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女勇者「エマ」と大捜査!①
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「か!金がねぇぇぇ!!」
「か!金がねぇぇぇ!!」
空の最高点にまで到達し、朝に向けて下降を始めた月に向かって私(30)とギャンブル仲間である女勇者の「エマ」(25)は叫ぶ。
場所は、王都中心部に程近い夜の街「アビス」
セクシーなお店、ギャンブルのお店などなど人が昼間に発散できない欲が集まる場所……
「くそおおお!」
「大負けしたぁぁ!」
そんな夜の街は、東西南北4つの区画に分かれており、私たちがいる北区はギャンブルをなりわいとするお店が集中する所。
特に人が多く、夜の間だけ歩行者天国へと姿を変える。
「ぐあああ!」
「くおおお!」
私とエマは、たくさんの人が流れていく大通りの真ん中で下着姿で頭を抱えて叫ぶ。
しかし、夜の街では、賭ける物がなくなり、代わりとしてみぶくるみを剥がされる者達は毎晩のようにいる。
特に私とエマはほぼ毎日のように身ぐるみを剥がされているので、
「ギャハハ!今日も負けてるぞ!あいつら!」
「一年中よくやるなぁ!」
「あんな人間にはなっちゃいけねぇって手本だな!」
「言えてる!ギャハハ!」
酒を楽しむ客達は私たちを肴にして盛り上がる。
く、くそぅぅ!何も言い返せねぇ!
「「く!」」
同じ体勢で地面に膝をついて絶望し、同じタイミングで苦悶の声をあげる私(30)とエマ(25)
「あそこでウサ耳のお姉さんにかっこいい所を見せようとして……」
「つい全額、賭けてしまったぁぁぁ!かっこいい所を見せられなかったぁぁぁ!」
私が途中まで言うと、そこから先はエマが叫んでくれる連携プレイ。
負けたことよりもウサ耳網タイツのお姉さんにかっこいい所を見せられ無かったことがとても悔しい!
「く!金さえ!」
「あれば!」
そんな時、人が行き交う足音、話し声の中に、
チャリン……
と、金属が地面に落ちて鳴り響く甲高い音が聞こえた。ガッツリと。
「……今の音は」
「銅よりも軽い……銀貨の音!」
私とエマは顔を見合わせて頷き合い、
「銀貨ぁぁぁ!」
と、クラウンチングスタートを切って走り出す。
「私のだぁぁ!」
「いや!私のだぁ!」
競争、早い者勝ち。
私とエマは互いの体を押し合ったりと妨害しあいながら、人ごみの中をぬって走る。
「ウサ耳お姉さんの!」
「網タイツをもらうのは!」
ちょうど4つの区画を隔てる大通りが重なり合う広い交差点の真ん中に銀色に輝く目標物を発見。私とエマは同時にダイブする。
「わたしだぁぁ!」
「あたしだぁぁ!」
石造りの地面を素肌で滑る。
くっそ!いてぇぇ!!でも!
「うおおお!ウサ耳!」
「ほあああ!おっねぇさーん!」
ウサ耳お姉さんのためなら頑張れる!
だけど、服よりも摩擦が効き過ぎてしまい2人して銀貨の手前で停止……
「……グアア!腹が!」
「……グオオ!いてぇぇ!」
炎で肌が焼かれる時のような痛みが私たちを襲う。
予想以上の激痛に悶える私とエマ。
「くおお!あと少しぃぃ!」
「ウサ耳お姉さん!」
最後の気力を振り絞ってほふく前進……
くおお!負けぬ!負けぬぞ!ウサ耳お姉さんは私のものだぁぁ!
私とエマの指先が月と街の灯りに照らされて鈍く光る銀貨に触れそうな瞬間……
「っと、もう一枚落ちてた」
天から武骨で男性的な手が降ってきて、私たちの獲物をかっさらっていった。
「くそ!私の獲物をよくも!」
「どこのどいつだ!」
銀貨さえあればウサ耳お姉さんのお顔をもう一度拝める!という私達の希望を打ち砕いてくれた相手を地面に寝そべったまま見上げる。
「……え?頭頂部だけ髪がなくて……」
「光り輝いてる……」
清浄なる月の光を頭に纏いしハゲ!現る時、悪き者、ついに滅びん……
私が今、作った言葉……なぜなら、実際に、あまりの眩しさに私たちの目は一瞬にして視力を奪われた。
「め、目がぁぁ!」
「焼かれたぁぁ!」
2人して両目を抑えて地べたを転げ回る。
「……あれ?姉さんとエマさん……2人して地面を転がり回って何してんの?」
めっちゃ聞き覚えのある声……
その声の主は、私の弟にして、若ハゲイケメン聖騎士長「セイン」のもの。
や、やっぱりお前の頭だったか!セインンンンン!!
