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第四章
危険階層
現在、カフェで休憩中。ここの従業員は学園関係者らしい。
俺は、レイたちに管理人さんから聞いた危険階層のことを話す。
「───……ってことで、危険階層があるらしい」
「へぇ、面白そうね……って、言うと思った? 冗談じゃない、そんな危険な場所には近づかないわよ」
「…………」
「レノ、一瞬だけ『面白そう』って思ったでしょ」
「さ、サリオてめぇ、余計なこと言うんじゃねぇ!!」
レノはサリオの肩を掴んでガタガタ揺らす。
俺はアピアに言う。
「調査隊も帰って来なかった危険な場所らしい……」
「まぁ……怖いです」
「ま、行かなきゃ安心だ。な、レイ」
「そうね。あと、今日は二十階層くらいまで進んで終わりにしましょっか。じゃ、そろそろ行くわよ」
レイが立ち上がり会計を済ませる。
先輩冒険者としての奢りらしい。感謝感謝。
カフェから出て気付く。
「あれ、いない」
管理人さんがいなかった。
お手洗いでも行ったのだろうか。
「リュウキ、行くわよ!!」
「あ、ああ───……ん?」
レイたちが階段に足をかけている。
だが、ちょっと違和感を感じた……あれ? 階段を封鎖していた鎖、こっちの階段だったか?
首を傾げると、レノが言う。
「おい、何してんだ」
「……まぁ、いいか」
とりあえず、先に進まないといけない。
◇◇◇◇◇◇
階段を上り、先に続く扉を開けて中へ。
扉が閉まると、扉は綺麗さっぱり消えてしまった。
さて、休憩して疲れも取れた。先に進んで……。
「…………」
「レイ、どうしたんですか?」
「……おかしい」
レイが一筋の汗を流す。
その理由が、俺にもわかった……背中がピリピリし、妙に寒い。
おかしい。気温が低いわけじゃないのに、冷える。
なんだろう……俺の何かが、警戒している。
「……なんか、さみぃ」
「レノ、お前もか」
「リュウキ……なんだ、この階層?」
「……」
「あ、あの、リュウキくん」
アピアが俺の袖をそっと摘まむ。
「な、なんだが、嫌な予感がします」
「アピア……」
「ぼ、ぼくも、ここはヤバいと思う。レイさん、どうする?」
「……進むしかないわ」
「え……」
「見てわかるでしょ? もうセーフエリアには戻れない。先に進むしか、道はない」
「で、でも」
「……気持ちはわかる。あたしも、嫌な予感しか感じてない。でも……ここで立ち止まっても、どうにかなるわけじゃない。だったら、みんなで力を合わせて進むしかないでしょ」
レイは、自分に言い聞かせるようにサリオに言う。
不安なのか、冷や汗を掻いていた。
この時点で、俺は確信した。
「間違いない……ここは、危険階層だ」
◇◇◇◇◇◇
どうして、危険階層に入ったのか。
管理者さん? なぜ管理者さんがいない? 鎖の入れ替わり?
誰が? 俺たちが休んでる間に? どうして、こんなことを?
「…………」
わからない。
悩んでいると、レイが言う。
「ここから先は、最大級の警戒をもって進む……いい、空気で察したと思うけど、ここはヤバいわ。それと、あたしが前に出るから、リュウキは殿をお願い」
「わ、わかった」
「……マジでヤバいわ。この先に、何がいるのか」
レイは緊張したまま、階層の奥へ続くとドアを開けた。
◇◇◇◇◇◇
ドアを開けると、そこは広い空間だった。
途端に襲うプレッシャー。ズンと、重しを両肩に載せたような威圧感。
ドアが閉まると、ドアが消えた。
レイは槍を抜き、レノは震える手で拳を構える。アピアとサリオは動けなかった。
現れたのは───……漆黒の狼。
「な、なんだ……こいつ」
「…………うそ」
驚くレノ、驚愕するレイ。
漆黒の狼は、真紅の眼をギラギラさせ、遠吠えした。
『ウォォォォォ───……ン!!』
部屋が震えた。
みんな、動けなかった。
レイですら青ざめ、動けなかった。
動けたのは───……俺だけだった。
「みんな!! しっかりしろ!!」
「「「「!!」」」」
「あのバケモノ、何なんだ? 誰か知らないか!?」
必死で叫ぶ。
すると、レイがポツリと呟いた。
「……『大罪魔獣』」
「え?」
「ぶ、文献で、読んだことがある……あ、あれは、この世界に七体存在する最強の魔獣の一体」
「さ、最強の魔獣? 最強って、ドラゴンじゃ」
「ドラゴンを除いた最強よ。そもそも、ドラゴンに喧嘩を売る種族なんていない。だから最強は不動なの。でも、それ以外で最強の名を関した、七体の魔獣がいるの」
「それが、あいつか」
「え、ええ……巨大な漆黒の体躯、真紅の瞳を持つ狼。恐らくあれは、『暴食の影狼』、マルコシアスよ」
「暴食の、影狼」
マルコシアスは、漆黒の毛を逆立てていた。
ヨダレをダラダラ流し、大きな口を開ける。
動けるのは俺だけ。
「やるしか、ない」
こいつが、管理者さんが言っていた、過去にダンジョンを調査しにきた調査隊を全滅させた魔獣。
大罪魔獣『暴食の影狼』マルコシアスか。
俺は闘気を解放し、ミスリルソードを抜いてマルコシアスに突き付けた。
俺は、レイたちに管理人さんから聞いた危険階層のことを話す。
「───……ってことで、危険階層があるらしい」
「へぇ、面白そうね……って、言うと思った? 冗談じゃない、そんな危険な場所には近づかないわよ」
「…………」
「レノ、一瞬だけ『面白そう』って思ったでしょ」
「さ、サリオてめぇ、余計なこと言うんじゃねぇ!!」
レノはサリオの肩を掴んでガタガタ揺らす。
俺はアピアに言う。
「調査隊も帰って来なかった危険な場所らしい……」
「まぁ……怖いです」
「ま、行かなきゃ安心だ。な、レイ」
「そうね。あと、今日は二十階層くらいまで進んで終わりにしましょっか。じゃ、そろそろ行くわよ」
レイが立ち上がり会計を済ませる。
先輩冒険者としての奢りらしい。感謝感謝。
カフェから出て気付く。
「あれ、いない」
管理人さんがいなかった。
お手洗いでも行ったのだろうか。
「リュウキ、行くわよ!!」
「あ、ああ───……ん?」
レイたちが階段に足をかけている。
だが、ちょっと違和感を感じた……あれ? 階段を封鎖していた鎖、こっちの階段だったか?
