ダンジョンチケット

１４章 種族と理由

ダンジョンチケット１７１

全ての始まりはアインがウッド族の若者に力を与えたことから始まる。
アインが与えた力、其れは意思を共有すると言う、洗脳能力だった。
そして、ウッド族の王になるように助言した。
その言葉をうのみにし、次々に仲間を洗脳していったウッド族の王は準備を整え直ぐにアインの幻想界侵略と冥界への進行に加わった。

「とりあえず、はなしてみるか？スルト王、それでいいかな？」
「ああ、構わない。もしダメなら潰すまでだ」
ウッド族の者達も頷いた。

いざ、ウッド族の村に行くと既に争った形跡があり、ウッド族の王だった者は無惨な姿に変わっていた。
ウッド族の内部で更に分裂が起きたのだ、スルト王につくものと、ウッド族の王につくものが戦闘を行いウッド族の王は遣られたのだ。

余りに呆気ない幕引きに拓武は唖然としてしまった。
スルトからすればよくある話なのだろうが、冥界の王になってから、そんな事は１度もなかった拓武からしたら理解しがたかった。
「人間にもよくあることだろう、戦争の引きがねは、大概小さな小競り合いから始まる、今回も小さな火種が大きく燃え広がった結果だ」
スルトはそのまま先に進む。
その後を着いていく拓武達の先にウッド族が争っているのが確認できた。
拓武が戦闘を止めようとするのをスルトが止めたのだ。

「あれは種族の問題だ！王が全てに口を挟んでよいわけではないぞ拓武」

そして直ぐに決着はついた。
ウッド族の王は惨敗した。  
それに加担したウッド族も皆、無惨な最後を遂げた。

ウッド族はそのまま、スルト王の支配下に戻ると同時に拓武の支配下に入ることにもなった。
ウッド族は、森の番人として復活したのだ。

一方、竜也とバーダはオークの王である。
オークキングに会いに来ていた。
「話とはなんですかな？竜人族の王子様がわざわざ、こんな所まで来るのですから、重要な話なんでしょうが ？」

「話が早いな、スルト王が復活した、スルト王かアインか選べ、オークの王よ」