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初めてのアルバイト「壊滅!闇武器商人」③
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「お初にお目にかかるよ……アタシはA級賞金首のプリンってもんだ。見たところ強そうだな……少しは楽しめそうだ」
背中にさす長さ1m50cm、幅30cmの大剣を抜き放ち、右手で通常の剣のように軽々と振るって見せる。
「おお……俺はクラウド。よろしく」
同じく大剣を抜き放つクラウド。
負けじと同じように片手で大剣を操って見せる。
「ほーお前が「骨砕き」か……なら、初めから全力で行った方が良さそうだね!」
片手から両手持ちに変えて、大剣を構える。余裕を見せていた顔も真剣なものへと変わっていく。
「俺も手加減していたらやらかしてしまいそうだ」
同じく両手持ちで大剣を構える。
「おっしゃ!いくよ!」
「こい!」
「血染め」対「骨砕き」による戦いが始まる。
*****
「へぇ!ウインクで男を落とすためにそこまでの苦労をな……よし!飲め飲め!」
「おお!名前知らんけど、すまんねぇ」
警備兵の男が酒を注いでくれる。
「う、うぐっ!ぷはぁ!最っ高だぜ!ほらほら!お前も飲めよ!」
私は酒を注ぎ返してやる。
「おっ、すまんねぇ。お、うぐ、ぷはぁ!」
「ダぁーははは!!いいねぇい!」
警備兵の飲みっぷりに盛り上がる私。
「おうよ!こっちとら……生まれも育ちもわかりません!気がついたらここにおりましたぁ!トシユキでっす!」
おっちゃんが名前を教えてくれる。
「おいおい。しっかりしろよ。トシユキ」
会ったばかりだけど、とりあえず肩を組む。
「おお、悪りぃな。名前知らねえけど…」
トシユキが聞いてきたので名前を教えてやろうと口を動かした瞬間、
「メテオスラッシュ!」
「おお!凄まじい攻撃だな!巨漢女!」
館の中からクラウド、クラウドと大女が刃を交えながら出てきた。
「はぁはぁ……真面目に相手をしろよ!」
大女は息を切らしてクラウドを睨む。
「すまん。あまりにも綺麗な太刀筋だったのでな……見惚れていた」
大女に謝るクラウド。
「……き、きれい……み、見惚れ」
クラウドの謝罪を受けた大女は急に恥ずかしそうにし始める。
なんだろう?それよりも!こんな面白そうな対決応援しないでどうする!
「おおーし!負けたらゆるさねぇぞ!クラウド!いけ!」
私は酒瓶片手にクラウドを応援する。
かぁー!清酒「清田」はうまいねぇー
「なら、俺たちは……お頭!頑張れー!」
私につられて警備兵達も大女の方を応援し始める。
「プリンのお頭!がんばれぇ!」
意外といかつい見た目に反して乙女な名前だった大女。
「ほぅ。プリンというのか……良い名だ」
クラウドが言うとモジモジし出すプリンちゃん。
「あ、あの……」
「ん?なんだ?」
「私が勝ったら「プリン。愛してるぞ」と耳元で囁いてくれませんか?」
「ん?ああ」
クラウドが答える。
「よっしゃ!アタシ……じゃなくて!わたしはやるよ!絶対に勝ちますよ!夢だった可愛いって言ってくれた男に耳元で名前を囁やかれる!絶対に叶えます!」
言葉遣いを気にしながらも真剣顔になり、なかなかに隙のない構えを取るプリンちゃん。
「なんだかよくわからんが……ジンジョウに勝負!」
互いに大剣を上段に構えて、
「ああ!」
「や!」
叫び声も女らしくと気を遣うプリンと遠慮なく雄々しい叫びをあげるクラウドの大剣が交差する。
「よっしゃ!賭けようぜ!私はクラウドの勝利に金貨一枚!」
どこだろうと商売!とマーク商会の会長が言ってたので実行してみる。
勉強になるぜぇ。それに楽しみながら金を稼ぐ……最高じゃねえか!
「よし!俺はプリンさんに銀貨一枚!」
「俺は……そんなにねぇ!くそ!大銅貨一枚!」
「……俺は、この盗んだミスリルのガントレットを賭ける!」
ミ、ミスリルのガントレット……ゆ、勇者(バカ)や勇者(バカ)が現れた!
しかし、この男のおかげで、
「よっしゃ!お前がそんなに賭けるなら……俺は、この金の斧だ!」
「なら、俺は!……銅貨一枚!」
黄金に輝く斧とその横で堂々と銅貨一枚だけ賭ける男。
「……て、おおい!ケンスケ!お前!……相変わらず金がねぇのか?」
金の斧を賭けた男がケンスケにツッコむのかと思ったら優しく肩に手を回して尋ねる。
ツッコまねえのかよ!
