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第一章
第2話 王子様の溺愛はまだ続く。
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――7年経っても驚くほど私達は変わらなかった。いや。私の記憶が戻ったことは変わったことかもしれない。
「全裸待機中……」
「ベッドに潜られながらそれ言われると心底不安になるのですが」
コイツ本当に王子なのか? 王子じゃないからイベントが起きたり元々の私のよく知る性格じゃ無くなったのか?
いや、ホントにコイツが王子なのだろう。えらく癪に障るが。
あっ、そういやヒロインのベッドに潜り込んで『全裸待機中……』って言ってた場面あった! 何? 私ヒロインと入れ替わったの? 悪役令嬢とヒロインってそんなに簡単に入れ替われるような存在だったの?
「ところで身体の方は大丈夫なの?」
「ねえ、何でそんな事だけキメ顔イケボで言うのですか?」
「大丈夫なの?」
「何の魂胆があってかは知らないですけど大丈夫ですよ」
「そうか。フフフフフフフフ!」
「何ですか!? 超怖いんですけど!」
突然『フフフフフフフフフ』と不気味な笑い声を発し始めた我が国が誇るはずの第一王子。
国のマトモなお偉いさーん、ここに未婚の公爵令嬢のベッドに潜り込んで不気味な笑い声をあげている変態男がいますよー。と声を大にして言いたい。
言いたかったがはたしてマトモな人がお偉いさんになっているのかいう心配をしなければならないレベルになってしまったので結果的に隠ぺいみたいな感じになってしまった。
日本が恋しい……。
「まあ、二週間連続でマイハニーの家に泊まったせいで結果的に二週間連続で授業をサボる事になっちゃったから今日こそ帰らないといけないんだ。ごめんね、マイハニー。もっと僕といたいだろうに」
心底悲しそうな表情で私を案ずるが、その心配はない。だってあなたがいないほうが安眠できるもの。あなたが隣で寝ていたら気が気じゃないのよ。
「ああ、僕の可愛いお・ひ・め・さ・まっ♡」
そういいながら私に抱きついてきた変態。
やめて! 気持ち悪いの、その言い方!
「もー、照れる必要はないのに! このこのっ♡」
「照れてないです、防衛反応です」
「ぼ、防衛ッ……!?」
顔を赤らめながらハァハァと言い出す変態としては将来有望そうな王子。コイツの妄想力どうなってんだ。
「と、とりあえず帰らなければ……!」
まだ余韻に浸っているのか顔が赤いカイル様。
必然的に掛布団をめくるわけで。
『カバッ!』
……。
「どうしてブーメランパンツ履いてるんですか?」
「流石に全裸という訳にはいかないし……。妥協点としてどう?」
「無理です服着てください」
「スケルトン素材ならどう?」
「無理です」
私は王子を無理矢理家(城)に返した。
「全裸待機中……」
「ベッドに潜られながらそれ言われると心底不安になるのですが」
コイツ本当に王子なのか? 王子じゃないからイベントが起きたり元々の私のよく知る性格じゃ無くなったのか?
いや、ホントにコイツが王子なのだろう。えらく癪に障るが。
あっ、そういやヒロインのベッドに潜り込んで『全裸待機中……』って言ってた場面あった! 何? 私ヒロインと入れ替わったの? 悪役令嬢とヒロインってそんなに簡単に入れ替われるような存在だったの?
「ところで身体の方は大丈夫なの?」
「ねえ、何でそんな事だけキメ顔イケボで言うのですか?」
「大丈夫なの?」
「何の魂胆があってかは知らないですけど大丈夫ですよ」
「そうか。フフフフフフフフ!」
「何ですか!? 超怖いんですけど!」
突然『フフフフフフフフフ』と不気味な笑い声を発し始めた我が国が誇るはずの第一王子。
国のマトモなお偉いさーん、ここに未婚の公爵令嬢のベッドに潜り込んで不気味な笑い声をあげている変態男がいますよー。と声を大にして言いたい。
言いたかったがはたしてマトモな人がお偉いさんになっているのかいう心配をしなければならないレベルになってしまったので結果的に隠ぺいみたいな感じになってしまった。
日本が恋しい……。
「まあ、二週間連続でマイハニーの家に泊まったせいで結果的に二週間連続で授業をサボる事になっちゃったから今日こそ帰らないといけないんだ。ごめんね、マイハニー。もっと僕といたいだろうに」
心底悲しそうな表情で私を案ずるが、その心配はない。だってあなたがいないほうが安眠できるもの。あなたが隣で寝ていたら気が気じゃないのよ。
「ああ、僕の可愛いお・ひ・め・さ・まっ♡」
そういいながら私に抱きついてきた変態。
やめて! 気持ち悪いの、その言い方!
「もー、照れる必要はないのに! このこのっ♡」
「照れてないです、防衛反応です」
「ぼ、防衛ッ……!?」
顔を赤らめながらハァハァと言い出す変態としては将来有望そうな王子。コイツの妄想力どうなってんだ。
「と、とりあえず帰らなければ……!」
まだ余韻に浸っているのか顔が赤いカイル様。
必然的に掛布団をめくるわけで。
『カバッ!』
……。
「どうしてブーメランパンツ履いてるんですか?」
「流石に全裸という訳にはいかないし……。妥協点としてどう?」
「無理です服着てください」
「スケルトン素材ならどう?」
「無理です」
私は王子を無理矢理家(城)に返した。
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