蝋燭館の事件簿

杉野桜姫

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はじめての挨拶

知恵と罪悪の焼きリンゴ

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僕は佐藤智樹、職業、大学生で趣味はレトロカフェめぐり
｢この辺においしいカフェがあると聞いたが｣
見ての通り道に迷った
男の人が佐藤にぶつかった
｢あれがない！｣
男は大声をあげた
佐藤は呆然と見た
近くの人が佐藤に
｢レトロカフェ？｣
佐藤はうなずいた
｢蝋燭館の事？｣
｢蝋燭館？｣
｢どこです？｣
近所の人は丁寧に教えた
｢ここか｣
佐藤は感激した
女性は玄関に植えてある花に水をあげた
佐藤は目を疑った
｢すごくかわいくて美人だ｣
佐藤はもう一度スマートフォンを見た
｢この店だ！｣
｢私の店、知ったんですか？｣
佐藤はキョトンとした
｢名前は浅見琴音？｣
浅見はうなずいた
｢私ですが？｣
浅見は少し意味わからなそうにしていた
佐藤は浅見の店に入った
｢名前も間違えないか｣
佐藤はつぶやいた
佐藤のポケットからなにか落ちた
浅見は少し興味ありげに見ていた
｢似合わないキーホルダーですね｣
｢キーホルダー？｣
佐藤はわからずに立ちすくんだ
浅見は佐藤をカウンターに案内した
｢今日はインターネットで知ったんですか？｣
佐藤はうなずいた
｢あってます｣
佐藤は驚いた
｢キーホルダーを出して｣
佐藤は思わずキーホルダーを出した
浅見は隅々を見て調べた
佐藤のお腹が鳴った
｢すきました？｣
｢恥ずかしながら｣
浅見は笑った
｢知恵がありそうですね｣
｢知恵？｣
佐藤はキョトンとした
浅見は焼きリンゴを出した
｢焼きリンゴを？｣
｢罪悪と知恵のです｣
佐藤は首を傾げた
｢まあ、話を｣
佐藤は蝋燭館を探して歩いていたら男を話した
｢まあ、珍しいわね！｣
浅見は目を輝かせた
｢珍しい？｣
佐藤は唖然とした
老人が店の奥から覗いた
｢お祖父ちゃん？｣
浅見は驚いた
佐藤は焼きリンゴを見た
｢すごい光沢で甘い臭いが｣
浅見は大げさだと思ていた
佐藤は浅見に
｢興味ってわくものですか？｣
｢よくはわかりませんが｣
浅見には不思議な感覚があるのではないかと思った
でもそれは錯覚ではないと思い始めた
浅見さんがつくる焼きリンゴは美味しいと思った
さすがに気がつかないところを見透かすような目をしていた
浅見琴音と言う名前にもいい響きだと思った
昔、ピアノで培われた感性が言うのだから
浅見はコップを拭きながら
｢キーホルダーには何も興味がわかないものです｣
｢興味がわかない？｣
佐藤には意味のわからない一言だった
浅見は笑いながら佐藤に
｢琴音が興味を示したな｣
｢興味ですか？｣
浅見はうなずいた
琴音は浅見にコーヒーを出した
｢お祖父ちゃんはコーヒー出せないとダメで｣
浅見は笑いながら佐藤を見た
｢将来性のある奴だ！｣
佐藤は驚いた
浅見は目を背けて
｢落としたキーホルダーの持ち主ですか？｣
佐藤はうなずいた
｢わからないので｣
浅見はキーホルダーをエプロンのポケットに入れた
｢琴音、閉める時間だが｣
佐藤は立ち上がった
｢ありがとうございました！｣
琴音は笑った
｢しっかり残したわね、おつりいらないように｣
琴音はテーブルを拭きながら考えた
｢このキーホルダーを忘れっていった理由も知りたいです｣
｢琴音、好奇心でおろそかにするな！｣
琴音はばれたかと思った
琴音は片付けを終えて奥の部屋に入った
｢夕食は終わってますので｣
浅見は何かあったなと思った
｢今回は定番の胡瓜の糠漬けですが｣
浅見は笑顔で見た
佐藤は男に
｢キーホルダーは？｣
佐藤はあの男は昼間にぶつかった人だと思った
｢キーホルダーは知り合いに預けました！｣
佐藤は近所の人に聞こえるように言った
男は怯んだ
佐藤は両膝が震えてるのに気がついた
琴音は胡瓜の糠漬けを見て
｢もうない！｣
｢すまんの、琴音｣
琴音は不満げに浅見を見た
｢明日の仕込みと大根を漬けないと｣
佐藤は慌てて自宅に駆け込んだ
｢あの男のことを琴音さんに｣
男はキーホルダーの写真を見て
｢あれがなければ｣
翌日、ゼミの内容が入らずに歩いた
佐藤は頭をかきながら歩いた
｢こうなったら蝋燭館に行って相談するか｣
佐藤は意思を固めた
浅見は驚いた
｢どうしたんですか？｣
佐藤は浅見に
｢昨日来ました！｣
｢誰が？｣
｢例の男です｣
浅見は笑って
｢犯人ですね｣
｢犯人って？｣
佐藤は驚いた
｢だっています｣
浅見は犯人の方に目をやった
佐藤は思わず浅見の目がやった方に向けた
｢あの人が？｣
浅見はうなずいた
｢このキーホルダーが目当てだと言いたげでしたね｣
男はうなずいた
｢これがあれば大金持ちになれるんだ！｣
男はキーホルダーを浅見から取ろうとした
｢動機はこのキーホルダーがダイヤモンドだと｣
｢ダ、ダイヤモンド？！｣
浅見はうなずいた
｢ダイヤモンドを盗んだですから｣
佐藤はスマートフォンを取り出して警察を呼んだ
｢元の持ち主はこの店の常連客でした｣
佐藤は思わず強く握って投げ飛ばした
｢あなた、合気道の｣
｢上級者です｣
後日、男は前のダイヤモンドの持ち主だと判明した
その後、僕は蝋燭館の常連になった
一人の少女が佐藤を見て
｢面白くなりそう｣

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