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第百四十六話 阿鼻叫喚
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1
「ちっ!やっぱり、入り口は見当たらないか」
ガイウスはドームの周辺を隈なく調べたが、入り口を見つけることは出来なかった。
ドーム周辺の芝は何者かによって踏まれたために一様に傾いており、そのことによって仲間たちがこのドーム内に入ったであろうことをガイウスは確信したが、彼らがどこから中に入ったのかが判らなかった。
だが先程、自らが筐の中に招き入れられた経緯から、彼らが入った時の想像はついた。
「奴が招きいれたか。となれば――」
ガイウスはそう言うと、ふわっと身体を魔法によって浮かせた。
実は一つ、ガイウスにとって大きな収穫があった。
それは、ガイウスが捕らわれた筐と違い、建物に触れても魔法が使えることであった。
そのためガイウスは、筐から脱出した時と同様の方法で侵入を試みようと考え、ドームの上空へと飛び上がった。
だがいきなり紅蓮の炎で天井をぶち破れば、中にいるであろう仲間たちに甚大な被害が及ぶであろうことは必定であったため、ガイウスはとりあえずドームの天頂部へとそっと降り立った。
(少しずつ溶かしていくか)
ガイウスは右手の人差し指を上に向け、可愛らしいちろちろとした炎を指先から出した。
(加減がわからないだけに、ちょっと時間がかかるかもな)
ガイウスは腰を落として天頂部にどっかと座り込むと、落ち着いてじっくりと作業にとりかかった。
2
突然の悪魔の登場により、室内は阿鼻叫喚の様相を呈していた。
中でも女生徒経ちの多くは我を忘れて泣き叫び、手のつけられないほどに錯乱する者までいた。
アルベルトたちは、自分たちも混乱をきたしていたにもかかわらず、なんとか事態の収拾を計ろうと努力していた。
「みんな!落ち着け!落ち着くんだっ!」
アルベルトは必死の形相で叫んだ。
だがアルベルトの叫びに、耳を傾ける者はほとんどいなかった。
ジョディーもバランスもマックスも、サブリーダーたちも皆、声を嗄らして叫んだ。
だが彼らの叫びは、女生徒たちの金切り声によって無残にもかき消され、それによって醸し出された恐怖という名の空気によって、室内は充満していた。
するとようやく変化を終えた悪魔が、ゆっくりとその狼のように大きく裂けた口を開いた。
「人間の真似というのも、なかなかに難しいものだな」
悪魔は、頭頂部から伸びる羊のように後向きに巻かれた長い半透明の角を、ぶるぶると震わせながら笑った。
アルベルトは恐怖に打ち震えながらも両足を踏ん張り、悪魔と正面から対峙した。
「ぼ、僕らを、ど、どうする気だ」
アルベルトは勇気を振り絞って声を発するも、語尾は誰も聞き取れないほどにかすれていた。
だが悪魔にはしっかりと通じたのか、先程よりも大きな声で笑い始めた。
「くっくっくっく。そうおびえずともよい。すぐに取って食おうとは思わんよ」
だが次いで悪魔は、彼らを恐怖のどん底に突き落とす言葉を、事も無げに言い放った。
「もっともその後、生かして返すつもりもないのだがな」
「ちっ!やっぱり、入り口は見当たらないか」
ガイウスはドームの周辺を隈なく調べたが、入り口を見つけることは出来なかった。
ドーム周辺の芝は何者かによって踏まれたために一様に傾いており、そのことによって仲間たちがこのドーム内に入ったであろうことをガイウスは確信したが、彼らがどこから中に入ったのかが判らなかった。
だが先程、自らが筐の中に招き入れられた経緯から、彼らが入った時の想像はついた。
「奴が招きいれたか。となれば――」
ガイウスはそう言うと、ふわっと身体を魔法によって浮かせた。
実は一つ、ガイウスにとって大きな収穫があった。
それは、ガイウスが捕らわれた筐と違い、建物に触れても魔法が使えることであった。
そのためガイウスは、筐から脱出した時と同様の方法で侵入を試みようと考え、ドームの上空へと飛び上がった。
だがいきなり紅蓮の炎で天井をぶち破れば、中にいるであろう仲間たちに甚大な被害が及ぶであろうことは必定であったため、ガイウスはとりあえずドームの天頂部へとそっと降り立った。
(少しずつ溶かしていくか)
ガイウスは右手の人差し指を上に向け、可愛らしいちろちろとした炎を指先から出した。
(加減がわからないだけに、ちょっと時間がかかるかもな)
ガイウスは腰を落として天頂部にどっかと座り込むと、落ち着いてじっくりと作業にとりかかった。
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突然の悪魔の登場により、室内は阿鼻叫喚の様相を呈していた。
中でも女生徒経ちの多くは我を忘れて泣き叫び、手のつけられないほどに錯乱する者までいた。
アルベルトたちは、自分たちも混乱をきたしていたにもかかわらず、なんとか事態の収拾を計ろうと努力していた。
「みんな!落ち着け!落ち着くんだっ!」
アルベルトは必死の形相で叫んだ。
だがアルベルトの叫びに、耳を傾ける者はほとんどいなかった。
ジョディーもバランスもマックスも、サブリーダーたちも皆、声を嗄らして叫んだ。
だが彼らの叫びは、女生徒たちの金切り声によって無残にもかき消され、それによって醸し出された恐怖という名の空気によって、室内は充満していた。
するとようやく変化を終えた悪魔が、ゆっくりとその狼のように大きく裂けた口を開いた。
「人間の真似というのも、なかなかに難しいものだな」
悪魔は、頭頂部から伸びる羊のように後向きに巻かれた長い半透明の角を、ぶるぶると震わせながら笑った。
アルベルトは恐怖に打ち震えながらも両足を踏ん張り、悪魔と正面から対峙した。
「ぼ、僕らを、ど、どうする気だ」
アルベルトは勇気を振り絞って声を発するも、語尾は誰も聞き取れないほどにかすれていた。
だが悪魔にはしっかりと通じたのか、先程よりも大きな声で笑い始めた。
「くっくっくっく。そうおびえずともよい。すぐに取って食おうとは思わんよ」
だが次いで悪魔は、彼らを恐怖のどん底に突き落とす言葉を、事も無げに言い放った。
「もっともその後、生かして返すつもりもないのだがな」
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