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第六章
アルフェンVSミドガルズオルム①/スロウ
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アルフェンは右手を巨大化させ、ミドガルズオルムに向けて放った。
硬化を付与させ、ミドガルズオルムに触れればそれで終わり。破壊ではない『死』の右手がミドガルズオルムに迫る……が、ミドガルズオルムは大きな欠伸をした。
そして、右手がミドガルズオルムに接近した瞬間。
「───ッ!? えっ!?」
ガクンと、速度が落ちた。
止まったのかと思った。そうではない。速度が急激に落ちたのだ。
ミドガルズオルムは半歩ずれ、一歩下がる。すると、アルフェンの拳は勢いを回復し伸びていく。
空振り───アルフェンは右手を戻した。
「なっ……今の、何だよ」
「能力だよ。じゃあ、オレの番」
ミドガルズオルムは手のひらをアルフェンへ向ける。すると、光が集まり球となった。
その球を、アルフェンめがけて発射。アルフェンは右手を盾にして防御する。
「これは……」
「魔法だよ。さーて、やりますか」
「くっ……」
ミドガルズオルムは両手に光玉を生み出し、アルフェンに向かって連射する。
魔法。魔人が使う『能力』とは違う奇跡。地水火風を操り、光と闇も自在だ。
ミドガルズオルムは、様々な光玉を生み出しアルフェンに向けて放つ。
「このっ……うっとおしい!!」
「おお!?」
アルフェンは自分の周りを右手で薙ぐと、光玉が空中で停止し消滅した。
『停止世界』を使った防御。アルフェンは跳躍し、ミドガルズオルムに接近。直接殴ろうと拳を振りかぶる。
「───……無駄だよ」
「な───ッ」
だが、ミドガルズオルムに接近した瞬間───身体が動かなくなった。
違う。動いてはいる……速度が低下していた。
「こ───れ───は───……」
「これがオレの能力『スロウ』だよ。オレに近づくモノはぜーんぶ『遅く』なる。物理的な力はもちろん、能力も、動きも全部。それはジャガーノート、お前も例外じゃない。いくら強い能力だって、当たらなきゃ意味ないし」
「く───……」
ミドガルズオルムは、アルフェンの頭をポンポン撫でた。
そして……ミドガルズオルムの拳がアルフェンの腹に突き刺さる。貫通こそしなかったが、衝撃は徐々に、徐々に、のろく伝わる。
痛みが遅く伝わる感覚。アルフェンは激痛を感じていた───通常の何倍もの痛みを感じながら。
「ぐ、あっ───っがぁぁぁっ!?」
アルフェンは吹っ飛び、地面を転がった。
ミドガルズオルムは、拳をプラプラさせながら言う。
「面倒くさいからね。オレからあんまり攻めたくないんだよ。どんな攻撃もノロくしてやるから、キミから向かってきてくれない?」
「……ッ!!」
アルフェンは腹を押さえ立ち上がる。
間違いなく、ミドガルズオルムは強敵だった。
◇◇◇◇◇◇
ウィルは、村の外へ出てひたすら走った。
地形なんて覚えていない。ウィルが走る理由はただ一つ……見えたからだ。
家族の仇、村の仲間の仇、相棒の仇。
「見つけた……見つけたぞ!!」
「あらぁ?」
ウィルは、左腕を変化させ目の前の女に突きつけた。
露出の激しい水着のような上下に、スケスケのヴェールだけを纏った妖艶な女。手には漆黒の大鎌を持ち、白いロングウェーブヘアをかきあげた。
そして、普通の男だったら一瞬で虜になりそうな流し目でウィルの身体を上から下までなぞる。
「んん~……いい男ねぇ。───ん、どこかで……ああ!! 『258番目』クンじゃない!!」
「……あぁ?」
「ふふ。あなた、258番目に残した男の子よねぇ? んん~、いい顔になったわねぇ? 復讐心のおかげでだいぶ強くなったみたい♪」
「…………」
ビシリと、ウィルの額に青筋が浮かぶ。
突きつけた左手が震え、奥歯が砕けそうなくらい噛みしめられた。
「ふふふ……あなた、そろそろ食べ頃ねぇ?」
「ブッッッッッッッ殺す!!
