【R18】Fragment

Nuit Blanche

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国を奪われた夜に

国を奪われた夜に 3

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「っは……ぁあ! やめっ、あんっ、んんっ!」
「やはり貴女の蜜は甘い」

 エド様に舐められて、中を掻き回されて、クライヴの指も絶えず疼きを生んで、ふわふわとどこかへ飛んでいきそう。たとえば、浮遊魔法を使ったらこんな気持ちになるのだろうか。
 魔法を使えるわけでもない。そんな私にできるのは慰め者になるだけなのだろうか。
 痛みも違和感もどこにもない。ぴったりと閉じていたはずの中が押し広げられている。

「ラナ」
「えど、さまっ、ぁっ、なんか、へんでっ……!」
「それでいい」
「あっ、だめっ、そんなっ、あっ、ひ、あぁぁっ!」

 私をどこかへ追い立てるようにその舌と指の動きが激しくなって、大きな水音がしている。
 それが恥ずかしくてたまらないのに、同時にクライヴにも胸の先を強く摘まれて目の前が真っ白になった。

 体が痙攣して、荒い呼吸を整えることも満足にできないのに、自分の状況を理解することもできない。
 クライヴは優しく頭を撫でてくるけれど、されるがままになっていることしかできない。
 それでもエド様が服を脱ぎだしたことはわかった。
 これだけ淫らな行為をしていても、まだ戻れるような気がしていた。最後の一線を守りきればとどこかでは希望を抱いていたのに、ぼんやりしている内にエド様が再びのしかかってくる。

「大丈夫ですよ、姫様。きっとすぐに終わります」
「君と一緒にされたくないが――これからラナには頑張ってもらわなければならないから、今日は手加減するよ」

 クライヴはぎゅっと手を握ってくるけど、エド様が不安になることを言いながらのしかかってくる。

「エド様……」

 呼べばその目は私を映す。
 怜悧さを感じさせる美貌の王子が今は頬を紅潮させ、熱っぽい目で私を見ている。それが答えであるかのように何も言ってはくれない。

「エド……」

 そう呼んだら止まってくれるのではないか。そんな希望すら持っていたのに、エド様は破顔して、私はそれが間違いだったと悟る。

「ああ……嬉しいよ、ラナ」
「待っ、んっ! ん、うぅぅっ!」

 待ってほしかった。心の準備なんてできていないのに口づけられ、気を取られた瞬間に熱い物が触れたかと思えば貫かれる。
 その表現は正しくなかったのかもしれない。指よりも太く長いものを奥まで押し入れられて痛みは感じた。
 けれども、身を引き裂かれるよりは剣が鞘に収まったように不思議な感覚だった。
 そこから力が満ちていくような、抜け落ちてピースがはまってあるべき姿に戻ったような……
 そう、私は思い出してしまった。
 だからと言ってこの状況が変えられるわけでもなかったけれど。

「ラナ……」
「んっ……ぁふっ……ん、んぁぁっ!」

 熱を孕んだ吐息混じりの声、汗ばんだ肌、凄絶な色気を放つその人と交わっている。
 その事実をまだ受け止められているわけでもないのに、口づけられ、思考が鈍る。

「姫様、俺も……」

 エド様の口づけが終わったかと思えばクライヴが汗で張り付いた髪を払いながら切なげに私を見詰める。
 でも、ぼんやりとした視界と意識の中ではクライヴが何をしたがっているのかわからない。
 ただクライヴが動いて、エド様が私の体を動かして、気付けば見慣れない物が目の前にあった。クライヴの股間にそびえ立つそれが何かわからないわけではない。
 今、私の中に入っているけれど、エド様の物は見る暇なんてなかった。
 エド様にもこんな物がついていて、自分の中を貫いているかと思うと不思議なのに、当然のことのようにも感じている。

