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20章 新なる幕開け
ダンジョンチケット321
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運命と語るその口も声も拓武にとって只、不快な物でしかなかった。
「なら俺が来る運命も書かれているんだろ? 俺は絶対に和羽を守る」
「ええ、書いてありますとも、矢竹拓武、貴方も春野和羽の後で同じように運命と言う絶対のレールを進むことになります」
自分自身が今も矢竹拓武と呼ばれる事実に少し笑っていた。
「そうだな、今も皆が拓武と呼ぶからな、だが! 俺の存在は知らないらしいな、予言野郎に教えてやるよッ!」
拓武は全身から銀色のオーラを衣のように纏い更に赤と黒の巨大な羽を広げた。
悲しくも既に人間と呼ぶには次元を超え過ぎたその姿は次第に獣のように更なる変化を見せる。
「我名はフェンリル、凍結界の新たなる支配者であり時に縛られぬ者なり、なんてな、だが、お前は危険だ。此処で討たせて貰う!」
男は動揺した。予言に存在しない物の出現に慌てる姿を目の当たりにした拓武は姿を更に獣人のように変えると、ガザ・アッサルを手に切り無言のままにガザを赤と黒の炎で染め上げると静かに目の前の男を本諸とも切り捨てた。
「お前がゼウスを狂わせた禁書である予言の書なのは理解してる……もうお前の描く世界は存在しない」
「愚か……全ては始まる……見える……いつの日か貴様の迷宮と言う、ダンジョンを超える者が人間界を滅ぼす……アハハ……」
「簡単に人間界行きのチケットをくれてやる気はないんだがな、まぁ、構わないさ、来るなら凪ぎ払うまでだ」
既に絶命しバラけた予言の書を全て集め燃やす拓武。
全ての終わりを告げると同時にかぐやが姿を現し、拓武に頭を下げた。
「全世界が未知なる方向に動き出した。長き予言の世界は終わりを告げた、感謝するぞ拓武よ」
世界の終わりは同時に始まりを意味する。そして、日を跨ぎ新な時間の流れが構成され歯車のように回っていた運命は組みかわっていった。
「おかしな物だな、かぐや、と二人で月を眺める日が来るなんて思わなかったよ」
「ほんになぁ、しかし、本当によくやってくれた」
拓武とかぐやが月を見詰める中、静かに夜から朝へと時間は流れていった。
凍結界に戻った拓武はナノに頼み、全世界に対してメッセージを配信した。
『全世界に対し、俺は凍結界の王、矢竹拓武。今より人間界への移動を禁止する。それに対し反旗を挙げるならばゲートに入るがいい、俺は全てを力で押さえつけるつもりだ、人間界へのチケットは誰にも渡さない。以上だ』
いきなりの発言に各世界に怒りと動揺そして笑いが渦のように形を変えると次々にゲートから凍結界へと姿を現す愚かなる強者達。
そして迷宮と言うダンジョンの中に作られた複数の闘技場と呼ぶには広すぎる部屋の中、悲鳴と後悔が巻き起こる。
ダンジョンの番人達は皆が隊長を勤めし拓武の信頼する強者であり、裏を返せば、彼等が居ないからこそ世界の王や強者になった者達からすれば最大の絶望になったことであろう。
ダンジョン内を徘徊するネクロのボーンナイツとスケルトンナイツ、更に隊長である、バーダ、ベルゼ、ハデス、キーメイス、グランガイム……数多くの強者達を前に誰もがダンジョンの力をその身で感じ散っていく。
天界からのゲートに対してはスルトと拓武の待つ特別室が当てられ、神ですらダンジョン攻略は叶わない事実を全世界に知らしめた。
ーー時代が流れる。
気付けば、誰もが最初のメッセージを世界に刻んだ。何時しか語られるゲートの迷宮、その先にある世界への片道のチケットの存在。
強者達が散りし“ダンジョンチケット”全てを過去の遺産とするように閉じられていく各ゲート、世界は過去のゲートをすて人間界と月界、凍結界以外の全世界を繋ぐ新なゲートを作り何時しか六界と三界として世界は分けられていった。
月界は後に光界と呼ばれ、凍結界を試練を意味する試界と呼び人間界を幸界とした。
そして、拓武は今、幸界にいる。時は流れ、年老いた和羽と最後の別れをする為に訪れていた。
「和羽、幸せな人生だったかい? 俺はいっぱい悩み悔やむ人生になったよ」
呼吸器に繋がれた和羽は無言で笑ったように見える。
「和羽……俺は……君の為にこの世界を守るからずっと、和羽の子孫が幸せに暮らせるように」
世界を手にしようとする者がいるならば来るがいい、ダンジョンチケットは凍結の王の手の中にあるのだから……
ダンジョンチケットEND
〇●〇●〇●〇●〇
去年から出し始めましたこの作品
「ダンジョンチケット」は他のオンラインゲームでずっと書いていた1000文字縛りの日記から始まった作品でした。
最初は誰でも読めるくらいの気楽な気持ちで書き始め毎日更新してきました。
それも無事に終わりました。
色々な思いがありますが、またアルファポリスで作品を出すことがあればその際にはよろしくお願いいたします。
無事に始めて書いた作品を完結に出来て幸せです。(。・ω・。)ゞありがとうございました。
「なら俺が来る運命も書かれているんだろ? 俺は絶対に和羽を守る」
「ええ、書いてありますとも、矢竹拓武、貴方も春野和羽の後で同じように運命と言う絶対のレールを進むことになります」
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「そうだな、今も皆が拓武と呼ぶからな、だが! 俺の存在は知らないらしいな、予言野郎に教えてやるよッ!」
