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第1章 転生したら村人Dだっただ
転生したら村人Dだっただ Part9
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「だーけど!まずはおさらいも兼ねてそこの少年にカタリンクイズ!!勇者パーティの名前、全員言えるかなあ?」
カタリベが村の少年Bを指差してクイズを出題しだした。
「もちろん大ファンだから言えるよー!
勇者ジャンでしょー。焔髪の盗賊王カイン、聖犬クルス、エソの街の王宮魔術師ジーカネル、そしてそして1番大大大好きなエンシャン族の巫女リリーお姉ちゃん!!!」
村の少年Bがハキハキと答えた。
村の少年Bは僕たち兄弟の近所に住んでいて、カタリベの話しを聞くのが何より好きな明るい性格の子だ。
「んんんー!!!カッタリーン!!!大正解だよ少年!!」
カタリベが鼻息荒く興奮している。
本当に凄いおかしなテンションな人だ。
「お集まりの皆様のご存知の通り、この世界イーリスを滅ぼそうとする災厄、【魔王ギデラマレク】を倒すと予言された勇者ジャンが生まれ育ったニーレイの村から旅に出て早数ヶ月ぅぅぅ!」
カタリベが楽しそうに語り始めた。
「少年が答えてくれた通り、今の勇者のパーチーは道中の魔王の配下バルコムの砦での戦いで意気投合し仲間になった焔髪の盗賊王カイン、邪悪な存在を封じる使命を天から与えられた聖犬クルスを仲間に加え、更に更にぃ同じく予言の子でかつてニーレイの村で勇者の幼なじみであり、魔王から匿うためこのダインの村の村長に託されたエンシャン族の唯一の生き残り!!巫女リリーが仲間に加わったー!!
回復術の使い手で頼りになる可愛い娘ちゃんだあ!」
このくだりは前も聞いたが何回聞いても自分が褒められているように嬉しいし、リリーが誇らしい。
「さらにさらにイーリス最強の魔物討伐人の称号を持つヒスイ色の髪の超絶イケメン!大都市エソの王宮魔術師ジーカネルが仲間に加わりもう向かうところ敵なし!あっ敵なしぃぃぃ!!」
パチパチパチパチパチパチ!
またカタリベの拍手の催促だ。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
僕たち村人が再び拍手をカタリベに送る。
「もう!もう!もう!大好き!!!」
カタリベもテンションがMAXのご様子。
僕もこの村の村人も皆、この平和な村とはかけ離れているリリー達の大冒険の話しに夢中だ。
早く続きが聞きたい。
「さてさて、魔王の城ももうすぐそこ!ギクロムという町にやって来た勇者パーチー!だがギクロムの町は恐ろしい恐ろしい殺人鬼がいやがったんだぁ!
ギクロムの殺人鬼は魔王を崇拝しているキモいヤローで夜の闇より真っ黒いフード付きのマントを深々と被って毎夜毎夜町の人を1人ずつ殺して歩いていやがったんだぁ!」
今度の敵は何かヤバそうな奴だな。話しを聞いてる僕もその場にいる訳では無いのになんだか緊張してきた。
弟や村人も真剣な表情で話しを聞いていて緊張しているのが伝わってくる。
「そこで正義の味方!我らが勇者パーチーの出番って訳よぉ!!殺人鬼を恐れず対峙する勇者パーチー御一行!!
ギクロムの殺人鬼は武器召喚の魔法が使えて次から次へと剣やらナイフやら大鉈やら数えきれない数の武器を召喚してまずは勇者を殺そうと勇者目掛けて放ったんだぁ!数百近い刃物が飛んで来て勇者を襲ったんだ!流石に無事じゃすまねぇ。勇者は大ダメージを負ってしまったんだぁ。」
恐ろしい敵だ。勇者は?リリーは無事なのだろうか?
「そこでリリーちゃんの大活躍ぅぅぅ!!
すっごい回復魔法を勇者目掛けて放つとあっという間に勇者は治っちまったんだ!
だが殺人鬼のヤローも負けじと武器をまた数百と召喚して嵐のような猛攻撃を仕掛けるぅぅぅ!
だけどまたリリーちゃんが回復魔法を勇者に当て続けるぅぅ!!勇者はリリーの回復魔法を信じて殺人鬼に突っ込んでいって大気をも揺るがす必殺の剣技【大気斬り】を殺人鬼に喰らわして遂にギクロムの殺人鬼は倒れたんだぁぁ!!勇者とリリーちゃん大活躍ぅぅ!!最高ぉぉぉ!!」
僕と村の皆の歓声があがる。
今回も凄く強そうな敵だったみたいだけど皆無事で良かった。
「ありがとう!ありがとう!カタリンも語るの楽しかったぁ!また勇者パーチーに動きがあったら語りに来るからよぉ!楽しみに待っ、、、、うっ!??うぅぅぅ!!!」
カタリベが急に苦しそうに唸り出した。
立ったまま全身が痙攣し、目は白目を剥き顔色も真っ青になっている。
「臨時の【語り】だよ。何か緊急で重要な話しの時に世界中のカタリベに何かが交信するらしいんだ。」
弟がいつものように僕に教えてくれた。
っつうか交信って何!?誰と!?見た目怖すぎるんですが!!?
「......。皆様に大変残念なお知らせがあります....。」
カタリベの口調が急に前の世界のニュースキャスターのように堅苦しい口調になった。
突然人が変わったようになるなんてとても不気味だ。
ツッコミを入れるべきところだろうが、何だろう?寒気?とても嫌な予感がする。この話しを聞きたくないと直感で感じる。
「勇者様パーティーとしてご活躍されていたエンシャン族の巫女、リリー様が亡くなられました。18歳の若さでした。」
僕の頭は真っ白になった。
Part10に続く
カタリベが村の少年Bを指差してクイズを出題しだした。
「もちろん大ファンだから言えるよー!