「今日はこれだけで我慢しますから……」

 そう言って、そっと口元に寄せられて、私は無意識にそれに手を伸ばして口づけていた。
 普段ならば汚らわしいと拒絶したかもしれないのに、今はそれが欲しかった。

「っ、はぁ……姫、様……」
「ん……んむっ……んぅ!」

 いつも飄々としているクライヴが上擦った声をあげるのが珍しくて、もっと崩してやりたいような気持ちになって、舌を這わせ、銜えていく。
 なぜ、こんなことをしているのかわからないのに、思い出したことを整理できていないのに、いつしか夢中になっている。そうしてエド様に貫かれていることを一瞬失念していた。

「んんっ! はっ……ん、ぁぅっ!」

 思い出させるように、一瞬でも忘れたことを許さないかのように、ゆっくりと抜き差しが始まってしまう。
 私の中の違う私が目覚めて、それすらも掻き混ぜられていく。お腹の奥まで貫かれて苦しいはずなのに、抜けていくと切なくなる。

「姫様……やめないでください」

 口を離してしまったことを咎めるように、クライヴはそれを喘ぐ口元に押し付けてくる。
 それをまたくわえて、エド様の動きに翻弄される。

「ラナ……!」
「姫様っ!」
「んっ、んぅっ……ふ、ぁ……」

 せっぱ詰まったように二人に呼ばれて、返事なんてできるわけもないのに、苦しいよりも嬉しい。
 エド様の動きが速くなって、クライヴは私の頭を押さえつけてきて、それでも私は彼を叱れてなくて、ただ受け入れている。

「も、俺……!」
「はっ……私もだ……!」
「んんっ、ん、ぅぅぅっ!」

 クライヴに喉奥を、エド様に膣奥を穿たれ、頭の中が真っ白になる。先程までとは比べものにならない。
 そうして果てたのはきっと三人同時で、それをぼんやりと嬉しく感じながら私は自分を飲み込む白い波に全てを委ねた。

***

 あまりに不埒な行為が終わった後、私は気を失っていたらしい。
 目覚めた今、エド様に説明を求めているわけだけれど――

「魔王と取引しなくとも皆を元に戻す方法ならある」
「なぜ、それを先に言ってくださらなかったのですか!」

 私は思わず大きな声を上げていた。はしたないけれど、そうせずにはいられない。
 それは何よりもの慰めであるはずなのに、もっとはしたないことをさせられたのだから。

「結局、同じになるからだ」

 同じとはどういうことだろう?
 思い出すだけで体が熱を帯びてしまうようなあの行為をするということだろうか。
 気を失っている間に頭の中が全て整理されたわけではない。わかったこともあるけれど、わかってしまったからこそ、わからないことがある。

「魔王はラナを欲しがっている。だが、我々にとっては唯一の対抗手段だ。渡すわけにはいかない」

 魔王は私の力を狙っている。それは間違いない。魔王にとって私の力は必要な物であり、恐れる物でもある。
 その力はこれまで眠っていて、あの時は何もできなかったけれど、今、二人との交わりの中で目覚めてしまった。

「私と貴女で取り戻そう」

 エド様は私の手を握ってくるけれど、すぐに引き剥がされる。言うまでもなくクライヴの仕業。

「姫様、俺がいます。姫様がいれば魔王なんか怖くありません。俺が倒します。必ず二人で帰りましょう」

 怖い物なんて何一つなさそうなクライヴが私の手を握って言う。だけど、仕返しのようにエド様がその手を外した。
 それはどこか子供じみていたけれど、二人は睨み合い、火花を散らす。
 そして、何をされたかも、これから何をするかも忘れたかのように束の間笑い合う。


 そう、これはまだまだ序章に過ぎない。
 これから始まる旅の途中で私はたくさんの仲間イケメンと出会い、求められることになるだろう。
 戦い、消耗した彼らと触れ合うことで癒し、あるいはその力を強める力が私にあるから。
 それがエド様に貫かれた瞬間に思い出したこと。でも、こんなエッチなイベントなんてなかった! 全年齢版しかなかったのに!
 そう、私はこの世界ゲームを知っているのだ――
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