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１７章 魔王と冥王

ダンジョンチケット２５８

神々の王として人間界に知られるゼウス。

そのゼウスが天界にまで名を轟かせる拓武を面白く思わなかったのだ。

「魔界を手に入れた人間か、全くもって、不愉快だ！」

そう語るゼウスは、直ぐに天界軍を動かしたのだ。

　ゼウスにとって、今の拓武の存在は、目障りな羽虫でしかなかったのだ。

「人間が地上から離れた事実を後悔するまで何度も身の程を教えてやれ、よいな！　ヘラクレス」

「はい、父上、ヘラクレス確かに御命令をお受けいたしました」

「ガハハハ、人間とは、各もヘラクレスのように従順でなければならぬわ」

ゼウスの笑い声が宮殿に響き渡る。

ヘラクレスは直ぐに天馬隊を引き連れて、魔界へと向かうのであった。

天馬隊は、全部で２５００名、天界でも随一の機動性を持つ部隊であった。

その指揮官を勤めるヘラクレスは、ゼウスが今は亡きペルセウスの孫娘に産ませた子であり、ゼウスに絶対服従の誓いをしている。
更に不死で在るが故に恐れを知らぬヘラクレスはゼウスの最大の駒の一つであった。

「天馬隊は、此より魔界へと進攻する！　我等が王ゼウスの絶対的な加護に敗北はない！　行くぞ！」

拓武とヘラクレス、二人の戦いが始まろうとしていたのである。