転生したら村人Dだっただ

流星 ひかり

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第1章 転生したら村人Dだっただ

転生したら村人Dだっただ Part5 異変

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今日もダインの村での一日が始まる。
僕がダインの村に来てから50日近く経った。
今日はモルフォストという大根に似た形の黄色い野菜の収穫の日だ。
弟とリリーが毎日丁寧に教えてくれるおかげで畑仕事も大分こなせる様になってきた。
「村人D、村の少年Aおはよー!」
畑仕事をしていると今日もリリーが柵を飛び越えて手を振りながら駆け寄って来て元気に挨拶してくれる。
本当に天使だ。
2人と一緒に今日も張り切って畑仕事を始めようとしたその時だった。
ビリっ!‼︎
全身に電撃が走った感覚がした。
静電気の感覚に似た感覚だか一瞬で全身が痺れた感覚だ。
身体が硬直して動けない。
目だけが辛うじて動かせるし、思考する事も出来るが、手や足が直立したまま全く動かない。
弟とリリーの方に視線を向ける。
2人も硬直したまま動かない。
僕と同じ事が2人にも起きているようだ。
声を出して2人を呼ぼうとしたが声も出せない。
すると次の瞬間、僕の脚が突然動いて歩き始めた。
僕は歩こうとしておらず、何かに操られて勝手に脚が動いて何処かに向かわせようとしているようだった。
弟も歩き始めて僕の目の前を歩いている。
僕と弟は同じ方向に誘導されているようだった。
リリーは僕達と違う方向に歩き出す。
一体これは何が起きているんだ?
訳が分からないまま僕は僕の脚が向かう先に抵抗する事も出来ずに連れて行かれた。
しばらく歩くと村と外の街道を繋ぐ村の入口にたどり着いた。
村の入口に辿り着くとようやく勝手に動いた僕の脚が止まってくれた。
弟もようやく脚が止まった様子だ。
大丈夫かと声をかけようとしたがやはり、声は出ない。
周りを見渡すと他の何人かの村人もこの村の入口に集まっていた。
あの人達は確か、村人Aに村人B、村人Cに村人Fもいる。
この世界に来てようやく覚えてきた村人のよく知る顔ぶれだったが、皆おしゃべり好きな気の良い人達のはずなのに誰一人喋らず、入口の周りに立っている。
村のみんなもこの謎の現象に巻き込まれているのだろうか。
状況が全く分からず呆然としていると、街道の方から村の入口に向かってくる2人の男と1匹の奇妙な動物が目に入った。
Part6につづく






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