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始まり
何で?
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司会者の進行の元に会長達が紹介されていった。
会社設立から今まで歴史をスライドで映し出された。
会社の創立者は会長の祖父、社長の曾祖父。
100年と一口で言ってもそれを存続し続けるには並大抵の事ではない。
最初は家族経営の小さな会社を少しずつ従業員が増えて先の大戦やその後の高度成長経済で波に乗りバブル時代には一流企業になりその後の不況をモノともせずに成長した。
今更ながら凄い事だと感動した。
会場に明るくなり花束の贈呈が始まる。
アクシデントがあったが何とか無事に会長と社長に花束が渡された。
それが終われば歓談の時間が始まる。
会長始め社長や役員達が招待客に挨拶して回る。
会場内に不備が無いか見て回っているとインカムから連絡が入る。
「華村さん、市川です。ミーティングルーム迄御願いします」
「了解。澤田さん、会場内をおねがい。何かあれば直ぐに連絡して。」
「了解です」
会場はホテルの3階部分にある。
ミーティングルームは4階まで階段を駆け登る。
「失礼します。華村です」
ミーティングルームに入るとそこには市川くん、源川課長に藤花花壇の担当者が集まっていた。
「まだパーティの時間は終わってないのにどうしたの?源川課長と藤花花壇の近藤さんまで…何かあったの?」
「すいません。今、藤花花壇の近藤さんと今回の会長と社長の花束をキャンセルしてきた電話について調べて貰っていたんですが……」
市川くんと近藤さんが神妙な面持ちで私を見てきた。
「何か判ったの?」
「実はわが社の電話を担当した者に確認を取りました。担当者が今は産休中でして確認が遅くなり申し訳ありません。」
「それで、確認は出来たのですか?」
「はい。電話をしてきたのは女性でその時に名乗った名前が華村さんの名前を騙ったようで…」
「私の?」
「はい…」
「しかも…最初は会場内に使う花もキャンセルすると……二人分の花束ならばキャンセル料は発生しないが会場内に使う花までとなるとキャンセル料は掛かると説明すると会長と社長の花束だけと……」
「会場内に使う花をキャンセルすれば直ぐにバレますからね…。だから会長と社長の花束だけにしたのか……」
驚きを隠せなかった。
私の名前を騙りこのパーティを台無しにしようとした。
「何処かのライバル会社の嫌がらせですかね…」
「まさか…大体私の名前を騙って何になる?今回のパーティのスタッフリーダーは私には大抜擢だし…ライバル会社が私に目をつけて陥れてもわが社にとっては痛くも痒くもないし……」
そう…今回の創立記念の準備スタッフのリーダーの人事は私には大抜擢だ。
大学を出て総務課に配属されて5年目の私に任せようとした上層部の考えてる事が解らなかった。
渉に相談すると何事も経験した方が良いと言われこの機会に会社の事を壱から知るのも悪くないと思い引き受けた。
頼りないリーダーにも関わらず市川くん以下沢山のスタッフが協力してくれた。
だからこそ完璧にやり遂げたかった。
ミーティングルームで話し合いをしているとドアをノックする音がした。
市川くんが確認の為ミーティングルームを出た。
中々戻って来ないのでドアを開けるとそこには市川くんの他にわが社のスタッフの女性と……
渉が一緒に立っていた。
「わた…斉條さん、どうして此処に……?」
「会長と社長の花束を藤花花壇に電話した人を連れてきたんだ」
余りに驚き固まってしまった。
何も言えずに立ち尽くしていると…
「とりあえず部屋に入ろう。そこでちゃんと彼女から話してもらう」
後半の口調は怒りを含んだ低い声で言われ一緒にいた女性は身体をビクつかせた。
ミーティングルームに入り部屋にいた皆が椅子に一斉に座るが渉だけが立ったままでいた。
