28 / 40
28話
しおりを挟む
「後ろ乗っていくか?」
「私の気を引くことより、自分の心配でもしたら? どうせまた遅刻するんじゃない」
次の日も俺は杏が家を出るのを待っていたが、やはり気のない返事が返ってきた。
目の前を杏が素通りしていく。
俺は頭をかき、自転車を元の場所に戻した。
「今日は運転手なしか。電車を使うしかないの」
「悪いな、トリエステ」
「なぁに、安心せい。主水らの邪魔はせぬよ」
「そんな心配してないさ」
俺は杏を追って駆け出した。
とぼとぼ歩いていたのですぐに追いついた。
とはいえ彼女の斜め後ろらへんでぴったりついて歩くことしかできず、気の利いた会話のひとつも投げかけることができない。
かろうじて挨拶はできたが、「おはよう、古路里くん」と実に距離感のある返しをされて終わった。
「どこまでついて来るの? はっきり言って邪魔なんだけど」
窮屈な電車の中でも、俺は杏の近くに陣取った。幸い杏に手を伸ばしたあのサラリーマンの姿はない。
駅で電車が停車し、少し人が少なくなったところで、勇気を振り絞って話しかける。
「昨日は、その……大丈夫だったか?」
「なんの話?」
「いや、だからあの……」
「私の心配してるの?」
俺は目をぎゅっと閉じる。それから口の中で粘つく唾を飲み込んだ。
「自分の心配しろってことだよな?」
「そういうこと。退学になっても知らないから」
「宿題、やってきたんだ」
「へえ」と杏の声音は平坦だったが、少しだけ口が開いていた。
「でもそんなの当たり前のことでしょ。わざわざ自慢すること?」
「そうじゃなくて。間違ってるとこがないか確認してほしいんだ」
電車が最寄りの駅についた。
俺たちは並んで改札を抜けた。
しばらく杏はだまりこみ、何か考えている様子だった。
「ふぅん……別に間違えてても大丈夫だよ。課題はやることが大事なんだから」
「そ、そうか……」
ふぅんの後に少しの間があった。おそらく『そういう作戦に出たか』なんてことを言いたかったのだろう。
確かに、俺の方も下心を否定できるわけではないが、効果がまるでなかったというわけでもなさそうだ。
相変わらず俺たちの間に会話はないし、微妙な距離をあけてお互い歩いてはいたが、「邪魔なんだけど」みたいな言葉はなくなっていた。
その日の俺はまぶたをこじ開けて授業を受けた。もしも意識を失ったら指をへし折ってくれと、トリエステにお願いしたのが功を奏した。 おかげで午前の授業をほとんど眠らずに乗り切ることができた。
まぁ、左手の指が三本ばかり変な方向に曲がってしまったが、昼休憩中には治るだろう。
それはそうと、ひとつ意外な発見もあった。あの如月杏でさえ、授業中にこくこくと一瞬居眠りをしてしまう場面があったのだ。
別に鬼の首を取ったように指摘する気にはなれない。必死に目を覚まそうとまぶたをゴシゴシこする姿を見て、なんだか胸が痛くなったって話だ。
惣菜屋で働く様子だとか帰りを待つ弟の様子が目の奥で重なる。
「なぁ、俺は同情してるだけなのかな?」
食堂でトリエステと向かいあわせに座った時、俺はこんな疑問を口にしていた。
俺の昼食はカレーライス。トリエステは片手に丼を持ち、腹ペコの体育会系の男子のように牛丼をかき込んでいた。
「トリエステ、少しはキャラを考えろよ。みんなこっち見てるぞ」
「おぉ、しまった。つい空腹で」トリエステは何事もなかったように純白のナプキンで上品に口元を拭きはじめた。「最近は美味いもんを食えてないからの」
「嫌味か? 俺の手料理だって少しずつ上達してるだろ」
「たしかに惣菜選びのセンスはよくなっておるの」
「……で、俺の質問への答えは?」
