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大勝負!③
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土俵中央でぶつかり合う2人の視線……
(くそ!今すぐみんなに……)
イークスは、クミの不正改造を周りで勝負の行方を見守る少年たちに訴えようとして止める。
(ま、まずい!そんなことをしたら俺の改造鉄コマ『ヘヴィ』の正体もバラされてしまう!)
イークスはクミの方を見る。
クミもイークスと同じく改造コマについて周りに言おうとしてやめたようで、後ろを向こうとした顔が真正面にいるイークスへともどる。
「……あははは」
「……ははは」
2人は互いの顔を見て乾いた笑みを浮かべる。
(こうなったら!……)
(勝って証拠を隠滅するしかねぇ!)
息ぴったりの2人の意志に応え、再び土俵中央でぶつかり合うコマ。
「弾き飛ばせ!」
「うなれ!私の風神!」
極限まで「重さ」を追究していたらいつのまにか鉄コマとなっていた「ヘヴィ」
対して、勝つことに徹するあまり軽量化は自身で行い、聖女の権限をフルに使い、教会お抱えの技術者に魔法陣を刻み込ませることで完成した「風神」
「いけぇぇぇ!鉄コマぁぁぁ!」
「風で吹き飛ばせぇぇぇ!」
最後のぶつかり合い……それは一瞬にして決着がついた。
「ああ!」
周りの少年たちは、宙を舞うコマを見て声を上げる。
「……いよっしゃああ!」
勝負は、コマへと大量の魔力を送り込み、竜巻を発生させた風神の圧勝。
「……おい。なんかはがれてねぇか?」
弾かれたイークスのコマはカモフラージュのために施した加工が吹き飛び、銀に輝く鉄の部分が剥き出しに。
「うおい!コマが爆ぜた!」
対するクミの風神も魔力に耐えきれず弾け飛ぶ。
「ぐあああ!負けたァァ!」
「よおおし!勝ったァァ!」
敗れた悔しさから頭を抱えて悔しがるイークス(50歳)と勝利の喜びを血を撒き散らしながら飛び跳ねて表現するクミ(30歳)
「……なぁ。イークスのコマって……」
「ああ。それにクーちゃんのコマも……」
床に転がるカモフラージュがなくなり剥き出しとなった鉄コマと爆ぜた後もしばらく機能し続けている魔法陣から風が発生し続けている風神を見て、2人の不正改造に気がついた少年たちから2人に対して非難の視線が集まる。
「……あ、ははは……は!」
「ふは……ははは……ひ!」
商店街の一角に重い空気が充満する。
この出来事をきっかけとして、王都からしばらくの間コマ使いが姿を消す。
「世の中うまくいかないねぇ……ま、限定コマも手に入ったし。いっか!」
クミは笑う。
(くそ!今すぐみんなに……)
イークスは、クミの不正改造を周りで勝負の行方を見守る少年たちに訴えようとして止める。
(ま、まずい!そんなことをしたら俺の改造鉄コマ『ヘヴィ』の正体もバラされてしまう!)
イークスはクミの方を見る。
クミもイークスと同じく改造コマについて周りに言おうとしてやめたようで、後ろを向こうとした顔が真正面にいるイークスへともどる。
「……あははは」
「……ははは」
2人は互いの顔を見て乾いた笑みを浮かべる。
(こうなったら!……)
(勝って証拠を隠滅するしかねぇ!)
息ぴったりの2人の意志に応え、再び土俵中央でぶつかり合うコマ。
「弾き飛ばせ!」
「うなれ!私の風神!」
極限まで「重さ」を追究していたらいつのまにか鉄コマとなっていた「ヘヴィ」
対して、勝つことに徹するあまり軽量化は自身で行い、聖女の権限をフルに使い、教会お抱えの技術者に魔法陣を刻み込ませることで完成した「風神」
「いけぇぇぇ!鉄コマぁぁぁ!」
「風で吹き飛ばせぇぇぇ!」
最後のぶつかり合い……それは一瞬にして決着がついた。
「ああ!」
周りの少年たちは、宙を舞うコマを見て声を上げる。
「……いよっしゃああ!」
勝負は、コマへと大量の魔力を送り込み、竜巻を発生させた風神の圧勝。
「……おい。なんかはがれてねぇか?」
弾かれたイークスのコマはカモフラージュのために施した加工が吹き飛び、銀に輝く鉄の部分が剥き出しに。
「うおい!コマが爆ぜた!」
対するクミの風神も魔力に耐えきれず弾け飛ぶ。
「ぐあああ!負けたァァ!」
「よおおし!勝ったァァ!」
敗れた悔しさから頭を抱えて悔しがるイークス(50歳)と勝利の喜びを血を撒き散らしながら飛び跳ねて表現するクミ(30歳)
「……なぁ。イークスのコマって……」
「ああ。それにクーちゃんのコマも……」
床に転がるカモフラージュがなくなり剥き出しとなった鉄コマと爆ぜた後もしばらく機能し続けている魔法陣から風が発生し続けている風神を見て、2人の不正改造に気がついた少年たちから2人に対して非難の視線が集まる。
「……あ、ははは……は!」
「ふは……ははは……ひ!」
商店街の一角に重い空気が充満する。
この出来事をきっかけとして、王都からしばらくの間コマ使いが姿を消す。
「世の中うまくいかないねぇ……ま、限定コマも手に入ったし。いっか!」
クミは笑う。
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