私に蜜事を

山代裕春

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お灸

……夜

空楽「瑠璃子の艶かしい肌に赤い歯形……うーむ」
全く進まない。
空楽「瑠璃子の艶かしい肌に赤い花…違う」
悩む嫁義理こと烏屋空楽、かれこれ2時間をドブに捨てている。
不意に襖が開く音がし、振り向くと生意気小娘が立っている。
空楽「寝れない?」
頷く小娘。
空楽「布団敷いてあるから寝とけ、私はまだ起きてる」
笠年「…」

ピトッ…

空楽「…?!」
笠年「…」
空楽の背中に抱きつき手を握る。
空楽「どうした?」
顔を埋め、何も答えない。
空楽「本当にどうした?」
笠年「……話のネタになるんじゃないかと思って」

・・・・。

空楽「はぃ?」
笠年「かんのぉうって要は男と女の汚ねぇ情事の話だろ?おじちゃんが言ってた」
空楽(あの人なんてこと子供に言ってんだ)
笠年「なんかこうしたら男なんてイチコロ?だって」
淡く光る豊満な胸を腕につけ、上目遣いをする。
空楽「…」
たしかに他の男ならイチコロだろう。
空楽「それ他の人に使うなよ?」
笠年「あ!あとな」
笠年は浴衣をはだけさせ空楽の手を取り頬につける。
空楽「…」
笠年「御殿方…」
艶のある甘え声、普段の言動からは想像ができない。
空楽「……全部大元さんの入れ知恵か?」
笠年「うん」
空楽「………君この後の事は知ってるのか?」
笠年「知ってるぞ、二人で寝るんだろ!」
そこは流石に教えなかったのか…
空楽「…」
笠年「?…」
空楽は笠年を抱き寄せると口付けをする。
笠年「!!?」
離れようとするが頸を抑えられて離れられない。
不意に帯が解かれ浴衣が落ちてゆく。
押し倒され、やっと口が離れるとそこには笠年知ってる空楽はおらず、獣の眼をした空楽がいた。
笠年「か、空楽…?」
するりと空楽の手が笠年の身体を弄り、下着を脱がそうと指を引っ掛ける。
笠年「ぃいや!!」
空楽の顔を思い切り引っ叩き逃げる。
空楽「…」
笠年「はぁ…はぁ…」
頬をさすり睨むような眼光を笠年に向ける。
空楽「これが情事だ覚えとけ、そして二度とやるな」
作業机に戻り、筆をもつ。
空楽「出てけ」
無感情な声、笠年は何も言わず早足で出て行った。
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