ダンジョンチケット

夏カボチャ

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8章託されし秘宝

ダンジョンチケット70

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拓武の中にクリュメノスの記憶が流れ込んでくる。
それは清々しい風と草の香り冥界に青々と緑が茂る美しい景色

クリュメノスが森にて部下達と狩りをしている光景だった。

クリュメノスは弓を射る度に狩られる側の事を考えていた。

生きるために獲物を狩るのは生きるもの全ての道理でありそれが狩られる側も狩る側も真剣勝負になる。

ある程度の熟練者ならば先ず弓を外すことはない、そしてクリュメノスも冥界の王になっても武を極めんとする者の一人であった。

クリュメノス『はぁ…』

部下『クリュメノス様?また狩りの事をお考えですか?』

クリュメノス『いや、たいしたことでは、ないのだ、ただ狩られる側は一瞬でも苦しまないようにしてやりたいだけだ』

部下『クリュメノス様はお優しいですな、ですがそれは少々難しいのでわ?』

クリュメノスは考えたのだ、もしも形のないような、風のような弓矢があったなら、もし相手の痛覚を一瞬でも止められたならと

クリュメノスは城に戻るとすぐに部下に命令をだした。

クリュメノス『誰かすまないが、ブレインとマナコを此処に呼んでくれないか?』

部下『はい、すぐに呼んでまいります』

そしてすぐに部下はブレインとマナコにことの次第を伝え、二人はクリュメノスの前に姿を現した。

ブレイン『クリュメノス様、ただ今マナコそしてブレイン参上いたしました』

クリュメノス『すまないが頼みがあってな?無痛草を大量に用意してほしいのだよ?出来るか?』

マナコ『主様?それは可能ですが、そのあの草は大変危険な代物にございます、大変申し上げにくいのですが、何に使用するのかを聞けなければ集める訳には行きませぬ』

ブレイン『マナコ!貴様、クリュメノス様の御意向に!口を出す気か!』

クリュメノス『構わぬ!ブレインよ、マナコの言い分はもっともだ』

【無痛草】名前はたいした事無さそうだが、この草は冥界に群生した希少種である、この草を煎じた汁を飲めば痛覚をなくなり腕がなくなろうが気づくことはなくなるのだ。
この事から戦場に用いられれば痛みを感じない最悪の軍隊も作ることが可能になるのだ。

クリュメノス『無痛草とドッペルを合わせた新たな物を作りたいのだ、マナコが恐れるような事はしないと私は誓おう』

マナコ『その言葉しかと聞きましたぞ!主様、すぐに部下達と共に集めて参ります』

クリュメノス『マナコ!出来たら全ての無痛草を集めてくれ』

クリュメノス『他の者が悪用すればそれは国の危機に繋がる、使わない分は全て廃棄したいのだ、頼む!』


クリュメノスの言葉に偽りなしとマナコはそう信じ直ぐに動き出したのであった
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