「さて、今回の贈呈する花束のキャンセルを藤花花壇さんに電話したのは彼女です。彼女はパーティの準備スタッフにも関わらずこのような事を仕出かしたのは何故か?彼女の口から話して貰います」
涙を浮かべ俯いている彼女は資材管理課の清宮文佳さん。
今回のパーティの為に総務課だけでは足りないためそれぞれの課から二人づつ助っ人として選ばれていた。
「清宮さん…何故花束をキャンセルしたの?もし…花束が無かったらパーティが台無しになるところだったの……」
彼女に問い掛けて見たが俯いたまま口を開こうとしない…。
「お前のせいで会社の信用落とすとこだったんだぞ!このパーティには政財界から取引先の人間が沢山来てんだ。解ってんのか?」
声を荒げて市川くんが怒鳴る。
怒りたくなる気持ちは解る。
渉に宥められて市川くんが少し落ち着いた所に源川課長が清宮さんに話しかけた。
「貴女がした事は会社に対しての背任行為よ。責任を取れるのかしら?会社を辞めれば良いって思ってる?今回の事で貴女は解雇になるわ。解雇理由が背任行為なら何処の会社も受け入れない。今、勤めてる会社の力を侮ってない?」
源川課長の話を聞いて清宮さんが顔をあげた。
震えながら声にならない声で話始めた。
「……わた…は、私は……のまれ……だけ……」
「はぁっ??聞こえねぇよ!ハッキリ言えよ!」
「市川くん!気持ち話を解るけど怒鳴ってはダメ。清宮さん、ゆっくりで良いから話して…」
手に握りしめていたハンカチで涙を拭い深呼吸をした後話始めた。
「私……頼まれて……藤花花壇に……電話…したんです……。替わりの花屋さんに頼むからって……会場内に使う花をキャンセル……したら…キャンセル料が莫大に掛かると……会長と……社長の……花は……特別に……頼むからって……だから……今日……花が……届いてないって……だから……」
「頼まれて…って、誰に頼まれて電話したの?」
「それは……」
清宮さんは良い淀んでまた俯いた。
また市川くんがイライラして怒鳴ろうとした時に渉が口を開いた。
「キミに電話するように頼んだのは雛形さん……だよね?」
渉が告げた言葉に清宮さんは首を縦に振った。
会社設立から今まで歴史をスライドで映し出された。
会社の創立者は会長の祖父、社長の曾祖父。
100年と一口で言ってもそれを存続し続けるには並大抵の事ではない。
最初は家族経営の小さな会社を少しずつ従業員が増えて先の大戦やその後の高度成長経済で波に乗りバブル時代には一流企業になりその後の不況をモノともせずに成長した。
今更ながら凄い事だと感動した。
会場に明るくなり花束の贈呈が始まる。
アクシデントがあったが何とか無事に会長と社長に花束が渡された。
それが終われば歓談の時間が始まる。
会長始め社長や役員達が招待客に挨拶して回る。
会場内に不備が無いか見て回っているとインカムから連絡が入る。
「華村さん、市川です。ミーティングルーム迄御願いします」
「了解。澤田さん、会場内をおねがい。何かあれば直ぐに連絡して。」
「了解です」
会場はホテルの3階部分にある。
ミーティングルームは4階まで階段を駆け登る。
「失礼します。華村です」
ミーティングルームに入るとそこには市川くん、源川課長に藤花花壇の担当者が集まっていた。
「まだパーティの時間は終わってないのにどうしたの?源川課長と藤花花壇の近藤さんまで…何かあったの?」
「すいません。今、藤花花壇の近藤さんと今回の会長と社長の花束をキャンセルしてきた電話について調べて貰っていたんですが……」
市川くんと近藤さんが神妙な面持ちで私を見てきた。
「何か判ったの?」
「実はわが社の電話を担当した者に確認を取りました。担当者が今は産休中でして確認が遅くなり申し訳ありません。」
「それで、確認は出来たのですか?」
「はい。電話をしてきたのは女性でその時に名乗った名前が華村さんの名前を騙ったようで…」
「私の?」
「はい…」