「か!金がねぇぇぇ!!」
空の最高点にまで到達し、朝に向けて下降を始めた月に向かって私(30)とギャンブル仲間である女勇者の「エマ」(25)は叫ぶ。
場所は、王都中心部に程近い夜の街「アビス」
セクシーなお店、ギャンブルのお店などなど人が昼間に発散できない欲が集まる場所……
「くそおおお!」
「大負けしたぁぁ!」
そんな夜の街は、東西南北4つの区画に分かれており、私たちがいる北区はギャンブルをなりわいとするお店が集中する所。
特に人が多く、夜の間だけ歩行者天国へと姿を変える。
「ぐあああ!」
「くおおお!」
私とエマは、たくさんの人が流れていく大通りの真ん中で下着姿で頭を抱えて叫ぶ。
しかし、夜の街では、賭ける物がなくなり、代わりとしてみぶくるみを剥がされる者達は毎晩のようにいる。
特に私とエマはほぼ毎日のように身ぐるみを剥がされているので、
「ギャハハ!今日も負けてるぞ!あいつら!」
「一年中よくやるなぁ!」
「あんな人間にはなっちゃいけねぇって手本だな!」
「言えてる!ギャハハ!」
酒を楽しむ客達は私たちを肴にして盛り上がる。
く、くそぅぅ!何も言い返せねぇ!
「「く!」」
同じ体勢で地面に膝をついて絶望し、同じタイミングで苦悶の声をあげる私(30)とエマ(25)
「あそこでウサ耳のお姉さんにかっこいい所を見せようとして……」
「つい全額、賭けてしまったぁぁぁ!かっこいい所を見せられなかったぁぁぁ!」
私が途中まで言うと、そこから先はエマが叫んでくれる連携プレイ。
負けたことよりもウサ耳網タイツのお姉さんにかっこいい所を見せられ無かったことがとても悔しい!
「く!金さえ!」
「あれば!」
そんな時、人が行き交う足音、話し声の中に、
チャリン……
と、金属が地面に落ちて鳴り響く甲高い音が聞こえた。ガッツリと。
「……今の音は」
「銅よりも軽い……銀貨の音!」
私とエマは顔を見合わせて頷き合い、
「銀貨ぁぁぁ!」
と、クラウンチングスタートを切って走り出す。
「私のだぁぁ!」
「いや!私のだぁ!」
競争、早い者勝ち。
私とエマは互いの体を押し合ったりと妨害しあいながら、人ごみの中をぬって走る。
「ウサ耳お姉さんの!」
「網タイツをもらうのは!」
ちょうど4つの区画を隔てる大通りが重なり合う広い交差点の真ん中に銀色に輝く目標物を発見。私とエマは同時にダイブする。
「わたしだぁぁ!」
「あたしだぁぁ!」
石造りの地面を素肌で滑る。
くっそ!いてぇぇ!!でも!
「うおおお!ウサ耳!」
「ほあああ!おっねぇさーん!」
ウサ耳お姉さんのためなら頑張れる!
だけど、服よりも摩擦が効き過ぎてしまい2人して銀貨の手前で停止……
「……グアア!腹が!」
「……グオオ!いてぇぇ!」
炎で肌が焼かれる時のような痛みが私たちを襲う。
予想以上の激痛に悶える私とエマ。
「くおお!あと少しぃぃ!」
「ウサ耳お姉さん!」
最後の気力を振り絞ってほふく前進……
くおお!負けぬ!負けぬぞ!ウサ耳お姉さんは私のものだぁぁ!
私とエマの指先が月と街の灯りに照らされて鈍く光る銀貨に触れそうな瞬間……
「っと、もう一枚落ちてた」
天から武骨で男性的な手が降ってきて、私たちの獲物をかっさらっていった。
「くそ!私の獲物をよくも!」
「どこのどいつだ!」
銀貨さえあればウサ耳お姉さんのお顔をもう一度拝める!という私達の希望を打ち砕いてくれた相手を地面に寝そべったまま見上げる。
「……え?頭頂部だけ髪がなくて……」
「光り輝いてる……」
清浄なる月の光を頭に纏いしハゲ!現る時、悪き者、ついに滅びん……
私が今、作った言葉……なぜなら、実際に、あまりの眩しさに私たちの目は一瞬にして視力を奪われた。
「め、目がぁぁ!」
「焼かれたぁぁ!」
2人して両目を抑えて地べたを転げ回る。
「……あれ?姉さんとエマさん……2人して地面を転がり回って何してんの?」
めっちゃ聞き覚えのある声……
その声の主は、私の弟にして、若ハゲイケメン聖騎士長「セイン」のもの。
や、やっぱりお前の頭だったか!セインンンンン!!
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