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無口な同級生に下僕にしてくれと言われた結果
無口な同級生に下僕にしてくれと言われた結果 1
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「俺を下僕にしてくれ」――それは告白だったのか。
望野花はある日突然クラスメートの藤吉篤宏から衝撃的なことを言われる。
その真意がわからないまま、お互いを知るためのお試し期間を設けて付き合うのだが……(全四話)
[現代 高校生 身長差 体格差 足フェチ 処女 強引 無理矢理]
* * * * *
「もぉ、やめっ……ひぁぁっ!」
望野花はベッドの上でか細く悲鳴めいた声をあげた。
すると仰向けになっている花の足下の方で大きな影がもぞりと動く。
「ん? 気持ち悪いか?」
顔を上げて気遣わしげに問いかけてくるのは藤吉篤宏、花にとってはクラスメートであり、彼氏という肩書きを持つ男である。尤も、お試し期間中であるはずなのだが。
「きたな、からっ……」
「却下だ」
「ひゃぁんっ!」
汚いからやめてほしい。そんな花の訴えは棄却され、再び爪先に襲いかかる刺激に声を上げる。
「ゃだってば……!」
涙ながらに訴え、手を伸ばしても届くことはなく、ただ悶えるだけだ。もうどれほどそうされているのか花にはわからない。こんなはずではなかったというのに。
「さっき綺麗にしただろ」
どこか煩わしげに吐き捨て、篤宏は再び花の足の指に舌を這わせる。
確かに風呂場で洗われてから抱えられてベッドに乗せられるまで花は歩いていないのだが、それでも他人に舐められるような場所ではない。
「ああ、そうか……俺が汚いのか」
「ちが、けど……」
そういうことではないとわかっているはずなのに篤宏は意地悪く言う。
「安心しろ、また隅々まで綺麗に洗ってやる」
「だから、ちがぁっ!」
今度こそ聞き入れないとばかりに篤宏は再びその行為に没頭し、花は拷問にも似た時間を耐え抜くしかないのだった。
どうして、こんなことになってしまったのか。そもそもの始まりは数日前に遡る。
昼休み、教室で昼食を食べ終え、花が友人と談笑していた時のことだった。
話に夢中になっていた花は机の上が陰るまで近付いてきていた気配に気付いていなかった。それは向かい合う友人も同じだった。
二人で同時に横を見て固まるのも無理はない。そこに篤宏が立って自分達を見下ろしていたのだから。
クラスメートとは言っても、それまで二人とも篤宏とはまるで接点がなかった。
そして、彼を少なからず怖いと感じているのは二人だけでもなかっただろう。特に女子からは敬遠されがちな男だ。
取り立てて素行が悪いわけでもない。不良と呼ばれるような生徒は他にいるが、篤宏は黙って立っているだけで周囲に威圧感を与えてしまうような人間だった。
まず大柄な彼はとにかく目立つ。学年一、あるいは校内でも上位を争うほどの恵まれた体格の彼はどの部にも所属していないが、かつては何らかの武術を習っていたという話だ。半袖から覗く引き締まった腕からは今でも鍛えているのではないかと推察される。
そんな彼をより近寄り難く感じさせるのはその顔――否、表情のせいだと言えるだろう。
一言で表すならば精悍か、基準をスポーツマンなどに絞れば整っている方だと言われ、一部の女子からは人気があるらしい。短く切られた髪などからは清潔さが窺えるが、お世辞にも決して人当たりが良いとは言えないのだ。
ぶっきらぼう、無骨、無表情、無口、朴念仁、彼を表現するにはどの言葉が一番相応しいだろうか。孤立しているほどでもなく、他の男子と話していることもあるが、花は彼が笑ったところを見たことがなかった。
そんな彼が自分に近付いてくるなどとは夢にも思わなかった花は必死に理由を考えた。
委員会などの関わりもない。何かの班で一緒になっているわけでもない。彼と親しい人間とも繋がりはなかったはずだ。彼の持ち物が転がってきた風でもない。
