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省エネ男子はケダモノだった
省エネ男子はケダモノだった 1
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面倒臭がりで仕事以外は省エネモードな年下美形男子に美味しくいただかれちゃう先輩の話(全五話)
[現代 社会人 先輩×後輩 強引 イケメン]
* * * * *
今週も何とか仕事を乗り切れそうで休みが待ってる。何をするわけでもないけど、あと少し。コピーをとりながら、今日は飲みたいな、なんて思ってた時だった。
不意に服の裾を引っ張られた。そのまま何も言わずに去って行っていく後ろ姿は後輩の国生英音君。
入社時から女性社員達をキャーキャー言わせてる彼がイケメンなのは間違いない。
サラサラの黒髪は刈り上げマッシュヘア、つり上がりがちな綺麗な二重の目元は涼しげで鼻筋も通ってるし、唇もカサカサなの見たことないし、美容に気を遣ってる? フェイスラインもシュッとしてるし、背が高いし、どこぞのアイドルかって思う。いや、本当に会社員じゃなきゃアイドルだったかもしれない。歌って踊るのなんて想像できないけど。
一部の男性社員が「すかした野郎」とか思ってるのはまあ嫉妬なわけで。仕事はできるから誰も何も言えない。
そんなクール男子の国生君が服の裾を引っ張ってきた時は「今日、一緒に飲んであげてもいいですよ」っていう合図らしい。私にしかわからない秘密の合図って言うほどいいものでもない。
要するに「飲みに付き合ってください」ってこと。
ううん、それも違うかもしれない。多分「先輩、どうせ暇で飲みに行く相手もいないんだから俺に付き合ってよ」ってところ?
悲しいことにというか、もう悲しいと思う感覚すらなくなってるくらい恋愛に発展しないから暇なのは間違いない。正直、認めたくないけど。
指導した縁で懐かれてるらしいことは喜ぶべきかどうか。正直「何でやねん!」と思ったりもするけど、仕事終わりに完璧なイケメン眺めながら飲むビールは美味い。何よりものつまみ。いや、倍増させるスパイス? 飲みたいって思ったのも事実。断る理由なんてなかった。
「お疲れっす」
会社から離れたいつもの場所で待ってると国生君がやってくる。いや、何で私が待たされるかわからないし、格好良く着こなしたトレンチコートのポケットに手を突っ込んでるけど、今更怒る気にもなれない。
あー、スイッチ切れてるなーって思うだけ。
私は密かに彼を省エネ君と呼んでいた時期もあった。仕事中はちゃんとしてるし、基本は目上の人にも失礼なことはしない。なのに、私にだけはこうなる。安心されてるのか、信頼されてるのかよくわからない。
――あー、可愛いな、ちくしょう!
私がビールを飲んでる向かいでカクテル飲んで唐揚げをモグモグしてるのが妙に可愛いとか反則じゃないか。女顔っていうでもないのに、そこらの女の子より全然可愛いきがする。
無駄なことはしたがらない性格だし、恋愛のタイプかは別として顔はタイプ。喋らなきゃ本当に完璧かもしれない。
「先輩って俺のことなんだと思ってるんすか?」
国生君はお酒に弱いわけではないらしい。ただ無駄だと思っているだけなんだとか。本人がそう言ってるだけなんだけど。いや、「無駄ならなぜ誘う!?」と思いもするけど、飲みたい日があるのもわかる。
だから、酔ってるわけでもないんだろうけど、国生君は急にそんなことを聞いてきた。
正直、私のことをなんだと思ってるのか聞きたい。いや、問い詰めたいところ。
「可愛い……後輩?」
いざ聞かれると言葉に困る。
弟というほど親密でもないし、ましてや友達でもない。結局、後輩。ただの後輩というよりはちょっとプラスが付くくらいの程度……いや、それも違うかも。
「猫みたいな?」
「ペットっすか」
「素直じゃないし、気まぐれで振り回してくる的な? ツンデレ?」
飲みたいなら普通に誘ってくれれば良いのに、国生君はそうしない。
私のことを気遣ってくれてると思いきや、そうでもない気もする。何を考えてるか全然わからない。都合の良い先輩くらいに思われてる?
