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ー王城会議室ー
召集されたもの達が、全員丸テーブルの周りに腰掛ける。
参加者は、国王、王都守備隊の各隊長3名、王宮専属技術者、勇者となっている。
「みんな。よく集まってくれた。これより今後の王都の守備についてなど話をする。まずは、勇者殿から話がある。日向殿。よろしいか?」
国王の促しに、日向は緊張しながらも席を立ち、深呼吸してから話し始める。
「勇者の有沢日向です。僕からのお話は、今後の魔王への対処についてです。報告書もあげましたので、皆さんご存知と思います。2週間前のフレバンス解放後に、魔王が現れました。その時、僕の受けた印象は、魔王は刺激を求めているように思えました」
日向の話しを誰も笑い飛ばしたりせずに真剣に聞く。
「魔王の強さを肌で感じたのでわかりました。魔王は滅ぼそうと思えば、王都を滅ぼすことなんていつでもできます。でもしないのは、簡単に滅ぼしてしまってはつまらないから。魔王と話した感じでは、僕はそう思いました」
それから日向は国王の顔を見る。国王はこくりと頷く。
「と言うことはです。魔王の興味が僕に向いているうちは魔王が直接王都に手を出してくる可能性は低いと思います。なので、僕は、魔王の気が変わる前に動いて、各拠点を叩いてしまおうと思います」
日向は淡々と話す。
日向の話にニシノは真剣に王都の現状を考えている上での発言とは思えず、頭に血が上り、机の上に身を乗り出して、日向にくってかかる。
「各拠点を?無理だや!今の王都に兵を動かす余裕はないだや」
「はい。なので、僕を含めた3人パーティーで行動し、奇襲を仕掛けて各拠点を叩きます。メンバーは、前衛特化のリナさん。後衛と前衛、サポートのできるエミさん」
「確かにお前達の実力なら下手に兵を連れて行って見つかるよりも確実に危険が少なく行動できる。だやな状況を考えて言えだや!今の王都は守備で精一杯だや!お前達が抜けたら、その穴はどうするだや?兵力が手薄になった南門はどうするだや!」
そこで王宮専属技術者「ネイサン」が待ちきれなかったとばかりに喋り出す。
「ふっふっふっ!そこはわしの新開発による兵器と作戦により十分にカバーできる!」
ネイサンはニシノに向けて胸を張って喋り出す。
「は?新しい兵器?」
ニシノは疑わしそうに聞き返す。
「そうじゃ!おい!持ってこい!」
ネイサンは扉の方に向かって叫ぶ。
「失礼します!」
ネイサンの呼びかけに3人の白衣姿の男性達が大きな台車を押して入ってくる。
「こいつはな!新兵器のリボルバー式爆撃バリスタ「爆槍」だ!通常のバリスタの槍に爆発する「火炎石」を加工して取り付け、向かってくる敵へと発射する!最大で1度に6連続発射が可能!打った後に矢を取り替えれば、何度でも放つ事ができる!これと同じ物をなんと!南門に3機設置する!」
説明をしながら、みんなに背を向けていたネイサンはワクワクした顔で振り返る。
「……」
みんな「ふーん」と言った感じで思った感想が返ってこなかったネイサンは、トボトボ歩き、椅子に座る。
「確かに火炎石の凄さは認めるだや。しかし、これだけではとても3人の抜けた戦力の穴を埋められるほどの兵器ではないと思うだや……」
「まだある。窓から外を見てみろ」
ネイサンはやる気のない声で窓の外を指差す。
「なんだや!急に王都が緑色の膜に包まれてるだや!」
「本当じゃ!あれはなんじゃ!」
ニシノとチェンが窓の外を見て驚く。
その反応を見たネイサンは、「おお!すごいだろ!」と元気を取り戻し、得意げに喋り出す。
「あれはな!対魔防御結界!簡単に言えば、魔物どもを通さないための結界。あの結界に触れた魔物は弾き飛ばされるようになっている」
「な、なんだや!そんなすごいものができたのか!だや!」
「見直したぞ!ネイサン!」
「ふふふ!まあ、わし「天才」だからな!さらに警備の厳重な王城の中に魔法陣を設置したので、警備も万全!」
「珍しく気がまわっておる。明日は隕石でも降って来るのか?」
「いや。巨大地震に違いないだや」
「心配することはない!この天才にかかれば不可能なことなんて何一つない!」
「今のは突っ込むところだや……なるほど。これなら3人がいなくてもなんとかなるだや」
