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第百七話 エデン
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「ここが、エデンだったのか」
ロンバルドは人類創世の地に立っていることを知り、興奮気味に周囲を見渡した。
「まあそういうわけで、ここは騒がしくしてよい場所ではないのじゃ。それで、おぬしらここで何をしておったのじゃ?」
「はい。それは――」
ロンバルドはエルに全てを包み隠さず、事の経緯を説明した。
それというのも、ロンバルドにはこの短い時間のやりとりではあっても、すでにエルを好ましく思っており、また隠し立てをしたところで、相手は神にもっとも近い存在であるため、無駄であろうと思い話したのだった。
エルはロンバルドたちの話を、注意深く黙って静かに聴き終えると、おもむろにその重い口を開いた。
「ふむ、おかげであらましは大体判った。ここ千年ほどのお前さんたちの歴史もな。それにしても相も変わらず、人の子らは争いごとが好きじゃのう」
エルは嘆息気味にそう言った。
「はい」
ロンバルドは神妙な面持ちで短く返事をした。
「じゃが、お前さんらは気に入ったぞ。顔を見ればわかる。お前さん、うそ偽りなくわしに全てを話したな」
「はい」
「それにしても、やはりあの波動は千年竜のものじゃったか。何を隠そうわしがこの地上に現れたのは、途轍もない波動を感じたからなのじゃ。それで押っ取り刀で駆けつけてはみたものの、波動の主はすでに消え失せておった。それで近くでもあるし、せっかくじゃからこのエデンの森に久方ぶりに立ち寄ったというわけじゃ」
「そうでしたか。それでこの地に」
「うむ。それにしても妙な話じゃな。お前さんを疑うわけではないが、エスタを襲ったのは、まことに千年竜であったのか?」
「そう言われましても、千年竜など今までわたしは見たことがありません。ですから確かかと問われると、そうはっきりと確信は持てませんが、ただ伝説の通り、透き通るような表皮の巨大な竜でした」
「うーむ。そうか」
「エル様、妙な話だというのは?」
「うむ、あれほどの波動じゃったから、千年竜が出現したと言われればそうじゃろうと納得は出来る。じゃがあのような巨体が突然現れ、大暴れしたのち忽然と消え失せるなどありえん話じゃ。千年竜には瞬間移動の能力など、ないはずじゃしな」
エルはしばし難しい顔をして、深く考え込んだ。
だがいくら考えたところで埒が明かないと思ったのか、ふいにエルは考えるのをやめた。
「まっ、そういうわけじゃから、当分の間、お前さんらに世話になるぞ」
エルの言葉に、ロンバルドたちは固まった。初めはその言葉の意味がわからなかったが、次第にわかりはじめると、ロンバルドは思わず大きな声で聴き返した。
「――はあ!?」
「じゃから、しばらくの間お前さんの家に厄介になると言うておる」
ロンバルドは人類創世の地に立っていることを知り、興奮気味に周囲を見渡した。
「まあそういうわけで、ここは騒がしくしてよい場所ではないのじゃ。それで、おぬしらここで何をしておったのじゃ?」
「はい。それは――」
ロンバルドはエルに全てを包み隠さず、事の経緯を説明した。
それというのも、ロンバルドにはこの短い時間のやりとりではあっても、すでにエルを好ましく思っており、また隠し立てをしたところで、相手は神にもっとも近い存在であるため、無駄であろうと思い話したのだった。
エルはロンバルドたちの話を、注意深く黙って静かに聴き終えると、おもむろにその重い口を開いた。
「ふむ、おかげであらましは大体判った。ここ千年ほどのお前さんたちの歴史もな。それにしても相も変わらず、人の子らは争いごとが好きじゃのう」
エルは嘆息気味にそう言った。
「はい」
ロンバルドは神妙な面持ちで短く返事をした。
「じゃが、お前さんらは気に入ったぞ。顔を見ればわかる。お前さん、うそ偽りなくわしに全てを話したな」
「はい」
「それにしても、やはりあの波動は千年竜のものじゃったか。何を隠そうわしがこの地上に現れたのは、途轍もない波動を感じたからなのじゃ。それで押っ取り刀で駆けつけてはみたものの、波動の主はすでに消え失せておった。それで近くでもあるし、せっかくじゃからこのエデンの森に久方ぶりに立ち寄ったというわけじゃ」
「そうでしたか。それでこの地に」
「うむ。それにしても妙な話じゃな。お前さんを疑うわけではないが、エスタを襲ったのは、まことに千年竜であったのか?」
「そう言われましても、千年竜など今までわたしは見たことがありません。ですから確かかと問われると、そうはっきりと確信は持てませんが、ただ伝説の通り、透き通るような表皮の巨大な竜でした」
「うーむ。そうか」
「エル様、妙な話だというのは?」
「うむ、あれほどの波動じゃったから、千年竜が出現したと言われればそうじゃろうと納得は出来る。じゃがあのような巨体が突然現れ、大暴れしたのち忽然と消え失せるなどありえん話じゃ。千年竜には瞬間移動の能力など、ないはずじゃしな」
エルはしばし難しい顔をして、深く考え込んだ。
だがいくら考えたところで埒が明かないと思ったのか、ふいにエルは考えるのをやめた。
「まっ、そういうわけじゃから、当分の間、お前さんらに世話になるぞ」
エルの言葉に、ロンバルドたちは固まった。初めはその言葉の意味がわからなかったが、次第にわかりはじめると、ロンバルドは思わず大きな声で聴き返した。
「――はあ!?」
「じゃから、しばらくの間お前さんの家に厄介になると言うておる」
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