sugar less

ふくいち

文字の大きさ
2 / 4

story2:非日常的な出来事

しおりを挟む
朝起きると雨の音が聞こえた
雨の日はなんだか元気が出ないのは気のせいではないだろう。
身支度を整えいつものように家を出る。雨の中を駅まで歩く。駅に着けば郁美がいるはず。このなんとも言えない孤独感が無くなるはずだ。その時スマホが鳴った。郁美からだった。
「ごめーん、風邪ひいちゃってさ~...今日学校休むの。ほんとにごめんっ」
「風邪?珍しいね郁美が風邪なんて」
「昨日夜更かししたせいかなぁ」
「早く治してよね~」
「うん~ごめんね~」

今日は朝から1人です。

電車に揺られて学校のある駅に着いた。改札を出てから、私は重大な事に気がついた
「あれ!?傘がない!!」
電車の中に置いてきてしまったのだろうか
持っていたはずの傘がない。
どうしよう...学校まで距離あるしなぁ...コンビニも近くないし...

「あの」

後ろから声がして、すっと振り返ると背の高い、少し茶色がかった色の髪の毛をした男子が立っていた

「よかったらこれ使ってよ。」
その男子はサッと手に持っていた傘を差し出した。
「そんなことしたら君が濡れちゃうじゃないですか」
「僕はいいよ。大丈夫さ。」
「そんなわけにはいきません....」
「じゃあ一緒に行かない?」
華子は少し赤くなった。
初めて会った男子と相合傘。まるで恋愛小説のワンシーンのような展開だと思った。
それに、華子が好きな恋愛漫画の主人公に似ていた。
「うん」
華子は静かに答えた。

「名前はなんて言うんですか?」
華子が男の子に聞いた。
「村上凛っていいます。君は?」
「箕島華子です。」
「華子って言うんだね。クラスどこ?」
「B組です」
「Bなんだ!僕C組!隣のクラスだ!」

上手く話せない。
緊張しているのかな。
こんなにいい人なのに素っ気ない返ししかできないのが申し訳ない。
そんな様な顔で凛の方をちらっと見た。
(あっ...肩が濡れてる...)
割と大きめの傘で2人なら余裕で入れる傘なのに私が濡れないように気を付かってくれているのだ
学校に着いて、すぐにお礼をいって玄関で別れた。なんだか学校の中でも一緒に歩くのは恥ずかしい感じがした。
(何かお礼がしたいな。でもなにがいいかな...)
凛の好きな物も何も知らない。
お礼を考えるのはなかなか難しい

その日の授業は珍しく一睡もしなかった
...なんだかドキドキして全然眠たくならなかったのが本音。好きって言うわけじゃないけど自分にとって初めての体験だったから...
お礼だってどうしようかとずっと悩んでいた
でも決まらない。どうしよう...
その時教室のドアの前を凛が通ったのが見えた。

「村上くん!!」
とっさに華子は呼び止めた
「華子じゃん、どうした?」
「今朝のお礼がしたいんだけど、何をしたらいいかわからなくて、、、村上くんに言うのもおかしいんだけれど...」
「気にしなくてもいいのに~」
「気になっちゃいますよ私は」
「じゃあ、そうだな~」

凛はそういって考え始めた。
そしてハッキリとこう言った。


「僕と付き合って欲しい」


出会ってまだ半日ほどのことだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

#秒恋9 初めてのキスは、甘い別れと、確かな希望

ReN
恋愛
春休みが明け、それぞれに、新しい生活に足を踏み入れた悠里と剛士。 学校に向かう悠里の目の前に、1つ年下の幼なじみ アキラが現れる。 小学校時代に引っ越した彼だったが、高校受験をし、近隣の北高校に入学したのだ。 戻ってきたアキラの目的はもちろん、悠里と再会することだった。 悠里とアキラが再会し、仲良く話している とき、運悪く、剛士と拓真が鉢合わせ。 「俺には関係ない」 緊張感漂う空気の中、剛士の言い放った冷たい言葉。 絶望感に包まれる悠里に対し、拓真は剛士に激怒。 拗れていく友情をよそに、アキラは剛士をライバルと認識し、暴走していく―― 悠里から離れていく、剛士の本心は? アキラから猛烈なアピールを受ける悠里は、何を思う? いまは、傍にいられない。 でも本当は、気持ちは、変わらない。 いつか――迎えに来てくれる? 約束は、お互いを縛りつけてしまうから、口にはできない。 それでも、好きでいたい。 いつか、を信じて。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

わたしたちの庭

犬飼ハルノ
恋愛
「おい、ウェスト伯。いくらなんでもこんなみすぼらしい子どもに金を払えと?」 「まあまあ、ブルーノ伯爵。この子の母親もこんな感じでしたが、年ごろになると見違えるように成熟しましたよ。後妻のアリスは元妻の従妹です。あの一族の女は容姿も良いし、ぽんぽんと子どもを産みますよ」 「ふうん。そうか」 「直系の跡継ぎをお望みでしょう」 「まあな」 「しかも伯爵以上の正妻の子で年ごろの娘に婚約者がいないのは、この国ではこの子くらいしかもう残っていませんよ」 「ふ……。口が上手いなウェスト伯。なら、買い取ってやろうか、その子を」  目の前で醜悪な会話が繰り広げられる中、フィリスは思った。  まるで山羊の売買のようだと。  かくして。  フィリスの嫁ぎ先が決まった。 ------------------------------------------  安定の見切り発車ですが、二月中に一日一回更新と完結に挑みます。  ヒロインのフィリスが自らの力と人々に支えられて幸せをつかむ話ですが、  序盤は暗く重い展開です。  タグを途中から追加します。   他サイトでも公開中。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

処理中です...