ニシノは納得する。
「ふっふっふっ!それだけではない!チェンよ!地形変動の件はどうなった?」
「ん?ああ。言われた通りにやっておいたぞ」
2人の会話にニシノ以外の者たちが反応する。
「ん?なんの話だや?」
ニシノはネイサンに問う。
「なあに。王都の高さを100mほど高くして、侵攻してくる魔物たちを見下ろすような高台に今さっき地形を変えてもらっただけの話だ」
ネイサンは何気ないように話す。
「なるほどだや。王都を高台に……って事前に国民や兵士たちには伝えてあるだや!」
「ん?ああ。お前以外の者たちには全員に伝えてある。」
チェンのニシノ以外の者、全員という言葉にニシノはピクッと反応しつつも「オラはいい大人だや。笑顔笑顔」と自分に言い聞かせて、平静を保つ。
「なら、いいだや」
そんなニシノに国王は問う。
「どうだ?ニシノ。納得してくれるか?」
「んだや。これだけの対策があるなら、3人が抜けても心配ないだや」
「うむ。よかった」
「でも、王女は大丈夫だや?もう立ち直ったんだや?」
ニシノは、王女の心配をする。
「うむ。問題ない。一時は危ないと思ったが、1週間前から元の……いや。少し変わったか……あ。すまぬ。独り言だ。1週間前から普通の生活を送っておる。それに日向殿の提案に食いぎみに賛成しておったわ」
国王は優しい父親の笑みを浮かべて話す。
「よかっただや。なら、これ以上は何も言うことはないだや」
「なんだ。初めから日向殿の意見には賛成だったのか?」
「全部にはないだや。勇者殿の話した。王国の周りを支配する魔人達がいつ攻めてくるかって意見には賛成だや。確かにこのまま先手を打たなければ、じり貧でこっちがやられてしまうのは事実だやから」
ニシノは、頷きながら話す。
「ならば、ここに集まった全員、勇者殿達が少数で魔人の各拠点を叩く案に賛成と言うことで良いか?」
国王の決議に「意義なし」と全員が話す。
「ならば、この議題は終わりだ。勇者殿の話で王都守護についての話も終わった。最後に、勇者殿達がどこから攻め始めるべきか。みなで話し合いたい」
会議は終盤へと差し掛かる。
召集されたもの達が、全員丸テーブルの周りに腰掛ける。
参加者は、国王、王都守備隊の各隊長3名、王宮専属技術者、勇者となっている。
「みんな。よく集まってくれた。これより今後の王都の守備についてなど話をする。まずは、勇者殿から話がある。日向殿。よろしいか?」
国王の促しに、日向は緊張しながらも席を立ち、深呼吸してから話し始める。
「勇者の有沢日向です。僕からのお話は、今後の魔王への対処についてです。報告書もあげましたので、皆さんご存知と思います。2週間前のフレバンス解放後に、魔王が現れました。その時、僕の受けた印象は、魔王は刺激を求めているように思えました」
日向の話しを誰も笑い飛ばしたりせずに真剣に聞く。
「魔王の強さを肌で感じたのでわかりました。魔王は滅ぼそうと思えば、王都を滅ぼすことなんていつでもできます。でもしないのは、簡単に滅ぼしてしまってはつまらないから。魔王と話した感じでは、僕はそう思いました」
それから日向は国王の顔を見る。国王はこくりと頷く。
「と言うことはです。魔王の興味が僕に向いているうちは魔王が直接王都に手を出してくる可能性は低いと思います。なので、僕は、魔王の気が変わる前に動いて、各拠点を叩いてしまおうと思います」
日向は淡々と話す。
日向の話にニシノは真剣に王都の現状を考えている上での発言とは思えず、頭に血が上り、机の上に身を乗り出して、日向にくってかかる。
「各拠点を?無理だや!今の王都に兵を動かす余裕はないだや」
「はい。なので、僕を含めた3人パーティーで行動し、奇襲を仕掛けて各拠点を叩きます。メンバーは、前衛特化のリナさん。後衛と前衛、サポートのできるエミさん」
「確かにお前達の実力なら下手に兵を連れて行って見つかるよりも確実に危険が少なく行動できる。だやな状況を考えて言えだや!今の王都は守備で精一杯だや!お前達が抜けたら、その穴はどうするだや?兵力が手薄になった南門はどうするだや!」
そこで王宮専属技術者「ネイサン」が待ちきれなかったとばかりに喋り出す。
「ふっふっふっ!そこはわしの新開発による兵器と作戦により十分にカバーできる!」
