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創造神セカンドがやってきた①
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世界統一王国「リプリル」がある。この世界は、名を「アーク」と呼び、初代創造神が生み出し、現在は6柱の神が管理している。
そして、つい最近、初代創造神が引退し、二代目にその息子がついた。
「初代創造神様が育てられた子、きっと初代様のように立派な神になられるだろう」
周囲の神々、精霊、人々などなど世界の全てが二代目創造神に期待したのだが……
*****
リプリル王国王都、その中心に巨大な時計塔のようにそびえ立つ教会本部。
その入り口を北とするなら教会の建物は東南西と方角により四つの区画に分けられている。
北は聖騎士などの戦闘戦力の本部など……
そして、教会の重要人物の1人である聖女の執務室がある東棟3階……
「ぐおおお!リサのやつ!私の宝物を人質に取りやがって!」
私、クミ・スグロは、2000枚の始末書にひたすら「すみませんでしたァァ!」と腹を立てながら殴り書いています。
力が入りすぎて、一枚を書き終える度に鉛筆が折れる……と言うか、握り潰している。
出勤して早々にあゆみちゃん(8)の家に遊びに行こうとしたら、タイミングを見計ったように椅子から立ち上がった私の部屋にリサが入ってきた。
「お前の集めたコマ達は預からせてもらった。壊されたくなかったら溜まった仕事を片付けろ!頼むから!給料泥棒って言われ始めてるから!」
なんて言われた。
「あああ……」
途方もない始末書の数にだんだん頭が死んでくる。
もうすでに書き始めて10分……魂が口から
「ほへぇぇぇ」
今の私には天井しか見えねえ。
そんな時、魔道灯とは別の光が部屋の中を一瞬照らした。
セインの光に比べれば大したことはないな……
桜のように中を舞う始末書の姿がいと美しゅうていたり……っと、そんなことはどうでもいい。早くやってしまおう。
私は新しいペンを片手に始末書の山へと立ち向かう。
「今代の聖女よ!我は創造神「二ファル」!遊びに来てやったぞ!手厚くもてなせ!」
天井にまで積み上げられた始末書の山向こうから人の大きな声。声からして男の子。歳はわからない。
何だ?幻聴?
「まあ、いいか……コマ達よ待っていてくれ!」
今の私には、コマしか見えない。
始末書の山へと再度立ち向かう。
「おい!創造神が遊びに来てやったと言ってるんだぞ!手厚くもてなすことを許す!て言うか、もてなせ!無視するな!」
騒々しい声が右耳を通って頭へ突き刺さる。
う……
「おーい!無視するなぁぁ!」
さらに近い距離から大きな声で叫ばれた。
うる……
「創造神がわざわざ人間なんかの元まで来てやったんだぞ!……言うことが聞けぬなら、この世界を滅ぼしーー」
「うるせえぇぇ!」
「て、ハァァ!」
私が無視するたびにどんどん耳元で大きくなっていく声。それにめちゃくちゃ偉そうでイラっときた私は、始末書の束100枚を投げつけてやった。
「人が真面目に仕事してるってのに邪魔すんじゃねぇ!」
椅子から立ち上がり、100枚の始末書に埋もれ、顔を抑えて仰向けに倒れたままの少年の元へ。
おお!顔は整っていて、しかも眉毛近くまで伸びた金髪ときましたか……完全に白馬の王子だな。特に女子が理想とする方の。
「な、何をする!無礼であるぞ!」
「るせぇぇ!こっちは忙しいんだよ!創造神だって?てめえなんかただの騒々しい神『騒々神』じゃねぇか!喰らえ!始末書200枚、うらめしやぁぁ!」
机の上から始末書の束を200枚手に持って騒々神へと投げつける。
「グハッ!や、やめろ!我は創造しんん!」
「ああ?何だって?始末書が300枚うらめしやぁぁ!」
黙らないので追加で300枚投入……
「……創造神であるーー」
「え?なに?アンコール?……始末書が1000枚!うらめしやぁぁ!」
アンコールをもらったので、止めに1000枚の山を崩して、そのまま少年の上に落としてやる。
「ふへぇぇ~」
少年の顔の上では星が回っていた。
「ふははは!始末書の恐ろしさがわかったか?少年!そして、その数を書かなければならない私のめんどくささが!」
伸びる少年にかっこよく人差し指を指す。
決まった……
「創造神様!」
私がポーズを決めたと同時に執務室のドアが開き、慌てた様子のリサが数人の聖騎士、それも聖騎士長達を連れて……ぎゃあ!セイン!清浄なる若ハゲめ……目がァァ!