ウィルは叫ぶ。
怒りのまま、心を震わせ、かつて失った故郷と家族と相棒の死にざまを記憶から掘り起こす。
『ふふ、あなた、いい顔ね……あなたに決めた』
目の前にいる女───『色欲』の魔人フロレンティア。
彼女は、ウィルを生かした。
ウィルの目の前で家族を殺し、嗤っていた。
「テメェだけは……テメェだけはオレの手で殺す!!」
「いい顔ね……ふふ、ちょっと新人の様子を見に来ただけなのに、面白くなってきちゃった♪」
フロレンティアは大鎌をクルクル回し、鎌の柄に身体を擦り付け喘ぐ。
「さぁ~楽しみましょう? たぁ~っぷり遊ぼうねぇ~♪」
「穿て───『ヘッズマン』!!」
翡翠のような左手から発射された弾丸が、フロレンティアに向かって飛んでいく───。
硬化を付与させ、ミドガルズオルムに触れればそれで終わり。破壊ではない『死』の右手がミドガルズオルムに迫る……が、ミドガルズオルムは大きな欠伸をした。
そして、右手がミドガルズオルムに接近した瞬間。
「───ッ!? えっ!?」
ガクンと、速度が落ちた。
止まったのかと思った。そうではない。速度が急激に落ちたのだ。
ミドガルズオルムは半歩ずれ、一歩下がる。すると、アルフェンの拳は勢いを回復し伸びていく。
空振り───アルフェンは右手を戻した。
「なっ……今の、何だよ」
「能力だよ。じゃあ、オレの番」
ミドガルズオルムは手のひらをアルフェンへ向ける。すると、光が集まり球となった。
その球を、アルフェンめがけて発射。アルフェンは右手を盾にして防御する。
「これは……」
「魔法だよ。さーて、やりますか」
「くっ……」
ミドガルズオルムは両手に光玉を生み出し、アルフェンに向かって連射する。
魔法。魔人が使う『能力』とは違う奇跡。地水火風を操り、光と闇も自在だ。
ミドガルズオルムは、様々な光玉を生み出しアルフェンに向けて放つ。
「このっ……うっとおしい!!」
「おお!?」
アルフェンは自分の周りを右手で薙ぐと、光玉が空中で停止し消滅した。
『停止世界』を使った防御。アルフェンは跳躍し、ミドガルズオルムに接近。直接殴ろうと拳を振りかぶる。
「───……無駄だよ」
「な───ッ」
だが、ミドガルズオルムに接近した瞬間───身体が動かなくなった。
違う。動いてはいる……速度が低下していた。
「こ───れ───は───……」
「これがオレの能力『スロウ』だよ。オレに近づくモノはぜーんぶ『遅く』なる。物理的な力はもちろん、能力も、動きも全部。それはジャガーノート、お前も例外じゃない。いくら強い能力だって、当たらなきゃ意味ないし」
「く───……」
ミドガルズオルムは、アルフェンの頭をポンポン撫でた。
そして……ミドガルズオルムの拳がアルフェンの腹に突き刺さる。貫通こそしなかったが、衝撃は徐々に、徐々に、のろく伝わる。
痛みが遅く伝わる感覚。アルフェンは激痛を感じていた───通常の何倍もの痛みを感じながら。
「ぐ、あっ───っがぁぁぁっ!?」
アルフェンは吹っ飛び、地面を転がった。
ミドガルズオルムは、拳をプラプラさせながら言う。
「面倒くさいからね。オレからあんまり攻めたくないんだよ。どんな攻撃もノロくしてやるから、キミから向かってきてくれない?」
「……ッ!!」
アルフェンは腹を押さえ立ち上がる。
間違いなく、ミドガルズオルムは強敵だった。
◇◇◇◇◇◇
ウィルは、村の外へ出てひたすら走った。
地形なんて覚えていない。ウィルが走る理由はただ一つ……見えたからだ。
家族の仇、村の仲間の仇、相棒の仇。
「見つけた……見つけたぞ!!」
「あらぁ?」
ウィルは、左腕を変化させ目の前の女に突きつけた。
露出の激しい水着のような上下に、スケスケのヴェールだけを纏った妖艶な女。手には漆黒の大鎌を持ち、白いロングウェーブヘアをかきあげた。
そして、普通の男だったら一瞬で虜になりそうな流し目でウィルの身体を上から下までなぞる。
「んん~……いい男ねぇ。───ん、どこかで……ああ!! 『258番目』クンじゃない!!」
「……あぁ?」
「ふふ。あなた、258番目に残した男の子よねぇ? んん~、いい顔になったわねぇ? 復讐心のおかげでだいぶ強くなったみたい♪」
「…………」
ビシリと、ウィルの額に青筋が浮かぶ。
突きつけた左手が震え、奥歯が砕けそうなくらい噛みしめられた。
「ふふふ……あなた、そろそろ食べ頃ねぇ?」
「ブッッッッッッッ殺す!!
ウィルは叫ぶ。
怒りのまま、心を震わせ、かつて失った故郷と家族と相棒の死にざまを記憶から掘り起こす。
『ふふ、あなた、いい顔ね……あなたに決めた』
目の前にいる女───『色欲』の魔人フロレンティア。
彼女は、ウィルを生かした。
ウィルの目の前で家族を殺し、嗤っていた。
「テメェだけは……テメェだけはオレの手で殺す!!」
「いい顔ね……ふふ、ちょっと新人の様子を見に来ただけなのに、面白くなってきちゃった♪」
フロレンティアは大鎌をクルクル回し、鎌の柄に身体を擦り付け喘ぐ。
「さぁ~楽しみましょう? たぁ~っぷり遊ぼうねぇ~♪」
「穿て───『ヘッズマン』!!」
翡翠のような左手から発射された弾丸が、フロレンティアに向かって飛んでいく───。
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