ヤクザとJK?!

三章ヤクザさん

返してもらおうか壱

「おい、華卍まだか」
車を降り路地裏を虱潰しに探している奏斗は歩きながら電話をかけていた、そのガラケーの奥から聞こえるのはカタカタとキーボードを叩く音に加え低い声が響いていた
『そんな簡単に言わないでよねー、人こっこ1人探すだけでも大変なのに(情報無し)(GPS無し)その上どこの組がやったのかどころか組が関係してるかも確定してないなんて無茶だよ無茶まぁ調べてやってんだから感謝しなよ』
「ちっ、早くしろよ」
『ハイハイ、金さえ貰えれば俺はそれでいいので、所でその【蒼井あおい 桃もも】ってのは君の愛人か何かかい？』
「なんだっていいだろ、いいから早く探せ」
『何かしらの関係はあるって事ね、姓が木葉じゃないってことは組員ではないのかな？余程親しいと思ったけど組員じゃないのなら・・・』
華卍が1人で考察しているのを遮り奏斗は怒鳴った
「いいからとっとと見つけろや！んな考え事してんなら手を動かせやクソがっ！」
『手なんてずっと動かしてますよー』
「ちっ、こっちは少ない金使って暮らしてんだ、使えねー情報屋にやる金はねーぞ」
『ちゃんと仕事してますよ、まぁ金は君らみたいなオケラでも仕事量分のお金はポンなりジャブなりで・・・』
「現金ぶん投げてやるから覚悟してろ」
『ははっ、怖い怖い』
ポンやジャブはいわゆる劇薬、筋の通ってない事が大嫌いな奏斗に其れを言うのは怒りを買ってもいい時だけだ、この華卍と言う人間、情報屋らしいが大丈夫なのだろうか・・・



奏斗の捜索は続く中桃達を連れ去ったヤツらは
「イチ様！言われた通り捉えました！」
『よくやった、さて。あとは情報屋につて回しとくか』
「え、情報屋に言って大丈夫ですか・・・？」
『大丈夫だ、あいつには金さえ握らせればどうにでもなる、それよりちゃんと桃を捕まえたのか？』
「はい、あ」
『なんだ？何かあるなら言ってみろ』
「あ、い、いえなんでもないです」
『ほぉ、私に言えん事があるのか？』
「いえっ決してそうなことはっ！」
『なら、もう一度聞こう・・・何かあったのか？』
「いえ、何もありません」
『・・・ふぅ、君の言葉を信じよう。では上手く騙してくれよ』
「は、はい！」
そして電話は切れた
「はぁ、アハハッ！はぁ、ふぅー・・・」
「わか・・・」
「お嬢」
「っ、お、お嬢様。大丈夫ですか？」
「この私が辛いとでも？」
「いえ・・・」
「そう、私は平気だ、元気だ！」
お嬢と言われたこの人は狂ったように笑っている、それを苦々しく見る後ろの男性、一体これからどうなるのか・・・