「そんなこと自分で考えるんじゃな」
俺はぐいと茶を飲み干し、スプーンの先をトリエステに向ける。
「おいおい、それはないだろ。アドバイスのひとつやふたつ頼むよ。だてに長生きしてるわけじゃないんだろ?」
「ふん、たとえ同情だとしてそれの何が悪い? どんな手段を使おうが心を奪えばいいだけの話じゃ。過程や方法なぞ、どうでもよかろう」
「はぁ、これだから寿命のないやつは……」
俺が肩をすくめようとしたその時だった。
「なぁ、古路里。隣座ってもいいか?」
にこにことした笑顔で近づいてきたのは、クラスメイトの音無だった。ザ・お調子者といった感じのそいつは、まだ許してもないのに俺を呼び捨てにしていた。
まぁ、学校でわからないこととか聞いてもないのに教えてくれたりして、結構助けられているのは確かだけどな。いいヤツであることに変わりない。
「では、私はこれで失礼しますね。ごきげんよう、音無さん」
入れ替わるようにトリエステは優雅に立ち上がると、音無に小さく手を振って去っていった。
「あぁ、行っちゃった……」
うっとりした顔で手を振り返した後、残念そうに俺の横に座る音無。
トリエステにお近づきになろうとしていた魂胆は見え見えだ。
これくらいわかりやすくて下心に忠実なら実に生きやすそうなんだけどな。
「古路里よお、兄妹でなに話してたんだ?」
「いや、別に大したことじゃないよ」
「ほんとに美しいよな。あやめさん」音無は羨望の眼差しでトリエステの後ろ姿を見つめている。「やっぱり彼氏とかいるのか?」
俺はぽかんと口を開けた。決して音無は悪いやつではないが、どうしてトリエステに太刀打ちできると思ったのだろうか。
「いや、いないと思うけど……」
「うっそ! まじか大チャンスじゃん!」
「そのポジティブシンキングが羨ましい」
言い流しつつ食堂の端っこに座っている杏を見た。彼女は他のクラスの友人たちとテーブルを囲んでいた。
一瞬目が合い、俺は咄嗟に目を伏せる。
「で、あいつのどこがそんなに良いんだ?」
「美しいところ! そんなの決まってんだろ」
「即答だな、おい。そして単純すぎだろ」
「じゃあ他に何があるってんだ? 古路里は見た瞬間に相手の心の綺麗さなんてのがわかるってのか?」
「そういわれると……確かに……」
「別にきっかけなんて、可愛いからとか気になるからとかでいいじゃんかよ。勝負はそこからよ」
トリエステと似たようなことを言っているが、根本的に何かが違うような気がした。音無という男、頭空っぽそうに見えて意外と考えているのかもしれない。
「それで、音無。お前だったらどうやって俺の妹にアプローチする?」
「そんなの出たとこ勝負よ。オレがあの手この手の駆け引きができる経験豊富な奴に見えるか?」
いや、何も考えてなかったか。
これまで俺のまわりにいなかったタイプだ。
俺はまじまじと音無を見つめ、首を横に振った。
「音無なら何か参考になるかと思ったんだけどな」
「すまねえな。逆にどうしたらいいかって古路里に相談しようと思ってたくらいだぜ」
「俺に?」自分を指差す。「そんな俺が女心わかるようなやつに見えるのか」
「見えるね」
音無が深々と頷いた矢先、
「「古路里く~ん。一緒にご飯たべよ♡」」
いつの間にか俺のまわりに人だかりができていた。もちろんみんな女の子だ。囲むように現れて、次々とテーブルに食器をのせていく。
音無は、ほらなとでも言うような顔をしていた。
案外、人ってのは人を見る目がないのかもしれないな。
ちらりと目を移すと、如月杏の侮蔑するような視線が一瞬だけ見えて、すぐに女の子たちの陰に隠れてしまった。
