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第百一話 自室にて
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二人が部屋を出てしばらく歩くと、豪華な造りのシャンデリアが天井を飾り、流麗な螺旋階段が目を引く広大な玄関ホールへとたどり着いた。
ガイウスはそこでホッと一息吐き、ロデムルに語りかけた。
「ふう。本当にちょっと疲れちゃったみたいだ……」
「どうか、ごゆっくりお休み下さい」
「ロデムルもね」
「わたくしもとりあえず報告の義務だけは果たせたためか、どっと疲れが出てきたようです。旦那様の御許しもあったことですし、少々部屋で休みたいと存じます」
「じゃあ、また……」
ガイウスはそう言うなり、自室へと続く螺旋階段を昇っていった。
ロデムルはそんなガイウスの後姿に一礼すると、翻って玄関ホールを速やかに後にした。
重い足取りでゆっくりと螺旋階段を昇りきり、広く長い廊下をしばらく歩くと、ようやく自室の前へと辿り着いた。
ガイウスはおもむろにドアを開けると、およそ五ヶ月ぶりだというのに以前と何一つ変わらぬ自室を見て、何だか訳も判らず、ついフッと笑った。
すると、その足元をでっぷりと越え太った見知らぬ黒猫がするりとすり抜け、ガイウスの部屋の中へと滑り込んだ。
ガイウスは咄嗟に、この猫はエメラーダが自分がいない寂しさを紛らわすために飼い始めた猫なのであろうと思い込み、気にせず自らも部屋に入って、後ろ手にドアを閉めた。
そして、すでにガイウスの勉強机に飛び乗って座り込んでいる肥え太った黒猫に近づき、音を立てずにそろりと椅子を引いて座り、静かに右手を差し出して、その顎を撫でようとした。
「よしよし、いい子だね」
その時、驚くべきことに黒猫が口を開いてしゃべり始めた。
「お前、どうやら生まれ変わりのようだな?」
ガイウスはあまりのことに吃驚仰天し、椅子から転げ落ちそうになった。
2
「なっ!?ね、猫が、しゃ、しゃべった!?」
ガイウスは驚きのけ反りながらも、ようやくそれだけ言った。
黒猫は、面倒くさそうな素振りで首を大きく横に振った。
「わしのことはどうでもいいわい。それよりも、質問に答えんかい。どうなんだ?お前は転生者なのか?」
「ど、ど、どうでもいいわけないだろ!?急に猫がしゃべり始めたってのに、気にせずにいられるかよ!?」
「ふう、やっぱり面倒じゃったわい。だがまあよい。ならば名乗ってやろう。わしの名は、ああ、まあ本名はちと長いので省略するが、エルと言う!」
「エル……」
「おい、様を付けんか、様を!わしはただの猫ではないのだぞ。よいか、聞いて驚け、実はわしはな、この世の全ての猫たちの王じゃ!どうじゃ驚いたか?」
「いや、よく判らないんだけど……」
「まったく、お前もロンバルド同様、飲み込みの悪い奴じゃな」
「ロンバルド?ロンバルドはあんたがしゃべることを知っているのか?」
「お前、今度はこのわしをあんた呼ばわりしよったな」
「いや、じゃあ、エル様……」
「じゃあは余計じゃ、じゃあは!だがまあよい、ロンバルドは、このわしがしゃべることを知っておるわ」
ガイウスはあまりの展開に、軽く眩暈を覚えた。
二人が部屋を出てしばらく歩くと、豪華な造りのシャンデリアが天井を飾り、流麗な螺旋階段が目を引く広大な玄関ホールへとたどり着いた。
ガイウスはそこでホッと一息吐き、ロデムルに語りかけた。
「ふう。本当にちょっと疲れちゃったみたいだ……」
「どうか、ごゆっくりお休み下さい」
「ロデムルもね」
「わたくしもとりあえず報告の義務だけは果たせたためか、どっと疲れが出てきたようです。旦那様の御許しもあったことですし、少々部屋で休みたいと存じます」
「じゃあ、また……」
ガイウスはそう言うなり、自室へと続く螺旋階段を昇っていった。
ロデムルはそんなガイウスの後姿に一礼すると、翻って玄関ホールを速やかに後にした。
重い足取りでゆっくりと螺旋階段を昇りきり、広く長い廊下をしばらく歩くと、ようやく自室の前へと辿り着いた。
ガイウスはおもむろにドアを開けると、およそ五ヶ月ぶりだというのに以前と何一つ変わらぬ自室を見て、何だか訳も判らず、ついフッと笑った。
すると、その足元をでっぷりと越え太った見知らぬ黒猫がするりとすり抜け、ガイウスの部屋の中へと滑り込んだ。
ガイウスは咄嗟に、この猫はエメラーダが自分がいない寂しさを紛らわすために飼い始めた猫なのであろうと思い込み、気にせず自らも部屋に入って、後ろ手にドアを閉めた。
そして、すでにガイウスの勉強机に飛び乗って座り込んでいる肥え太った黒猫に近づき、音を立てずにそろりと椅子を引いて座り、静かに右手を差し出して、その顎を撫でようとした。
「よしよし、いい子だね」
その時、驚くべきことに黒猫が口を開いてしゃべり始めた。
「お前、どうやら生まれ変わりのようだな?」
ガイウスはあまりのことに吃驚仰天し、椅子から転げ落ちそうになった。
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「なっ!?ね、猫が、しゃ、しゃべった!?」
ガイウスは驚きのけ反りながらも、ようやくそれだけ言った。
黒猫は、面倒くさそうな素振りで首を大きく横に振った。
「わしのことはどうでもいいわい。それよりも、質問に答えんかい。どうなんだ?お前は転生者なのか?」
「ど、ど、どうでもいいわけないだろ!?急に猫がしゃべり始めたってのに、気にせずにいられるかよ!?」
「ふう、やっぱり面倒じゃったわい。だがまあよい。ならば名乗ってやろう。わしの名は、ああ、まあ本名はちと長いので省略するが、エルと言う!」
「エル……」
「おい、様を付けんか、様を!わしはただの猫ではないのだぞ。よいか、聞いて驚け、実はわしはな、この世の全ての猫たちの王じゃ!どうじゃ驚いたか?」
「いや、よく判らないんだけど……」
「まったく、お前もロンバルド同様、飲み込みの悪い奴じゃな」
「ロンバルド?ロンバルドはあんたがしゃべることを知っているのか?」
「お前、今度はこのわしをあんた呼ばわりしよったな」
「いや、じゃあ、エル様……」
「じゃあは余計じゃ、じゃあは!だがまあよい、ロンバルドは、このわしがしゃべることを知っておるわ」
ガイウスはあまりの展開に、軽く眩暈を覚えた。
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