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第二章
360
「戻ったみたいだね」
先ほどと寸分たがわぬ風景に、僕は軽く安堵した。
実は少しだけ不安があった。
本当に戻れるのだろうかと。
実はエニグマが僕をたばかり、ふざけ半分で翻弄するつもりなんじゃないだろうかと。
でも実際は問題なく戻れたようだ。
僕は肺腑の中に貯めていた息を軽く吐き出した。
「安心した?」
エニグマが僕の顔を横から覗き込むようにして言う。
僕は素直に答えた。
「まあね。突然異次元の世界に連れていかれたんだ。不安にもなるさ」
するとエニグマが愉快そうに笑った。
「そうかもね。でも大丈夫だった。少しは僕の信用度も増したかな?」
僕は肩をすぼめた。
「別に。増えてもいないし、減ってもいないよ。まったくのニュートラルだ」
「それは残念。さて、また話を続けようか」
「ああ。君はさっき、僕が転移者であり特異点でもあるから、悪魔と出くわしたら助けるって言ったよね?」
エニグマがすかさずうなずく。
「その通り。ただし、条件があるけどね」
「条件?それはなに?」
「相手が上位者ではない場合に限るってことさ」
僕は納得し、うなずいた。
「それもそうか。上位者は上司みたいなものだって言っていたし」
「それもある。でもそれ以上に力の差がある場合があるからね。出来れば敵対したくない」
僕はそこである疑問が浮かんだ。
それを僕はエニグマにぶつけてみた。
「上位者には絶対に勝てないの?実際君は、一階級下のグラドゥスを退けているし。階級って絶対的なものってことなのかな?」
すると、エニグマが顔を軽く斜め上に上げ、皮肉な笑みを浮かべた。
「いいや、そんなことはない。階級はあくまで目安だよ。一度階級がついたら永遠に変わらないってわけじゃない。力量が高まれば、階級は上がるさ。なら当然、上位者とはいえ下位の者に負けることだってある。グラドゥスもそう思ったからこそ、僕に挑んだと思うし。もっとも……」
エニグマはそこで右手を軽く握って口元に当てた。
そして笑いをこらえるようにして言った。
「全然弱かったんだけどね」
性格がにじみ出ている。
出来れば敵に回したくはないな。
僕は話を戻そうとした。
「じゃあ同格相手ならどうなの?勝てるかどうかわからないってことじゃないの?」
「そうだね。確かに勝てる保証はない。ないけど……」
エニグマはまたもそこで区切ると、髪をかき上げた。
そしてこれ以上ないくらいに悪魔的な微笑を口元に湛えて、僕を見下ろした。
「まあ勝てると思うよ。だって僕は、この階級では最強クラスなんだからね」
先ほどと寸分たがわぬ風景に、僕は軽く安堵した。
実は少しだけ不安があった。
本当に戻れるのだろうかと。
実はエニグマが僕をたばかり、ふざけ半分で翻弄するつもりなんじゃないだろうかと。
でも実際は問題なく戻れたようだ。
僕は肺腑の中に貯めていた息を軽く吐き出した。
「安心した?」
エニグマが僕の顔を横から覗き込むようにして言う。
僕は素直に答えた。
「まあね。突然異次元の世界に連れていかれたんだ。不安にもなるさ」
するとエニグマが愉快そうに笑った。
「そうかもね。でも大丈夫だった。少しは僕の信用度も増したかな?」
僕は肩をすぼめた。
「別に。増えてもいないし、減ってもいないよ。まったくのニュートラルだ」
「それは残念。さて、また話を続けようか」
「ああ。君はさっき、僕が転移者であり特異点でもあるから、悪魔と出くわしたら助けるって言ったよね?」
エニグマがすかさずうなずく。
「その通り。ただし、条件があるけどね」
「条件?それはなに?」
「相手が上位者ではない場合に限るってことさ」
僕は納得し、うなずいた。
「それもそうか。上位者は上司みたいなものだって言っていたし」
「それもある。でもそれ以上に力の差がある場合があるからね。出来れば敵対したくない」
僕はそこである疑問が浮かんだ。
それを僕はエニグマにぶつけてみた。
「上位者には絶対に勝てないの?実際君は、一階級下のグラドゥスを退けているし。階級って絶対的なものってことなのかな?」
すると、エニグマが顔を軽く斜め上に上げ、皮肉な笑みを浮かべた。
「いいや、そんなことはない。階級はあくまで目安だよ。一度階級がついたら永遠に変わらないってわけじゃない。力量が高まれば、階級は上がるさ。なら当然、上位者とはいえ下位の者に負けることだってある。グラドゥスもそう思ったからこそ、僕に挑んだと思うし。もっとも……」
エニグマはそこで右手を軽く握って口元に当てた。
そして笑いをこらえるようにして言った。
「全然弱かったんだけどね」
性格がにじみ出ている。
出来れば敵に回したくはないな。
僕は話を戻そうとした。
「じゃあ同格相手ならどうなの?勝てるかどうかわからないってことじゃないの?」
「そうだね。確かに勝てる保証はない。ないけど……」
エニグマはまたもそこで区切ると、髪をかき上げた。
そしてこれ以上ないくらいに悪魔的な微笑を口元に湛えて、僕を見下ろした。
「まあ勝てると思うよ。だって僕は、この階級では最強クラスなんだからね」
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