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初めての交渉
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魔道列車が走っていた大長の街壁を潜り、広大な街を街壁沿いに北へ進み、途中で左折し、山道へ。
街道よりも整備が行き届いていて、揺れることは少なく馬車酔いもしなかった。
そして、進むことしばらく、目的の学園へと到着した。
「ここがヒューリッジ学園ーー通称「ヒュー学」だよ」
「おおーでかいねー」
あまりの学園の広さに驚き、言葉の出ない私の代わりにシルフィが喋ってくれる。
年間数十万人が訪れる大聖堂が10個は入りそうな敷地に10個の大きな建物……
デケェなぁ……無駄に、
とりあえずめまいを覚えた私は、ソフィーさんとアメリアさんのお胸様にうずくまる。
「はいはい。降りてくださいね」
慣れた様子でアメリアさんに馬車から降ろされる。
あーあ、初々しい反応が見たかったのに…
「それじゃ、私達はこれで失礼するよ。困ったことがあったら、街の商業地区にあるマーク商会に来てくれていいからね。私がいない時でも部下が対応してくれるようにしておくから」
「おっちゃんありがとう。お胸様達も」
「名前で呼んでください!」
ふん!と顔を背けられてしまった。
少し傷ついたけど、可愛い反応が見れたからいいや。
遠ざかっていく馬車に手を振り学園の中へ歩き出す。
「何の用だ?約束がなければここを通すことはできない」
門を通ろうとしたら全身鎧(甲冑なし)を着たおっさんに止められた。見下したような態度で。
私はその態度が軟禁されていた時の見張りの兵士と重なりイラッとしてしまう。
しかし、私は暴力に訴えることはしない。何故なら私はこれでも信者の中では微笑みの女神と言われていた。
今!その真価を発揮してやるぞ!見ていてくれぇ!顔は覚えていない信者達!
「約束がないとどうしてもダメですか?」
笑顔と猫撫で声で話す。
ふっふっふ!……今までこの笑顔で落ちなかった男はざっと5万人位だ!果たして……
「ダメだ」
真顔のまま断られた。
く!このくそーーぐふん!いかんよぉ~私は女神!笑顔でダメなら手段は一つしかないだろぅ。
亜空間に入っている山賊達から奪った袋を取り出す。
金属同士が擦れる音。
「まあまあ……そんな固いこと言わないで……これで疲れでも癒してくださいよ」
おじさんの肩を叩きながら袋を渡そうと差し出す。
「ダメだ」
一切動揺を見せずに、袋さえも受け取らないおじさん。
な、何!金でもダメなのか!私なら袋を見た瞬間にお礼を言って受け取るのに!
「じゃあ、何なら良いんだよ!」
最終的にキレる女神……
「何でもダメだ。お前のような不審者を門兵として素通りさせるわけにはいかない!帰れ!2度とくるな!不審者が!」
槍を構えて威嚇してくるおじさん。
「へぇーーそれはこの門?」
「そうだ!この門を通すわけにはいかない!さっさと帰れ!出なければ……」
おじさんは棒立ちのままの私の頬に槍を当てて少しだけ刺してくる。
頬を流れ落ちる女神!の血……てめぇ……
「そう」
私は門横の3mはある壁へ移動する。
その門じゃなきゃいいんだもんな?言ったのはお前だからな?おじさん。
右拳に風を纏い、壁に向かって突き出す。
学園を囲う壁が結界ごと弾け飛ぶ。
「わお!ちょうど入り口ができた!門じゃなきゃいいなら。ここから入るよーおじさん」
目が飛び出そうな程見開いた全身鎧(甲冑なし)のおじさんに笑顔を浮かべる。
今頃、私の魅力的な笑顔に見惚れてやがって。遅いんだよ。
おじさんから視線を切り、学園の中へと歩み出す。
「嘘だろ……A級モンスターでも壊せない結界だぞ!」
門兵は、自分の目にした光景が信じられず頬を叩く。
「おお!やっぱりでかいな!この中から探すのは苦労しそうだーーーー探索(サーチ)」
頭の中に学園のマップが表示される。
いた!敷地内で1番大きな建物の端にーーそれにしても沢山の反応があるなぁ…1,000人くらいいるんじゃないか?
