私の相棒はモテモテです!

凰雅柚月

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出逢い

中学3年生 6

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唇に触れるだけの優しいキス。


閉じていた瞳を開けると見目麗しい王子様の顔は妖しく笑っていた。

「僕の気持ちを信じてくれなかった罰が必要だね。」

──へっ?
─罰?
──なにゆえ?

「僕はいつも言ってるでしょ?
僕の人生には千比絽だけが必要だと…
もし…また僕の気持ちを疑ったらお仕置きだからね?」

──そんな疑問系でおっしゃられてもお仕置きは確定なんだと顔に書かれてますよ?

──お仕置きって鞭で叩かれてしまうの?

──それとも小さな子供のようにお尻をペンペンされてしまうの?


「あ、あの…痛いのは嫌です─」

痛い事をされてしまうと想像しただけでまた涙が……

「フッ、痛いことなんてしないよ。
ただ…こうするだけ─」

渉さんの手が頬を包む…
手の温もりが私に伝わり気持ちいい─

何て思っていたら──
渉さんの唇が私の耳たぶをはむはむした──

「はうっ!!!
な、な、な、ナニ?」

背中にゾクゾクとしたものが走った─
驚いて渉さんを見る──

驚いた私の唇にまたチュッとリップ音を立てて軽く触れるだけのキスをした。

「お仕置き─痛いことなんてしないよ。
イヤだった?」

ううん…嫌じゃなかった。
首を横に振った。

渉さんはフワッと私を抱き締めて耳元で囁くように言いました。

「千比絽、よく聞いて?
僕は千比絽と何があっても別れる気はないよ?
それに…僕は他人を仲介して自分の気持ちを代弁する事はしないよ。
僕の気持ちは僕の言葉で千比絽に伝えるからね」

「──はい」

「だから千比絽も自分の気持ちを千比絽の言葉で伝えて?
千比絽は僕の事好き?」

「──好きです。渉さんが好き」

渉さんはニッコリ笑って額にキスしてくれた。
抱き締められ渉さんの温もりが私を包む…
とても気持ち良かった……



現金なもので翌日からまた私は渉さんと待ち合わせをして一緒に帰る事になりました。








HRが長引いてしまい近道をする為に中庭を走り抜けようと小走りしているとまた三笠彩花さんが立っていました。
前回とは違い何やら恐い形相です。


「斎条さん!お待ちなさい。」

「あの…何でしょうか?急いでますので……」

「いいから!いらっしゃい!!」

腕を掴み引き摺られるように校舎の裏側に連れて行かれた。

誰もいないその場所に着くと腕を押され倒されました。
ちょっと痛いです……


「貴女、あれだけ言ったのに華村様にまだ纏わりついてるの?
言ったでしょ?華村様の隣に相応しいのは私なのよ!」

「あの…渉さんのお母様とほんとにお会いしているんですか?」

「本当よ!華村様のお母様とはよくお話もするわ。
その度に娘になって欲しいとまで仰って頂きますのよ」


三笠さんはウットリした顔をしながら私に話してきます。
私はスカートに付いた泥を払いながら立ち上がりました。


「わ、渉さんのお母様が三笠さんに何を仰っても私は渉さんの言葉しか信じません。」

「何を言ってるの?
私はお母様に認められてるのよ?
あんたなんか認められてないのよ!さっさと別れなさいよ」

三笠さんが腕を振り上げた。

──打たれる

そう思い目を瞑り身構えた。





あれっ?

そっと目を開けると三笠さんの腕を渉さんが掴んで止めていました。

「何をしている──」

「華村様!!私は─」

「千比絽に何をした?
例え女でも容赦しないからな…」

「私は……華村様に纏わりついているその女を──」

「纏わりついてるのはアンタだろ。
千比絽は僕の婚約者だと言ったよな?」

「華村様は騙されてます。
私は─華村様のお母様に認められてますのよ。
私の方が華村様に相応しいのです」

「へぇ…、僕の母にね。
母にいつ会ったの?」

「今月の始めに叔母様に紹介されて……」

「今月の始め─ね。本当に僕の母だった?」

「当たり前ですわ!」

「それはおかしいね…。
僕の母は今はヨーロッパにいる筈なんだ。
日本に帰国したなら僕に連絡が有るはずだし…
両親は来月一緒に帰国するから一人で帰国するはずもないよ─」



「えっ、あの…、それは……」

「仮に…母が他の女を認めようが勧めようが僕は千比絽しか要らない。
だから2度と千比絽と僕に近寄るな。
次何かしたら容赦しない」

渉さんは私の手を握りしめその場を後にしました。
三笠さんは悔しげな顔をして渉さんを見てましたけど



「中々来ないから探したよ。
あんなのに着いていったらダメだよ?」

渉さんは小さな子供に言い聞かせるように言いますが好きで着いていった訳じゃないんですよ?

有無を言わせず腕を捕まれ引き摺られてしまったんです……。


でも…三笠さんは何故嘘までついたんでしょうか?

このまま終わってくれると良いのですが……


そうもいきませんでした──
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