召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう

文字の大きさ
103 / 178
第六章

ランペイジ

しおりを挟む
 フェニアとサフィーは、マルコシアスとグリフォンに騎乗しそれぞれ戦っていた。
 サフィーは陸、フェニアは空中と、それぞれの舞台で能力を行使し、互いをサポートしつつ魔獣たちを相手に戦っている。

「マルコシアス、『アイスブレイク』!!」

 マルコシアスが吐いた息が目の前のオークを氷漬けにし、そのまま体当たりで粉砕。サフィーは氷の剣を手に持ち、接近してくる大型の羽虫を斬りつけた。
 魔獣の数はとんでもない数だった。ミドガルズオルムが連れてきた魔獣に、バハムートが『適当に暴れとけ』と命令して放置していた魔獣たち。それらが村になだれ込み、家屋や畑を破壊したり家畜たちを襲っていたのである。

「ああ、村が……」
「グリフォン、『エアスラスト』!!」

 風の刃が魔獣たちを切り裂く。
 いくつかの家屋が破壊され、数体のオークが家畜のウシを殺し食っていた。
 そして、リリーシャたちの馬車を引いていた馬がいる厩舎に、コボルトが迫る。

「やっば……サフィー、行ける!?」
「くっ……」

 数体のコボルトが厩舎へ。
 だが、サフィーもアネルも魔獣の相手で精いっぱいだ。
 すると、岩がいくつも飛んできてコボルトたちを押しつぶす。

「馬はやらせないぞ!!」

 キリアスが厩舎から現れた。
 飛んできた岩がくっつき、ヒト型になる。
 キリアスの召喚獣『ゴーレム』だ。能力は『組換』で、岩の身体を組み換え形を作ることができる。今のように、身体を一つの岩にして飛ばし、押しつぶすことも可能だった。
 だが、コボルトはまだいる。キリアスに飛び掛かろうと唸っていた。

『ぎゅぅるるるる!!』
「はぁっ!!」
『ぎゃるるっ!?』

 だが───コボルトの首が綺麗に切断された。
 フェニアは、上空からその姿を見た。

「グリッツ!!」

 それは、『槍』を持ったグリッツだった。
 ヒュンヒュンと槍を回し構えを取る。
 グリッツの装備型召喚獣『ブレイクランス』という槍だった。
 
「キリアス先輩!! お守りします!!」
「ああ、頼むぞ」

 相棒型召喚獣は、召喚獣自体が能力を持つ。なので、人間側は無防備になるパターンが多い。一般的な戦術としては、召喚獣に騎乗して戦うか、装備型召喚獣を持つ召喚師と組んで戦うかのどちらかだ。
 グリッツは槍を起用に回転させ、魔獣たちに向ける。

「キリアス先輩、馬車を死守しましょう!! 馬車には『タマピヨ』も乗ってるんだ……絶対に守ってみせる!!」
「ああ。あの可愛らしいヒヨコは守るぞ!!」
「「……タマピヨ」」

 どうやら、黄色いディメンションスパロウの名前らしい。
 意外にも可愛らしく、名前のセンスはフェニアたちと似ていた。
 コボルトたちはグリッツたちを標的と決めたのか、ぞろぞろ集まってくる。

「ふん。教えてやる。ボクの生家ランサドール男爵家は槍の名門一族だ!! ランサドール流槍術にボクの召喚獣の能力……味わってみるか?」

 グリッツは自信たっぷりだった。
 フェニアとサフィーは顔を見合わせ小さく頷く。馬車や馬は任せても大丈夫そうだ。

「サフィー、一気に叩くわよ!」
「はい!」

 魔獣の群れは、まだまだいる。

 ◇◇◇◇◇◇

 メルは村の中を走っていた。

「おかしい───……住人が少ない」

 住人たちは逃げ出していた。が……どうも違和感があった。
 家屋をいくつか覗いたが、慌てて逃げ出した家とそうじゃない家がある。最低限の荷物を持って逃げた家、慌てて飛び出して逃げた家とあった。

「どういうこと……? なに、この違和感」

 メルは、口元を押さえ思案する……すると、数匹の魔獣がメルを包囲した。
 魔獣はオーク。数は三体……メルは舌打ちし、オークを睨む。

「うっとおしいわね……」

 そして、指を鳴らす。
 現れたのは、巨大な鏡を抱く女性だった。
 
「誘え、『ゲート・オブ・イゾルデ』」

 すると、女性の持つ鏡に波紋が広がり───鏡の中から『召喚獣』が現れた。
 大きな虎、剣を持った騎士、頭が三つある犬。どれもB~C級の召喚獣だ。メルは一言だけ告げる。

「王女命令よ。やりなさい」

 すると、召喚獣たちがオークに飛び掛かった。
 メルはそれを見ず、顎に手を当てて考えこむ。

「この綺麗な逃げ出し方、予めわかっていないとできない……魔獣の襲撃を知っていた? でも、なぜほかの住人は知らなかった?……それに、逃げ出した住人はどういう関係?」

 剣を持った騎士がオークを両断し、頭が三つある犬がオークを噛み殺した。大きな虎はすでにオークの頭部をムシャムシャ食べている。

「嫌な予感がする……これは調べる必要がありそうね。でも、使える手駒がいない。フギンもムニンもいないし……わたしが動くしかないか」

 メルを囲んでいたオークは全滅。召喚獣たちは『鏡』の中へ戻った。
 特殊型召喚獣『ゲート・オブ・イゾルデ』の能力は、『主従召喚』だ。メルを主と認めた召喚師の召喚獣をメルが召喚することができる。
 メルは、私設部隊の召喚師たち全員の召喚獣を借り、操ることができる。メルを慕い忠誠を誓わせれば、メルの強さは天井知らずだ。
 もちろん、いろいろと制約はある。

「───とりあえず、住人……いや、村長を探しましょう」

 メルは再び走り出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風
ファンタジー
仕事に疲れたサラリーマンがバスの事故で大人気乙女ゲーム『プリンセス ストーリー』の世界へ転生してしまった。しかも攻略不可能と噂されるラスボス的存在『アレク・ガルラ・フラスター王子』だった。 アレク王子はヒロインたちの前に立ちはだかることが出来るのか?

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~

黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」 女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。 この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。 『勇者道化師ベルキッド、追放される』 『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。

処理中です...