花も友人も目立つタイプではない。夢中になっていたお喋りがうるさかったのだろうか。だが、彼のグループとは離れていて、近くにはもっと甲高い声をあげる女子のグループがいる。
ネガティブに考えてしまうのも無理はないだろう。あまりにも心当たりがないのだ。
花も友人も小柄だ。特に花は一際小さい方だと言える。座っているからこそ、立っている篤宏はより大きく見え、竦み上がってしまうのも仕方ない。よく悲鳴を我慢できたと自分を誉めたいくらいだ。
しばし無言で見詰め合うが、花は蛇に睨まれている気分だった。その鋭い眼差しのせいで校内に留まらず、他校や街の不良に絡まれることもしばしばだと言う。
そんな彼が何の用なのか、震える唇からどうにか言葉を紡ごうとした時だった。
すっと篤宏が跪いたのだ。あ、と声を上げたのは誰だったのか。花や友人だけではなく、クラス中が息を潜めて彼の動向に注目をしているような様子だった。
そして、再び射抜くような眼差しが花に向けられる。
「望野――」
ここには自分しかいない名字を呼ばれ、彼のターゲットが自分であると明確になっても花は硬直して返事もできなかった。
だが、真っ直ぐに見詰めてくる彼の機嫌を損ねた風でもないが、安心するほどの余裕もない。
「――俺を下僕にしてくれ」
急に音が消えてしまったような、花には息の詰まるような時間だった。教室の外からは喧噪が聞こえてくるのに妙な静寂が訪れた教室内にその声はよく響いた。
しかし、放たれた言葉の異様さ故に花は理解することができなかった。彼が発した音を何度も頭の中で繰り返し、変換を試みるが、同じ言葉に行き着く。はっきりと通る声だ。聞き間違いとも思えない。
変わらず篤宏は花の答えを待っているようである。周囲はどよめき、その中には様々な感情が含まれるようだ。好奇、軽蔑、落胆、嫉妬――花には居心地が悪く感じるものも多い。目の前の友人の心配そうな気配だけが花の味方のようですらあった。
もしかすると何かの罰ゲームではないのか。花は注意深く周囲を観察しようとするが、篤宏の目は逸らすことを許さないようでもある。
誰かの言いなりになるとも思えないが、実直さは伝わってくる。勝負に負けた時の条件だったならば素直に受け入れるだろうか。
(誰が? 何のために?)
考えたところで花に答えが導き出せるような簡単なことではなかった。
望野花はある日突然クラスメートの藤吉篤宏から衝撃的なことを言われる。
その真意がわからないまま、お互いを知るためのお試し期間を設けて付き合うのだが……(全四話)
[現代 高校生 身長差 体格差 足フェチ 処女 強引 無理矢理]
* * * * *
「もぉ、やめっ……ひぁぁっ!」
望野花はベッドの上でか細く悲鳴めいた声をあげた。
すると仰向けになっている花の足下の方で大きな影がもぞりと動く。
「ん? 気持ち悪いか?」
顔を上げて気遣わしげに問いかけてくるのは藤吉篤宏、花にとってはクラスメートであり、彼氏という肩書きを持つ男である。尤も、お試し期間中であるはずなのだが。
「きたな、からっ……」
「却下だ」
「ひゃぁんっ!」
汚いからやめてほしい。そんな花の訴えは棄却され、再び爪先に襲いかかる刺激に声を上げる。
「ゃだってば……!」
涙ながらに訴え、手を伸ばしても届くことはなく、ただ悶えるだけだ。もうどれほどそうされているのか花にはわからない。こんなはずではなかったというのに。
「さっき綺麗にしただろ」
どこか煩わしげに吐き捨て、篤宏は再び花の足の指に舌を這わせる。
確かに風呂場で洗われてから抱えられてベッドに乗せられるまで花は歩いていないのだが、それでも他人に舐められるような場所ではない。
「ああ、そうか……俺が汚いのか」
「ちが、けど……」
そういうことではないとわかっているはずなのに篤宏は意地悪く言う。
「安心しろ、また隅々まで綺麗に洗ってやる」
「だから、ちがぁっ!」
今度こそ聞き入れないとばかりに篤宏は再びその行為に没頭し、花は拷問にも似た時間を耐え抜くしかないのだった。
どうして、こんなことになってしまったのか。そもそもの始まりは数日前に遡る。
昼休み、教室で昼食を食べ終え、花が友人と談笑していた時のことだった。
