蝋燭館の事件簿

少女探偵と蝋燭館

魔女の墓参り

浅見はベルを見た
｢あの子は？｣
ベルは思わず笑った
｢ベル・クワイヤーです｣
｢ベル・クワイヤー？｣
ベルはうなずいた
佐藤は浅見に
｢誰ですか？｣
浅見はお手上げをした
｢わかりません｣
ベルは電車に乗って
｢誰でしょう？｣
浅見は外人墓地に行って
｢母から言われて｣
｢この墓？｣
浅見はうなずいた
｢この墓地に花を？｣
｢そうです、昔魔女と言われた母娘の墓です｣
浅見は花を備えた
ヒカリたちは浅見を見て
｢先客がいたわ｣
｢この外人墓地に行く用事でも｣
｢伊織、依頼人の手紙では魔女の墓に手を会わせろって｣
伊織は複雑げに思った
氷川はヒカリを見て
｢あなたもこの墓に？｣
ヒカリはうなずいた
｢どうしてもって言われて｣
氷川は思わずスマートフォンの待受を見た
どっからともなく男性の悲鳴が聞こえた
｢聞こえた？｣
Nはうなずいた
｢西側の方からだ｣
｢さすが元殺人兵器ね｣
｢殺人兵器？｣
佐藤は首をかしげた
氷川はヒカリを止めようとした
｢危険よ！｣
ヒカリは氷川の手を振り払った
｢仕事だから！｣
ヒカリはきっぱりと言った
ヒカリは男を起こした
｢大丈夫？｣
男はうなずいた
｢なんなの、あの男？｣
Nは後ろから狙おうとした
男は一目散に走った
ヒカリは首をかしげた
｢大丈夫ですか？｣
男はうなずいた
｢私は医師の佐野智也です｣
佐野はヒカリたちに会釈した
｢誰に襲われてたんですか？｣
｢わかりません、いきなりでしたので｣
ヒカリは考えた
｢犯人は顔全体に湿疹が｣
｢魔女です！｣
突如、佐野はヒカリの声を遮った
｢魔女？｣
ヒカリは思わず口に出た
佐野は立ち上がって
｢話は私の家で｣
｢家って近くですか？｣
佐野はうなずいた
佐藤は回りを見て
｢なんか霧ががって｣
ヒカリは佐野の鞄を持った
浅見は興味ありげに見た
ベルは浅見を見た
｢根岸で見ませんでした？｣
浅見はうなずいた
｢住んでるのは根岸なんですか？｣
｢ベルは根岸でNは蒔田なんです｣
｢意外ですね｣
ベルは笑った
不気味な男は物陰から見ていた
チェレンは後ろに目をやった
｢実は私は依頼できたんです｣
｢依頼で？｣
佐野は見に覚えがないと思った
｢この字ではないです｣
｢そうですか｣
ヒカリは複雑げに言った
｢じゃあ、私は観光で｣
｢そうですか｣
ヒカリにはわからずじまいだった
佐野はヒカリに
｢町の人たちは魔女に｣
｢怯えてると？｣
ヒカリは当てたかのように言った
｢その通りです｣
佐野は驚いた
｢この家に四つ葉のクローバーの植え木鉢があったから｣
ベルは窓を見た
｢本当だ｣
浅見は紅茶を飲んで
｢馬蹄もあって｣
｢この味はスリランカ産の紅茶ですね？｣
佐野はうなずいた
｢もうひとつは三聖人がいて｣
｢三聖人？｣
｢三聖人とはこの町の名士です｣
ヒカリは考えた
エンナは驚いた
｢こんなに水浸しに｣
｢何がどうなってんだ｣
ダイゴは周りを見て
｢この中って｣
｢水死かもしれないわ｣
ダイゴはうなずいた
｢ヒカリに検死依頼するか｣
エンナはスマートフォンを取り出して
｢電波状況悪い！｣
エンナは部屋に出て電話した