【R18】Fragment

Nuit Blanche

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君に祈りを、スライムに愛の雫を

君に祈りを、スライムに愛の雫を 1

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夜遅く、クラスメートからのメッセージを待っていた遠山優花の部屋に突如出現したのはピンク色のスライムだった――(全五話)

[現代 高校生 スライム 触手 媚薬効果 処女 無理矢理気味 ハッピーエンド]


* * * * *


 たとえば、目の前に大きなゼリー質の物体がある時、こう思う人がいるかもしれない。
 ――スライムだ。

 スライムと言えばゲームなどではお馴染みのモンスターだが、あくまで架空の生き物である。
 洗濯糊で作るスライムやおもちゃとして販売されてるスライムは人工物であって、生命を持たない。
 しかし、生命体であるそれが現実に存在する場合、UMAということになるのだろうか……


 ううん、真面目ぶって学者風に分析してみたって、この状況は説明できない。私――遠山とおやま優花ゆうかはただの女子高校生にすぎない。
 今、私の部屋の真ん中には透き通ったピンク色の大きなゼリー的な物体がいる。それを部屋の端にあるベッドの上から恐る恐る観察している。
 便宜上スライムと呼ぶけど、これが出現したのはほんの数分前のこと。

 夜遅く、親が旅行中で家には私しかいない。だから、少しくらい夜更かしをしてもいいかなって思ってた。
 いつもの時間を過ぎてもメッセージが届かなくて、あと少しもう少しとスマホを手にして、粘ってたけど、さすがにもう寝なきゃと思っていた時だった。
 約束したわけじゃない。毎日くることが当たり前じゃない。そう思うのに、なぜか待たずにはいられなかった。

 滝沢たきざわ賢人けんと君と連絡先を交換したのはつい最近のこと。クラス替えで一緒になって、何となく話すようになって、意気投合して連絡先を聞かれた。
 賢人君は格好いい。明るくて気さくで、男子からも女子からも人気がある。だから、友達には羨ましがられる。
 最初から賢人君のことが気になってたわけじゃない。どちらかと言えば苦手なタイプだと思っていたのに、話してみたら面白くて、多分、今は賢人君に惹かれてる。
 賢人君は忙しい。塾に通っていて、家に帰るのが遅い。だから、他愛もないことを少しやりとりするだけだった。それが最近は毎日になってたから来ないと急に寂しくなる。何かあったんじゃないかって思っちゃって、でも、自分からメッセージを送ることなんてできなかった。

 そして、事件は起きた。突然の停電は一瞬のことで、すぐに電気が点いたかと思えばスライムがいたというわけ。意味がわからない。
 今のところ、スライムに動きはない。突然、部屋にスライムが出現するなんてありえないのに、何度瞬きしても、頬を抓ってみても消えない。
 とは言っても、得体の知れない物体が部屋にあるというのも困る。これから寝ようという時に謎の物体出現とか本当に困る。
 でも、動かないなら、お風呂場とかに移動させたらいいんじゃないだろうか。結構な体積ありそうだけど。
 いや、触って平気なのかもわからない。毒とかないよね?
 確実に危険がないとわかるなら、プルプルしてみたい気もするけど……
 何しろ、現実にスライムが存在するなんて調べたってわからない。

 じりじりと近付いてみてもスライムに動きはない。
 近くで見るとピンク色で透けているけど、真ん中辺りに赤い球状の物が鈍く光っていて、直感的にコアなのかと思ったりもする。それがコアだとすると、生き物だと言うことになるはず。
 すぐ側まで近付いたのに、スライムは動かない。もしかして、弱っているのか、あるいは補食の機会を狙っているのか。
 素手で触るのは何となく怖くて三十センチの定規で触ってみる。

 ぺちぺち、ぺちぺち……反応なし。べたべたくっつく感じはない。弾力がある感じ。
 つんつん、つんつん……突っついても反応なし。定規が溶けたりもない。
 ごくり……触ってみたくて、うずうずする。ちょっとだけ、ちょっとだけなら大丈夫かな……? 指先に異常を感じたらやめたらいいかな……?
 定規を置いて、恐る恐る手を伸ばして人差し指で触れる。

 ぷに、ぷにぷに、むにむに……一度触れてしまえば、我慢できなくて大胆に手で揉んでしまう。
 痺れたりはない。ひんやりしてて、暑くなってきた今にはありがたい気持ちよさ。
 ドロドロのアメーバ系と言うよりはグミみたいな? ある程度硬さがあって、ぎゅってしてもちぎれる感じはない。
 最初の警戒はどこへやら、一部を持ち上げて抱き締めてみる。これを抱き枕にして寝たら、ひんやり気持ちいいんじゃないかって思うけど、結構重い。お風呂場への移動は無理かもしれない。
 むしろ、私がこのままここで埋まって寝たい。そう思った時だった。
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