一つの建物から感じる気配の多さに改めて学園の広さに驚愕する。
「まあ、いいかーーテレポート」
「おおー派手だねー」
と、目を覚ましたシルフィを頭に乗せて目的の場所へ転移する。
街道よりも整備が行き届いていて、揺れることは少なく馬車酔いもしなかった。
そして、進むことしばらく、目的の学園へと到着した。
「ここがヒューリッジ学園ーー通称「ヒュー学」だよ」
「おおーでかいねー」
あまりの学園の広さに驚き、言葉の出ない私の代わりにシルフィが喋ってくれる。
年間数十万人が訪れる大聖堂が10個は入りそうな敷地に10個の大きな建物……
デケェなぁ……無駄に、
とりあえずめまいを覚えた私は、ソフィーさんとアメリアさんのお胸様にうずくまる。
「はいはい。降りてくださいね」
慣れた様子でアメリアさんに馬車から降ろされる。
あーあ、初々しい反応が見たかったのに…
「それじゃ、私達はこれで失礼するよ。困ったことがあったら、街の商業地区にあるマーク商会に来てくれていいからね。私がいない時でも部下が対応してくれるようにしておくから」
「おっちゃんありがとう。お胸様達も」
「名前で呼んでください!」
ふん!と顔を背けられてしまった。
少し傷ついたけど、可愛い反応が見れたからいいや。
遠ざかっていく馬車に手を振り学園の中へ歩き出す。
「何の用だ?約束がなければここを通すことはできない」
門を通ろうとしたら全身鎧(甲冑なし)を着たおっさんに止められた。見下したような態度で。
私はその態度が軟禁されていた時の見張りの兵士と重なりイラッとしてしまう。
しかし、私は暴力に訴えることはしない。何故なら私はこれでも信者の中では微笑みの女神と言われていた。
今!その真価を発揮してやるぞ!見ていてくれぇ!顔は覚えていない信者達!
「約束がないとどうしてもダメですか?」
笑顔と猫撫で声で話す。
ふっふっふ!……今までこの笑顔で落ちなかった男はざっと5万人位だ!果たして……
「ダメだ」
真顔のまま断られた。
く!このくそーーぐふん!いかんよぉ~私は女神!笑顔でダメなら手段は一つしかないだろぅ。
亜空間に入っている山賊達から奪った袋を取り出す。
金属同士が擦れる音。
「まあまあ……そんな固いこと言わないで……これで疲れでも癒してくださいよ」
おじさんの肩を叩きながら袋を渡そうと差し出す。
「ダメだ」
一切動揺を見せずに、袋さえも受け取らないおじさん。
な、何!金でもダメなのか!私なら袋を見た瞬間にお礼を言って受け取るのに!
「じゃあ、何なら良いんだよ!」
最終的にキレる女神……
「何でもダメだ。お前のような不審者を門兵として素通りさせるわけにはいかない!帰れ!2度とくるな!不審者が!」
槍を構えて威嚇してくるおじさん。
「へぇーーそれはこの門?」
「そうだ!この門を通すわけにはいかない!さっさと帰れ!出なければ……」
おじさんは棒立ちのままの私の頬に槍を当てて少しだけ刺してくる。
頬を流れ落ちる女神!の血……てめぇ……
「そう」
私は門横の3mはある壁へ移動する。
その門じゃなきゃいいんだもんな?言ったのはお前だからな?おじさん。
右拳に風を纏い、壁に向かって突き出す。
学園を囲う壁が結界ごと弾け飛ぶ。
「わお!ちょうど入り口ができた!門じゃなきゃいいなら。ここから入るよーおじさん」
目が飛び出そうな程見開いた全身鎧(甲冑なし)のおじさんに笑顔を浮かべる。
今頃、私の魅力的な笑顔に見惚れてやがって。遅いんだよ。
おじさんから視線を切り、学園の中へと歩み出す。
「嘘だろ……A級モンスターでも壊せない結界だぞ!」
門兵は、自分の目にした光景が信じられず頬を叩く。
「おお!やっぱりでかいな!この中から探すのは苦労しそうだーーーー探索(サーチ)」
頭の中に学園のマップが表示される。
いた!敷地内で1番大きな建物の端にーーそれにしても沢山の反応があるなぁ…1,000人くらいいるんじゃないか?
一つの建物から感じる気配の多さに改めて学園の広さに驚愕する。
「まあ、いいかーーテレポート」
「おおー派手だねー」
と、目を覚ましたシルフィを頭に乗せて目的の場所へ転移する。
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