首を傾げると、レノが言う。
「おい、何してんだ」
「……まぁ、いいか」
とりあえず、先に進まないといけない。
◇◇◇◇◇◇
階段を上り、先に続く扉を開けて中へ。
扉が閉まると、扉は綺麗さっぱり消えてしまった。
さて、休憩して疲れも取れた。先に進んで……。
「…………」
「レイ、どうしたんですか?」
「……おかしい」
レイが一筋の汗を流す。
その理由が、俺にもわかった……背中がピリピリし、妙に寒い。
おかしい。気温が低いわけじゃないのに、冷える。
なんだろう……俺の何かが、警戒している。
「……なんか、さみぃ」
「レノ、お前もか」
「リュウキ……なんだ、この階層?」
「……」
「あ、あの、リュウキくん」
アピアが俺の袖をそっと摘まむ。
「な、なんだが、嫌な予感がします」
「アピア……」
「ぼ、ぼくも、ここはヤバいと思う。レイさん、どうする?」
「……進むしかないわ」
「え……」
「見てわかるでしょ? もうセーフエリアには戻れない。先に進むしか、道はない」
「で、でも」
「……気持ちはわかる。あたしも、嫌な予感しか感じてない。でも……ここで立ち止まっても、どうにかなるわけじゃない。だったら、みんなで力を合わせて進むしかないでしょ」
レイは、自分に言い聞かせるようにサリオに言う。
不安なのか、冷や汗を掻いていた。
この時点で、俺は確信した。
「間違いない……ここは、危険階層だ」
◇◇◇◇◇◇
どうして、危険階層に入ったのか。
管理者さん? なぜ管理者さんがいない? 鎖の入れ替わり?
誰が? 俺たちが休んでる間に? どうして、こんなことを?
「…………」
わからない。
悩んでいると、レイが言う。
「ここから先は、最大級の警戒をもって進む……いい、空気で察したと思うけど、ここはヤバいわ。それと、あたしが前に出るから、リュウキは殿をお願い」
「わ、わかった」
「……マジでヤバいわ。この先に、何がいるのか」
レイは緊張したまま、階層の奥へ続くとドアを開けた。
◇◇◇◇◇◇
ドアを開けると、そこは広い空間だった。
途端に襲うプレッシャー。ズンと、重しを両肩に載せたような威圧感。
ドアが閉まると、ドアが消えた。
レイは槍を抜き、レノは震える手で拳を構える。アピアとサリオは動けなかった。
現れたのは───……漆黒の狼。
「な、なんだ……こいつ」
「…………うそ」
驚くレノ、驚愕するレイ。
漆黒の狼は、真紅の眼をギラギラさせ、遠吠えした。
『ウォォォォォ───……ン!!』
部屋が震えた。
みんな、動けなかった。
レイですら青ざめ、動けなかった。
動けたのは───……俺だけだった。
「みんな!! しっかりしろ!!」
「「「「!!」」」」
「あのバケモノ、何なんだ? 誰か知らないか!?」
必死で叫ぶ。
すると、レイがポツリと呟いた。
「……『大罪魔獣』」
「え?」
「ぶ、文献で、読んだことがある……あ、あれは、この世界に七体存在する最強の魔獣の一体」
「さ、最強の魔獣? 最強って、ドラゴンじゃ」
「ドラゴンを除いた最強よ。そもそも、ドラゴンに喧嘩を売る種族なんていない。だから最強は不動なの。でも、それ以外で最強の名を関した、七体の魔獣がいるの」
「それが、あいつか」
「え、ええ……巨大な漆黒の体躯、真紅の瞳を持つ狼。恐らくあれは、『暴食の影狼』、マルコシアスよ」
「暴食の、影狼」
マルコシアスは、漆黒の毛を逆立てていた。
ヨダレをダラダラ流し、大きな口を開ける。
動けるのは俺だけ。
「やるしか、ない」
こいつが、管理者さんが言っていた、過去にダンジョンを調査しにきた調査隊を全滅させた魔獣。
大罪魔獣『暴食の影狼』マルコシアスか。
俺は闘気を解放し、ミスリルソードを抜いてマルコシアスに突き付けた。
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