嫌われ者の長男

りんか

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真side
「僕はいらない子なんでしょ?」
そう言う兄ちゃんの目にハイライトはなかった。この時わかった。兄ちゃんの心に残る傷は酷く深く大きいものだと。それはきっと俺らのせいでもあるし、あの人、父親のせいでもあるんだと思うだけどそんな苦しそうな兄ちゃんを見てられなくて
ギュッ
俺は兄ちゃんを抱きしめた
「ごめん兄ちゃんごめん今まで苦しめて、兄ちゃんはいらない子なんかじゃないよ。俺らはにいちゃんのこと大切で必要だよ。だからそんなこと言わないで」
岬「・・・・・・・」
兄ちゃんからの返事はなかったが遠慮がちに俺の服を掴んできた
煌「兄さんあんまり一人で抱え込まないで。兄さんをこんなふうにしたのは俺らのせいでもあるって分かってる。ごめん。謝って許されることじゃないけどごめん兄さん」
岬「・・・・・・・」
やっぱり兄ちゃんは何も言わなかった。だからずっと俺は兄ちゃんを抱きしめ続けた
岬「真」
「ん?何兄ちゃん」
岬「もう、落ち着いたから大丈夫だよ」
そっと離すと兄ちゃんの表情はいつもと同じ優しく落ち着いた表情になっていた
「もう大丈夫?」
岬「うん。ごめんね迷惑掛けて。最近多いんだよねああいうの・・・・」ボソッ
「え?今なんて?」
最後になにか言った気がしたが聞き取れなかった
岬「いいや?さて、ご飯作ってくるね」
兄ちゃんは立ち上がるとキッチンの方へ歩いていった
「まさかあんなに深刻だとは思わはなかったな」
そう口を開いたのは悠だった。無口な悠が喋るなんて珍しい。だけどそれほど重要だということだろう。兄弟じゃなければ恋人として兄ちゃんを愛すんだけどな。兄弟じゃなく出会いたかった。血が繋がってなければ良かった。好きだよ兄ちゃん。でもダメだだって俺らは血の繋がった兄弟だもん
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