「うん……実はこの前……高級風俗に行ってきまして」
「お!てことは!」
「ああ!DT卒業してきました!」
「おお!やったな!……よーし!乾杯だあ!」
2人で酒盛りを始める。
「さーて、戦いの方はどうかなぁ」
私は、幸せそうな2人には触れずに戦いを見る。
「お!クラウドと互角とかあのプリンって子、やるじゃん!」
私の視線の先で激しい剣戟を繰り広げるクラウドくんとプリンちゃん。
「ははは!楽しいな!プリン!」
「はい……クラウド様!……かっこいい」
爽やかな笑顔を浮かべるクラウドと照れて完全に女になったプリンの激しい剣戟。
「どうだ?この後、お前が無事に刑期を終えて、出て来たら、俺と……斬り合わないか?」
キメ顔でプリンに尋ねるクラウド。
「はい!これから先の人生、斬り合うなら、私はクラウド様がいいです!よろしくお願いします!」
頬を染めて嬉し涙を浮かべるプリンちゃん。
「プリン……」
「クラウド様……」
愛おしそうな顔で互いに距離を詰め……
「スラッシュ!」
「飛龍!」
「愛」(必殺技)がぶつかる。
火薬が爆発したような衝撃と激しい音に……
「おおーいい斬り合いだねー」
酒が進む。
「うわぁ!!」
「お、お頭ぁ!」
衝撃に耐えられずに後ろへと転がっていく警備兵達。
じゃあな!お前達と飲んだ酒は美味かったぞ!一生忘れない!
「さてと、仕事仕事ーーーテレポート」
館を一望できる上空まで移動する。
「おおー良き眺めー」
「ほんとだー」
シルフィと一緒に景色を楽しみ、眼下で地面を転がる男達に土魔法で槍を創成し、男達に向かって投げ込んでいき地面へと縫い付ける。
「よし!これで完了……うん!2人も仲良く殺って(やって)るな」
想いが通じ合い幸せそうな笑顔で斬り合う2人を見て私も笑顔になる。
「あとは、館の金を……ああ。そういえばリサに釘を刺されていたな……止めよう」
私はリサのキレた顔を思い出して縫い付けた男達が逃げないように見張りにいく。
背中にさす長さ1m50cm、幅30cmの大剣を抜き放ち、右手で通常の剣のように軽々と振るって見せる。
「おお……俺はクラウド。よろしく」
同じく大剣を抜き放つクラウド。
負けじと同じように片手で大剣を操って見せる。
「ほーお前が「骨砕き」か……なら、初めから全力で行った方が良さそうだね!」
片手から両手持ちに変えて、大剣を構える。余裕を見せていた顔も真剣なものへと変わっていく。
「俺も手加減していたらやらかしてしまいそうだ」
同じく両手持ちで大剣を構える。
「おっしゃ!いくよ!」
「こい!」
「血染め」対「骨砕き」による戦いが始まる。
*****
「へぇ!ウインクで男を落とすためにそこまでの苦労をな……よし!飲め飲め!」
「おお!名前知らんけど、すまんねぇ」
警備兵の男が酒を注いでくれる。
「う、うぐっ!ぷはぁ!最っ高だぜ!ほらほら!お前も飲めよ!」
私は酒を注ぎ返してやる。
「おっ、すまんねぇ。お、うぐ、ぷはぁ!」
「ダぁーははは!!いいねぇい!」
警備兵の飲みっぷりに盛り上がる私。
「おうよ!こっちとら……生まれも育ちもわかりません!気がついたらここにおりましたぁ!トシユキでっす!」
おっちゃんが名前を教えてくれる。
「おいおい。しっかりしろよ。トシユキ」
会ったばかりだけど、とりあえず肩を組む。
「おお、悪りぃな。名前知らねえけど…」
トシユキが聞いてきたので名前を教えてやろうと口を動かした瞬間、
「メテオスラッシュ!」
「おお!凄まじい攻撃だな!巨漢女!」
館の中からクラウド、クラウドと大女が刃を交えながら出てきた。
「はぁはぁ……真面目に相手をしろよ!」
大女は息を切らしてクラウドを睨む。
「すまん。あまりにも綺麗な太刀筋だったのでな……見惚れていた」
大女に謝るクラウド。
「……き、きれい……み、見惚れ」
クラウドの謝罪を受けた大女は急に恥ずかしそうにし始める。
なんだろう?それよりも!こんな面白そうな対決応援しないでどうする!
