蝋燭館の事件簿

少女探偵と蝋燭館

魔女の正体

浅見はヒカリを見て
「大丈夫ですか？」
ヒカリはうなずいた
「まさかの話しよ」
氷川は冷静になろうと考えた
「エンナも医師免許があると」
浅見はまさかと思った
エンナはヒカリに
「調べてみたら興味深いことがわかったわ」
「わたしの職場から笑気麻酔が盗まれていたわ」
ヒカリは浅見を見て
「業者だと偽ったわ」
「まさか犯人がわからなかったがヒカリさんから」
ヒカリはうなずいた
「バチカン市国に電話してわかったのよ」
相模はヒカリに
「バチカン市国はカトリックだと」
「その通りよ」
「第一の殺人のトリックの」
「説明でしょ？」
ヒカリは冷静に答えた
氷川は匂いを嗅いだ
「事件現場でも同じ匂いが」
佐藤はヒカリたちに
「この匂い！」
「あたしが焚いたのよ」
ヒカリはあっさりと答えた
「電話ボックスの事件はLPガスを使って殺害したのよ」
「液化石油ガスで」
「あの電話ボックスはLPガスが充満したからよ」
「確か静電気でも爆発すると」
「犯人は知っていたのよ」
「確か摩周さんはヘビースモーカーって」
相模は思い出したように言った
「父親である、田崎さんを心臓麻痺起こすことだった」
「まさか過去の事件で」
ヒカリは浅見にバトンタッチした
「ヒカリさんに言われるまで気がつかなかったわ」
「気かつかないとは？」
佐藤は驚いた
「三聖人が自らの罪を懺悔したなら簡単よ」
相模は牧師を見た
「まさか神父様が？」
ヒカリはうなずいた
「三聖人とその息子を殺した犯人だと言うことよ！」
ヒカリはでかでかと言った
「でもどうして犯人だと」
神父は否定的に言った
「あの時、エリザベートには乳飲み子がいたのよ」
エンナは神父に
「言い逃れはできないわ」
「昨日の夜、ローマ法王庁に電話して聞いたわ」
「ほ、法王庁にか？」
神父はかすかに動揺した
「あなたは過去に懺悔しに来た人たちに懺悔した内容を家族などに話すと脅迫して金品を要求していたと」
神父は目をそらした
「まさかこれを？」
ヒカリはうなずいた
「日本でも似たような手口だと聞いていたわ」
浅見は驚いた
「わたしたちが来た時に庭を行かせないように鍵をかけていたわね？」
「今さっき、家宅捜索の書類が届いたわ」
浅見は扉を見た
「ここから脱出を」
「証拠は教会に張り巡らしたパイプ菅だってことよ」
浅見はヒカリの目を見て
「つかんでいたんですか？」
ヒカリは涼しい顔で
「当然でしょ、相模さんには特別な思いがあったし」
「特別な思い？」
チェレンたちはざわめき出した
「生き別れた父だと言いたいんですか？」
「残念ながらそうなるわね」
「殺人動機は本牧ふ頭まで釣りに行った少年が失踪した事件でしょ？」
牧師は感情をあらわにした
「その通りだ！あの時、警察が捜索しなければエリザベートとアイリーンは死なずに済んだ！」
「確か、エリザベートは統合失調症の患者だと？」
ヒカリはうなずいた
｢彼女はストレスが原因で統合失調症を患ったわ｣
牧師はライターで火をつけようとした
｢まずいわ、ここにいる人間を巻添えに磨ろる気よ」
相模はヒカリたちの前に出た
｢もうやめてっ！｣
牧師はライターを閉めた
｢お前は？」
｢あなたの娘よ！」
氷川は驚いた
｢相模さんが？」
｢乳飲み子が見当たらなかったと書かれていたからもしやと思って｣
｢じゃあ、相模さんがエリザベートの孫だと思うわ｣
佐藤は氷川の顔を見た
｢まさか牧師さんを助けるがための｣
ヒカリはうなずいた
チェレンはライターを取り上げた
｢これでいいのか？」
｢ありがとう、チェレン｣
エンナは考えた
｢まっ、あの三人は警察がメスを入れる所だったが｣
牧師はエンナを見て
｢メスを？」
｢あの三人はつるんで詐欺を働いたことがわかっていてその証拠集めだったんだ｣
相模は驚いた
｢地面師をヒカリが見抜いて｣
ヒカリは苦笑いした
｢見抜いて｣
｢おかげで捜査二課が出ると思ったのに｣
エンナは牧師をパトカーに乗せた