悪役令嬢のはずがなぜ王子様に溺愛されているのでしょう

第二章

第18話 留学前パーティー

「留学前パーティーを開催します！」

 そう、今日はテストとの兼ね合いでだいぶ早めに開催することになった留学前パーティー。
 カイルが留学するとなると王城でもパーティーが開かれることにはなるだろうが、必ずしもクラスメイト全員がドレスコードを満たせるとは限らないし、王城に入ると雰囲気でやられるという人がいないとは限らないので伝統的に教室で一次会をやることにはしているらしい。まあ。

「みんな！ 王城でもパーティーあるけどドレスコードとか雰囲気とか気にしなくて大丈夫だから！ 親父が全裸待機（比喩じゃないです）して待ってるから大丈夫だよ！」

 この国の国王が全裸待機しているのでドレスコードなどあったもんじゃないが。多分貴族か学生証明書持ってたら普通に入れる、参加出来る。

 最近国の元中枢たちでアイドルユニットを結成するかの会議が為されたらしい。大丈夫か。（ちなみにカイル談によると名前は『ちゅうすう✩︎ぜんら』らしい。どうして脱ぐ）ファーストアルバムまで有志で投票がされ、一番有力となっているのが『ベッドの中の中枢くん』らしい。試験的に国立王都教養学院大学付属国際科英才学園スマートクラス幼稚舎というやけに名前がいかつく、世界でも有数のエリート幼稚園にこの曲でダンス課題を課してみてはどうかというなかなかクレイジーな案もあったようだ。
 発案したの国王だけど。

「どうするぅ!?」
「えー、行こうよぉ～！ その後ホテル行こぉ～」
「（リア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろリア充爆発しろ）」
「破ァーーーーーーッ！」

 スゲえ小声で怨念の言葉の数々が聞こえてくる。
 か〇はめ波打ってるヤツもいる。世界観どうした。
 ふと私は前世の思い出に浸り、そういえばこんなイベントもあったなぁ……、としみじみ前世を懐古する。
 ラブホテル前でひたすら一人トマト祭りするイベント。
 ぼっちを極めたら一人でトマト祭りすることも可能なのである。
 その後は留置所に行って釈放されるんだけど、まさかのそこに居たのはとうとう履いてる靴下をくれと駄々を捏ねて留置所に入れられたものの特権で釈放された国王が！
 そこで国王ルートに入ったりするんだよなぁ……。
 ……出会い方が特殊ね。え？ 国王ルート？ もちろん完全制覇しましたよ？

「ではまずプログラム一番、ユニット名『俺の母ちゃんとお前の父ちゃんが俺の部屋で運動会してた』です！」

 クラスメイトすらマトモな人を与えてくれないの制作陣……？
 それとなぜこんなにもドラマでありそうな悲劇的展開を入れてくるの、バンドの人……？