「しかも…最初は会場内に使う花もキャンセルすると……二人分の花束ならばキャンセル料は発生しないが会場内に使う花までとなるとキャンセル料は掛かると説明すると会長と社長の花束だけと……」
「会場内に使う花をキャンセルすれば直ぐにバレますからね…。だから会長と社長の花束だけにしたのか……」
驚きを隠せなかった。
私の名前を騙りこのパーティを台無しにしようとした。
「何処かのライバル会社の嫌がらせですかね…」
「まさか…大体私の名前を騙って何になる?今回のパーティのスタッフリーダーは私には大抜擢だし…ライバル会社が私に目をつけて陥れてもわが社にとっては痛くも痒くもないし……」
そう…今回の創立記念の準備スタッフのリーダーの人事は私には大抜擢だ。
大学を出て総務課に配属されて5年目の私に任せようとした上層部の考えてる事が解らなかった。
渉に相談すると何事も経験した方が良いと言われこの機会に会社の事を壱から知るのも悪くないと思い引き受けた。
頼りないリーダーにも関わらず市川くん以下沢山のスタッフが協力してくれた。
だからこそ完璧にやり遂げたかった。
ミーティングルームで話し合いをしているとドアをノックする音がした。
市川くんが確認の為ミーティングルームを出た。
中々戻って来ないのでドアを開けるとそこには市川くんの他にわが社のスタッフの女性と……
渉が一緒に立っていた。
「わた…斉條さん、どうして此処に……?」
「会長と社長の花束を藤花花壇に電話した人を連れてきたんだ」
余りに驚き固まってしまった。
何も言えずに立ち尽くしていると…
「とりあえず部屋に入ろう。そこでちゃんと彼女から話してもらう」
後半の口調は怒りを含んだ低い声で言われ一緒にいた女性は身体をビクつかせた。
ミーティングルームに入り部屋にいた皆が椅子に一斉に座るが渉だけが立ったままでいた。
「さて、今回の贈呈する花束のキャンセルを藤花花壇さんに電話したのは彼女です。彼女はパーティの準備スタッフにも関わらずこのような事を仕出かしたのは何故か?彼女の口から話して貰います」
涙を浮かべ俯いている彼女は資材管理課の清宮文佳さん。
今回のパーティの為に総務課だけでは足りないためそれぞれの課から二人づつ助っ人として選ばれていた。
「清宮さん…何故花束をキャンセルしたの?もし…花束が無かったらパーティが台無しになるところだったの……」
彼女に問い掛けて見たが俯いたまま口を開こうとしない…。
「お前のせいで会社の信用落とすとこだったんだぞ!このパーティには政財界から取引先の人間が沢山来てんだ。解ってんのか?」
声を荒げて市川くんが怒鳴る。
怒りたくなる気持ちは解る。
渉に宥められて市川くんが少し落ち着いた所に源川課長が清宮さんに話しかけた。
「貴女がした事は会社に対しての背任行為よ。責任を取れるのかしら?会社を辞めれば良いって思ってる?今回の事で貴女は解雇になるわ。解雇理由が背任行為なら何処の会社も受け入れない。今、勤めてる会社の力を侮ってない?」
源川課長の話を聞いて清宮さんが顔をあげた。
震えながら声にならない声で話始めた。
「……わた…は、私は……のまれ……だけ……」
「はぁっ??聞こえねぇよ!ハッキリ言えよ!」
「市川くん!気持ち話を解るけど怒鳴ってはダメ。清宮さん、ゆっくりで良いから話して…」
手に握りしめていたハンカチで涙を拭い深呼吸をした後話始めた。
「私……頼まれて……藤花花壇に……電話…したんです……。替わりの花屋さんに頼むからって……会場内に使う花をキャンセル……したら…キャンセル料が莫大に掛かると……会長と……社長の……花は……特別に……頼むからって……だから……今日……花が……届いてないって……だから……」
「頼まれて…って、誰に頼まれて電話したの?」
「それは……」
清宮さんは良い淀んでまた俯いた。
また市川くんがイライラして怒鳴ろうとした時に渉が口を開いた。
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