そして、つい最近、初代創造神が引退し、二代目にその息子がついた。
「初代創造神様が育てられた子、きっと初代様のように立派な神になられるだろう」
周囲の神々、精霊、人々などなど世界の全てが二代目創造神に期待したのだが……
*****
リプリル王国王都、その中心に巨大な時計塔のようにそびえ立つ教会本部。
その入り口を北とするなら教会の建物は東南西と方角により四つの区画に分けられている。
北は聖騎士などの戦闘戦力の本部など……
そして、教会の重要人物の1人である聖女の執務室がある東棟3階……
「ぐおおお!リサのやつ!私の宝物を人質に取りやがって!」
私、クミ・スグロは、2000枚の始末書にひたすら「すみませんでしたァァ!」と腹を立てながら殴り書いています。
力が入りすぎて、一枚を書き終える度に鉛筆が折れる……と言うか、握り潰している。
出勤して早々にあゆみちゃん(8)の家に遊びに行こうとしたら、タイミングを見計ったように椅子から立ち上がった私の部屋にリサが入ってきた。
「お前の集めたコマ達は預からせてもらった。壊されたくなかったら溜まった仕事を片付けろ!頼むから!給料泥棒って言われ始めてるから!」
なんて言われた。
「あああ……」
途方もない始末書の数にだんだん頭が死んでくる。
もうすでに書き始めて10分……魂が口から
「ほへぇぇぇ」
今の私には天井しか見えねえ。
そんな時、魔道灯とは別の光が部屋の中を一瞬照らした。
セインの光に比べれば大したことはないな……
桜のように中を舞う始末書の姿がいと美しゅうていたり……っと、そんなことはどうでもいい。早くやってしまおう。
私は新しいペンを片手に始末書の山へと立ち向かう。
「今代の聖女よ!我は創造神「二ファル」!遊びに来てやったぞ!手厚くもてなせ!」
天井にまで積み上げられた始末書の山向こうから人の大きな声。声からして男の子。歳はわからない。
何だ?幻聴?
「まあ、いいか……コマ達よ待っていてくれ!」
今の私には、コマしか見えない。
始末書の山へと再度立ち向かう。
「おい!創造神が遊びに来てやったと言ってるんだぞ!手厚くもてなすことを許す!て言うか、もてなせ!無視するな!」
騒々しい声が右耳を通って頭へ突き刺さる。
う……
「おーい!無視するなぁぁ!」
さらに近い距離から大きな声で叫ばれた。
うる……
「創造神がわざわざ人間なんかの元まで来てやったんだぞ!……言うことが聞けぬなら、この世界を滅ぼしーー」
「うるせえぇぇ!」
「て、ハァァ!」
私が無視するたびにどんどん耳元で大きくなっていく声。それにめちゃくちゃ偉そうでイラっときた私は、始末書の束100枚を投げつけてやった。
「人が真面目に仕事してるってのに邪魔すんじゃねぇ!」
椅子から立ち上がり、100枚の始末書に埋もれ、顔を抑えて仰向けに倒れたままの少年の元へ。
おお!顔は整っていて、しかも眉毛近くまで伸びた金髪ときましたか……完全に白馬の王子だな。特に女子が理想とする方の。
「な、何をする!無礼であるぞ!」
「るせぇぇ!こっちは忙しいんだよ!創造神だって?てめえなんかただの騒々しい神『騒々神』じゃねぇか!喰らえ!始末書200枚、うらめしやぁぁ!」
机の上から始末書の束を200枚手に持って騒々神へと投げつける。
「グハッ!や、やめろ!我は創造しんん!」
「ああ?何だって?始末書が300枚うらめしやぁぁ!」
黙らないので追加で300枚投入……
「……創造神であるーー」
「え?なに?アンコール?……始末書が1000枚!うらめしやぁぁ!」
アンコールをもらったので、止めに1000枚の山を崩して、そのまま少年の上に落としてやる。
「ふへぇぇ~」
少年の顔の上では星が回っていた。
「ふははは!始末書の恐ろしさがわかったか?少年!そして、その数を書かなければならない私のめんどくささが!」
伸びる少年にかっこよく人差し指を指す。
決まった……
「創造神様!」
私がポーズを決めたと同時に執務室のドアが開き、慌てた様子のリサが数人の聖騎士、それも聖騎士長達を連れて……ぎゃあ!セイン!清浄なる若ハゲめ……目がァァ!
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