろ!? なんだよさっきの包丁さばきと鍋さばき!?」
「す、すごいです! 食材が踊るように鍋の中で跳ねて……すごいです!」
「いいから食え。冷めるぞ」
「「い、いただきます……」」

 二人はさっそく料理に手を伸ばす。
 アルフェンは野菜炒めを一口……あまりの美味さに驚いた。今まで食べていた野菜炒めは何だったのかと思えるくらいシャキシャキで、肉はジューシーだった。

「う、うまっ……美味い!!」
「おいしい……素晴らしいです!!」
「ふん……これで手打ちだ」
「え……あ、もしかしてお前、さっきの」
「いいから食え」

 ウィリアムは、それ以上何も言わずに食べ始めた。
 アルフェンにはわかった。ウィリアムは、城下町の公園で襲い掛かったことを謝っている。料理という形で、アルフェンとサフィーに謝罪したのだ。

「……素直じゃねーの」
「お前、うるさいぞ」
「はいはい」
「アルフェンアルフェン、このお肉すっごくジューシーです!! ウィリアムさん、すごいです!!」
「ああ!! ウィリアム、お前マジですごいな」

 すると、ウィリアムは……めんどくさそうに呟いた。

「ウィルでいい」
「「……え?」」
「フン、さっさと食え。片付けはお前らでやれよ」

 アルフェンは思う……ウィリアムと、仲良くやれそうだと。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話

紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界―― 田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。 暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。 仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン> 「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。 最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。 しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。 ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと―― ――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。 しかもその姿は、 血まみれ。 右手には討伐したモンスターの首。 左手にはモンスターのドロップアイテム。 そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。 「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」 ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。 タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。 ――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――

処理中です...