「私の気を引くことより、自分の心配でもしたら? どうせまた遅刻するんじゃない」
次の日も俺は杏が家を出るのを待っていたが、やはり気のない返事が返ってきた。
目の前を杏が素通りしていく。
俺は頭をかき、自転車を元の場所に戻した。
「今日は運転手なしか。電車を使うしかないの」
「悪いな、トリエステ」
「なぁに、安心せい。主水らの邪魔はせぬよ」
「そんな心配してないさ」
俺は杏を追って駆け出した。
とぼとぼ歩いていたのですぐに追いついた。
とはいえ彼女の斜め後ろらへんでぴったりついて歩くことしかできず、気の利いた会話のひとつも投げかけることができない。
かろうじて挨拶はできたが、「おはよう、古路里くん」と実に距離感のある返しをされて終わった。
「どこまでついて来るの? はっきり言って邪魔なんだけど」
窮屈な電車の中でも、俺は杏の近くに陣取った。幸い杏に手を伸ばしたあのサラリーマンの姿はない。
駅で電車が停車し、少し人が少なくなったところで、勇気を振り絞って話しかける。
「昨日は、その……大丈夫だったか?」
「なんの話?」
「いや、だからあの……」
「私の心配してるの?」
俺は目をぎゅっと閉じる。それから口の中で粘つく唾を飲み込んだ。
「自分の心配しろってことだよな?」
「そういうこと。退学になっても知らないから」
「宿題、やってきたんだ」
「へえ」と杏の声音は平坦だったが、少しだけ口が開いていた。
「でもそんなの当たり前のことでしょ。わざわざ自慢すること?」
「そうじゃなくて。間違ってるとこがないか確認してほしいんだ」
電車が最寄りの駅についた。
俺たちは並んで改札を抜けた。
しばらく杏はだまりこみ、何か考えている様子だった。
「ふぅん……別に間違えてても大丈夫だよ。課題はやることが大事なんだから」
「そ、そうか……」
ふぅんの後に少しの間があった。おそらく『そういう作戦に出たか』なんてことを言いたかったのだろう。
確かに、俺の方も下心を否定できるわけではないが、効果がまるでなかったというわけでもなさそうだ。
相変わらず俺たちの間に会話はないし、微妙な距離をあけてお互い歩いてはいたが、「邪魔なんだけど」みたいな言葉はなくなっていた。
その日の俺はまぶたをこじ開けて授業を受けた。もしも意識を失ったら指をへし折ってくれと、トリエステにお願いしたのが功を奏した。 おかげで午前の授業をほとんど眠らずに乗り切ることができた。
まぁ、左手の指が三本ばかり変な方向に曲がってしまったが、昼休憩中には治るだろう。
それはそうと、ひとつ意外な発見もあった。あの如月杏でさえ、授業中にこくこくと一瞬居眠りをしてしまう場面があったのだ。
別に鬼の首を取ったように指摘する気にはなれない。必死に目を覚まそうとまぶたをゴシゴシこする姿を見て、なんだか胸が痛くなったって話だ。
惣菜屋で働く様子だとか帰りを待つ弟の様子が目の奥で重なる。
「なぁ、俺は同情してるだけなのかな?」
食堂でトリエステと向かいあわせに座った時、俺はこんな疑問を口にしていた。
俺の昼食はカレーライス。トリエステは片手に丼を持ち、腹ペコの体育会系の男子のように牛丼をかき込んでいた。
「トリエステ、少しはキャラを考えろよ。みんなこっち見てるぞ」
「おぉ、しまった。つい空腹で」トリエステは何事もなかったように純白のナプキンで上品に口元を拭きはじめた。「最近は美味いもんを食えてないからの」
「嫌味か? 俺の手料理だって少しずつ上達してるだろ」
「たしかに惣菜選びのセンスはよくなっておるの」
「……で、俺の質問への答えは?」
「そんなこと自分で考えるんじゃな」
俺はぐいと茶を飲み干し、スプーンの先をトリエステに向ける。