「おおーし!負けたらゆるさねぇぞ!クラウド!いけ!」
私は酒瓶片手にクラウドを応援する。
かぁー!清酒「清田」はうまいねぇー
「なら、俺たちは……お頭!頑張れー!」
私につられて警備兵達も大女の方を応援し始める。
「プリンのお頭!がんばれぇ!」
意外といかつい見た目に反して乙女な名前だった大女。
「ほぅ。プリンというのか……良い名だ」
クラウドが言うとモジモジし出すプリンちゃん。
「あ、あの……」
「ん?なんだ?」
「私が勝ったら「プリン。愛してるぞ」と耳元で囁いてくれませんか?」
「ん?ああ」
クラウドが答える。
「よっしゃ!アタシ……じゃなくて!わたしはやるよ!絶対に勝ちますよ!夢だった可愛いって言ってくれた男に耳元で名前を囁やかれる!絶対に叶えます!」
言葉遣いを気にしながらも真剣顔になり、なかなかに隙のない構えを取るプリンちゃん。
「なんだかよくわからんが……ジンジョウに勝負!」
互いに大剣を上段に構えて、
「ああ!」
「や!」
叫び声も女らしくと気を遣うプリンと遠慮なく雄々しい叫びをあげるクラウドの大剣が交差する。
「よっしゃ!賭けようぜ!私はクラウドの勝利に金貨一枚!」
どこだろうと商売!とマーク商会の会長が言ってたので実行してみる。
勉強になるぜぇ。それに楽しみながら金を稼ぐ……最高じゃねえか!
「よし!俺はプリンさんに銀貨一枚!」
「俺は……そんなにねぇ!くそ!大銅貨一枚!」
「……俺は、この盗んだミスリルのガントレットを賭ける!」
ミ、ミスリルのガントレット……ゆ、勇者(バカ)や勇者(バカ)が現れた!
しかし、この男のおかげで、
「よっしゃ!お前がそんなに賭けるなら……俺は、この金の斧だ!」
「なら、俺は!……銅貨一枚!」
黄金に輝く斧とその横で堂々と銅貨一枚だけ賭ける男。
「……て、おおい!ケンスケ!お前!……相変わらず金がねぇのか?」
金の斧を賭けた男がケンスケにツッコむのかと思ったら優しく肩に手を回して尋ねる。
ツッコまねえのかよ!
「うん……実はこの前……高級風俗に行ってきまして」
「お!てことは!」
「ああ!DT卒業してきました!」
「おお!やったな!……よーし!乾杯だあ!」
2人で酒盛りを始める。
「さーて、戦いの方はどうかなぁ」
私は、幸せそうな2人には触れずに戦いを見る。
「お!クラウドと互角とかあのプリンって子、やるじゃん!」
私の視線の先で激しい剣戟を繰り広げるクラウドくんとプリンちゃん。
「ははは!楽しいな!プリン!」
「はい……クラウド様!……かっこいい」
爽やかな笑顔を浮かべるクラウドと照れて完全に女になったプリンの激しい剣戟。
「どうだ?この後、お前が無事に刑期を終えて、出て来たら、俺と……斬り合わないか?」
キメ顔でプリンに尋ねるクラウド。
「はい!これから先の人生、斬り合うなら、私はクラウド様がいいです!よろしくお願いします!」
頬を染めて嬉し涙を浮かべるプリンちゃん。
「プリン……」
「クラウド様……」
愛おしそうな顔で互いに距離を詰め……
「スラッシュ!」
「飛龍!」
「愛」(必殺技)がぶつかる。
火薬が爆発したような衝撃と激しい音に……
「おおーいい斬り合いだねー」
酒が進む。
「うわぁ!!」
「お、お頭ぁ!」
衝撃に耐えられずに後ろへと転がっていく警備兵達。
じゃあな!お前達と飲んだ酒は美味かったぞ!一生忘れない!
「さてと、仕事仕事ーーーテレポート」
館を一望できる上空まで移動する。
「おおー良き眺めー」
「ほんとだー」
シルフィと一緒に景色を楽しみ、眼下で地面を転がる男達に土魔法で槍を創成し、男達に向かって投げ込んでいき地面へと縫い付ける。
「よし!これで完了……うん!2人も仲良く殺って(やって)るな」
想いが通じ合い幸せそうな笑顔で斬り合う2人を見て私も笑顔になる。
「あとは、館の金を……ああ。そういえばリサに釘を刺されていたな……止めよう」
私はリサのキレた顔を思い出して縫い付けた男達が逃げないように見張りにいく。
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