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第七十一話 魔力総量
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1
「ふん、そうするか。ではお前たちは、アベルを村に連れて行っておやり。あたしはその間、このテーベでもう少し調べてみることにするよ」
「了解。じゃあ今日のところはホテルに戻らない?」
「そうしよう。さすがにあたしも疲れたよ」
そう言うとカルラは深く折れ曲がった腰に手をやり、数度ポンポンと叩いた。
だが対するガイウスは、多少疲れた様子はあったものの、まだずいぶん元気な様子であった。
カルラはそんなガイウスに鋭く目をやり、片眉を軽く跳ね上げた。
「ほう、今日の戦いでもお前さんの魔力総量は、尽きやしなかったようだね?」
「えっ?ああ、そうみたいだね」
「船上特訓の際も、いつも魔力が尽きるより先に体力が尽きてしまったから判らなかったが、お前さんの魔力総量は本当のところ、一体どれ位のものなのかねえ?」
「さあ、本当にどうなんだろう?」
「まあいいさ。いずれ判る時も来るだろう。さあ、とっととホテルに戻るよ」
カルラは言うなり、言葉通りさっさと足早に部屋を出た。
残されたガイウスは、そこでこれまでのことを思い出し、しばし考え込んだ。
「魔力総量か。実は限界なかったりして」
ガイウスはカルラの後を追い、部屋を後にした。
2
「というわけだから、明日になったらアベルの村へ向かって出発だよ」
ガイウスはホテルに戻り、アベル達の部屋を訪れて先ほど決まったことを告げた。
アベルはガイウスにしっかと抱きつき、感謝を示した。
「カルラ様は、テーベに残られるので?」
ロデムルの疑問にガイウスが答えた。
「そう。もしかしたら、なにかシグナスの足取りがつかめるものが残っているかもしれないからね」
「そうですか、確かにあの『プロメテウスの偽書』が、またどこかで使用されたら大変なことになりますからね」
「だから見つかるといいんだけどな。ていうか見つからない場合、僕たちどうなると思う?」
「と仰いますと?」
「いや、だからアベルを村に帰してテーベに戻った時、シグナスの足取りをまだ掴めていなかったら、カルラは僕たちをエルムールに帰してくれると思う?」
「さあ、それはどうでしょうか」
「だよねえ。絶対どこかに連れ回されるよねえ」
「恐らく」
「だよねえ。今度はレイダムあたりに連れて行かれたりして」
ガイウスは、広大なメリッサ大陸西の端に位置するダロス王国の旧都テーベから、ローエングリン教皇国を間に挟んで東の端に位置するレイダム連合王国へと連行される自分の姿を想像して、大層うんざりした。
「ないことは、ないかもしれません」
ロデムルも想像したのか、少々うんざりした顔つきとなった。
するとガイウスにしがみついていたアベルが、怪訝そうな顔つきで二人の顔を見比べた。
「どうしたの?」
ガイウスは一旦ロデムルと顔を見合わせ、大きくうなずいた後、優しげな笑顔を浮かべてアベルの顔を覗き込んだ。
「なんでもないよ。それより明日はアベルの村へ出発だぞ!」
そう言うと、アベルはうれしさのあまり、再びガイウスにぎゅっとしがみついた。
(まっ、後のことは追い追い考えるとしよう。どうせ考えたって判りゃしないんだから)
「ふん、そうするか。ではお前たちは、アベルを村に連れて行っておやり。あたしはその間、このテーベでもう少し調べてみることにするよ」
「了解。じゃあ今日のところはホテルに戻らない?」
「そうしよう。さすがにあたしも疲れたよ」
そう言うとカルラは深く折れ曲がった腰に手をやり、数度ポンポンと叩いた。
だが対するガイウスは、多少疲れた様子はあったものの、まだずいぶん元気な様子であった。
カルラはそんなガイウスに鋭く目をやり、片眉を軽く跳ね上げた。
「ほう、今日の戦いでもお前さんの魔力総量は、尽きやしなかったようだね?」
「えっ?ああ、そうみたいだね」
「船上特訓の際も、いつも魔力が尽きるより先に体力が尽きてしまったから判らなかったが、お前さんの魔力総量は本当のところ、一体どれ位のものなのかねえ?」
「さあ、本当にどうなんだろう?」
「まあいいさ。いずれ判る時も来るだろう。さあ、とっととホテルに戻るよ」
カルラは言うなり、言葉通りさっさと足早に部屋を出た。
残されたガイウスは、そこでこれまでのことを思い出し、しばし考え込んだ。
「魔力総量か。実は限界なかったりして」
ガイウスはカルラの後を追い、部屋を後にした。
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「というわけだから、明日になったらアベルの村へ向かって出発だよ」
ガイウスはホテルに戻り、アベル達の部屋を訪れて先ほど決まったことを告げた。
アベルはガイウスにしっかと抱きつき、感謝を示した。
「カルラ様は、テーベに残られるので?」
ロデムルの疑問にガイウスが答えた。
「そう。もしかしたら、なにかシグナスの足取りがつかめるものが残っているかもしれないからね」
「そうですか、確かにあの『プロメテウスの偽書』が、またどこかで使用されたら大変なことになりますからね」
「だから見つかるといいんだけどな。ていうか見つからない場合、僕たちどうなると思う?」
「と仰いますと?」
「いや、だからアベルを村に帰してテーベに戻った時、シグナスの足取りをまだ掴めていなかったら、カルラは僕たちをエルムールに帰してくれると思う?」
「さあ、それはどうでしょうか」
「だよねえ。絶対どこかに連れ回されるよねえ」
「恐らく」
「だよねえ。今度はレイダムあたりに連れて行かれたりして」
ガイウスは、広大なメリッサ大陸西の端に位置するダロス王国の旧都テーベから、ローエングリン教皇国を間に挟んで東の端に位置するレイダム連合王国へと連行される自分の姿を想像して、大層うんざりした。
「ないことは、ないかもしれません」
ロデムルも想像したのか、少々うんざりした顔つきとなった。
するとガイウスにしがみついていたアベルが、怪訝そうな顔つきで二人の顔を見比べた。
「どうしたの?」
ガイウスは一旦ロデムルと顔を見合わせ、大きくうなずいた後、優しげな笑顔を浮かべてアベルの顔を覗き込んだ。
「なんでもないよ。それより明日はアベルの村へ出発だぞ!」
そう言うと、アベルはうれしさのあまり、再びガイウスにぎゅっとしがみついた。
(まっ、後のことは追い追い考えるとしよう。どうせ考えたって判りゃしないんだから)
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