「おいおい、それはないだろ。アドバイスのひとつやふたつ頼むよ。だてに長生きしてるわけじゃないんだろ?」
「ふん、たとえ同情だとしてそれの何が悪い? どんな手段を使おうが心を奪えばいいだけの話じゃ。過程や方法なぞ、どうでもよかろう」
「はぁ、これだから寿命のないやつは……」
俺が肩をすくめようとしたその時だった。
「なぁ、古路里。隣座ってもいいか?」
にこにことした笑顔で近づいてきたのは、クラスメイトの音無だった。ザ・お調子者といった感じのそいつは、まだ許してもないのに俺を呼び捨てにしていた。
まぁ、学校でわからないこととか聞いてもないのに教えてくれたりして、結構助けられているのは確かだけどな。いいヤツであることに変わりない。
「では、私はこれで失礼しますね。ごきげんよう、音無さん」
入れ替わるようにトリエステは優雅に立ち上がると、音無に小さく手を振って去っていった。
「あぁ、行っちゃった……」
うっとりした顔で手を振り返した後、残念そうに俺の横に座る音無。
トリエステにお近づきになろうとしていた魂胆は見え見えだ。
これくらいわかりやすくて下心に忠実なら実に生きやすそうなんだけどな。
「古路里よお、兄妹でなに話してたんだ?」
「いや、別に大したことじゃないよ」
「ほんとに美しいよな。あやめさん」音無は羨望の眼差しでトリエステの後ろ姿を見つめている。「やっぱり彼氏とかいるのか?」
俺はぽかんと口を開けた。決して音無は悪いやつではないが、どうしてトリエステに太刀打ちできると思ったのだろうか。
「いや、いないと思うけど……」
「うっそ! まじか大チャンスじゃん!」
「そのポジティブシンキングが羨ましい」
言い流しつつ食堂の端っこに座っている杏を見た。彼女は他のクラスの友人たちとテーブルを囲んでいた。
一瞬目が合い、俺は咄嗟に目を伏せる。
「で、あいつのどこがそんなに良いんだ?」
「美しいところ! そんなの決まってんだろ」
「即答だな、おい。そして単純すぎだろ」
「じゃあ他に何があるってんだ? 古路里は見た瞬間に相手の心の綺麗さなんてのがわかるってのか?」
「そういわれると……確かに……」
「別にきっかけなんて、可愛いからとか気になるからとかでいいじゃんかよ。勝負はそこからよ」
トリエステと似たようなことを言っているが、根本的に何かが違うような気がした。音無という男、頭空っぽそうに見えて意外と考えているのかもしれない。
「それで、音無。お前だったらどうやって俺の妹にアプローチする?」
「そんなの出たとこ勝負よ。オレがあの手この手の駆け引きができる経験豊富な奴に見えるか?」
いや、何も考えてなかったか。
これまで俺のまわりにいなかったタイプだ。
俺はまじまじと音無を見つめ、首を横に振った。
「音無なら何か参考になるかと思ったんだけどな」
「すまねえな。逆にどうしたらいいかって古路里に相談しようと思ってたくらいだぜ」
「俺に?」自分を指差す。「そんな俺が女心わかるようなやつに見えるのか」
「見えるね」
音無が深々と頷いた矢先、
「「古路里く~ん。一緒にご飯たべよ♡」」
いつの間にか俺のまわりに人だかりができていた。もちろんみんな女の子だ。囲むように現れて、次々とテーブルに食器をのせていく。
音無は、ほらなとでも言うような顔をしていた。
案外、人ってのは人を見る目がないのかもしれないな。
ちらりと目を移すと、如月杏の侮蔑するような視線が一瞬だけ見えて、すぐに女の子たちの陰に隠れてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる