転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~【改訂版】

マツヤマユタカ

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第百九話 遺体

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「それでは、ゴルコス将軍の遺体は何処にあるのでしょうか?」

 まだ信じ切っていないロンバルドの問いに、エルがさらに強く口元をむにゅっとさせた。

「ここから一キルクル位先の地面の上で、仰向けに野垂れ死んでおるわい」

「間違いありませんか?」

「ない!でっぷりと肥え太って馬に乗れそうもない奴など、他に軍隊にはおらんじゃろう。なら、そいつがそのゴルコスに間違いないわい」

 ロンバルドはエルの話を聞いて一旦納得すると、振り返ってシェスターたちに向かって言った。

「だ、そうだ」

 シェスターはうなずき、言った。

「それなら問題はないかと。散り散りに逃れた親衛隊たちも、あの状況でしたらさして問題とはされますまい」

「そうだな。なにせ相手は千年竜だ。あの惨憺さんたんたる大混乱の中でゴルコス将軍は行方知れずとなり、残念ながら亡くなられたということならば、ロトス君たちも大丈夫そうだな」

 ロンバルドはロトスを見つめながらそう言った。

 ロトスはまだ不安げな表情を浮かべていたものの、それは実のところエルに対してのものであり、事態についてはさして気にしてはいなかった。

「まあ、わたすらは大丈夫でねえっすかねえ。わたすらは必死に逃げただけってことで、お咎めはないと思いまっすねえ」

 ロンバルドは口元に微かに笑みを浮かべた。

「そうだな。それならば、大丈夫だな」

 ロトスも笑みを浮かべ、ロンバルドに会釈した。

 だが一人シェスターの顔は晴れていなかった。

「ですが、それなら遺体は埋めておいた方がよろしいのではないでしょうか?」

 シェスターの提案に、ロンバルドが熟考の末うなずいた。

「そうだな。行方知れずのままの方が都合がよさそうだ」

 シェスターはうなずき、言った。

「では、早速ゴルコス将軍の遺体があるところへ向かうとしましょう」

 シェスターの提案に、ロンバルドはうなずき、振り返ってエルに尋ねた。

「エル様、ゴルコス将軍の遺体のある場所を教えていただけますか?」

 エルは、ロンバルドがようやく自分の言い分を信じたことに満足したのか、笑みを浮かべてうなずいた。

「うむ、それは構わんが、何ならわしがここまで運んでやってもよいぞ?」

「そのようなことが出来るのですか!?」

 ロンバルドの問いに、エルがにんまりと自信たっぷりな笑みを浮かべた。

「お前さん、このわしを誰だと思うておるのじゃ?いいか、このわしこそは神の眷属にして、この世のすべての猫の頂点に位置する猫王なるぞ!」
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