【R18】Fragment

Nuit Blanche

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Blindfold~優しいおまじないは彼の罠~

Blindfold~優しいおまじないは彼の罠~

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仕事を失い、明日を憂う澪の前に現れたのは昔近所に住んでいた初恋のお兄ちゃんだった。
できすぎた偶然は運命の悪戯か、悪魔の罠か――
イラストイメージ企画参加作品。(全一話)

[現代 シリアス 執着 ヤンデレ? 処女 無理矢理 中出し 監禁]


* * * * *


 見たくない物は見なくていい。
 後ろから私の目を塞いでそう言ってくれた人がいた。でも、嫌な音が聞こえると泣いた私に自分の声だけ聞けばいいと甘く優しい声を吹き込んでくれた。
 昔のことだけど、それから一人でも何か嫌なことがあると目を塞いでその言葉を思い出すのが癖になり、今でも続いてた。おまじないみたいなものだった。

 大好きだった近所のお兄ちゃん。いつも遊んでくれた。
 幼い頃の記憶は美化されて都合の良いところだけを切り取ってるのかもしれない。学校ではいじめ、家では両親の不仲、どこにも自分の居場所がないと思ってた暗黒の幼少期の中でその記憶だけが星のように燦然と輝いてる。小さくとも私を導いてくれる唯一の支え。

 親の離婚が決まって、遠い場所に引っ越して、新しい環境でそれなりに生き抜いて早十数年。
 上京して、やっと手に入れたはずの自由は私の手から零れ落ちていく。就職した会社が倒産、見付からない次の仕事、家賃、頼れない親……絵に描いたようなドラマ的展開。悲劇のヒロインぶりたくもなる。
 その気はないのに、ホームに立つと吸い込まれそうな気にすらなる。
 そんな時にあの時のお兄ちゃんを名乗る美男が目の前に現れたら?


「んっ……」

 あれ? 目が覚めて違和感が凄い。目は開いてるのに、目の前は真っ暗、何かに塞がれてる? 理解が全然追いつかない。
 家のベッドで目が覚めて、何もかもが悪い夢だったら良かったのに。体の痛みが紛れもない現実だと訴えてるみたい。

「目が覚めたんだね、みおちゃん」

 耳元で吹き込まれた声に体がびくりと跳ねる。呻き声と同時に体が締め付けられた気がした。私の目を塞ぐ手と腰に巻き付く腕に力がこもったんだ。

「はは、急に締められたら中で出ちゃうよ?」

 俺はしばらくこのままで良かったのに、そんなことを笑いながら言うのはお兄ちゃんの声だ。久しぶりに会ったお兄ちゃんの声は相変わらず優しくて、すっかり甘えてしまったんだっけ。
 私の後ろにお兄ちゃんがいる。ううん、多分私がお兄ちゃんの上に座ってる。

「なか、って……」

 答えを聞くのが怖くて声が震える。下腹部が痛む意味も知りたくない。
 どうせ、体を売るしかなくなるのなら、初めてはせめて見た目がいい人がいいとは思った。たとえば殺されるのだとしても、私にはもう何もない。そう思ってたけど……どうして、こんなことになったんだろう。

「俺達、今、繋がってるんだよ? そうだ、澪ちゃんも見たいよね?」

 見たくもないのに、視界を覆っていた大きな手が離れて……最初に見えたのは知らない部屋だった。
 取り立てて何もなくて、唯一、異様なのは前方に立てられた三脚。ビデオカメラが私達に向けられている。
 私には見えない物が撮られている。お兄ちゃんがどんな顔をしてるかなんて見えない。

「あれ、気になる? 今度一緒に見ようね、澪ちゃんの処女喪失記念AV」

 お兄ちゃんはとろりと猛毒のような声を耳に流し込んでくる。そんなもの見たいわけがなくて首を横に振るけど、お構いなし。
 さっきまで目を塞いでた手は首筋から胸元へ、そしてあそこに触れる。その手を止めたいのに、前で両手首を縛られてて自由に動かせない。