ネイサンはニシノに向けて胸を張って喋り出す。
「は?新しい兵器?」
ニシノは疑わしそうに聞き返す。
「そうじゃ!おい!持ってこい!」
ネイサンは扉の方に向かって叫ぶ。
「失礼します!」
ネイサンの呼びかけに3人の白衣姿の男性達が大きな台車を押して入ってくる。
「こいつはな!新兵器のリボルバー式爆撃バリスタ「爆槍」だ!通常のバリスタの槍に爆発する「火炎石」を加工して取り付け、向かってくる敵へと発射する!最大で1度に6連続発射が可能!打った後に矢を取り替えれば、何度でも放つ事ができる!これと同じ物をなんと!南門に3機設置する!」
説明をしながら、みんなに背を向けていたネイサンはワクワクした顔で振り返る。
「……」
みんな「ふーん」と言った感じで思った感想が返ってこなかったネイサンは、トボトボ歩き、椅子に座る。
「確かに火炎石の凄さは認めるだや。しかし、これだけではとても3人の抜けた戦力の穴を埋められるほどの兵器ではないと思うだや……」
「まだある。窓から外を見てみろ」
ネイサンはやる気のない声で窓の外を指差す。
「なんだや!急に王都が緑色の膜に包まれてるだや!」
「本当じゃ!あれはなんじゃ!」
ニシノとチェンが窓の外を見て驚く。
その反応を見たネイサンは、「おお!すごいだろ!」と元気を取り戻し、得意げに喋り出す。
「あれはな!対魔防御結界!簡単に言えば、魔物どもを通さないための結界。あの結界に触れた魔物は弾き飛ばされるようになっている」
「な、なんだや!そんなすごいものができたのか!だや!」
「見直したぞ!ネイサン!」
「ふふふ!まあ、わし「天才」だからな!さらに警備の厳重な王城の中に魔法陣を設置したので、警備も万全!」
「珍しく気がまわっておる。明日は隕石でも降って来るのか?」
「いや。巨大地震に違いないだや」
「心配することはない!この天才にかかれば不可能なことなんて何一つない!」
「今のは突っ込むところだや……なるほど。これなら3人がいなくてもなんとかなるだや」
ニシノは納得する。
「ふっふっふっ!それだけではない!チェンよ!地形変動の件はどうなった?」
「ん?ああ。言われた通りにやっておいたぞ」
2人の会話にニシノ以外の者たちが反応する。
「ん?なんの話だや?」
ニシノはネイサンに問う。
「なあに。王都の高さを100mほど高くして、侵攻してくる魔物たちを見下ろすような高台に今さっき地形を変えてもらっただけの話だ」
ネイサンは何気ないように話す。
「なるほどだや。王都を高台に……って事前に国民や兵士たちには伝えてあるだや!」
「ん?ああ。お前以外の者たちには全員に伝えてある。」
チェンのニシノ以外の者、全員という言葉にニシノはピクッと反応しつつも「オラはいい大人だや。笑顔笑顔」と自分に言い聞かせて、平静を保つ。
「なら、いいだや」
そんなニシノに国王は問う。
「どうだ?ニシノ。納得してくれるか?」
「んだや。これだけの対策があるなら、3人が抜けても心配ないだや」
「うむ。よかった」
「でも、王女は大丈夫だや?もう立ち直ったんだや?」
ニシノは、王女の心配をする。
「うむ。問題ない。一時は危ないと思ったが、1週間前から元の……いや。少し変わったか……あ。すまぬ。独り言だ。1週間前から普通の生活を送っておる。それに日向殿の提案に食いぎみに賛成しておったわ」
国王は優しい父親の笑みを浮かべて話す。
「よかっただや。なら、これ以上は何も言うことはないだや」
「なんだ。初めから日向殿の意見には賛成だったのか?」
「全部にはないだや。勇者殿の話した。王国の周りを支配する魔人達がいつ攻めてくるかって意見には賛成だや。確かにこのまま先手を打たなければ、じり貧でこっちがやられてしまうのは事実だやから」
ニシノは、頷きながら話す。
「ならば、ここに集まった全員、勇者殿達が少数で魔人の各拠点を叩く案に賛成と言うことで良いか?」
国王の決議に「意義なし」と全員が話す。
「ならば、この議題は終わりだ。勇者殿の話で王都守護についての話も終わった。最後に、勇者殿達がどこから攻め始めるべきか。みなで話し合いたい」
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