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第二章
三人のS級
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ウィリアムがS級に加わり、三人となった。
それから三日後……ウィリアムもガーネットとダモクレスの授業を受けるようになる。驚いたことに、ウィリアムは頭もよく料理上手、ダモクレスとの戦闘訓練もそつなくこなしていた。
ダモクレスは、驚いていた。
「ほほう! 一対一でタイタンと引き分けるとはやりおる!」
「はぁ、はぁ……ば、大したこと、ねぇよ……」
「がっはっは!! 無理をするな、我が召喚獣は鍛えに鍛え抜かれた最強の召喚獣だ!! 負けるのは当然、引き分けるのは奇跡じゃ!!」
「くっそ……」
正直、アルフェンとサフィー二人でも、タイタンと引き分けるのは難しい。かろうじて転ばせたり一撃入れるだけで精一杯なのだ。
最初、『一対一でやらせろ』とウィリアムが言い出したときは、止めるのが大変だったが……ウィリアムの強さには本当に驚かされた。
ウィリアムは、アルフェンとサフィーの元へ。
「王国を守る二十一の召喚士か……正直、勝てる気がしない」
「歴戦の英雄だしな。かつて魔帝を封印した召喚士と、その一族だ。俺やお前とは経験が違う」
「お前はオレより弱いだろうが」
「う、うるさいな……」
「ふふっ、二人とも仲良しです」
「「誰が!!」」
アルフェンは、楽しかった。
サフィーとウィリアム。新しい仲間がいる。
モグは、この光景を見たら喜んでくれるだろうか。
アルフェンはそっと右手を押さえ、思いきり拳を握り締めた。
「よし!! ダモクレス先生、次は俺がやります!! 一対一でお願いします!!」
「おお!! いい気合である。ではやろうか!!」
右腕を変化させ、アルフェンはタイタンに向かって突っ込んでいった。
◇◇◇◇◇◇
「いてて……タイタン、少しは遠慮しろって……」
アルフェンは、教室で頬と腹を押さえ呻いていた。
タイタンに一撃入れたはいいが、お返しにと二発殴られたのだ。召喚獣を発動させていたので大した怪我ではないが、痛いのは痛い。
すると、アルフェンの前の席に座っていたウィリアムが振り返る。
「お前、その右腕は接近戦特化だな。タイタンも接近戦特化だから、単純に相性の問題だと思うぞ」
「え……なにお前、アドバイスとか初めてじゃね?」
「オレは思ったことを言っただけだ。オレの目的を達成するのにここは都合がいい。町のチンピラや野良魔獣を相手にするよりよっぽどいい。お前も強くなって、オレの相手ができるようになれ」
「……ふん。今に見てろよ。それと、いいこと考えたんだ」
「あ?」
アルフェンはニヤッと笑い、ウィリアムに向かって人差し指を立てる。
「確かに、お前は俺より強い。でも……すぐに俺がお前より強くなってやる」
「ほぉ……で?」
「そうすれば、お前は俺より強くなろうと努力するだろ? そして俺より強くなる……そうして、俺はまたお前より強くなる。そしてお前もまた俺より強く……これを繰り返せば、俺たちの強さは天井知らずだ」
「……お前、けっこう馬鹿だな」
「はぁ!? い、いい案だろ!!」
「ぷっ……まぁ、いい案かもな。じゃあ、まずはオレより強くならねぇとな」
「ふん、軽い軽い」
と───アルフェンが笑った瞬間だった。
アルフェンとウィリアムの頭に、分厚い本の角が叩き付けられたのである。
「あだぁ!?」「いっでぇ!?」
「お前ら、あたしの授業を無視してお喋りなんていい度胸だね!! 三人しかいない教室でよくもまぁそんな堂々と……」
「「……すみませんでした」」
「ぷっ……ふふ」
真面目に授業を聞いていたサフィーが笑った。
ガーネットは怒り、ガミガミと二人を怒鳴る。
アルフェンは叱られながら思った。
まるで、普通の学校生活のようだ、と。
◇◇◇◇◇◇
S級寮に、一通の手紙が届いていた。
差出人はキリアス。アルフェンの兄で、内容は『話があるから来い』というものだ。
談話室で手紙を読んでいたアルフェン。ウィリアムとサフィーは興味津々だった。
「キリアス兄さんからだ」
「……お前の兄貴か?」
「ああ。話があるから明日、B級専用演習場に来いってさ」
「演習場……B級演習場は学園で最も大きな演習場です。B級の生徒しか使用はできず、申請すれば教師が個別指導してくれるとか」
「そんなところで、お前の兄貴はなんの話かね?」
「さぁ……まぁ、なんとなく想像できるけど」
恐らく、キリアスの背後に誰かいる。キリアスなら手紙なんて回りくどい真似はしない。S級寮や校舎に来ないまでも、アルフェンを見かけたら声をかけてくるはずだ。
「まぁ、行くよ」
「……オレもいく。面白そうな匂いがするぜ」
「わ、私も行きます!」
「えー……いや、いいよ」
「でもでも! 手紙には『一人でこい』なんて書かれてません!」
「いや、俺に当てた手紙だし……まぁ、いいか」
アルフェンは手紙をしまい、ソファに寄り掛かった。
「B級か……」
ふと、幼馴染のフェニアが思い浮かぶ。
生徒会と対立した後、めっきり会話がなくなった。
アルフェンは寮と校舎の往復しかしていないが、S級に関するうわさは学園中に広まっている。
アルフェンはもちろん、学園に来たばかりのウィリアムや、友達付き合いのないサフィーにはわからなかった。