「ほら、ここ、わかる? 澪ちゃんのおまんこが俺のをくわえ込んでる。他の男に取られてなくて良かった……本当に」
「うぅっ……」

 指が押し広げられた入り口を指がなぞる。じくじくと痛むのに、とても嬉しそうな、ほっとしたような声に恨めしくなる。
 昔は卑猥なことを言う人じゃなかった。私が子供でお兄ちゃんも子供だったから?
 いつだって私を守ってくれる人だった。ひどいことをするような人じゃなかった。本当にお兄ちゃんだったら良かったのに、って何度も願ったくらい。時の流れは残酷だ。あまりにも。どうして、もっと幸福な再会を用意してくれなかったんだろう?

「俺が迎えに行くって、ちゃんと覚えてたのかな? 時間がかかっちゃってごめんね?」

 忘れてたなんて言えない。親しげに声をかけられて、麻生あそう道哉みちやと名乗られても初めはぴんとこなかったくらい。
 だって、ずっとお兄ちゃんって呼んでたから。その顔だって今や朧気だったし、写真は持ってなかった。当時から格好いいとは思ってたけど、こんなイケメンになるなんて考えたこともなかった。
 だけど、ファミレスでご飯を食べながら話してる内にお兄ちゃんしか知らないことばっかりで、本当にお兄ちゃんなんだって思ったら安心した。愚痴を聞いてくれるってお酒飲みながら話そうって誘われて、のこのこ車に乗って、その内眠くなっちゃったんだっけ……

「ど、して、こんな……」

 聞くのが怖いのに聞かなきゃいけない。自分の身に降りかかってることは知らなきゃいけない。
 ドラマティックに再会した初恋の人に、どうして手首を縛られて犯されてるのか。

「わからない?」
「ぅんっ……!」

 わからないから聞いてるのに、ぐりぐりと奥を抉られて痛い。
 体を苛まれるこの行為が気持ちよくなるなんて信じられない。

「ずっと君がほしかったから。初めて見た時から君を俺のモノにしたかった」

 どうして、お兄ちゃんが私なんかを?
 わからないままお兄ちゃんの方を向かされて、お兄ちゃんを見たのも一瞬だった。すぐにその顔が近付いてきたからだ。

「んっ……」

 唇に何かが触れる。私、今、お兄ちゃんとキスしてるんだ……
 そう思うとこみ上げてくるものがあって、涙が頬を伝う。
 お兄ちゃんがずっと好きだった。私に優しくしてくれたのはお兄ちゃんだけだったから。先に体を奪われてるのに、初めてのキスが嬉しいだなんて、これでもまだお兄ちゃんが好きだなんてどうかしてる。

「ふ、ぁっ……んぁっ……!」

 僅かに開いた唇に舌がねじ込まれ、くちゅくちゅと絡み合う。苦しくて、息をしたかっただけなのに愛し合ってるみたい。
 お兄ちゃんの毒に侵されるみたい。頭がふわふわする。

「ひぁあんっ! だめっ、それ、やぁっ!」

 キスで酸欠になったせいか、どこか夢見心地だったのに鮮烈な刺激に意識が急浮上する。痛みとは違うその感覚を知らない。だから、怖い。
 それは入り口の上の方を撫でる指によってもたらされてる。

「クリトリス、気持ちいいでしょ? ここ、自分で弄ったりもしなかったの?」

 何もかも否定したくて、その恐ろしい感覚を振り払いたくて首を横に振るのにお兄ちゃんはやめてくれない。
 気持ち悪い。ビリビリ電流が流れるみたい。自分の体がびくびくする。お腹の奥がジンジンする。