「先輩、男は? どれくらいいないんすか?」
「彼氏? 大学出てからはいないかな?」
私も何やかんやアルコールが回ってるのかもしれない。プライベートな質問につい答えちゃうくらいには。
別に仕事一筋だったわけじゃない。だけど、チャンスがなくて、いよいよアラサーの世界に足を踏み入れて今に至るわけで。別に寂しくも悲しくもない。先輩思いの可愛い後輩がいると思えば。
「今日は俺……飲みます!」
突然の宣言。どういうスイッチの入り方なのかわからない。
「え……? あーっ!」
国生君は一気飲みするけど、それは私のビール……!
こうなれば私ももう一杯!
[現代 社会人 先輩×後輩 強引 イケメン]
* * * * *
今週も何とか仕事を乗り切れそうで休みが待ってる。何をするわけでもないけど、あと少し。コピーをとりながら、今日は飲みたいな、なんて思ってた時だった。
不意に服の裾を引っ張られた。そのまま何も言わずに去って行っていく後ろ姿は後輩の国生英音君。
入社時から女性社員達をキャーキャー言わせてる彼がイケメンなのは間違いない。
サラサラの黒髪は刈り上げマッシュヘア、つり上がりがちな綺麗な二重の目元は涼しげで鼻筋も通ってるし、唇もカサカサなの見たことないし、美容に気を遣ってる? フェイスラインもシュッとしてるし、背が高いし、どこぞのアイドルかって思う。いや、本当に会社員じゃなきゃアイドルだったかもしれない。歌って踊るのなんて想像できないけど。
一部の男性社員が「すかした野郎」とか思ってるのはまあ嫉妬なわけで。仕事はできるから誰も何も言えない。
そんなクール男子の国生君が服の裾を引っ張ってきた時は「今日、一緒に飲んであげてもいいですよ」っていう合図らしい。私にしかわからない秘密の合図って言うほどいいものでもない。
要するに「飲みに付き合ってください」ってこと。
ううん、それも違うかもしれない。多分「先輩、どうせ暇で飲みに行く相手もいないんだから俺に付き合ってよ」ってところ?
悲しいことにというか、もう悲しいと思う感覚すらなくなってるくらい恋愛に発展しないから暇なのは間違いない。正直、認めたくないけど。
指導した縁で懐かれてるらしいことは喜ぶべきかどうか。正直「何でやねん!」と思ったりもするけど、仕事終わりに完璧なイケメン眺めながら飲むビールは美味い。何よりものつまみ。いや、倍増させるスパイス? 飲みたいって思ったのも事実。断る理由なんてなかった。
「お疲れっす」
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あー、スイッチ切れてるなーって思うだけ。
私は密かに彼を省エネ君と呼んでいた時期もあった。仕事中はちゃんとしてるし、基本は目上の人にも失礼なことはしない。なのに、私にだけはこうなる。安心されてるのか、信頼されてるのかよくわからない。
――あー、可愛いな、ちくしょう!
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無駄なことはしたがらない性格だし、恋愛のタイプかは別として顔はタイプ。喋らなきゃ本当に完璧かもしれない。
「先輩って俺のことなんだと思ってるんすか?」
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だから、酔ってるわけでもないんだろうけど、国生君は急にそんなことを聞いてきた。
正直、私のことをなんだと思ってるのか聞きたい。いや、問い詰めたいところ。
「可愛い……後輩?」
いざ聞かれると言葉に困る。
弟というほど親密でもないし、ましてや友達でもない。結局、後輩。ただの後輩というよりはちょっとプラスが付くくらいの程度……いや、それも違うかも。
「猫みたいな?」
「ペットっすか」
「素直じゃないし、気まぐれで振り回してくる的な? ツンデレ?」
飲みたいなら普通に誘ってくれれば良いのに、国生君はそうしない。
私のことを気遣ってくれてると思いきや、そうでもない気もする。何を考えてるか全然わからない。都合の良い先輩くらいに思われてる?
「先輩、男は? どれくらいいないんすか?」
「彼氏? 大学出てからはいないかな?」
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別に仕事一筋だったわけじゃない。だけど、チャンスがなくて、いよいよアラサーの世界に足を踏み入れて今に至るわけで。別に寂しくも悲しくもない。先輩思いの可愛い後輩がいると思えば。
「今日は俺……飲みます!」
突然の宣言。どういうスイッチの入り方なのかわからない。
「え……? あーっ!」
国生君は一気飲みするけど、それは私のビール……!
こうなれば私ももう一杯!
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