話に夢中になっていた花は机の上が陰るまで近付いてきていた気配に気付いていなかった。それは向かい合う友人も同じだった。
二人で同時に横を見て固まるのも無理はない。そこに篤宏が立って自分達を見下ろしていたのだから。
クラスメートとは言っても、それまで二人とも篤宏とはまるで接点がなかった。
そして、彼を少なからず怖いと感じているのは二人だけでもなかっただろう。特に女子からは敬遠されがちな男だ。
取り立てて素行が悪いわけでもない。不良と呼ばれるような生徒は他にいるが、篤宏は黙って立っているだけで周囲に威圧感を与えてしまうような人間だった。
まず大柄な彼はとにかく目立つ。学年一、あるいは校内でも上位を争うほどの恵まれた体格の彼はどの部にも所属していないが、かつては何らかの武術を習っていたという話だ。半袖から覗く引き締まった腕からは今でも鍛えているのではないかと推察される。
そんな彼をより近寄り難く感じさせるのはその顔――否、表情のせいだと言えるだろう。
一言で表すならば精悍か、基準をスポーツマンなどに絞れば整っている方だと言われ、一部の女子からは人気があるらしい。短く切られた髪などからは清潔さが窺えるが、お世辞にも決して人当たりが良いとは言えないのだ。
ぶっきらぼう、無骨、無表情、無口、朴念仁、彼を表現するにはどの言葉が一番相応しいだろうか。孤立しているほどでもなく、他の男子と話していることもあるが、花は彼が笑ったところを見たことがなかった。
そんな彼が自分に近付いてくるなどとは夢にも思わなかった花は必死に理由を考えた。
委員会などの関わりもない。何かの班で一緒になっているわけでもない。彼と親しい人間とも繋がりはなかったはずだ。彼の持ち物が転がってきた風でもない。
花も友人も目立つタイプではない。夢中になっていたお喋りがうるさかったのだろうか。だが、彼のグループとは離れていて、近くにはもっと甲高い声をあげる女子のグループがいる。
ネガティブに考えてしまうのも無理はないだろう。あまりにも心当たりがないのだ。
花も友人も小柄だ。特に花は一際小さい方だと言える。座っているからこそ、立っている篤宏はより大きく見え、竦み上がってしまうのも仕方ない。よく悲鳴を我慢できたと自分を誉めたいくらいだ。
しばし無言で見詰め合うが、花は蛇に睨まれている気分だった。その鋭い眼差しのせいで校内に留まらず、他校や街の不良に絡まれることもしばしばだと言う。
そんな彼が何の用なのか、震える唇からどうにか言葉を紡ごうとした時だった。
すっと篤宏が跪いたのだ。あ、と声を上げたのは誰だったのか。花や友人だけではなく、クラス中が息を潜めて彼の動向に注目をしているような様子だった。
そして、再び射抜くような眼差しが花に向けられる。
「望野――」
ここには自分しかいない名字を呼ばれ、彼のターゲットが自分であると明確になっても花は硬直して返事もできなかった。
だが、真っ直ぐに見詰めてくる彼の機嫌を損ねた風でもないが、安心するほどの余裕もない。
「――俺を下僕にしてくれ」
急に音が消えてしまったような、花には息の詰まるような時間だった。教室の外からは喧噪が聞こえてくるのに妙な静寂が訪れた教室内にその声はよく響いた。
しかし、放たれた言葉の異様さ故に花は理解することができなかった。彼が発した音を何度も頭の中で繰り返し、変換を試みるが、同じ言葉に行き着く。はっきりと通る声だ。聞き間違いとも思えない。
変わらず篤宏は花の答えを待っているようである。周囲はどよめき、その中には様々な感情が含まれるようだ。好奇、軽蔑、落胆、嫉妬――花には居心地が悪く感じるものも多い。目の前の友人の心配そうな気配だけが花の味方のようですらあった。
もしかすると何かの罰ゲームではないのか。花は注意深く周囲を観察しようとするが、篤宏の目は逸らすことを許さないようでもある。
誰かの言いなりになるとも思えないが、実直さは伝わってくる。勝負に負けた時の条件だったならば素直に受け入れるだろうか。
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