「いっぱい弄ってあげたから膨らんでるね。寝てるのに、ここを舐めたら、トロトロにしてたからね」

 そんなことをされていたなんて知りたくなかった。それも全てあのビデオカメラに映されているのだろうか。

「顔がとろけてきて可愛いね。気持ちいいんでしょ? 中、蜜が溢れてきたよ?」
「ちが、んぁぅっ!」

 気持ちよくなんかないのに、嘘を咎めるように突き上げられて星が散るみたい。
 自分の中がぎゅってなって、お兄ちゃんの形を感じた。私の中に打ち込まれた楔。

「こんなに敏感なのに、嘘吐いたらダメだよ」
「ぁあっ、やめっ、気持ち、いからっ、も、ゃあっ!」

 結合部から溢れた体液を擦りつけるように弄られて、唇の端から涎が垂れる。認めれば楽になれると思ったのに、お兄ちゃんはそれすら舐め取って笑った。

「ね、俺、もう出そうだよ。澪ちゃんの中に出すからね? 俺の精子、全部受け止めてね」

 初めは意味がわからなくて、言葉を変えて繰り返されて、やっと理解して、ぞっとした。

「だ、だめ……! 中はっ……!」

 ダメなのに、嫌なのに。突き上げが激しくなって、どこかへ行ってしまいそう。

「ゃっ、ぃやっ、あっ、あぁぁぁっ!」

 ぐっと奥まで突き入れられて、頭の奥まで痺れていく気がした。お兄ちゃんが息を詰めて、中でお兄ちゃんのがびくってして熱い何かが吐き出されたのがわかった。


「これからは俺がずっと守ってあげるから。この部屋で」

 倦怠感に包まれているとお兄ちゃんに頭を撫でられた。
 温かい手、優しい声、甘美に響いて染み渡るみたい。

「もう傷つかなくていい。誰にも君を傷つけさせない。その目は俺だけ見てればいい」

 もう何も考えられなくて目を閉じる。夢かもしれない。明日になればお兄ちゃんの幻も消えるかもしれない。



 夢は覚めなかった。あれから何度お兄ちゃんに抱かれたかわからない。
 どうせ、仕事を失って住む場所も危ぶまれる状態だった。少なくともお兄ちゃんは殴ってきたりはしないし、暴言も吐かない。
 用意される食事も美味しいものばかりだし、お風呂にだって入れてもらえる。ペットとして見れば極上の生活なのかもしれない。
 お兄ちゃんが私のために用意したという家は立派だった。昔からお坊ちゃんなところがあったけど。

「何か言いたげだね」

 手を置かれて後ろからの声に肩が跳ねる。お兄ちゃんが室内に入ってきたことに気付かなかった。
 スマホもないし、本を与えられても自由に読むこともできない。できることがないから、ぼんやりと物思いに耽ることが増えた。

「取って、ください」

 縛られた両手を掲げて訴えるけど、願いが叶えられる気配はない。
 快適だけど、これは所謂監禁だ。お兄ちゃんはまだ私が堕ちてないってわかってる。堕ちられたら楽だったかもしれない。

「君に逃げられたら殺してしまうかもしれない」

 逃げないって言っても信じてもらえなかった。物騒な言葉に体に力が入るけど、冗談だなんて思えたりしない。だって、私から全てを奪ったのはお兄ちゃんだから。何をしても不思議じゃない。

「大丈夫。何も怖くない」

 私の目を塞ぎ、囁く声はとても穏やか。それが私を惑わす。
 今になって思う。その行為は私への優しいおまじないではなくて、自らの狂気を隠すためだったのかもしれない。幼かった私は気付くはずもなく、お兄ちゃんに全幅の信頼を寄せ、まんまと絡め取られた。
 私の目はずっと塞がれたままなのかもしれない。初めて目隠しされたその時に盲目になってしまった。私の居場所なんて最初からお兄ちゃんの腕の中以外になかったのかもしれない。

「愛してる……俺だけが君を愛してる」

 そうして、私は世界から切り離されていく。
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