拓武は全身から銀色のオーラを衣のように纏い更に赤と黒の巨大な羽を広げた。
悲しくも既に人間と呼ぶには次元を超え過ぎたその姿は次第に獣のように更なる変化を見せる。
「我名はフェンリル、凍結界の新たなる支配者であり時に縛られぬ者なり、なんてな、だが、お前は危険だ。此処で討たせて貰う!」
男は動揺した。予言に存在しない物の出現に慌てる姿を目の当たりにした拓武は姿を更に獣人のように変えると、ガザ・アッサルを手に切り無言のままにガザを赤と黒の炎で染め上げると静かに目の前の男を本諸とも切り捨てた。
「お前がゼウスを狂わせた禁書である予言の書なのは理解してる……もうお前の描く世界は存在しない」
「愚か……全ては始まる……見える……いつの日か貴様の迷宮と言う、ダンジョンを超える者が人間界を滅ぼす……アハハ……」
「簡単に人間界行きのチケットをくれてやる気はないんだがな、まぁ、構わないさ、来るなら凪ぎ払うまでだ」
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「全世界が未知なる方向に動き出した。長き予言の世界は終わりを告げた、感謝するぞ拓武よ」
世界の終わりは同時に始まりを意味する。そして、日を跨ぎ新な時間の流れが構成され歯車のように回っていた運命は組みかわっていった。
「おかしな物だな、かぐや、と二人で月を眺める日が来るなんて思わなかったよ」
「ほんになぁ、しかし、本当によくやってくれた」
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凍結界に戻った拓武はナノに頼み、全世界に対してメッセージを配信した。
『全世界に対し、俺は凍結界の王、矢竹拓武。今より人間界への移動を禁止する。それに対し反旗を挙げるならばゲートに入るがいい、俺は全てを力で押さえつけるつもりだ、人間界へのチケットは誰にも渡さない。以上だ』
いきなりの発言に各世界に怒りと動揺そして笑いが渦のように形を変えると次々にゲートから凍結界へと姿を現す愚かなる強者達。
そして迷宮と言うダンジョンの中に作られた複数の闘技場と呼ぶには広すぎる部屋の中、悲鳴と後悔が巻き起こる。
ダンジョンの番人達は皆が隊長を勤めし拓武の信頼する強者であり、裏を返せば、彼等が居ないからこそ世界の王や強者になった者達からすれば最大の絶望になったことであろう。
ダンジョン内を徘徊するネクロのボーンナイツとスケルトンナイツ、更に隊長である、バーダ、ベルゼ、ハデス、キーメイス、グランガイム……数多くの強者達を前に誰もがダンジョンの力をその身で感じ散っていく。
天界からのゲートに対してはスルトと拓武の待つ特別室が当てられ、神ですらダンジョン攻略は叶わない事実を全世界に知らしめた。
ーー時代が流れる。
気付けば、誰もが最初のメッセージを世界に刻んだ。何時しか語られるゲートの迷宮、その先にある世界への片道のチケットの存在。
強者達が散りし“ダンジョンチケット”全てを過去の遺産とするように閉じられていく各ゲート、世界は過去のゲートをすて人間界と月界、凍結界以外の全世界を繋ぐ新なゲートを作り何時しか六界と三界として世界は分けられていった。
月界は後に光界と呼ばれ、凍結界を試練を意味する試界と呼び人間界を幸界とした。
そして、拓武は今、幸界にいる。時は流れ、年老いた和羽と最後の別れをする為に訪れていた。
「和羽、幸せな人生だったかい? 俺はいっぱい悩み悔やむ人生になったよ」
呼吸器に繋がれた和羽は無言で笑ったように見える。
「和羽……俺は……君の為にこの世界を守るからずっと、和羽の子孫が幸せに暮らせるように」
世界を手にしようとする者がいるならば来るがいい、ダンジョンチケットは凍結の王の手の中にあるのだから……
ダンジョンチケットEND
〇●〇●〇●〇●〇
去年から出し始めましたこの作品
「ダンジョンチケット」は他のオンラインゲームでずっと書いていた1000文字縛りの日記から始まった作品でした。
最初は誰でも読めるくらいの気楽な気持ちで書き始め毎日更新してきました。
それも無事に終わりました。
色々な思いがありますが、またアルファポリスで作品を出すことがあればその際にはよろしくお願いいたします。
無事に始めて書いた作品を完結に出来て幸せです。(。・ω・。)ゞありがとうございました。
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相変わらずの誤字ありきですねwww
他のも読みたくて来ましたょ(*´∀`*)
続き楽しみに待ってます♪
ありがとうございます。(*≧∀≦*)
嬉しいです。
誤字ありきで、すみません(><)
2ヶ所にて書いていて修正が追い付いておりません。
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。
ダンジョンチケット3を読んで
和羽『おはよー。ちゃんはしたくしてる』 ×
和羽『おはよー。ちゃんと支度してる』 ◯
かなと思います。
それと、朝テレビを見てるシーンですが、アメリカとの時差を考えると、拓武が朝のテレビを見てる時間に、アメリカでも一夜開けているのは不自然かもされません。
3話までしかまだ読んでいませんが面白いです!!
これからも頑張ってください。
ありがとうございます(。´Д⊂)時差まで考えていませんでした。
作者が初めて書いた頃の ままなので時間を見て修正します。(><)貴重な御意見ありがとうございます。
とても面白いです。
続きにとっても期待しています。
頑張ってください。応援しています。