勇者ジャンでしょー。焔髪の盗賊王カイン、聖犬クルス、エソの街の王宮魔術師ジーカネル、そしてそして1番大大大好きなエンシャン族の巫女リリーお姉ちゃん!!!」
村の少年Bがハキハキと答えた。
村の少年Bは僕たち兄弟の近所に住んでいて、カタリベの話しを聞くのが何より好きな明るい性格の子だ。
「んんんー!!!カッタリーン!!!大正解だよ少年!!」
カタリベが鼻息荒く興奮している。
本当に凄いおかしなテンションな人だ。
「お集まりの皆様のご存知の通り、この世界イーリスを滅ぼそうとする災厄、【魔王ギデラマレク】を倒すと予言された勇者ジャンが生まれ育ったニーレイの村から旅に出て早数ヶ月ぅぅぅ!」
カタリベが楽しそうに語り始めた。
「少年が答えてくれた通り、今の勇者のパーチーは道中の魔王の配下バルコムの砦での戦いで意気投合し仲間になった焔髪の盗賊王カイン、邪悪な存在を封じる使命を天から与えられた聖犬クルスを仲間に加え、更に更にぃ同じく予言の子でかつてニーレイの村で勇者の幼なじみであり、魔王から匿うためこのダインの村の村長に託されたエンシャン族の唯一の生き残り!!巫女リリーが仲間に加わったー!!
回復術の使い手で頼りになる可愛い娘ちゃんだあ!」
このくだりは前も聞いたが何回聞いても自分が褒められているように嬉しいし、リリーが誇らしい。
「さらにさらにイーリス最強の魔物討伐人の称号を持つヒスイ色の髪の超絶イケメン!大都市エソの王宮魔術師ジーカネルが仲間に加わりもう向かうところ敵なし!あっ敵なしぃぃぃ!!」
パチパチパチパチパチパチ!
またカタリベの拍手の催促だ。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
僕たち村人が再び拍手をカタリベに送る。
「もう!もう!もう!大好き!!!」
カタリベもテンションがMAXのご様子。
僕もこの村の村人も皆、この平和な村とはかけ離れているリリー達の大冒険の話しに夢中だ。
早く続きが聞きたい。
「さてさて、魔王の城ももうすぐそこ!ギクロムという町にやって来た勇者パーチー!だがギクロムの町は恐ろしい恐ろしい殺人鬼がいやがったんだぁ!
ギクロムの殺人鬼は魔王を崇拝しているキモいヤローで夜の闇より真っ黒いフード付きのマントを深々と被って毎夜毎夜町の人を1人ずつ殺して歩いていやがったんだぁ!」
今度の敵は何かヤバそうな奴だな。話しを聞いてる僕もその場にいる訳では無いのになんだか緊張してきた。
弟や村人も真剣な表情で話しを聞いていて緊張しているのが伝わってくる。
「そこで正義の味方!我らが勇者パーチーの出番って訳よぉ!!殺人鬼を恐れず対峙する勇者パーチー御一行!!
ギクロムの殺人鬼は武器召喚の魔法が使えて次から次へと剣やらナイフやら大鉈やら数えきれない数の武器を召喚してまずは勇者を殺そうと勇者目掛けて放ったんだぁ!数百近い刃物が飛んで来て勇者を襲ったんだ!流石に無事じゃすまねぇ。勇者は大ダメージを負ってしまったんだぁ。」
恐ろしい敵だ。勇者は?リリーは無事なのだろうか?
「そこでリリーちゃんの大活躍ぅぅぅ!!
すっごい回復魔法を勇者目掛けて放つとあっという間に勇者は治っちまったんだ!
だが殺人鬼のヤローも負けじと武器をまた数百と召喚して嵐のような猛攻撃を仕掛けるぅぅぅ!
だけどまたリリーちゃんが回復魔法を勇者に当て続けるぅぅ!!勇者はリリーの回復魔法を信じて殺人鬼に突っ込んでいって大気をも揺るがす必殺の剣技【大気斬り】を殺人鬼に喰らわして遂にギクロムの殺人鬼は倒れたんだぁぁ!!勇者とリリーちゃん大活躍ぅぅ!!最高ぉぉぉ!!」
僕と村の皆の歓声があがる。
今回も凄く強そうな敵だったみたいだけど皆無事で良かった。
「ありがとう!ありがとう!カタリンも語るの楽しかったぁ!また勇者パーチーに動きがあったら語りに来るからよぉ!楽しみに待っ、、、、うっ!??うぅぅぅ!!!」
カタリベが急に苦しそうに唸り出した。
立ったまま全身が痙攣し、目は白目を剥き顔色も真っ青になっている。
「臨時の【語り】だよ。何か緊急で重要な話しの時に世界中のカタリベに何かが交信するらしいんだ。」
弟がいつものように僕に教えてくれた。
っつうか交信って何!?誰と!?見た目怖すぎるんですが!!?
「......。皆様に大変残念なお知らせがあります....。」
カタリベの口調が急に前の世界のニュースキャスターのように堅苦しい口調になった。
突然人が変わったようになるなんてとても不気味だ。
ツッコミを入れるべきところだろうが、何だろう?寒気?とても嫌な予感がする。この話しを聞きたくないと直感で感じる。
「勇者様パーティーとしてご活躍されていたエンシャン族の巫女、リリー様が亡くなられました。18歳の若さでした。」
僕の頭は真っ白になった。
Part10に続く
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