B級生徒たちが、『反S級』を掲げていることに。
それから三日後……ウィリアムもガーネットとダモクレスの授業を受けるようになる。驚いたことに、ウィリアムは頭もよく料理上手、ダモクレスとの戦闘訓練もそつなくこなしていた。
ダモクレスは、驚いていた。
「ほほう! 一対一でタイタンと引き分けるとはやりおる!」
「はぁ、はぁ……ば、大したこと、ねぇよ……」
「がっはっは!! 無理をするな、我が召喚獣は鍛えに鍛え抜かれた最強の召喚獣だ!! 負けるのは当然、引き分けるのは奇跡じゃ!!」
「くっそ……」
正直、アルフェンとサフィー二人でも、タイタンと引き分けるのは難しい。かろうじて転ばせたり一撃入れるだけで精一杯なのだ。
最初、『一対一でやらせろ』とウィリアムが言い出したときは、止めるのが大変だったが……ウィリアムの強さには本当に驚かされた。
ウィリアムは、アルフェンとサフィーの元へ。
「王国を守る二十一の召喚士か……正直、勝てる気がしない」
「歴戦の英雄だしな。かつて魔帝を封印した召喚士と、その一族だ。俺やお前とは経験が違う」
「お前はオレより弱いだろうが」
「う、うるさいな……」
「ふふっ、二人とも仲良しです」
「「誰が!!」」
アルフェンは、楽しかった。
サフィーとウィリアム。新しい仲間がいる。
モグは、この光景を見たら喜んでくれるだろうか。
アルフェンはそっと右手を押さえ、思いきり拳を握り締めた。
「よし!! ダモクレス先生、次は俺がやります!! 一対一でお願いします!!」
「おお!! いい気合である。ではやろうか!!」
右腕を変化させ、アルフェンはタイタンに向かって突っ込んでいった。
◇◇◇◇◇◇
「いてて……タイタン、少しは遠慮しろって……」
アルフェンは、教室で頬と腹を押さえ呻いていた。
タイタンに一撃入れたはいいが、お返しにと二発殴られたのだ。召喚獣を発動させていたので大した怪我ではないが、痛いのは痛い。
すると、アルフェンの前の席に座っていたウィリアムが振り返る。
「お前、その右腕は接近戦特化だな。タイタンも接近戦特化だから、単純に相性の問題だと思うぞ」
「え……なにお前、アドバイスとか初めてじゃね?」
「オレは思ったことを言っただけだ。オレの目的を達成するのにここは都合がいい。町のチンピラや野良魔獣を相手にするよりよっぽどいい。お前も強くなって、オレの相手ができるようになれ」
「……ふん。今に見てろよ。それと、いいこと考えたんだ」
「あ?」
アルフェンはニヤッと笑い、ウィリアムに向かって人差し指を立てる。
「確かに、お前は俺より強い。でも……すぐに俺がお前より強くなってやる」
「ほぉ……で?」
「そうすれば、お前は俺より強くなろうと努力するだろ? そして俺より強くなる……そうして、俺はまたお前より強くなる。そしてお前もまた俺より強く……これを繰り返せば、俺たちの強さは天井知らずだ」
「……お前、けっこう馬鹿だな」
「はぁ!? い、いい案だろ!!」
「ぷっ……まぁ、いい案かもな。じゃあ、まずはオレより強くならねぇとな」
「ふん、軽い軽い」
と───アルフェンが笑った瞬間だった。
アルフェンとウィリアムの頭に、分厚い本の角が叩き付けられたのである。
「あだぁ!?」「いっでぇ!?」
「お前ら、あたしの授業を無視してお喋りなんていい度胸だね!! 三人しかいない教室でよくもまぁそんな堂々と……」
「「……すみませんでした」」
「ぷっ……ふふ」
真面目に授業を聞いていたサフィーが笑った。
ガーネットは怒り、ガミガミと二人を怒鳴る。
アルフェンは叱られながら思った。
まるで、普通の学校生活のようだ、と。
◇◇◇◇◇◇
S級寮に、一通の手紙が届いていた。
差出人はキリアス。アルフェンの兄で、内容は『話があるから来い』というものだ。
談話室で手紙を読んでいたアルフェン。ウィリアムとサフィーは興味津々だった。
「キリアス兄さんからだ」
「……お前の兄貴か?」
「ああ。話があるから明日、B級専用演習場に来いってさ」
「演習場……B級演習場は学園で最も大きな演習場です。B級の生徒しか使用はできず、申請すれば教師が個別指導してくれるとか」
「そんなところで、お前の兄貴はなんの話かね?」
「さぁ……まぁ、なんとなく想像できるけど」
恐らく、キリアスの背後に誰かいる。キリアスなら手紙なんて回りくどい真似はしない。S級寮や校舎に来ないまでも、アルフェンを見かけたら声をかけてくるはずだ。
「まぁ、行くよ」
「……オレもいく。面白そうな匂いがするぜ」
「わ、私も行きます!」
「えー……いや、いいよ」
「でもでも! 手紙には『一人でこい』なんて書かれてません!」
「いや、俺に当てた手紙だし……まぁ、いいか」
アルフェンは手紙をしまい、ソファに寄り掛かった。
「B級か……」
ふと、幼馴染のフェニアが思い浮かぶ。
生徒会と対立した後、めっきり会話がなくなった。
アルフェンは寮と校舎の往復しかしていないが、S級に関するうわさは学園中に広まっている。
アルフェンはもちろん、学園に来たばかりのウィリアムや、友達付き合いのないサフィーにはわからなかった。
B級生徒たちが、『反S級』を掲げていることに。
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